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医者が伝えたい“血圧を下げる秘策”は「粛々と減塩」【動画ライター】

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「知っておくと得する医療や医学の知識」について現役医師がリレーでわかりやすく楽しく解説する動画コラム「現役ドクターの動画処方箋」−−−今回は循環器内科医からの、血圧と栄養素についての動画処方箋です。

みなさん、よく巷で売られているサプリメントの宣伝文句に「血圧が下がる」という言葉を見かけることはありませんか?

実際、血圧を下げる栄養素はあるのでしょうか?

今回は、塩分と血圧、そしてその他の栄養素に関する論文について解説します。

塩分と血圧の関係とは?


そもそも、塩分を摂る量が多いと血圧が上がることは、以前から分かっています。

では、血圧に対する塩分の悪影響は、その他の栄養素によって打ち消されることはあるのでしょうか。

ナトリウムとその他80種類の栄養素について解析

2018年、Hypertensionという医学雑誌に掲載された論文について解説します。


栄養と血圧に関する国際共同研究(横断研究)において、日本、中国、イギリス、アメリカの4カ国において、40~59歳の男女4,680人について解析したところ、これまでの報告通り、ナトリウム(塩の成分)の摂取量は血圧上昇と関連があることがわかりました。

これは、年齢、性別などの影響を受けないよう統計学的な調整をして解析しても変わらず、ナトリウムが尿中に出された量が最も多い群(塩分を摂る量が最も多い群)は、最も少ない群よりも血圧が高値でした。

さらに解析したところ、この関連はタンパク質や脂質、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など80種類の栄養素の組み合わせによって、ほとんど変化しないことがわかりました。

つまり、血圧上昇という塩分の悪影響は、他の栄養素を摂取することでは打ち消すことはできないということが考えられるのです。

血圧を下げるために近道はなし


以上が論文の説明になります。

単体で血圧を下げる栄養素があるかどうかについては今回は研究されていませんが、そもそも「血圧を下げる」ためには、塩分の影響を考慮することは避けられず、他のサプリメントで補おうとするよりも、「粛々と減塩」することが大切と言えそうです。

日本高血圧学会では、高血圧の予防のために、血圧が正常な人にも食塩制限(可能であれば1日6g未満)をお勧めしています。


すぐできる減塩方法として例えば、「汁物は全部飲み干さない」、「ドレッシングはかけないで付ける食べ方に変える」などから始めてみては、いかがでしょうか。

減塩料理については、こちらの「戦国キッチン 命は一度きり 〜日本循環器学会武田減塩〜」も分かりやすく楽しい動画でとてもお薦めです!

是非見てみて下さいね!



参考文献:Hypertension. 2018;71:631–637 (https://www.ahajournals.org/doi/pdf/10.1161/HYPERTENSIONAHA.117.09928)





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