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2018年注目の海外シェアリングエコノミーサービスは?現状を調べてみた

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AirbnbやUberなどが世界的に普及したことで、注目を集めるシェアリングエコノミー。ソウルやアムステルダム、福岡市は「シェアリングエコノミー」の推進計画を進めているほどだ。

なぜこれほどまでにシェアリングエコノミーが注目されるのだろう。そもそもシェアリングエコノミーとはどういったもので、海外・国内でどのようなサービスが展開しているのか、現状を調べてみた。

シェアリングエコノミーとは

シェアリングエコノミー(Sharing economy)は、個人が保有している資産を貸出することや、貸出を仲介するサービスを指す。「共有経済」とも呼ばれる。近年、欲しいものを購入する所有から、必要なときに借りればよいという共有の考えが広まり、ニーズも増加。そのような人々を引き合わせるインターネットサービスや考え方が注目を集めている。

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)によると、2013年に約150億ドルだったシェアリングエコノミーの市場規模は、2025年には約3350億ドル規模に成長する見込みだ。この爆発的な普及の背景には、インターネットとソーシャルメディアによる後押しが挙げられる。

シェアリングエコノミーは、インターネットを介して仲介が行われる。また、貸出の対象は、空き部屋や空き家、乗り物、料理などの有形のものから、代行やリソース提供など無形のものまでさまざまだが、いずれのケースも貸し借りが成立するためには信頼関係の担保が必須だ。そのためソーシャルメディア上での情報交換やコミュニティでの立ち居振る舞いなどが信頼の担保のひとつになる。

海外で注目のシェアリングエコノミーサービスは

グローバルに成長するシェアリングエコノミー。それでは、具体的に海外で注目されているサービスを見ていこう。

Airbnb

シェアリングエコノミーの草分け的存在とも言えるのが、「Airbnb」だ。2008年にアメリカで創業し、世界中で爆発的に普及してきた。2016年時点で、世界191カ国34,000以上の都市で利用できる。サービス内容は、個人が所有する住居や空き部屋などのインターネットを介した貸出し。


ホスト(貸主)のメリットは遊休資産を有効活用できること。ゲスト(借り主)のメリットは旅先で現地の生活を体験できたり、ホテルよりも安価に宿泊できることだ。変わったコテージや可愛らしい外国の家に宿泊でき、現地の人々とも交流できる。

一方で、普及の速さに法整備が追いついていないなどの課題がある。ホスト・ゲスト同士のトラブルや近隣住民とのトラブルが問題視されている。

Uber

Uber」は、Airbnbと並んでシェアリングエコノミーの代表格的存在。スマホでカンタンにハイヤーやタクシーを呼べるだけではなく、一般のドライバーも空き時間を活用してタクシー運転手になることができるサービスだ。


利便性、コスト、サービスの質の高さから爆発的にシェアを伸ばしたため、既存のタクシー会社からの反発も。サンフランシスコでは実際に倒産する企業も出た。このため、既存業界がシェアリングエコノミーの台頭によって侵食され縮小することを「ウーバライゼーション」と呼ぶ。

Uber EATS

Uberはデリバリーサービス「Uber EATS」も展開。従来のデリバリーサービス・出前と異なり、レストランが配達員を雇用せずに、空いた時間を有効活用したい配達ドライバーがデリバリーを行う。


Uberが提供する講習を受け一定の条件を満たせば、配達パートナーになることができる。週末や空いた時間に稼働することで、個人委託業として配達料を得ることが可能。すぐに食事をしたいユーザー、空き時間を有効利用したい配達ドライバー、配達員を雇用せずにデリバリーを行いたいレストラン、三者をマッチングするサービスだ。

fastly

夕食のシェアサービス。夕食を作りたい人・食べたい人をマッチングし、食卓を共有することができる。作りたい人は、日時や場所など詳細を設定し、食べたい人を待つだけ。2014年にThe Westly Groupから125万ドルを資金調達した。

DogVacay

旅行などで家を空ける際にペットを預けたい人と、預かる人を仲介するサービス。飼い主が安心して旅行することを目的にしている。2012年11月にBenchmark Capitalから600万ドルを資金調達した。

日本でのシェアリングエコノミーの現状は

では、日本でのシェアリングエコノミーの現状はどうだろう。インバウンド、空き家問題の解消、教育、地域環境など、さまざまな領域でシェアリングエコノミーの活躍が期待される一方、課題も多い。

まずは世界的に大流行したAirbnbについて見ていこう。日本では訪日外国人の増加とAirbnbの普及を背景に、民泊サービスに参入するホストが急増した。

しかし、日本の旅館業法では住宅を民泊サービスとして利用するためには、初期投資が必要な上に、許可を得るためのハードルが非常に高かった。このため、無許可で民泊営業をするホストが横行。ルール作りが追いつかず、ホストとゲストの間だけではなく、近隣住民とのトラブルが問題視されるようになった。

そこで政府は、一部の区域のみ規制を緩和する特区民泊を実施。2016年1月、東京大田区ではじめて解禁され大きなニュースとなった。しかし、特区は限られた地域だったため、2017年に法改正と併せて民泊新法を制定、2018年6月から施行予定だ。

規制が緩和された一方、年間営業日数180日の上限や違反時の罰則などが定められ、民泊をビジネスとして運営するのは厳しいのでは?といった声も上がっている。

Uberは、2013年に日本の都心部で試験運用を開始。しかし、日本の現在の法律上の問題や、タクシー業界の反発によって、アメリカやヨーロッパのような広いサービス展開には至っていない。

その他、家事代行や子どものお迎え、家具の組み立て、ペットの世話などを依頼できる「ANYTIMES(エニタイムズ)」や、自家用車をシェアする「Anyca(エニカ)」といった国産のシェアリングエコノミーも有名。

今後、シェアリングエコノミーはどう普及する?

余っているモノやリソースを有効活用し、社会で共有するシェアリングエコノミーは、地域経済の活性化や市民の交流を生み出すだろう。特に、空き家問題や地域振興が課題の日本では、今後大きな役割を果たすはずだ。

「観光先進国」を目指す日本政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を踏まえ、2020年の目標を訪日外国人旅行者数4000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円とし、さまざまな取り組みを進めている。

宿泊施設が不足しており、Airbnbなどを介した民泊の活用は大いに期待できる。一方で、法整備も急務の一つだ。個人対個人の取引となるため、トラブルも絶えない。

今後は、シェアリングエコノミーのさらなる普及と併行して、ルール作りや法律作りが進んでいくだろう。


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