Culture

姫路の名刹「圓教寺」にチームラボ 歴史ある空間で楽しむデジタルアートの妙味とは

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鑑賞空間もまたアートの一部に他ならないーー。兵庫県姫路市の書寫山圓教寺(しょしゃざん・えんきょうじ)で開かれているアート集団「チームラボ」の展示を見た時、筆者は改めてそう感じた。

「西の比叡山」

姫路といえば、真っ先に思い浮かぶのが「白鷺城」の愛称で親しまれる国宝姫路城だろう。奈良の法隆寺と共に1993年12月、日本で初の世界文化遺産となっている。以前、運よく桜が満開の時に訪問したことがあり、それは実に見ごたえがあった。

姫路駅から1.5kmほどの姫路城に対して、圓教寺に行くのは手間がかかる。バス(約30分)→ロープウェイ(約4分)→マイクロバス(数分)と乗り継いで向かった。機材がなければ、最後のマイクロバスのかわりに、参道を約1km歩く選択肢もあった。

圓教寺は「西の比叡山」とも称される名刹だ。bouncyにも出てもらった俳優・渡辺謙さんが出演した映画「ラスト サムライ」やNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」などのロケ地になっている。訪問した2023年6月下旬には、外国人観光客の姿も目についた。

「三之堂」を構成する食堂で

チームラボの展示「認知上の存在」は、食堂(じきどう)で開かれている。食堂とは、僧侶が修行し、寝て食事をする場所だという。

食堂は、大講堂と常行堂と繋がっている。この三つが圓教寺の「三之堂」として知られている。2階建ての食堂の入口から階段を上がっていくと、常行堂で座禅をしている男性がいた。チームラボの展示会を記念して、座禅体験を無料で実施していると案内が出ていたから、その参加者かもしれない。

国指定重要文化財の食堂は、かなり大きい。その1階部分、全長約38mの奥行きを活かして、チームラボの2作品が展示されていた。

入口から入ってすぐにあるのが「質量のない太陽、歪んだ空間」。光の球体が点滅していた。

贅沢な抜けた空間

その奥に足を運ぶと「我々の中にある巨大花火」があった。細い線の光が放射状に無数に広がっていた。

2作品とも、その魅力を文字で表現するのは難しい。暗い空間にあるため、映像でも伝えにくい。

筆者が言語化して伝えられるのは、2作品とも国指定重要文化財の食堂だからこそ、成り立っているということだ。食堂は長い風雪に耐え、味わいと存在感を放つ。さらに、遮るものがなく、どーんと抜けているのも贅沢だ。その独特の鑑賞空間は、間違いなくアートの一部になっていた。こうした作品形態をインスタレーションという。

写真や映像では姫路市立美術館の女性を入れて、寄りで撮った。しかし、実際の現場では離れて見るもよし、移動して近づくのも面白し、だった。

姫路市立美術館でも関連企画展

圓教寺内での展示は、2023年12月3日まで。チケット料金は全て税込みで、一般500円、高校・大学生200円、小中学生100円、未就学児は無料。

また、姫路市立美術館でも関連企画展が2024年1月21日まで開かれている。「無限の連続の中の存在」のタイトルで、前期は2023年10月9日まで。作品を入れ替えた後期は2023年10月21日~2024年1月21日まで。

こちらのチケット料金は同じく税込みで、大人1500円、高校・大学生1100円、小中学生700円。

CREDIT
Videographer/Writer/SNS :高野 真吾

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