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「なんか、頑張って話したのにプレゼンのウケ悪いな......?伝わってない...?」
と思ったことのある人、少なくないはず。
このビジネス書「1分で話せ」はその名の通り「1分で話す」技術を教えてくれます。
著者はビジネスマンとして華々しい経歴を持つ、ヤフー株式会社Yahoo!アカデミア学長の伊藤羊一さん。
読むと磨き方が難しいプレゼン能力を論理的・技術的にバキバキに鍛えられます。
たとえば、下の例をみてください。
「今回の動画は、30代女性に見てもらいたくて作った動画です。ベースは、この以前にbouncyで〇〇さんが作った動画です。〇〇さんが作ったのですが、それと同じだけじゃダメかなと。30代女性とかにはあまり見られていなかったので、特に刺さるインフルエンサーも反応してもらえそうで、インスタグラムでより多くの人に見られることを想定しています。〇〇さんが作った動画との違いですが、色使いをおしゃれにして、より簡潔でシンプルにしました。最近の流行りも取り入れております。より30代女性にも見られる動画です。」
「bouncyで以前かなり見られた動画をベースに、さらなる改善をして30代女性をターゲットにしてさらに再生数増を狙った動画です」
内容はほぼ同じなのに、わかりやすさは全然違いますよね。
一つ目の例を最後まで読んで理解するのは、正直面倒。
でも自分のプレゼンを振り返ってみると、こんな説明しちゃっていた...とぞっとしませんか?
伝え方を変えるだけであなたの素敵な提案は認められて、チャンスを掴めたかも。
この本でテクニックを身につけた編集部の大村が、実践してみました。
晩御飯に、お好み焼きが食べたい!
これを編集部の大村が1分で話してみると
「僕らの今晩の献立は”お好み焼き”にしない? そうしたい理由は三つあって(指を3本立てて) 広島出身の人に美味しい焼き方を教わったんだよ。たとえば、キャベツは長めに切るとか、もやしを入れると美味しくなるとか。 最近、ご飯とおかず!ってメニューが続いているよね。たとえば、昨日はハンバーグだったし、一昨日は焼き鯖だったでしょ? ホットプレート上で食べれば洗い物も少なくできると思うんだ。 想像してみて、ふっくら焼きあがったお好み焼きにかけるソースと青のりの香りを。 今晩の献立はお好み焼きにしようよ。」
なるほど、わかりやすい。でもどうして?
このプレゼンに使われているテクニックを整理してみましょう。
自分がどんなに完璧のプレゼンをしても、自分が話したことがすべて相手の頭の中に残っていることは不可能。まず「みんな人の話を聞いていない」ということからスタートしましょう。
聞き手はそもそも8割方聞いてなくて、しかも理解していない。
でもチームで仕事をする上でコミュニケーションは非常に重要な要素です。
だから、「1分で話せるように話を組み立て、伝えよう」
特に忙しい上司や役員などは、「1分」のほうが聞いてくれる確率は高いでしょう。
「なんのためにプレゼンするのか」を言語化してみると「誰に、何を、どうしてもらいたい」という構造になっています。今回の例を整理してみると
・伝える相手はどんな人か
立場/妻
興味/楽しい食事
自分に求められていること/お互いが納得のいく献立メニュー
テーマについて理解していること/今晩の献立が決まっていない
何に対してネガティブか/納得のいかない献立メニュー
・ゴールは何か?
今晩の献立を”お好み焼き”にすることに賛成してもらう
わお、一気にプレゼンがしやすくなりました!
話には結論と根拠があり、その結論を一番上に、根拠をその下に並べたものが「ピラミッドストラクチャー」
このピラミッドがしっかり組めれば、話が長くなったり、伝わらなかったりすることはなくなります。
例えば今回の場合は
主張:今晩の献立は”お好み焼き”にしたい。
根拠1:広島出身の人に美味しい焼き方を教わった。
事実:キャベツは長めに切る。もやしを入れると美味しくなる。
根拠2:ご飯&おかずメニューが続いている。
事実:昨日はハンバーグとご飯だった。一昨日は焼き鯖とご飯だった。
根拠3:ホットプレート上で食べて洗い物を少なくできる。
お皿を洗わなくて良い。
ぜひプレゼン時に「理由は3点あります」と指を3本出して伝えてみてください。聞いている人たちは、手元を動かし、ノートにメモを取り始めるはずです。これは、聞いている人たちの頭の中に枠組みを作ることができたから。
プレゼンとは「相手の頭の中に自分が伝えたいことの骨組みや中身を『移植』する作業」なのです。
ここまではロジカルなストーリーの組み立て方。でもロジカルに考えられた正しいことを聞いて理解するだけでは、人は動きません。
人はイメージを想像することで感情が揺さぶられます。
つぎに紹介するのは感情を揺さぶるテクニックです。
スマホでお好み焼きの写真を見せるなどビジュアルから攻めるのも一つの手。
ですが今回は「たとえば」で聞き手にイメージを湧かせ、補足しています。
ビジュアルや「たとえば」で聞き手に具体的なイメージを湧かせたら、あとはこの自分で作ったイメージに入り込んでもらうだけ。
そのためには、直接そのイメージに入ってくれるようにお願いするのが一番です。あとは勝手に、聞き手が自分の頭の中で想像を始めてくれます。
今回はわかりやすく、家庭での会話で再現してみました。たくさんにビジネスの場で使えるテクニックを紹介しましたが、これはほんの一部。
本書にはまだまだたくさんのテクニックが記されています。
プレゼンが苦手なビジネスマンだけでなく、人前で話す機会がある人すべてにぜひ読んでほしい一冊。
このテクニックとあなたの熱意があれば「コミュニケーションで相手に動いてもらえる」こと間違いなし!
SBクリエイティブ