おすすめの投げ竿17選【シマノ・ダイワ製品から廉価ロッドまで】
砂浜から豪快に仕掛けを飛ばす投げ釣りには、多くのファンがいます。「一度は投げてみたい!」という釣りビギナーも数知れず。堤防や海釣り公園でファミリーフィッシングを楽しむ家族連れのなかにも、投げ釣りの爽快感を求める人々が大勢います。そこで、有名メーカーの人気モデルから初心者向けエントリーモデルまで、おすすめの投げ竿を紹介します。投げ竿の選び方についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
投げ竿とは?
投げ釣りは、砂浜や堤防などから仕掛けを遠投して、沖に生息する魚を狙う釣法です。シロギスをはじめとして、カレイやヒラメ、マゴチ、さらにはマダイなどさまざまな魚種がターゲットになります。重い仕掛けを使って、100メートル以上キャストすることは珍しくありません。投げ竿は、こうしたタフな釣りにも耐えられるように設計されています。
投げ竿に共通するのは、遠投性に優れていることですが、釣り方によって適した竿は異なります。
たとえば、投げ釣りの代名詞ともいえるキス釣りでは、微かなアタリがわかるように感度が高い投げ竿がおすすめです。また、ポイントを探りながら釣り場を移動することが多いので、軽量であることも重要。一方、カレイ釣りなどで置き竿にする場合は、遠投性能が最優先されるでしょう。また、磯からマダイなどの大物を狙うような場合は、張りと粘りのある竿が適しています。
投げ竿の選び方
現在、釣具メーカーからは投げ竿として多種多様なモデルがリリースされています。それだけにロッド選びで悩む人も多いと思いますが、基本的には「より遠く」「より正確に」キャストできるかどうかがキーポイント。投げ釣りでは、キャスティングが最も重要なファクターだからです。
体格に合った「長さ」を選ぶ
投げ竿を選ぶとき、最初に考えなければならないことは、体格や体力に合ったロッドの長さです。前述したように、対象魚や釣り方、釣り場に最適化されたモデルもありますが、スムーズにキャスティングできなければ、そもそも釣りになりません。
投げ竿の標準的な長さは、4メートル前後といわれています。なかでも、4.05メートルを目安にするアングラーは多い。フィールド(釣り場)を選ばず、汎用性の高いレングス(長さ)だからです。
ただし、小柄な人には長すぎて、竿を振り抜けないことがあります。その場合は、少し短めの3メートル台をおすすめします。そのほうが無理なくキャストでき、飛距離も伸びるはずです。反対に、長身で体力に自信のある人は、長めの竿でもいいでしょう。長い竿のほうが遠投に有利であることは間違いありません。
この基本を踏まえたうえで、フィールドに合わせて最適な長さを見極めます。たとえば、砂浜で遠投をする場合は、4m程度の長さがほしい。一方、堤防などでちょい投げをする場合は、2~3m程度でも十分です。むしろ、混雑している海釣り公園などでは、キャスティングスペースが限られるため、短い竿のほうが扱いやすいでしょう。最近は、3.65メートル、3.85メートルといった短めの竿を愛用するアングラーが増えています。
仕掛けに合わせた「錘負荷」を選ぶ
投げ竿を選ぶ際には、竿の硬さ(錘負荷)も非常に重要です。扱えるオモリ(錘)が重ければ、より遠くに投げることができるからです。また、潮の流れが速い海域では、仕掛けが流されないように重い錘をキャスティングする必要があります。
しかし、錘負荷は大きければ大きいほどいい、というわけではありません。オモリが重くなれば、アングラーに負担がかかり、よりキャスティングテクニックが求められます。
では、どのような基準で選べばいいのでしょうか?
投げ竿には、「標準錘負荷」が「号数」で示されています(1号=3.75グラム)。たとえば、標準錘負荷が20号なら、75グラムのオモリが最も扱いやすいということです。また、実際に対応できるオモリの重量が、スペック表に「錘負荷」として表記されています。たとえば、標準錘負荷が20号なら、適合する錘負荷は15〜25号ぐらいでしょう。各竿の錘負荷は、必ずチェックしてください。
釣具ブランド大手のダイワをはじめとする多くのメーカーでは、標準錘負荷が長さとともに品番に表記されているので、竿を選ぶときには便利です。たとえば、「25(号)-405」という表記があれば、「標準錘負荷が25号、長さが4.05メートル」という意味です。
ただ、ダイワと双璧をなすシマノは、独自の表記方法を併用しています。少々、わかりにくいかもしれませんが、次のように対応しています。
シマノ製品の場合、たとえば「405EX」と表記されていれば、「標準錘負荷が25号、長さが4.05メートル」を示しています。
投げ竿は、こうした表記・表示をもとに選ぶことになります。通常は、次のように目安をたてておけばいいでしょう。
【堤防などでのちょい投げに適したロッド】
錘負荷:5〜25号程度
ダイワなどの品番:10、15、20号
シマノの品番:JX、HX、GX
【砂浜などでの遠投に適したロッド】
錘負荷:20〜40号程度
ダイワなどの品番:23、25、27、30、33号
シマノの品番:FX、EX、DX、CX、BX
本格的な投げ釣りでは、25、27号のオモリがよく使われます。したがって、ダイワ製品であれば25、27号、シマノ製品ならEX、DXのモデルが汎用性に優れているといえるでしょう。
「振出」か「並継」か?
投げ竿の選び方は、長さと錘負荷がベースになりますが、それ以外にもチェックしておかなければならないことがあります。
まず、「継ぎの種類」。投げ竿には「並継」と「振出」の2種類があり、自分に合ったタイプを選びます。
①携帯性を優先するなら振出竿
振出式(テレスコピック)の竿は、竿先を内部に収納し伸縮させて使うタイプ。投げ竿では通常、4本継ぎ以上になっており、仕舞寸法が短くなっています。持ち運びに便利なことが最大の利点です。
②性能を重視するなら並継竿
並継式(マルチピース)の竿は、ブランクス(ロッド本体)が複数に分割され、それらをつないで使うタイプ。投げ竿では、3本継ぎが一般的です。携帯性では振出竿に劣りますが、設計上の制約が少ない並継竿は、振出竿に比べて遠投性能やキャストフィール(投げやすさやコントロール性)に優れています。
従来、投げ竿の開発では並継竿が先行し、それに追随するかたちで振出竿が進化してきました。しかし、近年の振出竿は並継竿に比べても遜色ない性能を備えています。したがって、はじめて投げ釣りをする入門者には、携帯性に優れた振出竿をおすすめします。移動時のストレスから解放され、釣りに集中できるはずです。一方、中・上級者は、キャスティングテクニックを存分に発揮できる並継竿のほうが満足できるでしょう。
「ガイドロック」機能があるか?
ライン(道糸)が通るガイドも、重要なポイントです。とくに、投げ釣りで注意してほしいのが、振出竿の場合。竿を伸ばして、ガイドをセッティングしますが、その際、ガイドがしっかり固定される「ガイドロック」の機能がないと、フルスイングしたときにガイドがずれてしまうことがあるからです。
こうなると、飛距離が出ないばかりか、ラインが絡まったり切れてしまったりするおそれがあります。
ちょい投げで20〜30メートルをキャストするなら、それほど神経質になることはありませんが、100メートル以上の遠投をするなら、ガイドロック機能があるモデルをおすすめします。
ブランクスの素材は何か?
ブランクス(ロッドの本体)の素材は、大きく「カーボンファイバー」と「グラスファイバー」に分類されます。
カーボン素材は、反発力があり、遠投性に優れています。一方、グラス素材は粘りがあって、折れにくいのが特徴です。しかし、カーボン素材に比べると反発力が弱いため、投げ竿の素材としては見劣りがします。
また、カーボン素材でできている竿は軽量であることから、長時間の釣りでも疲れにくく、竿の感度も高くなるといわれています。投げ釣りの場合、頻繁に仕掛けをキャストするルアー釣りほどロッドの自重にこだわる必要はありませんが、微かなアタリもとらえたいキス釣りなどでは、やはり高感度の竿が有利です。事実、投げ竿では価格が高くなるほど、カーボン含有率が高くなっています。
釣りビギナーのための「トライアルモデル」3選
これまでまったく釣りをしたことがない人は、トライアル期間として低価格の投げ竿を選ぶのもひとつの方法です。錘負荷のあまり大きくない振出竿で、ちょい投げをメインに楽しんでみてはどうでしょうか? ここでは、投げ竿としての基本性能を備えたリーズナブルなロッドを紹介しています。
「プロマリン」は、マリンスポーツ用品の総合卸・浜田商会のプライベートブランド。投げ竿の価格帯は高いものでも1万円前後で、はじめて釣りをする入門者にはおすすめです。このロッドは、入門者にも扱いやすいショートレングス。また、ちょい投げに適した錘負荷で、サビキ釣りにも使えます。堤防や海釣り公園などで、気軽に竿を振ってください。
これも、プロマリンブランドの投げ竿。グラスファイバー製のロッドですが、ガイドなどの仕上げはしっかりしており、投げ釣り初心者に人気のモデルです。このロッドは、入門者にも扱いやすいショートレングスで、自重も抑えられています。砂浜からも手軽に投げ釣りが楽しめるでしょう。
釣具の総合商社・大阪漁具も、品質に信頼がおけるリーズナブルな投げ竿を多数リリースしています。このロッドは、4.5メートルというロングレングス。カーボン含有率が40%弱で自重も抑えられているので、ロングキャストにチャレンジできます。
本腰を入れて投げ釣りを始めたい!「エントリーモデル」6選
投げ釣りで人気のターゲットは、シロギスやヒラメ。まずは、堤防や砂浜から気軽にキャスティングを楽しんでみてはいかがでしょうか? その際には、振出モデルで標準的な長さの4.05メートルか、それ以下のショートロッド、そして錘負荷があまり大きくないものがいいでしょう。ここからは「シマノ」と「ダイワ」という2大ブランドのなかから、おすすめのモデルを紹介していきます。
シマノの投げ竿で入門者にぴったりなのが、「ホリデースピン」。リーズナブルな価格ながら、カーボンの反発力を活かした設計と特殊表面仕上げによる軽量化によって、軽快なキャスティングが楽しめます。また、塗装がていねいで、質感も十分。標準錘負荷15号・長さ3.05メートルのアイテムから30号・4.05メートルのアイテムまでラインナップされており、堤防でのちょい投げにも、砂浜からの遠投にも対応しています。このロッドは、投げ竿としては標準的なスペック。本格的に投げ釣りを楽しみたい人の「最初の1本」としてうってつけでしょう。
「ホリデースピン」のショートモデル。2.50メートル(標準錘負荷10号)から3.35メートル(同20号)までラインナップされています。短竿ならではの「振り抜けと取り回し」のよさが特徴。女性や子ども、シルバー世代にも扱いやすい竿に仕上がっています。また、仕舞寸法が短く、手軽に投げ釣りが楽しめるのも大きな魅力です。このロッドは、2メートル台で軽量。操作性と携帯性は抜群で、手軽にちょい投げが楽しめます。
シマノの投げ竿は、この「サーフチェイサー」から確実にランクアップしています。ガイドロック機能が備わり、カーボン含有率は大幅にアップし、ほぼ100%に達しています。また、竿のねじれを抑制する強化構造(ハイパワーX)が採用され、キャスティングの精度が格段に向上しています。このロッドは、スタンダードな長さ4.05メートルで、遠投に適した錘負荷になっています。遠投を意識した初心者におすすめです。
ダイワの投げ竿で入門者向きといえば、「リバティクラブサーフT 」。リーズナブルな価格ですが、快適な使い心地と細部にまでこだわったデザインが魅力です。標準錘負荷15号・長さ2.7mから30号・4.5mまでのラインナップで、波止、堤防、海釣り公園など釣り場に応じて選択できます。このロッドは、扱いやすい標準的なサイズで、初心者も爽快なキャスティングを体験できるでしょう。
「リバティクラブ ショートスィング」は、「リバティクラブサーフT」を一回りコンパクトにしたようなモデル。長さ2.41メートル(標準錘負荷10号)から3.3メートル(同20号)までのアイテムがラインナップされており、堤防でのちょい投げからサビキ釣りまで幅広く対応します。また、小継仕様で携帯性は抜群。このロッドは、扱いやすい長さで、ちょい投げにもサビキ釣りにもうってつけです。
投げ竿のエントリーモデルのなかでランクアップを検討するなら、「プライムサーフT」はおすすめです。カーボン含有率は90%を超え、ダイワ独自のカーボンテクノロジー(高密度HVFカーボン)を採用し、軽さとパワーを兼ね備えたロッドに仕上がっています。ガイドロック機能も搭載しており、ダイナミックな投げ釣りが楽しめるでしょう。販売価格も抑えられています。このロッドは、標準的な長さで、遠投に十分な錘負荷があり、チャレンジングな初心者にはうってつけ。
砂浜から思い切り遠投したい!「ミドルレンジモデル」6選
釣行を重ねて投げ釣りに慣れてくると、本格的な遠投に挑戦してみたくなるはずです。その際、それまで使っていたリーズナブルな振出竿では満足できなくなるかもしれません。そこで、性能・品質に定評がある並継竿とユニークな振出竿を紹介します。
「サーフゲイザー」は、本気で投げ釣りに取り組みたいアングラーにうってつけの並継モデル。シマノの本格的な投げ竿に標準装備されている機能は、ほぼすべて揃っています。
ねじれを抑える強化構造「ハイパワーX」、ライントラブルを抑制して飛距離が伸びる「7ガイド設計」、キャストの正確性を高める「キャスコングリップ」などが採用されているのです。また、先調子でありながら、少し胴にかかる調子に設定されており、キャスト時のリリースタイミングがとりやすくなっています。このロッドは、シロギスの引き釣りなどに適したスペック。投げ釣りのステップアップにはもってこいでしょう。
「サーフリーダー」は振出竿でありながら、本格的な遠投を見据えたスタンダードモデルです。遠投性能を高める「ハイパワーX」「キャスコングリップ」、振出竿に求められるガイドロック機能などを備え、ガイドにはPEラインの絡みを防ぐ「Kガイド」が採用されています。また、先調子ながら少し胴にかかる「新世代先調子マイルドチューン」によって、投げやすく、遠投性能の高い竿に仕上がっています。3.86メートルの短めモデルから、4.55メートルの大遠投モデルまでラインナップされていることも魅力。このロッドは、そのなかで中間に位置する標準的なスペック。振出竿で遠投にチャレンジするにはうってつけでしょう。
「サーフランダー」は、「サーフゲイザー」の上位機種。本格的な投げ竿に標準装備された機能に加えて、シマノの新技術が導入されています。なかでも、ねじり剛性を高める「スパイラルX」構造の採用によって反発力が強化され、飛距離を伸ばしています。また、「新世代先調子マイルドチューン」によって、投げやすいのも魅力。並継と振出の2タイプがあります。このロッドは、並継のミドルレングス。中級者なら、無理なく遠投を楽しめるでしょう。
ダイワの「パワーキャスト」は、投げやすさと扱いやすさを重視した本格的な並継竿。錘負荷が小さいロッドを中心にしたラインナップで、振出竿から並継竿に乗り換えようと考えている人は、要チェックです。オモリの乗りがよく、リリースするタイミングがとりやすいのは魅力。また、軽さとパワーを両立させた高密度カーボン「HVF」が使われており、シャープなキャスティングが楽しめます。このロッドは、長さも錘負荷も標準的なスペックで、並継竿デビューには最適でしょう。
「プライムキャスター」は、ハイエンドモデルに迫る高機能を備えた並継竿です。ねじれ防止の「X45」構造、糸絡みを抑制する「KWガイド」などを採用し、振り抜きやすさにこだわったバランス設計が特徴。感度、飛距離、コントロール性に優れたロッドに仕上がっています。3.85メートルから4.25メールまでがラインナップ。このロッドは、シリーズ内で最も長く、錘負荷が大きいアイテム。遠投派にうってつけといえるでしょう。
「キャスティズムT」は、「自由な発想で『投げる』釣りを楽しむ」のがコンセプト。
短めの振出竿で、軽快さと機動力が抜群です。また、振出竿では珍しい3本継ぎで、強い引きにも負けないパワーがありながら、穂先はしなやか。さまざまな魚種を投げ釣りで狙えます。このロッドは、シリーズ内でも最も短く、錘負荷の小さいアイテム。投げ釣りの新境地が開けるかもしれません。
自慢の腕前を存分に試せる!「ハイエンドモデル」2選
投げ釣りでは、その高いスポーツ性から競技会の開催も盛んです。趣味として楽しむだけでなく、遠投力や釣果を競う競技会で腕をふるうベテランアングラーも少なくありません。そんな場面でも活躍してくれる、代表的な上位機種を紹介します。
「アクセルスピン」は、不等長3本継構造(分割されたパーツの長さが違う設計)のハイスペックモデルです。ただ、最大の特徴は、調子の異なる2つのモデルがラインナップされていることです。「タイプF」は、遠投性能を追求した先調子。ロッドを曲げてからの強い反発力を一気に開放することで、シャープなキャスト感が得られます。「タイプR」は、キャスト時に元竿が曲がってタメが効く胴調子。リリースのタイミングが合わせやすく、ミスキャストを減らすことができます。アングラーは、自分のスタイルに応じたモデルを選択できるわけです。このロッドは、安定して飛距離を出せるタイプR。フルキャストを繰り返すような場面で真価を発揮するでしょう。
「スカイキャスター」は、ダイワの上位機種。元竿節長設計の「ロングバット構造」を採用することで振り抜きスピードがアップし、軽量のガイドシステム「AGS」を搭載することで感度が大幅に向上しています。また、素材には軽量、高強度の「HVFナノプラス」が採用されており、粘り強さと振り抜きやすさが体感できます。このロッドは、遠投向きのロングレングスで、錘負荷はシリーズ内で真ん中ぐらい。新たなステージで投げ釣りの醍醐味を味わうにはうってつけでしょう。
投げ竿選びの素朴な疑問Q&A
投げ竿の購入を考えたとき、ふと頭をよぎる疑問や不安があるかもしれません。そこで、多くの人から寄せられる質問にお答えしましょう。
投げ竿を他の釣りに流用できるか?
投げ竿は、投げ釣りでの遠投を前提に設計されていますが、他の釣りで使えるモデルも少なくありません。たとえば、錘負荷が小さめの竿なら、堤防でのウキ釣りやサビキ釣りなどにも流用できます。錘負荷5〜20グラムぐらい、長さは3〜4メートル程度の投げ竿なら汎用性が高いでしょう。
また、3メートル前後までの短い竿なら、ルアーロッドとしても利用できます。回遊してくる小型の青物やタチウオなども狙えるでしょう。
ただし、超軽量の仕掛けで繊細な釣りをする場合、投げ竿を兼用するのは難しい。釣り竿のなかでも、硬めで張りがある投げ竿では、アタリを弾いたり、バラしたりしやすいからです。
そしてもうひとつ、忘れてならないことがあります。本格的な投げ釣りのタックルは、かなり重い。竿の硬さや長さとともに、リールを含めたタックルの重量も考慮して、釣り方や釣り場を選ぶ必要があるでしょう。
投げ竿と磯竿の違いとは?
磯竿は、磯場で使いやすいよう長めになっています。また、ガイドの数が多く、しなやかに曲がるのも特徴。大物をかけたときも、スムーズに取り込めます。その反面、ラインとガイドの摩擦によって、飛距離は伸びません。
その点、投げ竿は磯竿に比べてガイドが少なく、ブランクスには張りがあります。つまり、遠投に適した硬めのロッドに仕上がっているわけです。磯竿のようなしなやかさは
期待できません。本格的な磯釣りを投げ竿で代用するのは、少々無理があるでしょう。
また、磯竿には遠投用のモデルもありますが、主にカゴ釣り(撒き餌を遠投する釣り方)などを目的としています。遠投用磯竿で本格的な投げ釣りをするのも難しいでしょう。
中古の投げ竿は「買い」か?
中古の釣り竿は、ハイエンドモデルを中心に多くのアイテムが中古市場に出回っています。近年は、中古釣具専門店やネットショップをはじめ、個人間でのネット売買やネットオークションなどでも取引されています。
中古ロッドに汚れや傷はつきものですが、新品より安価で手に入るため、高級ロッドを求めて中古市場を探すアングラーは大勢います。「安物を数多くもっていても意味がない
。限られた予算で名品・逸品を揃えたい」というわけです。事実、中古ロッドにはお買い得な人気モデルも少なくありません。
そこで、中古の投げ竿を購入するときのチェックポイントを挙げておきましょう。
①ブランクスはカーボン繊維の破断が心配
中古の投げ竿を購入する場合、カーボン素材のハイエンドモデルが主な対象になります。劣化しにくいといわれるカーボン製のロッドでも、使っているうちに傷がつくものです。ただ、塗装面の傷はそれほど心配することはありません。注意したいのは、塗膜の下のカーボン繊維に達する深い傷です。非常に細い裂傷でも、カーボン繊維が破断していると竿に張りがなくなったり、折れてしまったりすることがあります。
②ガイドの歪みや内側の傷には要注意
ガイドリングやリングフットの歪みは、キャストしたときにライントラブルを起こす可能性があります。また、錆が進行してガイドリングの内側に傷ができていると、ファイトの途中でラインが切れてしまうことがあります。中古ロッドを購入して、ガイドを交換するという方法もありますが、費用や手間を考えると事前にに入念なチェックをするほうが賢明です。
③グリップのテカリを見逃さない
グリップの素材も摩耗します。合成樹脂(EVA)のグリップは、テカリが少ないものを選びましょう。テカテカになったものは、滑り止めの機能がなくなっています。
④リールシートも実釣性能に影響する
リールシートがスムーズに動くか、内側にへこみがないかもチェックポイントです。リールがガタつくようでは、フルスイングできません。
⑤継ぎ目の部分を確認する
並継竿の場合は、ジョイント部分が痩せていないか、竿が固着しないかどうか確認します。振出竿の場合は、スムーズに伸縮できるかをチェックします。
中古ロッドを扱う業者の多くは、竿の汚れや傷、修理の履歴などを商品情報として公開していますが、できれば現物を手にとって確認してみるといいでしょう。目で見ただけではわからない破損や劣化も、手の感触でみつかることがあります。
まとめ
この記事で紹介できなかった投げ竿にも、魅力的なモデルが数多くあります。また、上級者の方は、この記事では触れなかったハイスペックの極上ロッドも選択肢に入るでしょう。ただ、ここでおすすめしているモデルは、いずれも品質に定評のあるものばかりです。その紹介記事を参考に、最適なロッドをみつけていただければ幸いです。
※価格はいずれも2020年9月時点のものです。
関連記事はこちら
ホビーの記事はこちら
-
LINEの友達登録をお願いします!
LINE限定で、毎週の人気記事を配信します!
XでMoovooをフォロー!
Follow @moovoo_