Culture

疾走感のあるサウンドが海外でも大人気! 「ソニック」シリーズの作曲家 瀬上さんにインタビュー【動画ライター】

※bouncyではアフィリエイト広告を利用しています。記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がbouncyに還元されることがあります。



動画ライターの砂流(すながれって読みます)です。ソニック風なドット絵で失礼します。

ゲームやeスポーツに関する取材をおこなう動画コラム、今回はセガゲームスの「ソニック」シリーズのゲーム音楽をつくられている瀬上純さんに取材してきました!


瀬上さんは、5月21日に発売された「ソニック」シリーズの新作レースゲーム『チームソニックレーシング』の楽曲も手がけられています。

▲プロモーション映像で使われている音楽は瀬上さん作曲

瀬上さんの音楽といえば、疾走感あるバンドサウンド。とくにギターのキャッチーなメロディーがかっこいいんです! ソニックファンの方はメロディーを口ずさめる方も多いのではないでしょうか。

ということで、今回は瀬上さんに「メロディーの秘密」や、「海外を意識するキッカケ」といった音楽に関するお話を伺いました。

■ 緻密なんだけど緻密に感じさせないものを狙っている


まずはメロディーについてお話を伺いました。

瀬上:洋楽が好きで、洋楽で育ってきたけど、根っこの部分にわかりやすい歌謡曲とかJ-POPがある。このふたつがうまく混じっているのが特徴かもしれないですね。


例えば、『ソニック ヒーローズ』のイントロ。わかりやすいメロディーだと思うんですけど、こういうメロディー展開を欧米人はハードロックに結びつけようとはしないそうです。実際に、海外のミュージシャンから「こういう展開はできない」とよく言われます。

(『ソニック ヒーローズ』を弾く様子。動画を参照ください)

砂流:「ソニック」シリーズの楽曲をつくるときに意識していることはありますか?

瀬上:ソニックに関して言うと、なるべくシンプルな楽曲で、分かりやすく聞いて覚えやすく耳に残るものを意識しています。緻密なんだけど緻密に感じさせないものを狙っている感じでしょうか。

■ 海外を意識するようになったキッカケはMR.BIG


瀬上さんは1993年にセガ(後のセガゲームス)に入社。ゲーム会社に入社した理由のひとつは、「ゲーム音楽は日本国内だけでなく世界中に音楽を届けられるメディアだと思った」からだそうです。現在、瀬上さんはジョニー・ジョエリさんとハードロックバンド「Crush 40」として活動もしており、英語歌詞の楽曲をつくっています(冒頭で紹介した『チームソニックレーシング』もCrush 40の楽曲)。Crush 40は海外でも大人気です。瀬上さんが、英語歌詞の曲をつくりはじめたり、海外を意識しはじめたキッカケを聞いてみました。

瀬上:英語の歌詞の曲を手がけるようになったのは、1996年にセガサターンで発売した『デイトナUSAサーキットエディション』の時です。このタイトルは、MR.BIGのシンガー(エリック・マーティン)と組んで一緒に曲をつくったのですが、海外の人にうける曲はどういうものだろう、というのを真剣に考えるキッカケになりました。

砂流:Mr.Bigがキッカケってめっちゃかっこいいですね! といいますか、ビッグアーティストと一緒に曲をつくっていることに自体に驚きました。セガはドリームキャストで発売された『クレイジータクシー』でもTHE OFFSPRINGの楽曲を使ったりと、有名なバンドやミュージシャンを起用したりするイメージがあります。

瀬上:(当時のセガは)、その時代の一線のアーティストの音を使いたいと思ったら、それっぽいのをつくるんじゃなくて、その人と組んじゃえばいいじゃん、という発想があったと思います。僕の場合は、アーティストの音を使うだけじゃなくて、そのアーティストと一緒に曲をつくりたかったので声をかけた感じですね。

砂流:瀬上さんの楽曲は海外でも人気で、海外でライブも行っていると聞きました。海外の方はどういう反応なのでしょうか?

瀬上:これまでアメリカ、イギリス、メキシコなど様々な場所でライブを開催してきました。ライブの時はサイン会など、来てくれた方と直接ふれあえる機会をつくってもらっているのですが、「この曲で育った」「この曲の歌詞で人生が変わった」「辛いときはこの曲が支えてくれた」みたいなコメントをもらうこともあります。皆さん「ありがとう」と言ってくれるんですが、こちらこそ「ありがとう」です。

砂流:最後に、お墓に持って行きたいゲームを教えてください。

瀬上:これまた大変な質問ですね(笑)。自分の手がけたゲームの中では、どう考えてもメインは2001年にソニック10周年で発売した『ソニックアドベンチャー2』です。『ソニックアドベンチャー2』は、アメリカのサンフランシスコにあるスタジオに移ってつくった最初の作品なのと、好きな曲だらけですし、「Live and Learn」や「City Escape」など代表曲になったものがつまったタイトル。自分の経験値がたまって脂ものっていて、チームの温度感も良く、すべてがガッチリ合わさったタイトルでした。本当に大事なゲームです。


あともうひとつ挙げるとすると、アーケードの『ナスカー』。ナスカーは、Crush 40の原点になったタイトルです。ジョニーとはじめて二人で曲をつくって、それがキッカケで一緒にバンド(Crush 40)をやることになりました。大事な作品なんですが、お墓に持って行くとなると筐体が大きいので、お墓に入りそうにありません笑

■ まとめ


瀬上さんにギターの生演奏をしてもらいながらお話を伺えました。瀬上さんが演奏をされている様子はぜひ音量を上げて動画を見ていただければと思います。

また、「瀬上さんの音楽を生で聞いてみたい!」と思った方は、6月22日(土)に渋谷ストリームホールで開催される「FACE to FACE vol.2」というイベントで瀬上さん率いるSONIC ADVENTURE MUSIC EXPERIENCEのライブが見れます。

当日は、生演奏と映像が合わさったライブが見れるようです。6月23日(日)が「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の28周年みたいなので、お祝いも兼ねて遊びに行かれてはいかがでしょうか。僕は行きます!

最後になりましたが、瀬上さん、ありがとうございました!


RECOMMEND



PAGE TOP