スマートスピーカー(AIスピーカー)を徹底解説 本当に役立つ場面、使わない機能は?
「OK,Google」「Alexa」「Hey,Siri」。声をかければ様々な機能を発揮してくれるスマートスピーカーが、生活に浸透してきました。ですが「一体なにに使うの?」「私にはいらないのでは?」と感じている人も多いはず。今回はシェアの高いGoogleとAmazonの人気機種が、一般家庭で実際にどう役立ったのかを紹介。スマートスピーカーとは何なのか、何ができるのかを解説していきます。
目次
「ライバル」の2台が隣同士に
今月筆者のもとに、Googleの最新スマートスピーカー「Google Nest Mini」が届きました。
YouTube Premiumなどの有料加入者へのサプライズ特典で、通常税込み6050円がなんと無料です。
シンガポールの拠点名義で、わざわざ国際宅急便で配達されてきました。
さっそく居間のテーブルに置きましたが、隣には別のスマートスピーカーが。2年前にAmazonのEcho(第2世代)を購入済みなのです。
想定外に2社が共存することになった我が家ですが、Echoもゆるーく使ってきただけです。
Nest Miniは「OK,Google 〇〇して」、Echoは「アレクサ、〇〇して」と呼びかけると、多彩な機能が使えます。
しかし、到底全部は使いこなせず。
妻と5歳の娘と暮らすなかで、「便利だね」と続けているのは一部の使い道だけになりました。ただ、そのくらいの温度感でスマートスピーカーを使っている人、多いんじゃないでしょうか。
暮らしの中で、自然と残った使い方はどんなものなのか。紹介したいと思います。
使い方①)娘に「〇〇を聞きたい」とせがまれて即座に流す
娘はピアノを習っているので、楽譜に載っている練習曲を聞きたがります。
先日は「ラデツキー行進曲」でした。
こうした場合、以前ならスマホを取り出して、たとえばYouTubeアプリを立ち上げ、曲名で検索して、子どもに見せても問題なさそうな動画を探して…と手間がかかりました。
しかし今では「OK,Google ラデツキー行進曲を再生して」と一言かければ流してくれます。
望む音楽が気軽に聞ける。
これはスマートスピーカーの大きなメリットの一つです。
AmazonやGoogleは有料の音楽聞き放題サービスを展開しているので、「リラックスできる曲をかけて」「楽しい曲をかけて」といった声かけにも豊富な楽曲リストで対応してくれます。
かなり賢く進化していて、娘がEchoに「アレクサ、魔女の宅急便のうたを聞かせて」とお願いしただけで、ちゃんと松任谷由実の「やさしさに包まれたなら」が流れたときにはびっくりしました。
機能の知名度を高めようと、Amazonが新商品発表会でおすすめの声かけを紹介したこともあります。
発表会にいた筆者も「こんなにあるんだ!」と驚きました。
ジャンル | アレクサ、クラシックをかけて |
---|---|
時代 | 2000年代の曲を聞かせて |
ムード | 楽しい曲をかけて |
シチュエーション | ランニングに合う曲をかけて |
ミックスパターン | 静かなジャズをかけてパーティに合う盛り上がるヒップホップをかけて |
レコメンド | おすすめな曲をかけて |
ディスカバリー | この曲に似た曲をかけて |
その他 | この曲なんていうの? |
楽曲数や音質には差も
ただ、スマートスピーカーも万能ではありません。
声で操作するので、お目当てとは別の曲がかかってしまうことも。聞き放題サービスにない楽曲やアーティストもあります。
両機種を使い比べると、Nest MiniのほうがYouTubeの公式MV動画なども使え、目当ての曲が聞けることが多いと感じます。
スピーカーの音質は本体サイズの大きいEchoのほうが良好。音に厚みがあり、低音もよく響く。両モデルの重さは4倍ほど違い、コンパクトさが利点のNest Miniが、音質で分が悪いのは仕方なし。
ラジオのように音楽をカジュアルに聞く用途ならNest Miniでも十分快適です。
使い方②)家電製品を操作。テレビでやってみたら…
スマートスピーカーの活用で、実用性でも未来っぽさでも「華」と言えるのが、声による家電操作ではないでしょうか。
我が家ではずっと対応家電が無く、宝の持ち腐れ状態でした。
しかし!Nest Miniがやってきて、ある家電が息を吹き返しました。リビングのテレビ、ハイセンス製の43V型テレビ「43A6800」です。
このテレビ、電源オンオフやチャンネル変更が音声で可能なのですが、Googleのスマートスピーカーにしか対応していないのです。
Google Nest Miniが到着すると、さっそく連携。音声操作を試してみました。
おおお!電源がついた! 消すのも、チャンネル切り替えもできる!
と感動したのですが、その後定着には至らず。
広くもない家なので、近くのリモコンをパッと手に取ったほうが素早く思えてしまったのです。
結局我が家で定着したのは、Nest Miniを寝室に移して、明かりを音声操作する使い方でした。
ベッドに入り娘に絵本を呼んだあと、布団から抜け出して明かりを消すのが、以前からとても億劫でした。
しかし音声操作なら布団の中から「OK Google, 電気を消して」で消灯できます。
これはとても便利です。
それぞれのご家庭でも「ちょっと不便」なシーンがあるかと思います。
それをスマートスピーカーで解決できないか、あれこれ考えてみるのも面白いですよ。
スマートスピーカーとの連携機能がないエアコンやテレビ、照明などでも、リモコン信号を記憶して対応させる中継機器も登場しています。
使い方③)豊富な機能。我が家ではRadikoが大活躍
多様な機能追加ができるのも、スマートスピーカーの魅力です。Amazonはスキル、Googleはアクションと呼んでいて、スマホにアプリを入れるように追加できます。
我が家で大活躍しているのはラジオ放送がきける「radiko」です。妻がラジオ好きなので、休日はずっとEchoからJ-WAVEの放送が流れています。
以前はノートパソコンでradikoのサイトにアクセスして流していました。
これもパソコンを立ち上げ、選局し…と、やはり重い腰を上げないと聞けない状態でした。
しかし今では一言「アレクサ、RadikoでJ-WAVEをつけて」と言えば、パソコンよりも綺麗な音が流れてきます。
そのほかにも「天気予報」は毎日のように使いますし、娘は「ピカチュウトーク」や「じゃんけん」がお気に入り。音感を養うために使い始めた「ピアノドレミ」は流れる音のドレミを当てるゲームで、スマートスピーカーとの相性が抜群です。
世界中で万単位のスキルが公開されています。
ただ我が家の場合、たくさんのスキルは使いこなせませんでした。
音声操作のスマートスピーカーでは、スキルやアクションごとに「アレクサ、ピカチュウを呼んで」とか「OK,Google ポケットスヌーピーにつないで」などと決まり文句を言う必要があります。
これが、そんなには覚えられない。
「アレクサ、今日の天気は?」のように直感で呼び出せるものもあるのですが、機能によっては独特の決まり文句が。頻繁に使うものでないと、呼び出し方を忘れてしまいます。
結局は、呼び出し慣れた5~6個ほどのスキルを使う形に我が家では落ち着きました。
でも、それで十分便利なんです。実際。
使い方④)通知で配達お知らせ。でも買い物はしてません
Echoでは、Amazonとの連携で気になる点もありました。
気づくと、Echoのリングライトが黄色く光るようになっていたのです。
何か通知が届いているときの色で、多いのはAmazonの荷物がもうすぐ届くときです。
「アレクサ、何の荷物?」と尋ねると、注文内容まで教えてくれるんです。
便利ではあるのですが……家族に注文内容を知られる困った事態も。「また、よくわからないもの(主にガジェット)を買ったの?」と亀裂のタネに。
今はこの通知機能はオフにしています。スマホのAlexaアプリで
メニュー>設定>通知>Amazonでお買い物>
とたどり、配送中と配送済みの通知をオフに。これで黄色い通知を恐れずに済みます。
また、AmazonのEchoには買い物機能もあって、公式サイトでは
といった呼びかけが紹介されています。
しかし我が家では音声操作で買い物をする境地には至っていません。
よく買うものはAmazon定期おトク便で勝手に届きますし、やっぱり買い物はカートの中身を見て確認したい。
声で買い物、とっても未来っぽくて、してみたいんですけどね……。
- Amazon
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Echo 第4世代
- 税込み11,980円(Amazon)
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360度にクリアなボーカルが響く新モデル
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この記事に登場している第2世代より新しい、第4世代が販売中。本体の外観が一新され、音質もさらに向上しています。
余談ですがEchoとNest Miniを隣同士に置くと、うっかり呼びかけ間違えてしまうことも。
「アレクサ、(あ、間違った)OK,Google!」などと言ってしまいます。
するとEchoが反応。「その名前は答えることができません」と心なしか冷たい声で返されてしまいます。
人気機種はほかにも
Google、Amazon以外にも、Appleが高音質な「HomePod」、LINEがメッセージを送受信しやすい「Clova」を販売しています。さらにスマートスピーカーの進化としては画面付きモデル(スマートディスプレイ)が充実してきています。
- Amazon
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Echo Show 5
- 税込み12,980円(Amazon)
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5.5インチのコンパクトさで大人気
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時計やホームのデザインは自分好みに変更可能。プライバシーに配慮し、マイクやカメラをオフにする機能も。
ビデオ通話ができたり、動画を見たり、画面に時刻や天気予報を表示しておけるなど、活用の幅が広がります。
さらにAmazonやGoogleの音声操作技術に対応した、他メーカーの商品も種類が増えてきています。
オーディオ機器では、BOSEやSONYが高音質と利便性を備えた商品を発売しています。
- BOSE
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HOME SPEAKER 500
- 税込み91,370円(楽天市場)
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パワフルなサウンド、ボーズのスマートスピーカー
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GoogleアシスタントとAmazon Alexaに対応。音声やタッチコントロール、アプリであらゆる曲を操作できます。
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楽天ブラックフライデー開催中!楽天市場で見る
- SONY
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WH-1000XM3
- 税込み32,380円(Amazon)
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ソニーの大人気ノイキャンヘッドホンも対応
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研ぎ澄まされた高音質を誇る、ノイズキャンセリングヘッドホン。Amazon、Googleの音声アシスタントに両対応。
音楽を聴いているときの操作だけでなく、ニュースの確認、スケジュールの管理、調べものなども音声操作で行うことができます。
まとめ
ここまで、我が家での活用例を通して「スマートスピーカーとは何か」を解説してきました。
最後に、世界的IT企業がしのぎを削る中で、自宅に置くスマートスピーカーをどのように決めればいいのでしょうか。
私は個人的には「サービスをよく使う企業の製品を買うのがよい」と思います。
Amazonで買い物や音楽配信サービスを楽しんでいる人はEchoシリーズを。YouTubeが好きな人はGoogle製品を。連携の良さが違います。
加えてスマートスピーカーは基本的な機能は出そろい、「ホームシアターに使える高音質」や「部屋になじむ小ささ」「動画も楽しめる大画面」などの特徴を競うようになっています。
ご自身のやりたいことに合わせて、ぴったり特徴が合う商品を選んでみてください。
AmazonのEchoシリーズを解説した記事は以下になります。
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