テレワークで求められる「テキストコミュニケーション力」13個のポイント!

小澤 美佳
2021-10-20

コロナ禍のテレワークの増加にともない、オンライン会議だけでなく、チャットツールやメールを使ったテキストのコミュニケーションが増えた方も多いのではないでしょうか。今回は、テレワークで必要度が非常に高まったと言われる“テキストコミュニケーション”のスキルについてご紹介します。


「あれやっといて」が通じづらい

毎朝オフィスに通勤し、対面でやりとりをしていた頃は「この前話したあれって今どんな感じ?」とか「この資料のここ、良い感じに直しておいて」などといったニュアンスの会話が成立しやすかったかもしれません。

しかし、テレワーク環境において曖昧な表現は、業務の非効率や、無用なミスの原因になる可能性があります。例えば「あれやっといて」という指示に対して、対面ならその場で聞き返して「あれ」の具体的な内容を確認できますが、テキストコミュニケーションの場合は依頼とにタイムラグがあるので、確認(お互いの合意)がしづらくなってしまいます。

「あれ」の内容をはっきりと確認しないまま業務を進めた結果、トラブルや後戻りが発生することもあるでしょう。こうしたミスコミュニケーションを重ねると、お互いの信頼度が下がったり、ストレスが増えてしまうでしょう。

テキストコミュニケーションが重要に

株式会社リクルートマネジメントソリューションズが2020年4月に実施した「テレワーク緊急実態調査」によると、テレワークによってコミュニケーションのチャネルと内容に変化があることが分かりました。
チャネルの変化では「ビデオや音声での会話」「メールなどでの情報共有」「チャットなどの同時性の高いテキストコミュニケーション」が[増える・やや増える]と回答した人が60%程度になりました(※1)。

つまり、対面で行われていた会話が、別のチャネル変化した場合も、すべてビデオや音声に移行するのではなく、テキストコミュニケーションで補われているということです。
また、同調査では約8割の人が”テレワークで最も必要度が高まる”のは、「文章を通じたコミュニケーションのスキル」、つまり文章で人に情報や意見を分かりやすく伝えることができるスキルだと回答しています。

※1) 質問項目に、[増える・やや増える]と回答した人の割合
「ビデオや音声での会話」59.8%、
「メールなどでの情報共有」65.6%
「チャットなどの同時性の高いテキストコミュニケーション」59.1%

(出典)株式会社リクルートマネジメントソリューションズ、【調査発表】テレワーク環境下で管理職が不安に感じていることや個々が身に付けておくべきスキルが明らかに!テレワーク実態調査 結果を発表(前編)

当社(株式会社ニット)はフルリモートで事業を運営しているため、相手の顔が見えず、感情を読みとりにくいテレワークだからこそ、一人ひとりが自律的に働ける環境づくりや、指示を正しく伝えるための言葉選びを日々意識しています。

こうしたテレワークにおけるコミュニケーションの課題を踏まえ、テキストで円滑にやりとりをするためのポイントをご紹介します。

文章で正しく意図を伝えるための4つのカギ

1.文章を書く順番を意識する

最初に結論を書きましょう。短く簡潔に書くのがポイントです。次に、その結論に至った背景・理由、詳細の順に書くと良いでしょう。これを逆にしてしまうと、結論を知るために上から下までじっくりと読む必要があり、結果として相手に負担をかけてしまいます。結論から入ることで、自分の意図をスムーズに相手に伝えられます。

2.シンプルかつ、わかりやすく用件を伝える

用件を明確に伝えるよう心がけましょう。特に忙しい人は、用件を見て対応の優先度を決めることがあるからです。例えば、チャットツールを使ったやりとりでは、1文目に用件を書いて、すみつきかっこ(【】)などで強調するのもおすすめです。例えば、文章の頭に【依頼】【相談】【報告】【共有】と付けることで、相手はすぐに対応が必要な内容なのかどうかを推し量ることができます。

3.その判断に至った背景も合わせて説明

自身の判断について相談や報告をする際には、その背景もきちんと説明しましょう。対面なら「〇〇という判断に至りました」という報告に対して、疑問に思ったら相手は聞き返すことが可能ですが、即時性のないテキストコミュニケーションでは相手の“もやもやポイント”の理由を先に記載しておくと、やりとりの省略化につながります。

4.引用文を有効活用してやりとりする

テレワークでは日々膨大な量のテキストが流れていくので、会話を見失ってしまうこともあります。引用文を活用し、何の話の続きをしているのか相手にわかるよう配慮しましょう。特に、複数の会話が並行して進んでいる場合は、その配慮が大切です。例えば、指示に対して「了解です」とだけ書くと、どの指示に対する返事なのかが相手にきちんと伝わらず、抜け漏れにつながる可能性があるからです。

チャットコミュニケーションを円滑にする6つのカギ

一人でいる時間が長いテレワークでは、孤独を感じやすくなりがちです。また、オフィス勤務の時は気にならなかった相手のちょっとした言動で、必要以上の不安感に襲われることもあるでしょう。

そうした心情に配慮しながらコミュニケーションをとることが重要です。特に、相手に対して指摘をするようなシーンでは、ビデオ会議や電話を使って会話をするのがおすすめです。テキストだけだと温度感が伝わらず、ちょっとした指摘のつもりでも、相手は必要以上に重く受けとめてしまうこともあるでしょう。だからこそ、よりニュアンスや感情が伝わる方法を選ぶことが重要です。

◆チャットの効果的な3つの活用法

①相手の発言に対して積極的に反応する
メッセージに対して誰からの反応もないと「間違ったことを書いたのではないか」「相手を不快にさせたのではないか」と不安になってしまうこともあるでしょう。忙しくてスルーしたくなることもあるかもしれませんが、可能な範囲で反応を返すのが大切です。

②絵文字でも良いので早めの返信やリアクションを意識する
依頼や相談に対していつまでも返信がないと、相手はメッセージがきちんと届いているのか不安になってしまいます。場合によっては、別の人に依頼や相談をする必要がありますが、返信がない限りはその判断すらつきません。忙しい時は「いいね」マークを付けるなどチャットツールのリアクションボタンを活用し、メッセージを確認したことを相手に伝えましょう。

③忙しい時はその旨を伝える
忙しさによっては、相手の用件を後回しにすることもありますよね。そんな時は、立て込んでいることと、後ほど対応する旨をきちんと伝えましょう。その際には「いつまでに」という情報も添えると親切です。

チャットで避けるべき3つのメッセージ内容

全てをテキストで行わないこともポイントですチャットを避けるべきポイントも解説します。

①緊急の連絡
相手がすぐにメッセージを見て対応してくれるとは限りません。一刻を争う用件の場合は、ビデオ会議か電話を使って連絡するのが確実でしょう。

②議論が必要なトピック
やりとりが何度も続く場合は、まとまった時間をとってビデオ会議をするのがおすすめです。テキストでのやりとりを重ねるうちに、互いにヒートアップして雰囲気が悪くなることもあるので注意が必要です。

③ネガティブな印象を与えかねない内容
互いに感情を読みとりにくいテキストで、ネガティブな内容をやりとりするのはおすすめできません。特に、相手に指摘をするようなケースでは、できるだけチャットは避けましょう。

今日から実践できるテキストコミュニケーションのコツ

ここまで読んで「テキストコミュニケーションって面倒くさそう……」「テレワークに向いていないかも」と思った方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今からすぐに実践できるポイントを3つご紹介します。

1.語尾に「思いやりのひと言」を添える

(例)
✕:了解
〇:了解!ありがとう! or 了解しました、助かります!

「了解」だけでも意味は通じますが、テキストだと少しそっけない印象がありますよね。「ありがとう」「助かります」などの感謝の言葉が添えられているだけで、受けとる相手の印象は大きく異なります。
こうしたコミュニケーションに慣れていない方は、気恥ずかしさを覚えるかもしれませんが、今日からひと言添えるようにしてみてはいかがでしょう。

2.指摘する際には相手の気持ちに配慮する

(例)
✕:●●の数字おかしいから、直しておいて
〇:××さんの▲▲の仕事、すごく良かったですよ!1点だけ確認したいことがあります。●●の数字だけど、少し間違っているかもしれないので、見直しておいてもらえるかな。

時には相手を指摘することも必要ですが、それだけでは良い仕事の関係は生まれません。ネガティブなフィードバックばかりが続くと、「ミスをしないように」「相手を怒らせないように」という気持ちが先行して業務に集中できなくなることも考えられます。上の例のように、相手の良いところもしっかり伝えながらコミュニケーションをとることが重要です。

3.語尾に「〜かも」を付ける

(例)
✕:報告書の数字、間違っています。
〇:報告書の数字、間違っているかも。

ミスを指摘をする際には、語尾に「〜」を付けるだけでニュアンスが柔らかくなります。「確実に間違っているのに『〜かも』を付けるなんておかしい」と感じる人もいるかもしれません。確かに、その考えも間違いではありませんが、あくまでも相手に言葉を受けとってもらうための手段として語尾をぼかすのは有効です。少しの工夫でコミュニケーションが円滑になり、相手との信頼関係につながるのなら試してみる価値はあるでしょう。

テキストコミュニケーションは即時性がない分、自分の考えを整理してから相手に伝えられる有効な手段です。エビデンスが残るので「言った言わない」の泥沼に発展するケースが少ないというメリットもあります。しかし、上記で述べたように、あらゆる状況に最適というわけではありません。ケースバイケースで、テキスト・ビデオ会議・電話を使い分けていく必要があるでしょう。

テキストメッセージだけでコミュニケーションを完結させないことが重要です。

テキストメッセージで温かい言葉を紡ぐことはできる

最近、「指殺人」という言葉を耳にしました。匿名性の高いSNS上で、自分と意見が違うからという理由で攻撃的な発言をしたり、特定の人を執拗に非難したりするシーンを見かけます。言論の自由を前提としたコミュニケーションは活発な議論を生むと同時に、人の心を害してしまう危険性をはらんでいます。言葉というものは、自分が想像している以上に、鋭い刃にもなり得ることを一人ひとりが意識していくべきだと強く感じます。

一方で、簡単な言葉一つで、相手を温かく包み込むことも可能です。悲しい時、苦しい時、孤独な時…。やはり、言葉によって救われることもありますし、元気になれます。

これから先、AI技術などの発展にともない、自分の頭でで深く考えなくても楽にコミュニケーションができるツールが生まれるかもしれません。それでも、やはり、人との関係性をつくるうえで最も重要なのは、感情のこもった温かい言葉なのだと思います。

どんな時も、その言葉の先にいる人に、笑顔と勇気を持ってもらえるような言葉を紡いでいきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

株式会社ニット 広報
小澤 美佳
2008年に株式会社リクルート入社。リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。2019年にニットに入社。現在、広報に従事する傍ら、オンラインセミナーの講師やイベントのファシリテーターを実施。直近の1年間でメディア執筆100本以上。Twitterは2.6万人のフォロワーを保有している。副業で嘉悦大学の大学講師も務めている。

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