Mobility

乗ったままシームレスに立てる電動車いす「Laddroller」

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高いところにある本をとる、コンビニのATMを使う、友達と同じ目線で会話をする……。座った姿勢で固定される車いす利用者にとっては、ちょっとしたことすら困難になってしまう。

この問題に挑戦したのがイタリアの企業。“車いすは座った姿勢のまま”という常識をくつがえす画期的な車いす「Laddroller」だ。

レバー1つで直立姿勢へ

現代都市は至るところでバリアフリー化が進められ、障害者に対する物理的な障壁は少なくなってきているといえるだろう。それでも、常に「座っている状態」という固定された姿勢で暮らしている車いす利用者にとっては、多くの課題が残されているのが現状だ。


そんな彼らを見ている中で、気軽に姿勢を変えられることの重要性に気づき、開発に乗り出したという「Laddroller」。

この車いすは、レバーを操作するだけで、シームレスに体を起こすことができる。その状態のまま移動することも可能だ。姿勢の変更速度はスムーズで、「友人に出会ってから立って握手をする」といった動作もストレスなく行えるだろう。

直立姿勢を取ることで得られるメリット

車いすで直立姿勢が取れることで、どのようなメリットがあるのだろうか。

まずは先述の通り、棚の上のモノを取ることや、座ったままでは難しい機器の操作も可能になるだろう。そして周囲の人と目線を合わせたり、遠くの景色を見たりと、シーンに合わせて高さを調節して、快適に生活することができる。

さらに身体的にも、長時間座ったままだと、背骨や腰などに支障が現れ、リハビリを受けなければならないこともある。「Laddroller」は、周囲の助けを借りなくても、好きなタイミングで背筋を伸ばせるため、利点の1つになりそうだ。

パワフルな4WD

巨大な前輪を搭載したユニークな形状の「Laddroller」は、パワフルな4輪駆動だ。高めの段差やデコボコ道でも走行できるよう設計されているため、移動範囲を限定されずに好きなルートを行くことができるだろう。

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2016年10月に開催された、最先端技術で障害者が競い合う国際大会「サイバスロン」。この大会では「Laddroller」に乗った車いすフェンシング選手であるKalliopi Loufaki氏が登場し、様々な障害物を難なく越える「Laddroller」の姿を披露した。

既存の高価で重い起立機能付き車いすを、ロボティクス技術を組み合わせることで、より使いやすく、機動性の高いモビリティ化した「Laddroller」。テクノロジーの発展により、より一層バリアフリーが進歩していきそうだ。

Laddroller

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