圧倒的な描写力
「Nikon Z 6」の2世代目として発売されたのがこちらの「Z 6Ⅱ」。Z6の良さを引き継ぎながら機能を向上させたカメラです。ISO感度は静止画撮影時に100-51200で、さらに処理速度の速いEXPEED 6を2基搭載した画像処理エンジン「デュアルEXPEED 6」を採用。ノイズを遮りながら高速で画像を処理しているので、その描写力は圧倒的です。
20種類のクリエイティブピクチャーコントロールでは、背景や天気に合わせて雰囲気を変えることができます。また、ミドルシャープコントロールでは被写体の輪郭を調節。同じ風景を撮影しても微妙な表現の違いを楽しめます。
アクティブD−ライティング機能では適度な色のコントラストを保ち、実際の見た目に近い写真に。効果の度合いを強くしても色相がずれたりせず、優れた色再現性を維持します。
連写性能も向上
Nikonが同じく発売している「Z 7Ⅱ」の有効画素数は4575万画素であるのに対し、「Z 6Ⅱ」は2450万画素となっています。センサーサイズが同じで有効画素数がZ 6Ⅱのほうが少ないことから、余裕を持って連写が可能に。Z 7Ⅱは最高10コマ秒連写であるのに対し、Z 6Ⅱは最高14コマ秒連写と大きな違いが。
容量が比較的少なくなるという観点からも、2450万画素でも十分であるという方(趣味で使いたいという方など)や、連写機能を生かして動く被写体を撮りたいという方には特におすすめできるカメラとなっています。
安定した操作性
デュアルカードスロットになったことにより厚さが2mm増えましたが、重さや持ちやすさには体感的な変化は感じられません。Nikonらしい堅牢な作りのカメラとなっていて、グリップも持ちやすく安定しています。
カメラブレを直接検知するジャイロセンサーと高度な画像解析技術によってブレを自動で補正。また、上下左右とRollの計5軸のブレを補正し、幅広い状況下で高い効果を発揮します。カメラの電源OFF時にVRユニットを固定するロック機構を搭載しており、VR機構の耐久性を高めています。
電子ビューファインダーの性能も向上しており、連写時にも被写体を逃しません。接眼部の保護レンズにはフッ素コートを採用しており、防汚性能を高めつつレンズフレアの発生も抑えています。
ハイアングルやローアングル撮影の際、以前のモデルは体がかぶるとモニターを覗いていると認識されて背面モニターが消えてしまいました。今回発売されるモデルではファインダーをふさいでも背面モニターが消えなくなりました。実はかなり嬉しい改善点です。
暗所での撮影にも強い
暗所で活躍する低輝度性能を改善したことから暗所での撮影がさらにしやすくなりました。-4.5EVまで高精度なオートフォーカスが可能で、さらに「ローライトAF」機能を使うことで最大-6EVの暗さまでAF撮影が行えます。
オートフォーカス機能に関しては改善の余地あり
顔認識・瞳オートフォーカス機能は、「Z7」や「Z6」といった同社のカメラに比べると確かに性能は良くなりました。従来のオートフォーカスに加えて、動きのある被写体の撮影で安定したピント合わせができるワイドエリアオートフォーカスにも対応しています。
しかし、オートフォーカスが売りのカメラと比べるとトップレベルとは言えない印象です。遠くからの撮影の際にフォーカスが外れてしまうケースがあります。
ただしこのカメラは描写力がとても良いので、オートフォーカスが「Z 6Ⅱ」よりも機能しているカメラで撮った写真と比べても遜色ない、あるいはそれを上回る写真を取ることができるスペックを持っています。