〈プロ解説〉安いプロジェクターおすすめ16選 選び方を徹底解説
映画鑑賞やゲームプレイなどで迫力のある映像体験を提供してくれるプロジェクター。今や手頃な価格で手に入るモデルが増えてきています。
とはいえ、品質を妥協したくはないですよね。コスパに優れたモデルの中から、自分にあった1台を見つけましょう。
そこでこの記事では、IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志さんによる、安いけれど品質の高いプロジェクターの選び方やおすすめ商品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
「低価格」をどこで線引きするのかは難しいところですが、目安としては「10万円以下」といったところでしょうか。5万円以下で購入できるノーブランド(非・大手メーカー製)のプロジェクターもありますが、ある程度名の知れたメーカー製となると5~10万円くらいを目安にすると良いでしょう。
目次
▼プロジェクターにあわせてスクリーンを検討中の方は以下の記事も参考にしてください。
まずは筆者おすすめ、プロジェクター3選
- アンカー・ジャパン株式会社
-
Anker Nebula Cosmos
- 税込み89,990円(楽天市場)
-
Android TV搭載で、手軽に動画コンテンツを楽しめる
-
楽天ブラックフライデー開催中!楽天市場で見る
おすすめポイント
輝度は900ルーメンで、80インチサイズのスクリーンでも十分な明るさで楽しめるフルHDプロジェクターです。Android TVを搭載しており、YouTubeやNetflix、Amazonプライムビデオ、Hulu、Disney+など3600以上のアプリを通じてさまざまなコンテンツを楽しめます。2.13mの距離で80インチサイズと、比較的短焦点での映像投写が可能なのも魅力です。台形歪み補正機能はタテ方向が自動で、ヨコ方向は手動での調整が可能。オートフォーカス機能も備えているので、設置のしやすさも魅力になっています。
おすすめポイント
輝度は700ルーメンとそれほど明るくはありませんが、設置場所に悩むことなくカジュアルに大画面映像を楽しめるのが魅力です。台形歪み補正機能はタテ、ヨコどちらもマニュアルで調整可能で、オートフォーカス機能も備えています。部屋の天井に配置されている照明取り付け金具に設置できる、LEDシーリングライト一体型プロジェクターです。照明金具からスクリーンまでの距離が決まってしまうのが難点ですが、1.16mで60インチ、1.47mで80インチの投写が可能な短焦点レンズを搭載しているので、それほど広くない部屋でも大画面を楽しめます。
▼「popIn Aladdin 2」の公式動画がこちら
- 日本エイサー株式会社
-
H6541BD
-
生産終了
※後継モデル「H6542BDK」
税込み219,400円(楽天市場) -
圧倒的な明るさを誇るスタンダードプロジェクター
おすすめポイント
4,000ルーメンもの明るさを実現したフルHDプロジェクターです。上下方向の映像の歪みを調整するタテ台形歪み補正機能を搭載しているほか、1.1倍ズームレンズを搭載しており、2.6~2.9mで80インチの映像投写が可能です。120Hz(秒間120フレーム表示)が可能なので、スポーツやゲームなどの動きの速い映像でもなめらかに表示できます。HDMIケーブル経由でBDプレーヤーやレコーダーなどと接続して視聴するタイプで、単体では動画配信サービスなどを利用することはできませんが、明るいリビングなどでさまざまなコンテンツを楽しみたい人にぴったりです。また、3D映像表示も可能なので、3Dコンテンツを楽しみたい人にもおすすめです。
プロジェクター選びで注目したい、2つの機能
プロジェクターを選ぶ上で最も重要になるのが「パネル解像度」と「輝度(ルーメン数)」です。
パネル解像度はフルHDが主流
パネル解像度とは、スクリーンに投写するための表示機器(液晶プロジェクターなら液晶、DLPプロジェクターならDLPチップと呼ばれる機器のこと)の解像度を示しています。
大画面テレビでは「4K(3,840×2,160画素)」が主流ですが、プロジェクターでは「フルHD(1,920×1,080画素)」がまだ主流で、4Kモデルも増えてきています。
ただし、安いプロジェクターの場合には注意が必要です。製品情報に「フルHD(1,080P)対応」とうたう製品は多いものの、これが「フルHD映像の入力」に対応しているだけで、実際のパネル解像度は「720P(1,280×720画素)」もしくはそれ以下というものも少なくありません。
ポイント解説
投写するスクリーンサイズが数十インチ程度であれば、フルHDに満たないプロジェクターでも十分に満足できる可能性はありますが、できるだけフルHD以上の製品を選ぶことをおすすめします。
ルーメン数が高いほど大画面でも明るく
「輝度(ルーメン数)」とは、スクリーンに投写するためのLEDランプや水銀ランプ、レーザー光源などの明るさを示しています。輝度が高いほど大画面投写しても画面が暗くならずに楽しめます。
また、ホームシアター専用室ではなく、真っ暗にしにくいリビングルームなどで視聴する場合、もしくは比較的明るい部屋で視聴したい場合などにも、輝度が高いモデルほど明るく投写できるので便利です。
ポイント解説
輝度の目安ですが、80インチのスクリーンに投写する場合、遮光カーテンなどで部屋を暗くすることができれば、1,000ルーメン以上あるモデルだと安心です。昼間の明るいリビングなどで試聴したい場合は、2,000ルーメン以上あるモデルを選びましょう。
高価格帯モデルとの違いは「映像表現力」
Photo by iStock
低価格プロジェクターと高価格帯モデルとの違いは「映像表現力」です。いわゆる「解像度」や「明るさ」のスペックだけではなく、高コントラストで「暗部階調性が高い」など、より映像に没入しやすく、映像の細部まで再現できる表現力の高さが高価格帯モデルの方が上であることが多いです。
例えば、4K放送やUltra HD Blu-rayなどに採用されている高コントラスト映像表現が可能な「HDR(ハイダイナミックレンジ)」規格への対応、前後のフレームを比較して中間フレームを自動生成する「フレーム補間」などの機能もあります。
ほかにも、ノイズ低減機能、より細かい画質調整機能など、高画質を訴求する高級モデルほど豊富に備えています。
低価格モデルで十分な場合が
真っ暗にしたシアター専用室で存分に映画を楽しみたい人でなければ、低価格プロジェクターでも十分です。高価格帯モデルに比べて細かい映像表現には若干劣る場合もありますが、逆に細かい映像表現にこだわるプロジェクターほど明るさが抑えめという場合もあります。明るいリビングなどでは価格の安い高輝度プロジェクターの方が実力を発揮することもあります。
安いプロジェクターの選び方
安いプロジェクターの選び方について6つのポイントを解説します。
①スクリーンサイズと設置する環境をチェック
まずは、プロジェクターを設置したい部屋の大きさ、スクリーンのサイズと位置、投写距離(スクリーンからプロジェクターの前面までの距離)を確認します。
投写距離とスクリーンサイズの比率はプロジェクターによって異なりますが、60インチなら約1.6m、80インチなら約2m、100インチなら約2.7mといったように、各製品の仕様表(スペック)にスクリーンサイズごとの投写距離が記載されています。
プロジェクターのスペックを確認することで、どのくらいのスクリーンサイズまで設置できるのか、自分が設置したいスクリーンサイズはどのくらいで、それにはどのくらいの明るさのプロジェクターが必要なのかわかります。
一部には、ズームレンズを搭載したモデルもあります。同じ設置場所でもスクリーンサイズを調整できるため、制限のある設置場所でもスクリーンいっぱいに映像を表示したいという人はズーム機能にも注目しましょう。
②スクリーンサイズに合わせた輝度で選ぶ
次に、設置するスクリーンサイズに合わせて必要なプロジェクターの輝度(ルーメン)を確認しましょう。
画面の明るさを測る単位に「cd/㎡(カンデラ毎平方メートル)」というものがあります。標準的な液晶テレビの最大輝度が300 cd/㎡程度なので、その程度の明るさがあれば大画面の映像でも十分に楽しむことができます。
では、家庭用プロジェクターの一般的なスクリーンサイズで、300 cd/㎡程の輝度を実現するルーメン数はどれくらいなのか、目安について以下を参考にしてみてください。
- 40インチ程度:500ルーメン(362 cd/㎡)
- 60インチ程度:1,000ルーメン(321 cd/㎡)
- 80インチ程度:2,000ルーメン(362 cd/㎡)
- 120インチ程度:4,000ルーメン(321 cd/㎡)
もっと詳しくプロジェクターのルーメン数について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
ポイント解説
ただし、真っ暗な部屋で視聴する場合は、スクリーンサイズがルーメン数にあった目安よりも大きくても大丈夫です。逆に明るめの部屋で視聴する場合は、80インチでも3,000ルーメン、4,000ルーメンが必要になる場合もあるので、あくまでも参考値として覚えておきましょう。
プロジェクターの仕様には「コントラスト比」も記載されていますが、これはシンプルに「全白」と「全黒」の差を表しているだけなので、実はあまりあてにはなりません。
「コントラスト比が高い=高画質」と判断できるものではないので、あまり気にする必要はありません。
③映画などを楽しみたいならフルHD
低価格プロジェクターには、フルHDを下回るパネル解像度を採用しているモデルもあります。50インチを超えるテレビの場合、フルHDと4Kの差は見てすぐ分かるほど歴然としていますが、プロジェクターの場合はそこまで画素がくっきりと表示されるわけでもないため、それほど解像度の差を感じることはありません。
とはいえ、映画などを楽しみたいのであれば、フルHD以上の解像度のモデルを選ぶことをおすすめします。4Kプロジェクターも比較的安くなってきてはいるものの、10万円を切るモデルはほとんどありません。基本的にはフルHDに絞って比較するのをおすすめします。
④台形歪み補正やオートフォーカス
プロジェクターをスクリーンの真正面に配置できる場合は問題ないのですが、斜めに設置しなければならない場合などに必要になるのが「台形歪み補正機能」です。
正面の左や右に設置する場合は「ヨコ台形歪み補正」、上や下に設置する場合は「タテ台形歪み補正」機能が必要になります。さらに、プロジェクターを設置するだけで自動的に歪みを補正してくれる自動補正対応モデルもあります。
そのほか、映像のフォーカスを自動調整する「オートフォーカス機能」を搭載するモデルもあります。
常に同じ場所に設置するのであれば、台形歪み補正もフォーカスも最初に一度設定するだけで大丈夫です。しかし、見る時だけ保管場所から取り出して設置する場合には、毎回微調整が必要になることもあります。
そういう使い方を想定している方は、自動調整機能もしっかりチェックしましょう。
⑤Android系OSを搭載しているか
最近のプロジェクターは、モバイルプロジェクターを中心に「Android TV」などスマートフォンと同じAndroid系OSを搭載するモデルが増えています。
このOSを搭載するプロジェクターの場合、一般的なプロジェクターと同様にHDMIケーブルによる接続が可能なだけでなく、本体だけでYouTubeやNetflix、Amazonプライムビデオ、Huluなどの動画配信サービスを視聴できます。
ポイント解説
BDプレーヤーやレコーダーなどを接続せずに動画配信サービスだけ楽しみたいという人は、Android OSを搭載するプロジェクターがおすすめです。
そのほか、モデルによってSDカードスロットやUSB端子を搭載するモデルもあります。これらのモデルは動画や写真を入れたSDカードやUSBメモリーなどを接続することで動画や写真を再生したりできるので、そういった使い方をしたい人はチェックしましょう。
⑥内蔵スピーカーもあると便利
プロジェクターにはスピーカーを内蔵するモデルもあり、一部にはステレオスピーカーを搭載して高音質をうたうモデルなどもあります。優先順位は決して高くありませんが、別途スピーカーを接続しなくても本体だけで映像と音声を楽しめるので、あると便利なのは確かです。
ポイント解説
薄型テレビと比べると、プロジェクターはスクリーンを設置したり、接続設定を行ったりと、導入に少しハードルがあるのは確かです。しかし薄型テレビではなかなか難しい80インチや100インチ、さらには120インチといったかなり大きなスクリーンに投写し、迫力ある映像を楽しむことができます。一度設置してしまえば、いつでも大画面映像を楽しめるようになりますので、興味がある方はぜひ検討してみてください。
▼安蔵靖志さんには、プロジェクターの選び方について、さらに解説していただきました。あわせて参考にしてください。
〈編集部PICK UP〉安いプロジェクター、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数あるプロジェクターの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの製品を紹介します。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重さ |
解像度 |
輝度 |
投写距離 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
【筆者おすすめ】アンカー・ジャパン株式会社 Anker Nebula Cosmos |
Android TV搭載で、手軽に動画コンテンツを楽しめる |
約28.9 (幅)×19.8(高さ)× 8.8(奥行)cm |
約2.0kg |
フルHD1,080p(1,920×1,080) |
900ANSI lm |
〜3.18m(スクリーン最大120インチ対応) |
|
【筆者おすすめ】popIn popIn Aladdin 2 |
プロジェクターの常識を覆した、照明内蔵型モデル |
47.6(幅)×14.5(高さ)×47.6(奥行)cm |
4.9kg |
フルHD1,080p(1,920×1,080) |
700 ANSI lm |
記載未確認(設置距離0.85m〜2.09m) |
|
【筆者おすすめ】日本エイサー株式会社 H6541BD |
圧倒的な明るさを誇るスタンダードプロジェクター |
約31.5(幅)×10.5(高さ)×25.6(奥行)cm |
約2.9kg |
フルHD1,080p(1,920×1,080) |
4,000 ANSI lm(標準)、3,200 ANSI lm(ECOモード) |
1~10m |
|
Anker(アンカー) Nebula Apollo |
350ml缶サイズで持ち運びラクラク |
約幅65×長さ65×高さ131mm |
約579g |
最大1080p |
200ANSIルーメン |
1.15~3.08m(40~100インチ) |
|
Anker(アンカー) Nebula Astro |
子どものいる家庭に配慮した設計 |
約91.2×82×89.2mm |
約380g |
854×480px |
100ANSIルーメン |
0.87~3.08m(30~100インチ) |
|
Anker(アンカー) Nebula Capsule 3 |
高輝度と優れた携帯性が◎ |
約直径78×高さ160mm |
約850g |
1920×1080px |
200ANSIルーメン |
1.6~3.18m(60~120インチ) |
|
Anker(アンカー) Nebula Nova |
最大120インチ画面でフルHDを堪能 |
約478×170mm |
約4.7kg |
1920×1080px |
800ANSIルーメン |
0.85~2.09m(40~120インチ) |
|
Anker(アンカー) Nebula Capsule Pro |
350ml缶サイズのコンパクトモデル |
約直径68×高さ120mm |
約470g |
854x480 |
150ANSIルーメン |
1.15~3.08m(40~100インチ) |
|
Acer(エイサー) H6518STi |
1.1mで最大100インチの画面を投影 |
幅313×奥行255.3×高さ100.2mm |
2.95kg |
フルHD(1080p) |
3,500lm(ANSI) |
0.5~3.4m |
|
EPSON(エプソン) EB-E01 |
ビジネスシーンでも活用可能 |
幅302×奥行234×高さ77mm |
約2,400g |
XGA(1024×768) |
3,300lm |
0.87~8.86m(30~300インチ) |
|
Aladdin X(アラジン エックス) Aladdin X2 Plus |
部屋のレイアウトを変えずに設置したい方に |
幅476x奥行476×高さ145mm |
4.9kg |
1080p |
900ANSIルーメン |
0.85~2.09m(40~120インチ) |
|
BenQ GV31-JP |
回転機構で壁にも天井にも投影OK |
幅131.3×高さ203.2×奥行191.4mm |
1.7kg |
1920x1080 |
300ANSIルーメン |
2.1~2.7m(80~100インチ) |
|
EPSON(エプソン) EB-W06 |
3LCD方式、明るい部屋でも使える |
幅302×奥行234×高さ77mm(突起部含まず) |
約2.5kg |
1280×800px |
3,700lm |
1.72~10.49m |
|
ORION(オリオン) OP-1001W |
ランプ寿命30,000時間と息の長いモデル |
約幅270×奥行220×高さ105mm |
約1810g |
解像度:800×480(サポート:1920×1080) |
104 ANSIルーメン |
記載未確認(30~120インチ) |
|
GREEN HOUSE(グリーンハウス) GH-PJTD |
モバイルバッテリーからの給電に対応 |
幅127.5×奥行87.9×高さ50.5mm |
約251g |
320×240px |
AC電源 8ANSIルーメン/USB電源 3ANSIルーメン |
約1~2m(30~60インチ) |
|
FunLogy(ファンロジー) FunLogy HOME2 |
最大207インチの画面サイズに対応 |
幅230×奥行190×高さ89mm |
1.25kg |
標準/1280×720px、対応/1920×1080px |
200ANSIルーメン |
最短110cm(35~207インチ) |
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