Transportation

新しい移動の形? 誰かのマイカーを呼び出せるスマート送迎アプリ「CREW(クルー)」

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CREW(クルー)」は、ドライブ好きと、車で移動したい人をつなげる相乗りマッチングサービス。アプリから出発地と行き先を指定すると、近くを走る一般ドライバーがマイカーで迎えに来てくれます。


まるでタクシーのようですが、サービスを提供するAzitによると、移動したい人が運転者の運送行為への対価を支払う義務がないため、道路運送法の区分における旅客自動車運送事業には該当しないとしています。

CREWの仕組み

タクシーの料金体系とは異なり、移動にかかった実費(ガソリン代/高速料金)と、プラットフォーム手数料が必ず発生します。

実費と手数料のほかに、「任意の謝礼」を支払うことが可能。これはマイカーで目的地まで送ってくれたドライバーに対する"感謝の気持ち"なので、ゼロ円でもOK。逆にドライバー側から謝礼を強要したり、要求したりする行為は禁止されています。


CREWドライバーはマイカーを使って、普段と違ったドライブが楽しめます。トラブルサポートもあり、特典として、自動車整備工場の特別割引なども受けられます。


実際の利用例を上げるとこんな感じ。コリドー街(中央区)〜汐留(港区)まで10分乗せてもらうと、かかった実費と手数料は260円。謝礼はゼロ円なので、支払いは本当に260円だけとなっています。

東京駅(中央区)〜学芸大学(世田谷区)まで37分乗った例では、かかった実費がたった859円。謝礼として2,000円支払っていますが、それでもタクシーより安いくらいです。


サービス提供エリアは、東京都内の一部地域。鹿児島・与論島などのローカルエリアで実証実験も行っています。

「乗りたい人」と「乗せたい人」をマッチング

CREWでは、「クルマに乗りたい人」がお得に移動できるだけでなく、「クルマに乗せたい人」も実費が回収できるシステムとなっています。

CREWドライバーの必要条件は、「スマホ」「普通免許」「マイカー」を持っていることの三点。ただし、誰でもなれるわけではなく、審査を通過した人のみ、CREWドライバーとして活動できるようになります。

なお、CREWは相互評価システムを採用しています。5段階評価になっており、ドライバーは搭乗者に最低値となる「評価1」をつけると、以後そのユーザーとマッチングしなくなります。

搭乗者は評価が高くなると「ライダーグレード」が上がっていき、手数料がお得になったり、混雑時でも優先的にマッチングしたりするなどの優待を受けられる仕組み。逆にライダーグレードが低くなると、移動距離が短くなるなどの制限がかけられます。


なお、謝礼の金額で評価が左右されると思うかもしれませんが、謝礼金額は搭乗者への評価終了後にドライバーに表示される仕組み。そのため、評価やライダーグレードには影響しないようになっています。

例えば、CREWが観光地でサービス展開を進められれば、地元の人が空いた時間に観光客を案内でき、乗る人は地元の人ならではの観光情報を聞けるなど、移動の新しい手段になるかもしれません。

CREWの中の人にメールインタビュー

今までにない新しいサービスのCREW。「タクシーとは何が違うの?」「どういう風に使えばいいの?」など、いろいろ聞きたいことが出てきたので、実際にCREWを運営する株式会社Azitに質問してみました。

 ずばり、タクシーとは何が違うのか?

国土交通省が定める平成30年3月30日付通達(国自338号)に沿ったサービスとして提供しています。

タクシーが運送契約に基づいて運送を提供する認可業である一方、CREWはあくまでもボランティアとして互助の送迎を一般の方が提供するものであって、認可業ではない点が異なります。

 ドライバー審査の内容や詳しい手順は?

詳細については非公開とさせていただいておりますが、大き分けて、
①書類審査
②面接
③安心安全と法令遵守に関する講習会
の3つのステップとなっております。

 東京都内のサービス提供時間が20時〜翌3時に限定されている理由は?

CREWは交通課題の解決・移動格差の解消のために、都市と地方でサービスを提供しております。

都市部での交通課題を精査していくにあたって適切な規模を随時設定していく予定ですが、現状は20〜翌3時が適切だと判断しております。

 どんな人にCREWを使ってほしい?

「"ありがとう"と"おもてなし"の循環」というCREWのコンセプトに共感し、互助の精神(ホスピタリティー)のある方に使っていただきたいです。

 今後の展望について

都市部だけでなく、地方部にも交通課題があると考えております。双方で課題解決をしていきたいです。

CREW

株式会社Azit


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