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いつどこで起きるか分からない、心肺停止。家族や友人、周りの人が急に倒れたとき、適切な対応法をあなたはご存じだろうか?
呼吸が止まり、心臓も動いていないとみられる人には、一刻も早い心肺蘇生が必要となるが、いわゆる「心臓マッサージ」は、その正しいやりかたを知る人はまだ少なく、一定時間、力強くマッサージし続けるには、非常に体力を消耗するのだ。
この一刻を争う「心臓マッサージ」を、自動で行う救命器具「AutoPulse」が開発された。
「AutoPulse」がもたらす影響
アメリカの企業「ZOLL」が開発した「AutoPulse」は、バッテリー駆動の自動心肺蘇生器具である。
患者の胸に巻きつけるだけで、自動で胸囲に合わせて伸縮し、胸全体を圧迫して心臓や脳への血流を改善することが可能。「AutoPulse」では、人の手で行う心肺蘇生措置では難しかった一定の圧力での蘇生を、継続的に行うことができるのが特長だ。ソフトストレッチャーと組み合わせて固定することもできるため、搬送中も患者に継続的な心臓マッサージを行うことができる。
さらに、人員の少ない現場では、「AutoPulse」が措置を行っている間、他の救命隊員は別の救助活動に取り組むことができるだろう。「AutoPulse」を患者に取り付けるのにかかる時間は、たった14秒程度という。この驚異的な簡単さも魅力の一つだ。
柔軟なつくりで搬送を楽にする
今まで急な階段や窮屈なエレベーターでの患者の搬送は、踊り場で患者の伸びた脚がぶつかってしまい方向転換が難しかったり、エレベーターのドアが閉まらなかったりと、苦労した。
しかし「AutoPulse」が固定されたソフトストレッチャーでの搬送では、患者の脚を曲げることができるため、階段やエレベーターでの問題も解決できる。そして重要なことは、その間も心肺蘇生が行われ続けるということだ。
「AutoPulse」が無ければ結果が違ったかも知れない
実際に「AutoPulse」により、救われた命がある。
バージニア州リッチモンドに住んでいるMike Snyder氏は、ごくまれに突然の心肺停止を引き起こすことがあるというウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群と診断された過去があった。そして、12月のある夜、彼に発作が起きてしまう。
その際駆けつけた救急隊員Alex Klimenko氏は「AutoPulse」を使い、Mike Snyder氏をストレッチャーに乗せた状態で階段を降り、搬送したのだ。Alex Klimenko氏は「AutoPulseのおかげで彼を階段で下ろすことができた。これが無ければ、階段を使って下ろすことは10倍以上難しく、彼を助けることは難しかったかもしれない。」と語った。
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開発企業である「ZOLL」は、「AutoPulse」の開発の他にも、医療機器およびソフトウェアソリューションを開発・販売することで、救急医療を促進している企業である。
テクノロジーの進歩により、救われる命がさらに増えていくことだろう。
Courtesy of ZOLL