【育毛のプロが教える】人気育毛剤の効果を徹底的に読み解く方法
薄毛や抜け毛対策に育毛剤を使う上で気になるのが、本当に効果はあるのか?という点です。今回は、髪の悩みに適した効果の期待できる育毛剤を見極める方法を、育毛のプロに教えてもらいました。
育毛剤に期待できる効果とはそもそも何なのか、育毛剤のなかでも特に効果のあるものを見極める方法、それらを踏まえた人気育毛剤の解説までお届けします。
育毛剤にこれからチャレンジする方はもちろん、すでに育毛剤を使っているけれど効果が表れないという方もぜひ参考にしてください。
目次
育毛のプロを紹介!
鎌田さんは17年におよぶヘアスタイリスト経験の中で、お客さまから髪の毛が薄くなった、地肌のトラブルを感じるといった相談が増えてきたことを実感。
これらの悩みに応えるため、2015年に毛髪診断士の資格を取得し、その後も認定講師に加えて、毛髪診断士へ指導が行える指定認定講師も取得しています。
今回は育毛剤の効果の見極め方について、鎌田さんに毛髪診断士の知識をもとに詳しく聞きました。
育毛剤に期待できる効果とは
まずは、育毛剤に本来期待できる効果について確認していきましょう。
育毛剤に「発毛効果」は期待できない
育毛剤を使う上でまず始めに注意したいのが、「毛が生える効果は期待できない」という点です。
現在、日本国内で「髪の毛を生やす効果」が認められている成分は、発毛剤にしか含有されていません。
「育毛剤を使っても髪の毛が生えない」「発毛効果がなかった」というレビューや口コミも見られますが、残念ながら育毛剤でそれらの問題を解消することはできないのです。
髪の毛を生やす効果が得たい方は、発毛剤の使用を検討しましょう。発毛剤については記事後半で解説しますので、興味のある方はぜひチェックしてください。
育毛剤に期待できる3つの効果
では、育毛剤にはどんな効果あるのかというと、抜け毛や脱毛の進行を防いだり、予防する効果です。髪の毛を抜けにくくしたり、生えやすい頭皮環境を整えます。
大きく分類すると下記の3つの効果が期待できます。
1.発毛促進効果…毛母細胞に働きかけて細胞分裂を促す
2.血行促進効果…頭皮の血行を促進することで、毛根や毛包に栄養を届ける
3.頭皮環境改善…抗炎症成分や保湿剤が地肌トラブルを改善して、毛髪が育ちやすい環境を整える
育毛剤で改善が期待できる頭皮トラブル
育毛剤の効果は、含まれる成分によって異なるため、悩みに適した成分を含んでいない製品を使っても効果を得ることはできません。
頭皮や毛髪の状態をチェックした上で、自分に適した製品を使用することで、健康な髪の毛を育むことができます。
もし、育毛剤を使っていて効果がないと感じているようであれば、一度、自分の頭皮トラブルについてチェックしてみましょう。
<髪の毛が細くて、ハリ・コシがなくペタンとしている>
発毛促進や血行促進効果のある成分を用いることで、太くて長く伸びる髪の毛を育てるサポートができます。
<頭皮がカサつく、フケやかゆみがある>
頭皮環境を整える効果のある成分で地肌の状態を整えることができます。
育毛剤の効果が出るのはいつから?
育毛剤の効果が出るまでには、約3ヶ月~半年程度の継続的な使用が必要です。
市販の育毛剤はおおよそ1~2ヶ月で1本を使い切る容量になっているため、1本目で使用を中断すると育毛剤の効果を確認することができません。また、使用回数や使用量が少ない場合も同様です。
育毛剤の効果を得るためには、各製品のパッケージに記載された用法と用量を守り、説明書に記載されている効果が出るまでの目安期間は使用を続ける必要があります。
育毛剤に含まれる有効成分一覧
続いて、実際に育毛剤に配合される成分と、その効果について具体的に解説していきます。
発毛促進効果のある成分
まずは、発毛を促進する成分の名称と効果について紹介します。
毛母細胞活性化成分
髪の毛を生み出す毛母細胞に働きかけて、細胞を活性化させて増殖を促します。
成分名 | アデノシン、t-フラバノン、サイトプリン、ペンタデカン、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム |
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男性/女性ホルモン
脱毛ホルモンとなる男性ホルモンを抑制したり、髪の毛を抜けにくくする効果のある女性ホルモンをサポートすることで抜けにくい髪の毛を育みます。
成分名 | エチニルエストラジオール |
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血行促進効果のある成分
頭皮の血流を活発化したり毛細血管を拡張させる効果があります。毛根に栄養が届きやすくなり、より太く伸びやすい髪の毛が生えやすい環境を整えます。
成分名 | センブリエキス、ニンジンエキス、酢酸トコフェロール |
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頭皮環境改善効果のある成分
頭皮にトラブルを抱えていると髪の毛が細く弱く、抜けやすくなるので、頭皮の健康を保つ成分でケアして健やかな髪の毛が育ちやすい状態に整えましょう。
抗炎症成分
赤みや痛み、発疹といった炎症が起きている皮膚の状態を改善します。
成分名 | β-グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、サリチル酸、塩酸ジフェンヒドラミン |
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殺菌成分
頭皮にいる常在菌の均衡が崩れることで、フケやかゆみ、嫌な臭いといったトラブルが発生します。殺菌効果のある成分を使用することで、常在菌のバランスを改善します。
成分名 | l-メントール、ピロクトンオラミン、ヒノキチオール |
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新陳代謝活性化成分
汚れや脂の詰まった毛穴は細毛や軟毛の原因となります。皮膚の代謝をサポートする新陳代謝活性化成分が、頭皮や毛穴に老廃物をたまりにくくします。
成分名 | D-パントテニルアルコール、パントテニールエチルエーテル |
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保湿成分
頭皮の乾燥が進むと毛穴が小さくなり、そこから伸びる髪の毛も細くなってしまいます。また、フケやかゆみが出ることも。保湿成分を塗布することで頭髪に潤いを与えます。
成分名 | グリセリン、コラーゲン、ヒアルロン酸、イソフラボン、アロエエキス、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、L-アルギニン、グリシン |
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育毛剤の成分を読み解く方法
ここからは、育毛剤の成分をどのように読み解くのかを説明します。
製品のパッケージが手元にある場合
手元に製品がある場合は、育毛剤のボトル裏面、空き箱、説明書を用意して、「成分表」と記載された箇所を確認しましょう。
Web上で確認する場合
多くの育毛剤メーカーでは、公式サイトで配合成分を一覧で表示しているため、手元にパッケージがない場合はこちらで確認しましょう。
実際に育毛剤の成分を読み解いてみよう
成分表が用意出来たら、実際に成分を読み解いて見ましょう。
たとえばチャップアップの成分表には、有効成分としてセンブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、塩酸ジフェンヒドラミンが記載されています。
これを先ほど紹介した「育毛剤に含まれる有効成分一覧」で探してみると、それぞれ血行促進効果と抗炎症作用があることがわかります。
このことからチャップアップは、頭皮への栄養不足が原因で細毛になっている人、またはフケやかゆみが気になる人に適した育毛剤と読み解くことができます。
〈PICK UP!〉男性向け人気育毛剤
ここからは、ここまでの解説を踏まえて人気育毛剤を紹介します。
スカルプD 薬用育毛トニックの商品ページをチェックすると、「有効成分で抜け毛を防ぐ」と明記されており、「医薬部外品」とも明記されているので、育毛効果のある成分が含有されていることがわかります。
こちらでは、含有されている有効成分の名称と、その効果について詳細が説明されています。
血行促進作用と抗炎症作用があるので、細毛や軟毛をより太く強く伸ばしたい人やフケやかゆみが気になる人に向けた製品といえるでしょう。
有効成分4種類のうち、毛母活性化成分と血行促進効果のある成分が3種類含まれているので、抜け毛に悩む人や今ある髪の毛を太く長く育てていきたい人に効果的な製品と言えそうです。
花王のサイトでは、t-フラバノンという成分が持つ効果について、実験結果とともに紹介されています。
また、西日本皮膚科の機関紙ではt-フラバノンの有用性についての検討結果が報告されていました。
円形脱毛症患者においてt-フラバノン配合ローションの有用性が高いことを確認した。
研究や実験を実施しているメーカーでは、その検証結果についても記載されているので、育毛効果の有無を見極めるうえで参考になるでしょう。
- チャップアップ(CHAPUP)
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[医薬部外品] チャップアップ 育毛ローション120ml サプリメント付き
- 定期便価格:9,090円(税・送料込み)
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3種の有効成分に天然成分をプラス
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育毛成分が血流を促進しながら、地肌と毛穴を健康に保って健やかな髪の毛を育てる効果が期待できます。
チャップアップの公式サイトでは、「No.1」や「受賞」といった文言が見受けられますが、効果について言及されたものではないので、使用者や専門機関からの評判が良いのだと認識しましょう。
こちらのページでは独自成分「ジンゲルシックス」について紹介されていますが、その育毛効果については明言されていない様子。
ただ独自成分をのぞいても、有効成分が5種類配合されており、トコフェロールとD-パントテニルアルコールが加わっているので、血行促進効果と代謝活性効果があることがわかります。
その他の3種類の有効成分も血行促進と抗炎症作用のある成分なので、チャップアップは髪が育ちやすい頭皮環境を整える製品といえるでしょう。
- リデン
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[医薬部外品] REDEN リデン 育毛剤
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定期コース価格:9,845円(送料込み)
単品購入:12,980円(送料660円)
※いずれも税込み
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リデンシルを配合した育毛剤
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スイス発の育毛成分リデンシルに加えて、血行促進作用のある育毛有効成分を3種類配合した育毛剤です。
オンライン販売系の育毛剤のなかでも話題のリデン育毛剤。公式サイトを見ると、「有効成分」「医薬部外品」の記載があることから、厚生労働省に認められた育毛成分が配合されていることがわかります。
育毛成分として含まれるリデンシルは、日本国内では2020年時点では有効成分として認められていませんが、成分の製造メーカーの研究結果では育毛効果が現れたというレポートが発表されています。
Redensyl® increased the ratio density of hairs in anagen phase / density of hairs in telogen phase.(リデンシルは、成長期と休止期の毛髪の密度を増加させました)
試験の被験者は男性で一定の効果が現れていることから、リデンは育毛効果を期待できる男性用育毛剤として使用を検討してもよい製品と言えるでしょう。
〈PICK UP!〉女性向き人気育毛剤
女性用の育毛剤についても、確認してみましょう。
アデノゲングレイシィの公式サイトでは、資生堂が独自に開発した育毛成分「アデノシン」の効果について詳しく説明されています。
アデノゲンに含まれる育毛成分「アデノシン」は資生堂の独自成分ですが、本当に効果があるか否かはメーカーの研究結果や公的機関の試験結果を参照しましょう。
資生堂が徳島大学大学院と共に2011年に発表した論文では、以下のようにアデノシンの効果について結論付けられています。
薄毛女性を対象とした12ヶ月間連続試験の結果、アデノシン配合ローション使用群ではプラセボ郡に比較して太毛率が有意に高くなった。
また、壮年性脱毛症に関するガイドラインを示している日本皮膚科学会では、アデノシンについて以下のようにその有用性を示しています。
男性型脱毛症にはアデノシンの外用を行うよう勧める.女性型脱毛症には行ってもよい.
公的機関の情報を元に成分の効果について裏付けを確認するのがベストですが、研究や試験の結果を読み解くのは難しいですよね。
そうした場合には公式サイトで説明されているイラストや図解などで、育毛成分の仕組みや効果についてもチェックしてください。
アデノシンの効果についてわかりやすい説明が記載されており、なかでも発毛促進因子を量産する効果が特徴的です。
今まで血行促進などの有効成分が含まれた育毛剤では効果がなかった人は、アデノシンが含まれている育毛剤を試してみるのもいいでしょう。
ニューモ育毛剤には独自のHGPとランペップいうタマゴ由来の成分が配合されています。HGPは卵から抽出された界面活性剤で、成分を混ぜ合わせる添加物の働きをします。
独自成分というと育毛効果を期待してしまいますが、HGP自体にその効果は期待できません。
ただ、それ以外に有効成分としてセンブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、D-パントテニルアルコールを含有しているので、血行促進・抗炎症作用・新陳代謝活性化の効果が期待できます。
ミドル層から根強い人気がある柑気楼は、柑橘由来の成分が保湿剤として含まれているので、乾燥気味な地肌にうるおいを与えてくれます。
有効成分は甘草由来のグリチルリチン酸ジカリウム、センブリエキス、ニンジンエキス、生姜由来のショウキョウチンキが配合されていて、抗炎症作用と血行促進作用で頭皮環境を整える効果が記載されています。
弱酸性でアルコールの配合量を抑えた処方なので、使用感が優しいのも特徴です。
〈PICK UP!〉人気の発毛剤3選
発毛剤は「第一類医薬品」となり、薬剤師と問診をした上で購入できます。
男性用、女性用の代表的な発毛剤をピックアップしました。
リアップX5プラスネオは発毛成分としてミノキシジルを含有していて、市販の発毛剤に含まれる最大濃度の5%を配合しています。
さらに育毛剤にも含有されている有効成分が6種類加わっているので、髪の毛が育ちやすい頭皮環境を整えながら、発毛を促す効果が期待できます。
リアップX5プラスネオの発毛効果の詳細は、下記記事もご覧ください。
スカルプD メディカルミノキも発毛成分ミノキシジルが国内最大5%配合されていますが、リアップと比較すると保湿剤と最低限の添加物が含有されたシンプルな処方です。
塗布ヘッドが広くて柔らかいので、頭皮に優しく使い続けられるでしょう。
日本国内で市販されている唯一の女性用の発毛剤です。女性が使用できるミノキシジルの上限である1%を配合しながら、3種類の育毛成分と保湿成分のヒアルロンを含有。
乾燥しがちな女性の頭皮にあわせた処方で、頭皮環境を整えながら発毛と育毛がケアできる製品です。
人気発毛剤についてさらに詳しく知りたい方は、下記記事もご覧ください。
プロの裏技!特定の成分を使うべきか判断する方法
最後に、今回お話を伺った鎌田さんから、信頼できる情報の見極め方について裏技を教えていただきました。
特定の成分を使うべきか否か迷ったときは、日本皮膚科学会のウェブサイトから調べることができます。
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」というデータ内の「表1 Clinical Question(CQ)のまとめ」に代表的な発毛成分の推奨度が記載されています。
「A.行うよう強く勧める」から「D.行うべきではない」までの5段階評価で記載されているので、Aと記載されていれば発毛効果が期待できると判断できます。C2.やD.であれば使用しない方がいいことがわかります。
まとめ
今回は毛髪診断士である鎌田さんに育毛剤のパッケージや公式サイトから効果を読み解く方法を伺い、実際に人気育毛剤や発毛剤の成分について解説しました。
最後に紹介したように、育毛剤の効果について報告された情報の中には、一般の人がアクセスできる資料もあります。育毛剤に含まれる成分が気になる方は、こうした情報をもとに自分にあった製品を見つけてみてくださいね。
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