「朝日宇宙フォーラム2021」が開催 宇宙での暮らしや新型コロナ対策を紹介

公開: 2021-02-19

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 「朝日宇宙フォーラム2021」が1月25日、JAXA後援のもとオンラインで開催されました。JAXA筑波宇宙センター(茨城県つくば市)などから宇宙飛行士や研究者が参加し、宇宙での健康管理術や新型コロナウイルス対策を紹介しました。


イベントを4分で振り返る動画はこちら!↓↓

大西さん「宇宙生活では細心の注意」

 はじめにJAXAの宇宙飛行士・大西卓哉さんが「宇宙での仕事と生活」をテーマに基調講演。2016年、宇宙に115時間滞在した体験を語りました。

 国際宇宙ステーション(ISS)で撮影された映像では、バッグを開くと、重力がないため勝手に中身がつぎつぎ飛び出してきます。「ものを一つ取り出すにも細心の注意を払っていました」と大西さん。身体面でも筋肉や骨がどんどん弱まるため、毎日2時間近くランニングマシンやショルダープレスで運動。それでも地球に戻ったあとは45日間ものリハビリが必要だったといいます。

 大西さんは、人類が月や火星を目指す時代に向けて「テクノロジーの信頼性をあげることでゴールが見えてくると思う」と語り、健康管理をはじめとする研究進展に期待を込めました。

宇宙飛行士の大西卓哉さん

JAXAと民間企業が共同研究

 続いての「企業セッション」ではJAXA有人宇宙技術部門きぼう利用センター長の小川志保さん、ヤクルト本社中央研究所・研究管理センター所長の長南治さんが登場。

 小川さんによると、宇宙でマウスを1か月飼育したところ、骨がスカスカになってしまいました。宇宙活動での大きな課題である一方、こうした現象を活用すれば「骨や免疫の衰えといった、老化現象のメカニズムを早く知ることができるのではないか」といいます。

小川志保さん

 ヤクルト本社は宇宙用に長期常温保管が可能な、凍結乾燥した乳酸菌 L.カゼイ・シロタ株を含有するカプセルを開発。これを宇宙飛行士が摂取する、世界初の宇宙実験をJAXAと共同で進めています。免疫機能や腸内環境に及ぼす効果を調べていて、長南さんは「高齢者社会の日本で生かせる実験だと思っています」と力を込めました。

長南治さん

コロナ対策、訓練もオンラインに

 最後はパネルディスカッション。宇宙好きとして知られる歌手でタレントの中川翔子さん、基調講演に引き続いて大西卓哉さん、JAXA有人宇宙技術部門・総括医長の三丸敦洋さんが登場しました。

三丸敦洋さん

 事前に視聴者から質問が多く寄せられたのが、新型コロナウイルスの宇宙活動への影響でした。大西さんは「宇宙飛行士は世界中を飛び回ってきましたが、今は極力オンラインで訓練しています。そのぶん宇宙で参照できる資料を手厚くするといった工夫をしています」。

 中川さんからの「さすがに宇宙空間でマスクをするというのはつらいですよね」という問いには、大西さんが「宇宙ではマスクはしないですね」と解説。そもそもウイルスをISSに持ち込まないよう、徹底したウイルス対策をとっていることを、三丸さんが紹介しました。

中川翔子さん

 最後に話題は、JAXAが2021年秋ごろに予定している宇宙飛行士の募集へ。大西さんが「宇宙飛行士は理系の分野からしかなれなかったのですが、それを取り払おうという考え方もあります。どう思いますかとパブリックコメント(意見募集)を始めています」と語ると、中川さんは「たくさんの人に希望を与えるすばらしいことじゃないですか」と目を輝かせました。

イベント全編を収録した動画はこちら↓↓

去年の「朝日宇宙フォーラム2020」の模様はこちら


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