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沖縄で初となる大規模な国産コーヒー豆の栽培を目指す「沖縄コーヒープロジェクト」 が始動した。元サッカー日本代表の 高原直泰氏が率いる沖縄 SVと、ネスレ日本株式会社、琉球大学農学部、沖縄県名護市といった産学官連携 の取り組みだ。
このプロジェクトの目的のひとつは、沖縄が抱える農業問題の解決。沖縄県では農業就業者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地などの問題などが深刻化しており、この放棄された耕作地の活用や、新しい農業就業者を得るためにも利用される。
沖縄での大規模栽培にたちはだかる壁
沖縄はコーヒー豆栽培に適した北緯・南緯25度のコーヒーベルトの北限ぎりぎりに位置、塩害や風害に弱いコーヒーの木は、沖縄特有の気候には不向きと言われ、多くの農家が挑戦してきたが、これまでで少量しか生産されてこなかった。
その沖縄県産コーヒー豆の生産量を拡大することで、特産品にすることや、観光資源としてサッカー場を併設したコーヒー農園を将来的に開発するなど、これまでの沖縄にはなかった切り口での産業育成を目指していく。
ドイツでの学びが生きている
記者発表を終えたプロジェクトの発起人である高原氏に話を伺うことができた。
単純にコーヒーは好きでしたが、だから始めた訳ではありませんでした。
今回のプロジェクトを始めたきっかけは、地域貢献がクラブを経営する上で欠かせないことだったからです。
ドイツに行くまでは、周囲とのつながりを意識していませんでした。どちらかというと、結果を残して上をめざすんだという「野心」めいたものが強かったです。
そんなとき、ドイツのクラブに移籍して感じたのが「周りとの関わり」の大切さでした。
沖縄SVを立ち上げ、チームを運営していく立場に回って、「周りとの関わり」を大事にしたクラブにしたいと思いました。地域に貢献しながらチームを強化していく事、自分たちだけが強くなっていこうとするのではなく、いかに周りを巻き込みながら一緒に成長していくことができるか、そういったことが大切。チームの強化には必ず地域貢献というものも大事なので、両方をうまく回していかないと成り立たないと思っています。
ネスレさんはもともと僕が所属していたジュビロ磐田のスポンサーだったので、関係はあったので、話を直接持ちかけに行くことができました。すると、面白そうだということで、豆の選定から細かいところに協力してくださいました。
しかし、苗を育てる際に沖縄の気候や土壌の知見がなく、さすがに僕らだけでは厳しいところもありました。そこで、琉球大学農学部が沖縄のコーヒー農家さんたちと協力してコーヒー栽培を進めていたので、先生にお声がけさせていただきました。
苗から植え替えるタイミングで、広大な土地が必要でした。沖縄の北部の土壌じゃないと、コーヒー栽培ができない。探した結果名護市さんにお話させていただき、協力してしていただけるようになりました。そういった流れです。
理想はサッカーの練習場の横に農園があるような風景です。そこに併設されたカフェなどで、練習があってもなくてもコーヒーが飲めて、そこに皆が集まってきてコミュニケーションが自然と生まれるような場所になって欲しいと思ってます。
極秘で進めてました(笑)
公開までは誰にもいえなかったので、言いたかったんですが。今日で解禁になったのでグループLINEがあるので、そこでみんなに教えようと思います。
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「選手時代は自分は周りを巻き込んで何かをするという意識がなかった。」と語っていた高原選手。ドイツ時代に“地域とつながる”大切さを知り、はじめたのが今回の計画だ。
それは3年あまりで、世界最大の食品会社ネスレ、国立大学、地方自治体といった巨大な組織を3つも巻き込んだ。ドイツの地でオリバー・カーンの無失点記録を破ったスシボンバーは、沖縄の地でもハンパなかった。