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地震や火山活動による影響で発生する、津波。2004年に発生し、約225,000人の命を奪ったといわれるスマトラ島沖地震や、2011年の東日本大震災により、その存在は「TSUNAMI」の名称で世界中に知れ渡ることとなった。
甚大な被害をもたらした東日本大震災では、津波の最高到達点は海面から40.5メートルにも及んだという。津波が人や建物を次々といとも簡単に飲み込んでいく映像は、16年経った今もなお多くの人々の脳裏に焼き付いて離れることはない。
「Survival Capsule」で安全に避難することが可能
2004年の考案から9年後の2013年、ついに完成した「Survival Capsule」は、津波の発生時、すぐに避難できない人々が簡単に、そして安全に避難できるカプセルである。このカプセルは救助がくるまで、安全に避難できることを目的としている。
付属のケーブルをおもりなどに固定することで、いかり代わりとなり、沖に流されることなく救助を待つことができる。また形状は球体であるため、津波の強い衝撃や鋭利な障害物の激突にも耐えうるという。他にも落下・衝撃テストや火災・燃焼テストなどあらゆるテストを行い、その安全性を確かなものとしている。
経験豊富な航空宇宙技術者のチームによるち密な設計で、強度と生存性を念頭に構築されたサバイバルカプセルは、自然災害が引き起こす過酷な状況や環境で、安全かつ効率的にはたらくことを約束している。
「Survival Capsule」は、2名から10名までの様々な種類がある。小型カプセルは家庭に、大型カプセルは会社、病院、空港、学校やあらゆる公共施設の安全な避難場所として設計されている。
世の中に出たきっかけ
最初に彼らのアイディアが注目されるきっかけとなったのは、2011年に開催された「NASA Tech Brief Innovation Contest」へのエントリーである。エンジニアリングイノベーションを活性化することを目的とし、毎年開催されているこのコンテストは世界的にも注目度がとても高い。彼らがエントリーした2011年は約350ものエントリーがあったが、「Survival Capsule」は見事9位という結果を残したのだ。
この結果を受けて、いくつものメディアがこの「Survival Capsule」に注目したという。地元メディアにいたっては彼らの設計コンセプトを聞き、長期に渡って彼らを紹介したほどだ。
Dr. Eddie Bernardとの出会い
メディアの報道により、Julian Sharpeたちはある人物を紹介されたという。その人物は、津波研究を40年続けているDr. Eddie Bernardであった。Dr. Eddie Bernardは、彼らの個人安全システムのコンセプトに非常に感銘を受けたという。そうして生まれたのが、Julian Sharpeが代表を務める企業、Survival Capsule LLCである。
Dr. Eddie Bernardがプロジェクトに加わることで、救命用カプセルの開発は急速に進んだという。Dr. Eddie Bernard氏と以前一緒に仕事をした、日本の企業「東邦マーカンタイル株式会社」とパートナーシップを結び、開発は着々と進められていった。
Survival Capsule made the newspaper Yomiuri dated Mar/12, 2017, Japan. pic.twitter.com/39hDhFlPjF
— Survival Capsule (@SurvivalCapsule) 2017年3月13日
そして共同で作業が進められ完成したプロトタイプは、2013年に横浜で開かれた震災対策技術展でも大きな成功をおさめたのだ。
津波により失った多くの命。辛い現実ではあるが、どんなに悲しんでも、どんなに想っても彼らが戻ってくることはないかもしれない。しかし、もう悲劇は繰り返したくないという願いや、教訓から生まれるものもある。「Survival Capsule」も、その「教訓」から生まれたプロダクトの一つだ。地震大国といわれる日本に住む我々にとって、この「Survival Capsule」から学ぶべきことは多いのかもしれない。
Courtesy of Survival Capsule LLC