Zマウントを活かした高画素モデル
「Z7II」は、最大口径55mmのZマウントの「豊富に光を取り込む」特性を活かし、高画質での撮影を可能にするカメラです。最大の特徴は有効画素数4575万画素という圧倒的な画素数。Z6IIと共に発売されたZシリーズの新作であり、従来の良さはそのままに、細部が大幅に改善されています。
特に目立つ変更点は、デュアルエンジンを搭載したことです。旧モデルでは一つだった高速画像処理エンジン「EXPEED 6」がZ7 IIでは二つに。画像処理速度が速くなったことで約10コマ/秒で最大77コマまで連写できるようになりました。連写性能の向上だけでなく、暗い場所でのAF性能や書き込み速度も進化しています。
さらに、撮像素子に高画素仕様の裏面照射型CMOSセンサーを採用。感度全域で処理可能な光の幅が広く、多彩な階調表現が可能です。
AF性能が進化、捕捉力も抜群
撮像範囲の水平、垂直約90%という広範囲を493点のフォーカスポイントがカバー。ボタンを押している間被写体にピントを合わせ続けられる[ターゲット追尾AF]では、一眼レフカメラの3D-トラッキングに似た操作感を味わえます。
また、瞳AF・顔検出AFと動物AFも使用可能。[ワイドエリアAF]では動きのある被写体に安定したピント合わせが可能です。新たな機能として[フォーカス位置の記憶]も。電源OFF時もピント位置を記憶させられる機能で、風景撮影や星空の撮影などシャッターチャンスを待ちたい時に活躍します。
ダブルスロットを搭載し安定性が向上
CFexpress(Type B)/XQD カードと、UHS-II 規格対応のSD カードを使用できるダブルスロットを搭載しており、PCI Express(PCIe)Gen3にも対応しています。
書き込み速度が高速になるだけでなく、プロの機材に必要な信頼性も向上しています。
バッテリー面でも大幅な改良が。パワーセーブモードを搭載し、同梱バッテリー容量を拡大。動画撮影可能時間はモニター使用時で約105分増えました。
別売りの「パワーバッテリーパック MB-N11」を使うと、スチル撮影の際電源を入れたまま中断せずにバッテリー交換(ホットスワップ対応)ができたり、MB-N11側のUSB端子からUSB給電(両C端子のケーブル)しながら、カメラ側USB端子ケーブルでの動画機器との通信、PCとの接続によるテザー撮影が可能です。
ファインダーへのこだわり
電子ビューファインダーを採用。光学ビューファインダーに勝るとも劣らないクリアな視界を実現しています。
動画撮影用のカメラとしても進化
容量が軽く編集もしやすいBlackmagic Rawに対応。4K60pでよりシネマライクな映像収録が可能になっています。動画撮影時には5.0段の高いブレ補正効果を発揮するカメラ内VRと、ブレを画像処理で軽減する動画専用の「電子手ブレ補正」機能が連携してくれるので、手持ちでも安定して撮影できます。
Nikon Z7Ⅱの使用動画と記事はこちら
コメント
Z 7Ⅱは、使ってみて初めてその完成度がわかるカメラです。
初代機のZ 7はNikonらしいボディの作りこみ(ボディの堅牢さ、描写力の高さ)だったのですけど、40万円クラスのカメラなら当然だと思われていた仕様のデュアルスロットが無く、発売時には瞳AFも非搭載でした。(ファームウェアアップデート2.0で瞳AF対応)
Z 7Ⅱはボディの形状は初代機とほとんど変わらないけど、実際に使ってみると、Z 7の良かった部分をしっかり活かして、完成度を高めたカメラだとわかりました。
まず、映像エンジン「EXPEED 6」を2基搭載することによって画像処理スピードがアップ。連写は約9コマ秒から約10コマ秒とわずかな数値変化なんですけど、連続撮影枚数が大幅パワーアップしました(最大約23コマから最大約77コマ)。
鳥の撮影をする時に連写ストップを気にせず、気持ちよく撮影出来ました。
私は風景撮影が好きで、よく山や湖に出かけます。栃木県日光の霧降高原にZ 7Ⅱを持って行って撮影した時には、見やすいEVFにZレンズの高い描写力で撮影が楽しめました。Nikonのカメラは長年培った操作系を維持した作りをしてくれているので、寒い場所で手袋をしたままでもカメラが使いやすいのも魅力です。
細かいところだと電源OFF時にフォーカス位置を記憶する機能が、自分が好きなポジションにピントを置いておけるので写真を撮るのに便利でした。
ただ、バッテリーの持ちはもう少し頑張ってほしいかなぁ。ファインダー使用時パワーセーブモードで最高約380コマ。ライバルメーカーだと500コマを超えるモデルもあります。
実際に使ってみてバッテリー残量を気にしながら撮影するのは嫌なんですけど、私の風景撮影は1日で300から500枚程度が多いので、その使用でバッテリー切れになる事はありませんでした。
Z 7Ⅱは、Nikonが現時点で作り上げられる最高のカメラです。
特に新しいZマウントレンズとの相性が抜群で、その描写力は多くのカメラファンが満足いくレベルだと言えます。
私のお気に入りは「NIKKOR Z14-24mm F2」「NIKKOR Z70-200mm F2.8」です。
どちらも高額なレンズですけど、撮影後に撮れた写真を見ると「解像感」「色味」、本当に感動するレベルです。
特にNikonのこのクラスのZマウントレンズは「ナノクリスタルコート」と「アルネオコート」を採用していてゴースト、フレアを上手く抑制してくれます。太陽の光が強い逆光の写真でも思い切りシャッターを切れました。
2018年初代Z 7発売時の頃はZマウントレンズが少なかったものの、2021年現在は16本もの魅力的なラインナップになってます。レンズ交換式カメラで重要な「大三元レンズ」も揃いました。
アマチュア・プロ問わず思い切りZマウントカメラを使って楽しめる環境になったと言えます。もちろんまだ足りないレンズもありますけど、そこは今後の楽しみですね!
「操作性がよく、純粋に高画質な写真を撮りたい」と言う人にはZ 7Ⅱは特にお勧めしたいカメラです。