〈プロ解説〉石油ファンヒーターおすすめ11選 後悔しない選び方をチェック
寒い冬に多くの家庭で愛用されている石油ファンヒーター。
灯油を燃焼し部屋全体をパワフルにあたためる一方で、空気が乾燥しにくい点も大きな特長。エアコンと併用している家庭も増えています。
三菱電機が1978年に国内初の石油ファンヒーターを発売して以来、ダイニチやコロナ、トヨトミといったメーカー各社から数多くのモデルが登場しています。
数ある中からどのモデルを選べばよいのか迷う人も多いことでしょう。そこで、石油ファンヒーターの選び方やおすすめ商品について詳しく解説します。
目次
▼ 暖房家電の役立つ情報を紹介
まずはプロおすすめ、石油ファンヒーター3選
- ダイニチ工業
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石油ファンヒーター FW-3722SGX
-
販売終了
※後継モデルは「FW-3724SGX」 -
着火まで35秒、灯油タンクも従来から進化
おすすめポイント
わずか35秒(5kW以上の機種は40秒)という速さで着火するのが特長です。また、室温が15℃以下の場合に自動で最大火力を5~10%アップするので、寒い室内をすばやくあたためてくれます。吹き出し口に搭載している「快温トリプルフラップ」は、ファンヒーターの燃焼量に応じて角度を自動調整します。室内の温度にムラが出やすい小火力時には、フラップを下向きにすることで温風が床を這うようにして室内に広がります。とてもパワフルで、寒冷地などにもおすすめできる製品です。使い勝手もよく、灯油タンクには従来から進化した「ワンタッチ汚れんキャップEX」を搭載し、手が汚れることもなく、キャップの置き場所にも困りません。
▼「ワンタッチ汚れんキャップEX」を紹介する公式動画がこちら
- コロナ
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石油ファンヒーター FH-WZ3622BY
-
販売終了
※後継モデルは「FH-WZ3624BY」 -
暖房コストを節約、消臭機能など付加機能も豊富
おすすめポイント
燃焼用送風モーターと送風モーターに消費電力が小さいDCモーターを採用し、電気代を抑えます。「新ecoモード」では、寒いときは風量を上げて足元からあたため、部屋があたたまったら火力を下げることで節約しながら快適な室温を維持します。灯油代・電気代の両方を抑えながら使える点が魅力です。ユニークな機能が「ロング温風」。心地よさを感じやすい「1/fゆらぎ波形」の温風を再現することで、そよ風のように優しいあたたかさを届けてくれる機能です。また、消火時はシャッターがピタッと閉じることで、しっかり消臭してくれます。
▼「WZシリーズ」を紹介する公式動画がこちら
おすすめポイント
搭載されている「快適おまかせ機能」では、部屋の温度だけでなく湿度も感知することで、体感温度にあわせて火力を自動調整します。また、「エコモード」は室温を20℃まで1℃ずつ徐々に下げることで、火力を抑えながらも寒さを感じにくくしてくれるのもポイント。さらに「人感センサー」を搭載し、人の動きが検知されないと約5分後に自動で弱燃焼となり、約25分後には自動で消火します。前シーズンからある古い灯油の使用にも強い、高耐久エコバーナーを搭載しています。
▼「人感センサー」について紹介する公式動画がこちら
石油ファンヒーターのメリット・デメリット
編集部撮影(製品はコロナ製FH-VX3620BY)
まずは、暖房器具として石油ファンヒーターを選ぶメリット・デメリットについて解説します。
メリット|暖房と同時に加湿効果も
石油ファンヒーターは、灯油を燃焼させるバーナーとファンを使って温風を吹き出すシンプルな構造です。運転ボタンを押してから点火までにやや時間がかかるものの、気化した灯油が燃焼すると、室内をパワフルにあたためてくれます。
部屋全体をあたためるまでの時間はエアコンなどと比べても短く、寒い冬場を快適に過ごすうえでメリットといえます。
また、暖房と同時に加湿効果があるのもポイント。灯油1Lを燃焼させると1Lの水蒸気が発生します。部屋をすばやくあたためつつも、空気が乾燥しにくいという特長があります。
Photo by iStock
デメリット|給油の手間、気になるニオイ
灯油を使用するため、給油する手間がかかるのが石油ファンヒーターのデメリットです。また、点火や消火の際に独特のニオイが発生するのも気になるところ。
とはいえ、大容量の灯油タンクを搭載することで給油回数が少なくすむタイプや、消臭技術でニオイが出るのを抑えるモデルもあります。
ポイント解説
石油ファンヒーターは窓の下や壁の手前に設置すると、窓や壁面からの冷気があたためられ、温風が対流することで、より効率的に部屋全体をあたためやすくなります。 ただし、大きな家具や部屋の間取りの影響で送風が妨げられ、暖房効率が低下することも。その場合は、サーキュレーターを併用すると部屋全体に温風が届きやすくなります。
石油ファンヒーターの暖房コストは?
石油ファンヒーターは電気と灯油を使用するため、暖房コストとして電気代と灯油代がかかります。
そこで、FW-3722SGX(ダイニチ工業)の仕様を参考に、1日8時間の運転で30日間使用した場合の暖房コストについて下記の通り計算しました。
その結果、1日(8時間)使用した場合は概算で222円程度かかり、30日間では6,672円程度かかることがわかります。
主要メーカー3社で「燃焼方式」に違い
灯油は直接火をつけても燃えにくいため、気化させてから着火し燃焼させますが、石油ファンヒーターの主要メーカーであるダイニチ工業、コロナ、トヨトミの3社では、それぞれ以下のように燃焼方式に違いがあります。
ダイニチ工業|ブンゼン式を採用、短時間で着火
「ブンゼン式」とは、灯油を気化器内でヒーターを使って加熱し、気化させてからバーナーで燃焼させる方式です。
着火スピードが速く、短時間であたたかい風を吹き出すことができる一方で、ヒーターを使うため消費電力は多めです。
コロナ|ポンプ噴霧式を採用、消費電力が少ない
「ポンプ噴霧式」とは、基本的にヒーターを使わずに燃焼中の熱を利用して灯油を気化させる方式。消費電力は抑えられるものの、点火までに時間がかかります。
トヨトミ|ポット式を採用、やや劣化した灯油も使える
「ポット式」とは、蒸発皿の上に灯油を流し込み、自然気化した灯油を燃焼させる方式。不純物なども燃やしきることができるため、前のシーズンから残っているやや劣化した灯油でも使えます。
消費電力は抑えられるものの、点火までに時間がかかる点はデメリットです。
石油ファンヒーターの選び方
石井 和美さん
石油ファンヒーター選びで押さえておくべきポイントを紹介します。ぜひチェックしてみてください。
適用畳数|使用する部屋の広さと同等、またはワンランク上を
Photo by iStock
製品ごとに「木造(戸建)◯畳まで/コンクリート(集合)◯畳まで」といった適用畳数が表記されています。一般的に「木造」は木造戸建住宅を指し、「コンクリート」はマンションなどのコンクリート集合住宅を指します。
基本的には、建物の構造と使用する部屋の広さにあったものを選べばよいのですが、ワンランク上の広さに対応した製品を選ぶと、よりスピーディーに部屋をあたためられるのでおすすめです。
省エネ性能|エコ運転で灯油代・電気代を節約
灯油や電気をムダに消費しないためにも、省エネ性能をチェックしましょう。
「eco(エコ)モード」などの省エネ機能があれば、設定した室温に達すると運転のセーブや停止を自動で行なってくれるため、節約に役立ちます。
中には「人感センサー」を搭載したモデルもあり、一定時間、人の動きが検知できないと自動で火力を弱めたり、運転を停止したりすることでムダを抑えます。また、切り忘れ防止にもなり便利です。
点火スピード|数秒から2分以上まで、製品により違い
点火スピードが速いほど、寒さに耐える時間が短くなるので購入前にチェックしておきたいところ。製品によって点火するまでにかかる時間は約40~150秒と大きな差があります。
中には予熱を利用して数秒で点火するタイプもあるので、点火スピードが気になる人はスペックをチェックしましょう。
給油タンク|給油しやすさ、容量をチェック
編集部撮影
石油ファンヒーターは給油の手間がかかる点がエアコンや電気ファンヒーターと比べてデメリットですが、独自の工夫により使い勝手よく設計されているものがあります。
キャップ|独自構造で給油時のストレスを軽減
キャップから手にニオイがついたりキャップの置き場所に困ったりなど、ストレスを感じやすい給油ですが、改良された使い勝手のよいモデルも中にはあります。
例えばワンタッチでキャップを開け閉めできるタイプなら手が汚れにくく、また、灯油タンクとキャップユニットが一体化しているタイプでは、キャップの置き場に困ることもありません。
ただし、低価格な製品では従来からのキャップを採用していることが多いので、使い勝手と価格のバランスを考えて選ぶことが重要です。
タンク容量|大容量なら給油回数を減らせる
灯油タンクの容量が大きければ、それだけ給油回数が少なくすみます。とくに広い部屋では消費する灯油の量も多くなるため、灯油タンクの容量に注意して選ぶことが肝心です。
付加機能|点火・消火時のニオイを軽減する「消臭機能」など
Photo by iStock
石油ファンヒーターは使用する際に独特のニオイが発生します。とくに点火・消火時に燃焼しきれなかったガスによってニオイが強く出るため、気になる人は消臭機能を備えたモデルを選びましょう。
消臭する仕組みはメーカーによってもさまざま。例えばダイニチ工業では、バーナーによる燃焼を長く行い、燃え残ったガスをしっかり燃やしきることで、消火時に出るニオイを軽減するモデルなどがあります。
また、シャッターを搭載した製品では、停止時に吹き出し口が自動で閉まることでニオイが出るのを抑えます。
ほかにも付加機能としては、睡眠を邪魔しないように液晶のバックライトを消せるものもあります。ライフスタイルにあわせて便利な機能を備えたモデルを選びましょう。
〈編集部PICK UP〉石油ファンヒーター、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数ある石油ファンヒーターの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの製品を紹介します。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重量 |
対応畳数 |
着火時間 |
タンク容量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
【筆者おすすめ】ダイニチ工業 FW-3722SGX |
着火まで35秒、灯油タンクも従来から進化 |
高さ44.5×幅43.8×奥行36.6cm |
12.7kg |
木造10畳まで/コンクリート13畳まで |
35秒 |
9.0L |
|
【筆者おすすめ】コロナ FH-WZ3622BY |
暖房コストを節約、消臭機能など付加機能も豊富 |
高さ46.6×幅45.8×奥行33.8cm |
11.8kg |
木造10畳まで/コンクリート13畳まで |
55秒 |
7.2L |
|
【筆者おすすめ】トヨトミ LC-SL36M |
部屋の温度と湿度を感知、体感温度にあわせて自動調整 |
高さ43.7×幅43.5×奥行31.5cm |
11kg |
木造10畳まで/コンクリート13畳まで |
約150秒 |
7.0L |
|
コロナ FH-M2524Y |
火力を絞った長時間運転が可能 |
幅312×奥行307×高さ390mm |
7.9kg |
木造7畳まで/コンクリート9畳まで |
55秒 |
3.6L |
|
コロナ FH-G3223Y |
消費電力を低く抑える省エネ仕様 |
幅385×奥行325×高さ424mm |
8.8kg |
木造9畳まで/コンクリート12畳まで |
55秒 |
5L |
|
コロナ FH-ST4623BY |
約2分30秒の予熱時間で点火可能 |
幅504×奥行334×高さ426mm |
12kg |
木造12畳まで/コンクリート17畳まで |
65秒 |
7.2L |
|
ダイニチ工業 FW-7223SDX |
最大25畳まで対応 |
幅603×奥行339×高さ480mm |
15.2kg |
木造19畳まで/コンクリート25畳まで |
40秒 |
9.0L |
|
ダイニチ工業 FW-32S4 |
特許取得済みの消臭技術を搭載 |
幅371×奥行299×高さ429mm |
7.4kg |
木造9畳まで/コンクリート12畳まで |
35秒 |
5L |
|
コロナ FH-WZ5723BY |
2つのDCモーターで効率的にあたため |
幅520×奥行338×高さ466mm |
12.6kg |
木造15畳まで/コンクリート20畳まで |
65秒 |
7.2L |
|
ダイニチ工業 FW-5723LS |
手入れしやすい抗菌ファンフィルターを採用 |
幅466×奥行349×高さ445mm |
12.0kg |
木造15畳まで/コンクリート20畳まで |
40秒 |
9.0L |
|
トヨトミ LC-S33N |
すぐに給油できない時に便利な「給油延長」搭載 |
幅376×奥行296×高さ428mm |
7.7kg |
木造9畳まで/コンクリート12畳まで |
記載未確認 |
5L |
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