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〈プロ解説〉エアコンの安い時期とは? 買い替えのタイミングと上手な選び方

和田 由貴(節約アドバイザー)
2022-05-09

家電の中でも高額で、購入したら通常10年は使用するエアコン。買い替えのタイミングや新たに購入する機種の選び方には慎重になる必要があります。

季節家電であるエアコンは購入時期によって大きく価格が変動しやすいのがポイント。買い替えるならできるだけ安い時期を狙ってお得に購入したいところです。

そこで、エアコンを買い替える時期の目安から、安く買える時期、さらにはエアコンの上手な選び方まで詳しく解説します。

節約アドバイザー
和田 由貴
消費生活アドバイザー・家電製品アドバイザー・家庭の省エネエキスパートなどの資格を有し、「暮らしや省エネの専門家」として講演・執筆・テレビ出演など多方面で活動。暮らしの快適さと節約を両立する「賢い節約生活」を提案しています。

エアコン安い時期まとめ画像

エアコン買い替え時期の目安

エアコンの状態をチェックするイメージ

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内閣府が2021年に実施した調査によると、エアコンの平均使用年数は主要な生活家電の中でもっとも長い13.2年消費動向調査 令和3年3月実施調査結果 P.9)という結果が出ています。

買い替える理由の中でもっとも多いのが故障(65.3%)です。「修理して使い続けることもできるのでは」と考える方もいるでしょうが、修理するにはメーカーがその機種の補修用性能部品(製品の機能を維持するために必要な部品)を保有している必要があります。

エアコンの部品については、「全国家庭電気製品公正取引協議会」により製品の製造打ち切り後9年以上と定められていて、多くのメーカーでは10年程度で保有期間を終了しています。

もし盛暑のさなかに突然エアコンが故障すると、すぐに買い替えようとしても取り付け工事までに何日も待たされることが十分に考えられます。10〜13年程度使用したら故障のリスクなどを考えて買い替えを検討するのがよいでしょう。

和田 由貴

ポイント解説

せっかくエアコンを新調するなら、慌てて購入するのではなく、余裕をもって機能や価格を十分比較検討したうえで選びたいですね。

エアコンが安い時期は? 3・9月が狙い目

エアコンを購入するイメージ

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エアコンがお得に買えるタイミングは新機種が発売される直前。在庫品を処分するために旧モデルが値下げされる傾向にあるからです。

ひとつ型落ちのモデルでも性能が大きく変わることはほとんどありませんので、最新機種へのこだわりがなければ値下げ時期を狙うのがおすすめです。

▼ 機種のグレードによって狙い目時期が異なる

新機種の発売時期はメーカーによって異なりますが、上位モデルなら10~11月頃、普及モデル(手頃な価格帯のモデル)では3~4月頃の発売が多いです。そのため狙い目時期としては、上位モデルなら9~10月頃、普及モデルなら2~3月頃だといえます。

また9月、3月は家電量販店の決算期でもあり、セールが行われることが多い時期です。安くエアコンを手に入れるためには見逃せません。

▼ 避けるべきは6〜7月

6~7月は夏前でもっとも需要が高まる時期です。そのため価格が下がりにくく、しかも取り付け工事が混み合いやすいので、できれば避けたほうがよいでしょう。

工事費用をチェック、追加費用がかかる場合も

エアコンを取り付けるイメージ

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エアコンを購入する際に忘れてはならないのが、エアコン本体代とは別にかかる工賃などの費用です。

エアコンを新規に購入する場合は取り付け費用、買い替えなら古いエアコンの取り外し費用やリサイクル費用、回収運搬費用などがさらに追加で発生します。

取り付け費用は多くの家電量販店で1万~1万5,000円ほどですが、サイズが大きければ高くなります。古いエアコンの取り外し費用は4,000~5,000円ほどかかり、リサイクル費用と回収運搬費は合わせて2,000~3,000円程度が目安です。

和田 由貴

ポイント解説

ここまで紹介したのはあくまでも標準工事の目安です。ほかにも室外機の天吊りや壁面設置などの特殊な設置工事が必要な場合や、配管穴やエアコン専用コンセントの増設などをする場合には別料金が発生することがほとんどです。

購入前にかかる費用の総額を確認しておきましょう。

▼ 室外機取り付け工事費用の一例

室外機取り付け費用の一例

エアコンの選び方、5つのポイント

和田 由貴

和田 由貴さん

エアコンを選ぶ際に注目したいポイントを5つご紹介します。

① 適用畳数|使用環境によっては一段上のモデルを

14畳用のエアコンイメージ

基本的には部屋の広さにあった性能のエアコンを選ぶことがもっとも重要です。能力不足で十分な冷暖房効果を得られなかったり、設定温度に達しないために運転し続けて無駄に電力がかかったりすることがあります。

そこでチェックすべきなのが適用畳数。スペック表には「冷房能力3.6kW(10〜15畳)」のように表記されていますが、設置する部屋の広さが10~15畳ならOKという意味ではないので注意しましょう。

平均的な木造住宅は低い数字(狭いほうの畳数)で、密閉率のよい鉄筋コンクリート造の住宅は高い数字(広いほうの畳数)が適用畳数です。

上記の場合では、木造住宅なら10畳まで、鉄筋コンクリート造の住宅なら15畳までの部屋に適しています。

もうひとつ注意したいのが、マンションの最上階や強い西日が当たる部屋、熱源があるキッチンなど。こうした暑くなりやすい環境に適したエアコンを選ぶ場合は、使用する部屋よりも適用畳数の広い機種をおすすめします。

和田 由貴

ポイント解説

多くのエアコンで冷房より暖房の方が適用畳数は狭いため、冷暖房どちらも使用する場合は暖房の適用畳数に注目して選びましょう。

② 能力(kW)|冬の暖房性能が気になる方は「低温暖房能力」に注目

暖房パワーが不十分なイメージ

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エアコンのスペック表には適用畳数とともに「能力(kW)6.7(0.4~12.2)」といった表記があります。

「能力」の値はエアコンのパワー(冷暖房能力の高さ)を指し、カッコ内の数値(この例では0.4~12.2)はそのパワーの範囲を意味しています。能力の最大値が大きいほどパワフルに素早い冷暖房が可能で、最小値が小さいほどきめ細かな温度調整に対応しているのです。

▼ 「低温暖房能力」が大きいと、寒冷地でも高い能力を発揮

エアコンの暖房能力は一般的に「外気温7℃/室温20℃」のときの能力を指します。外気温が低いとエアコンは能力が下がるため、寒冷地での使用や暖房性能を重視して選ぶ際に参考になるのが低温暖房能力です。

低温暖房能力は外気温2℃/室温20℃のとき最大どのくらいの能力を出せるかを示したもので、値が大きければ外気温が低くても素早く部屋を暖めてくれます。

③ 省エネ性能|APFや省エネ基準達成率をチェック

エアコン設置業者のイメージ

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テレビや冷蔵庫、照明器具なども含めた生活家電には、省エネ性能を知ることができる「省エネルギーラベル」が製品カタログや商品の見やすい箇所などに表示されています。省エネ性能が違えば電気代が大きく変わってくるので、家電を選ぶうえで大事なポイントです。

エアコンを選ぶ際は、省エネルギーラベルやスペック表にも表記されている「通年エネルギー消費効率(APF)」と「省エネ基準達成率」をチェックしましょう。

▼ 通年エネルギー消費効率(APF)

APF(Annual Performance Factor)とは、1のエネルギーを何倍にできるかを表したもので、1kWあたりの冷房・暖房能力を示しています。つまり、値が大きいほどエネルギー消費効率に優れたエアコンだといえるのです。

▼ 省エネ基準達成率

「省エネ基準達成率」とは、その家電が機能やサイズなどによって定められている省エネ目標基準に対して、どれくらい達成しているかを「%」で表したものです。

達成率の値が大きいほど省エネ性能が優れている製品であることを意味します。

和田 由貴

ポイント解説

省エネ性能を比較検討してエアコンを選ぶなら、環境省のシミュレーションサイト「省エネ製品買換ナビゲーション しんきゅうさん」が便利です。ぜひ試してみてください。

④ 付加機能|必要な機能を見極めて出費を抑える

エアコンを使用する家主のイメージ

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エアコンの中には、空気清浄や除菌、イオン、加湿、人感センサーなど、さまざまな付加機能を搭載しているものがあります。どれも快適さにつながる機能ですが、付加機能が充実している機種を選ぶとなると上位機種に限られ、高額になります。

ライフスタイルにあわせて必要な機能を見極めると、上手に機種を選ぶことができるでしょう。

和田 由貴

ポイント解説

最近多くの製品で見かける「自動お掃除機能」ですが、これがあればお手入れ一切不要というわけではないので注意です。

また、お掃除機能と一口にいっても、フィルター洗浄、熱交換器洗浄、内部乾燥など製品によってもさまざまなので、よく確認しましょう。
主要なメーカーと代表的な付加機能

メーカー

空気清浄機能

加湿機能

AI・人感センサー

お掃除機能

ダイキン

ストリーマ(空気清浄/内部クリーン)

無給水加湿(うるる加湿)

・AI快適自動運転
・センサー換気

・水内部クリーン
・フィルター自動お掃除 ほか

三菱

・ピュアミスト
・ヘルスエアー機能

記載未確認

・A.I.自動
・A.I.ナビ
・消し忘れ防止

・フィルターおそうじメカ
・清潔コート熱交換器
・おまかせボディ ほか

シャープ

プラズマクラスター

記載未確認

記載未確認

フィルター自動掃除

パナソニック

ナノイーX

給水レス加湿

・AI自動運転
・ひと・ものセンサー

・フィルターお掃除ロボット
・内部クリーン運転

日立

プラズマイオン空清

記載未確認

くらしカメラ AI

・ファンお掃除ロボ
・フィルター自動お掃除 ほか

▼ 各メーカーの製品比較を見る
ダイキンルームエアコン製品ラインアップ
三菱シリーズ別機能比較一覧
シャープ全製品一覧
パナソニック2022年モデル エオリア機能比較
日立エアコンフルラインアップ

⑤ 用途にあったグレードの選び方

エアコンを設置した部屋のイメージ

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エアコンには上位モデルと普及モデルがありますが、グレードによって3つに分けられます。

まずはハイエンドモデルで、省エネ性能や機能などがとくに優れています。次にミドルレンジモデルは機能と価格のバランスがとれた製品です。廉価なベーシックモデルは機能がシンプルな製品だといえます。

それぞれライフスタイルや使用する部屋に合わせて以下のような基準で選ぶと、無駄な出費を抑えられます。

  • ハイエンドモデル:在宅時間が長い家庭で、長時間過ごすことの多いリビング
  • ミドルレンジモデル:在宅時間が短い家庭のリビングなど
  • ベーシックモデル:使用時間が短く、比較的狭い子ども部屋など

続いては、筆者が選ぶエアコン3選

和田さんおすすめ①
  • ダイキン
  • うるさらX S40ZTRXS-W(14畳用)

  • 税込み185,990円
  • 換気しながらの運転を実現、冬の乾燥には無給水加湿が便利

和田 由貴

おすすめポイント

うるさらXはその名の通り調湿が得意なエアコンです。1999年にダイキンは世界初の無給水加湿ができるエアコンを発売し、その後継機がこのうるさらXシリーズになります。

暖房時の無給水加湿だけでなく、温湿度状況にあわせてコントロールされた除湿により、寒くなりにくい除湿を実現します。

年間通して快適な湿度を保ちながら、一般的なエアコンではできない給排気換気も可能。窓を開けることなく不快な空気を排出してくれます。

無給水加湿機能を利用してつくった水で、熱交換器の汚れを洗浄する機能も便利です。

▼ うるさらXの機能を紹介する公式動画

サイズ:(室内機)高さ295×幅798×奥行370mm/(室外機)高さ713×幅795(+78)×奥行300(+42)mm
適用畳数(目安):暖房11〜14畳(18〜23㎡)/冷房11〜17畳(18〜28㎡)
能力(kW):暖房5.0(0.6〜7.3)/冷房4.0(0.7〜5.3)
低温暖房能力(kW):5.8
省エネ基準達成率:128%(目標年度2010年)
通年エネルギー消費効率:6.3
電源:単相100V 20A
和田さんおすすめ②
  • Panasonic
  • エオリアLXシリーズ CS-LX402D2(14畳用)

  • 税込み328,600円
  • センサーが人の活動量にあわせて給気量を調整する換気機能を搭載、除湿も加湿も

和田 由貴

おすすめポイント

エオリアLXシリーズの最大の特徴は、パナソニック独自の「ナノイーX」による空気清浄機能に力を入れている点です。室内の空気の有害物質を抑制するだけでなく、エアコン内部のカビや汚れも除去し、常に清潔な風をつくります。

また、最新モデルでは今までダイキンのうるさらシリーズのみに搭載されていた給気換気や無給水加湿も実現しています。無線LAN内蔵でスマホを使った遠隔操作にも対応し、専用アプリを使ってスマートスピーカーや加湿空気清浄機ともリンクさせることができます。

専用アプリ「エオリア アプリ」の詳細はPanasonic公式サイト

▼ エオリアLXシリーズの換気機能を紹介する公式動画

サイズ:(室内機)高さ295×幅799×奥行385mm/(室外機)高さ802×幅849(+78)×奥行319(+45)mm
適用畳数(目安):暖房11〜14畳(18〜23㎡)/冷房11〜17畳(18〜28㎡)
能力(kW):暖房5.0(0.4〜11.5)/冷房4.0(0.5〜5.8)
低温暖房能力(kW):9.0
省エネ基準達成率:146%
通年エネルギー消費効率:7.3
電源:単相200V
和田さんおすすめ③
  • 三菱
  • FZシリーズ MSZ-FZ4022S-W(14畳用)

  • 税込み310,000円
  • センサーが1人ひとりにあわせて吹き分けを実行、AIの自動運転切り替えも便利

和田 由貴

おすすめポイント

霧ヶ峰FZシリーズの強みはAI機能です。FZシリーズに搭載される「ムーブアイmirA.I.+」は、AI技術によって室温や外気温の変化だけでなく、人の居場所や動き、部屋の間取りや家具の配置などを感知し、人が寒い暑いと感じる前に自動的に最適な冷暖房運転を行います。

無駄のない換気タイミングを知らせる換気ガイドや、気流の流れをコントロールしてむらなく換気をするA.I.換気アシストなども搭載し、霧ヶ峰FZシリーズの省エネ性能はメーカーによれば4年連続No.1、日本一の省エネ性能を誇ります(参照:メーカー公式サイト)。

▼ FZシリーズのパーツの外し方を紹介する公式動画

サイズ:(室内機)高さ285×幅890×奥行358(据付後363)mm/(室外機)高さ802×幅840(+62)×奥行320(+56)mm
適用畳数(目安):暖房11〜14畳(18〜23㎡)/冷房11〜17畳(18〜28㎡)
能力(kW):暖房5.0(0.4〜11.7)/冷房4.0(0.4〜5.3)
低温暖房能力(kW):8.5
省エネ基準達成率:130%(目標年度2010年)
通年エネルギー消費効率:7.8
電源:単相200V 20A

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