徹底解説! 日本酒『久保田』のおいしさ・人気の秘密と種類・味

高野 俊一
公開: 2019-11-21

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新潟を代表する日本酒の1つである『久保田』。
久保田を飲んでみて、そのおいしさに惹かれ、

「久保田についてもっと知りたい」

と思ってはいませんか?

そこでこの記事では、

・久保田の醸造元『朝日酒造』について
・久保田のおいしさと人気の秘密
・久保田の種類と特徴・味、価格

について詳しくご紹介します。


ライターである高野 俊一は、日本酒歴は40年以上。
中でも久保田は特に好きで、昔からよく飲んでいます。

この記事を読むことにより、久保田について詳しくなれます。
飲み屋さんなどへ行ってその知識を披露すれば、

「お、あの人やるな、けっこう通かも」

と思われるかもしれませんよ!

久保田の醸造元『朝日酒造』とは?

朝日酒造の写真

久保田の醸造元『朝日酒造』は、新潟県長岡市にある酒造所です。
創業は1830年(天保元年)。
創業当時の屋号は『久保田屋』でした。

日本酒『久保田』は、この創業当時の屋号を商品名に付けたもの。
久保田を発売するにあたっての、醸造元の意気込みがうかがわれるところです。

朝日酒造では、久保田のほかに、

・朝日山
・越州
・継(つぐ)

などの日本酒を製造・販売しています。

朝日酒造は、さまざまな地域貢献活動をしていることも大きな特徴。

・ホタル生息地の保護活動
・国登録有形文化財『巴が丘山荘』庭園のもみじの整備
・以前保護助成基金事業などを行う『公益財団法人こしじ水と緑の会』の設立・支援

など、地域の自然環境を維持・保全する活動を行っています。

久保田のおいしさの秘密を調査した!

日本酒 久保田と料理の写真

さて、その朝日酒造が製造する久保田、おいしさの秘密は何なのでしょう?

久保田は新潟の日本酒です。
新潟は、久保田をはじめとする数々の銘酒を生産する「酒どころ」として知られています。
久保田のおいしさは、「新潟」に秘密があるのかも・・・・・・。

ということで今回は、新潟県酒造組合 専務理事である水間 秀一さんに、
「久保田をはじめとする新潟の日本酒がなぜおいしいのか」
について電話でお話を伺いました。

高野:今回はよろしくお願いいたします!

水間さん:よろしくお願いします。

やはりまずはお米がおいしい

水田の写真

朝日酒造の公式ページを見てみると、久保田をはじめとする朝日酒造の日本酒がおいしい理由として、

1.おいしいお米
2.軟水の使用
3.長年にわたって継承される酒造りの技術


の3つがあげられています。

新潟県は、『こしひかり』をはじめとするおいしいお米が生産され、米どころとしてはつとに有名。
久保田にも、また新潟の多くの日本酒にも、酒米として『五百万石』が使用されています。

この五百万石は、ほかの酒米と比較した場合、どのような特徴があるのでしょうか?

水間さん:
五百万石を使用することにより、「日本酒がすっきりとした味わいになる」と一般にいわれています。
新潟の日本酒は一般に「淡麗辛口」であるといわれますが、そのような味わいを実現するために五百万石が適しているということですね。

ただし、最近では、酒造りの技術が高くなったため、辛いだけではなく、しっかりとしたうまみがあったり、やや甘みがあったりするお酒も造れるようになっています。
そのために、新潟県酒造組合でも、新潟県の日本酒にたいして『淡麗』という言い方をしています。

新潟の日本酒が淡麗になるのは「軟水の使用」も理由

川の清流の写真

日本酒を造るためには、米とともに「水」が重要。
新潟県酒造組合の公式サイトによれば、新潟の水はほとんどが「軟水」なのだとか。

この軟水を使用することも、新潟の日本酒が「淡麗」になる大きな理由となっています。

軟水とは、「硬度」が低い水のこと。
硬度は、カルシウムやマグネシウムなどの「ミネラル」が、水にどれだけ溶け込んでいるかで決まります。

ミネラルは、日本酒を醸造する際に使用される「酵母菌」の栄養素となります。
そのために、ミネラルが豊富に含まれている「硬水」を使用すると、発酵が速く進みます。
それにより、できあがる日本酒は濃くて甘いものとなります。

それに対して、ミネラルが少ない軟水を使用すると、発酵はおだやかに、ゆっくりと進みます。
久保田をはじめとした新潟の日本酒が、キメが細かく、淡麗なお酒になるのはこのためです。

ところが、この新潟の淡麗な日本酒は、戦後間もないころには、一般の人からあまり好まれなかったのだとか。
日本人の日本酒に対する好みは、戦後間もないころから現代にいたる途上で、大きく変化したのだそうです。

水間さん:
戦後間もない、昭和30年代~40年代にかけて、日本酒は濃くて甘いものが好まれました。
それが徐々に、すっきりとした「淡麗」な日本酒が好まれるようになり、新潟の日本酒が注目されることになりました。

この日本酒に対する好みの変化は、大きな原因として、食生活の変化があったと思います。

戦後間もない頃は、食べ物は、コッテリとした濃い味のものが好まれました。
それがだんだん、素材を重視して余分な味はあまりつけない、「食生活のうす味化」が進みました。
うす味化した食生活では、お酒についても、食の邪魔をせずにいっしょに楽しめるものが好まれることになります。

また、このような食生活の変化は、「働き方の変化」という時代背景もあったと思います。

昭和30年代~40年代は、肉体労働などの力を使う仕事が多くありました。
そのために、食事やお酒も濃いめのものが好まれたのではないでしょうか。

ところが、経済成長が安定してくると、どちらかといえば頭脳労働が主流の社会となり、体はそれほど使わなくなってきます。
それにより、うす味の食事やお酒が好まれるようになってきたと思います。

なるほど、筆者 高野は、「新潟の日本酒」といえば「押しも押されもせぬトップランナー」のイメージがありました。
しかし、それは、時代の変化とともに築き上げられてきたものなんですね。

3. 長年にわたって継承される酒造りの技術

酒造りの写真

おいしい日本酒を造るためには、酒造りのための高い技術も必要です。
新潟県では、製造する日本酒を高品質に保つため、さまざまな取り組みがされています。

水間さん:
まず、新潟県には、県立の独立した研究組織として『新潟県醸造試験場』があります。
日本酒を主な研究対象とした都道府県立の独立組織をもっているのは、新潟県が唯一です。
他の都道府県では、食品研究センターや工業技術センターなどの組織のなかに「日本酒部門」が組み込まれる形となっています。

次に、新潟県には『新潟清酒学校』があります。
「日本酒を製造する技能者である『杜氏』が将来不足するであろう」との予測のもと、1984年に設立されました。

毎年20名程度が蔵元推薦により集められ、3年間にわたって日本酒の製造について勉強します。
これまでに500名以上が卒業し、30~40名が現役の杜氏です。
このような清酒学校が継続して置かれているのは、新潟県だけです。

また、清酒学校を卒業後も、杜氏が酒造技術についての情報共有を継続的に行う場として、『新潟酒造技術研究会』も設立されています。

なるほど、新潟県の日本酒がおいしく、大きな人気を集めているのは、単に時代の変化ばかりが理由ではないのですね。
新潟県や酒造業界の方々が積極的な取り組みをしているからだということが、よくわかりました。

その新潟県の日本酒のなかで、『久保田』はどのような位置づけになるのでしょうか?

水間さん:
久保田を製造する朝日酒造は、新潟清酒をリードしてきた存在であるのはまちがいがありません。
技術者は多いですし、それぞれの技術もいいものがあります。

日本酒を造る人たちの集団が、しっかりとしていると思います。

よくわかりました。
今回はお時間をお取りいただき、ありがとうございました。

久保田のランク・種類と価格、味わい

それでは、久保田のランク・種類と価格、およびその味わいについて見ていきましょう。
久保田の種類を、ランクが高いものから低いものへと並べると、次のようになります。

1.久保田 萬寿(純米大吟醸)
2.久保田 碧寿(純米大吟醸・山廃仕込)
3.久保田 純米大吟醸
4.久保田紅寿(純米吟醸)
5.久保田 千寿(吟醸)
6.久保田 百寿(特別本醸造)

また、2019年10月現在、期間限定の商品として次のものがあります。

・爽醸 久保田 雪峰(純米大吟醸、4月限定出荷)
・久保田 雪峰(純米大吟醸・山廃仕込、7月限定出荷)
・久保田 翠寿(大吟醸・生酒、4月~9月限定出荷)
・久保田 生原酒(吟醸・原酒・生酒、1月限定出荷)

それぞれの味や特徴、価格などについて、以下で見ていきましょう。

ランク1位
  • 朝日酒造
  • 久保田 萬寿(まんじゅ) 純米大吟醸 1.8L

  • 税込み8,922円
  • 一度は試したい久保田の最高峰

  • 醸造法は「速醸仕込み」と「山廃仕込み」のブレンド。重厚でありながら旨味、甘味、酸味が調和。久保田好きならぜひ試してみたい逸品。

久保田シリーズのトップランクである純米大吟醸の『久保田 萬寿』。
速醸仕込みと山廃仕込みの2つの醸造法が組み合わされ、旨味、甘味、酸味ともに隙きがない味だといえるでしょう。
久保田好きなら、一度はぜひ試してみたい銘柄です。

ランク2位
  • 朝日酒造
  • 久保田 碧寿 純米大吟醸(山廃仕込)1.8L

  • 税込み5,234円
  • 山廃仕込でシャープなのど越し

  • 乳酸菌の力を最大限に引き出す、伝統的な醸造法「山廃仕込み」。どっしりとした旨味がありながらも、爽やかでシャープなのど越しが特徴。肉料理との相性もこの上なし!

山廃仕込みにより醸造される純米大吟醸の『久保田 碧寿』。
どっしりとしていながらも、爽やかでシャープなのど越しは、肉料理との相性もバツグンです。
洋風の料理を食べる際にはぜひともおすすめ。

ランク3位
  • 朝日酒造
  • 久保田 純米大吟醸 1.8L

  • 税込み4,610円
  • フルーティーな純米大吟醸

  • 洋梨やメロンのようなフルーティーな味わいが特徴の純米大吟醸。調和した甘味と酸味に、久保田らしいキレもあり。乾杯用のお酒として最高です。

どっしり・スッキリとした味わいが基本の久保田にあり、フルーティーな味わいが特徴の『久保田 純米大吟醸』。
パーティーなどで乾杯用のお酒として用意しておくと、「さすがよく知っている」と思われること間違いないですよ。

ランク4位
  • 朝日酒造
  • 久保田 紅寿 純米吟醸 1.8L

  • 税込み4,522円
  • やさしいながらドライなのど越し

  • 辛味と酸味が調和し、やさしい口当たりでありながらドライなのど越し。フルーティーな味わいもアクセント。久保田の「キレ」はもちろん健在。

やさしい口当たりでありながらドライなのど越し、フルーティーな味わいも感じさせる純米吟醸酒である『久保田 紅寿』。
やはり洋風料理を食べるときにはおすすめのお酒です。

ランク5位
  • 朝日酒造
  • 久保田 千寿 吟醸 1.8L

  • 税込み2,718円
  • スッキリとした味わいの吟醸酒

  • スッキリとした味わいで、どんな料理でも味を邪魔することがなく、素材の風味を引き立てます。「ちょっと特別」な食事のときに、おすすめのお酒です。

吟醸酒である『久保田 千寿』。
比較的リーズナブルな価格でありながら、スッキリとした上品な味わい。
どんな料理であっても味を邪魔をせず、素材の味を引き立てることが特徴です。
「ちょっと特別」な食事のときに用意すると、喜ばれると思いますよ。

ランク6位
  • 朝日酒造
  • 久保田 百寿 特別本醸造 1.8L

  • 税込み2,591円
  • 飲み飽きない「淡麗辛口」

  • 久保田のラインナップのなかで、最もリーズナブル。でありながら、まさに「淡麗辛口」で、いくら飲んでも飲み飽きません。普段飲みのお酒に最高。

久保田のラインナップのなかで最もリーズナブルな『百寿』。
しかし、そこはさすが久保田、「まさに淡麗辛口」の飲み飽きない味となっています。
ツマミや料理を問わずおいしく飲めることが特徴。
普段飲みのお酒はこれで決まりです。

期間限定①
  • 朝日酒造
  • 爽醸 久保田 雪峰 純米大吟醸 500ml

  • 税込み5,791円
  • 春にピッタリの爽やかなお酒

  • 4月限定出荷の商品。厳冬の寒造りによる低温発酵と氷温貯蔵により、フルーティーな風味のまろやかな味わいが特徴。春の訪れを実感するのにぴったりのお酒です。

『爽醸 久保田 雪峰 純米大吟醸』、4月限定出荷の商品です。
原料米を厳選、厳冬の寒造りによる低温発酵と氷温貯蔵を行うことにより、フルーティーでまろやかな味わいとなっています。
春の訪れを実感するのにピッタリの、ハイグレードな逸品です。

期間限定②
  • 朝日酒造
  • 久保田 雪峰(せっぽう) 純米大吟醸(山廃仕込)500ml

  • 税込み3,579円
  • 夏のアウトドアに最適のお酒

  • 7月限定出荷の商品。アウトドアショップ『スノーピーク』と共同開発した、夏のアウトドアにぴったりの純米吟醸酒。バーベキュー料理などにもよく合います。

『久保田 雪峰』は純米大吟醸(山廃仕込み)、7月限定出荷の商品です。
アウトドアショップ『スノーピーク』との共同開発で、夏のアウトドアにぴったりのお酒です。
バーベキュー料理にもよく合いますので、キャンプなどへ持参すると喜ばれることは確実ですよ。

期間限定③
  • 朝日酒造
  • 久保田 翠寿 大吟醸(生酒)720ml

  • 税込み3,649円
  • 軽やかで清々しい上品な生酒

  • 4月~9月の限定商品。清々しい香りと軽やかな味わいの上品な生酒です。ハーブやスモーク素材を使用した冷製料理とよく合います。

大吟醸(生酒)である『久保田 翠寿』は、4~9月限定出荷の商品です。
加熱殺菌を一切せず、低温で貯蔵することにより、清々しい香りと軽やかな味わいが特徴の生酒となっています。
ハーブやスモーク素材を使用した冷製料理とよく合いますので、アウトドアにもおすすめです。

期間限定④
  • 朝日酒造
  • 久保田 生原酒 吟醸(原酒・生酒)1.83L

  • 税込み4,972円
  • ドライなキレの力強い生原酒

  • 1月の限定商品。しぼりたての生原酒。アルコール度数は強いものの、ドライなキレと力強い味わいが特徴です。冬に旬となるお刺身類や、温かい鍋料理によく合います。

吟醸(原酒・生酒)である『久保田 生原酒』は、1月限定出荷の商品です。
しぼりたての生原酒ならではの、ドライなキレと力強い味わいが特徴。
暖かい部屋で、生牡蠣など旬のお刺身類や鍋料理などを食べる際にぴったりのお酒です。

まとめ

日本酒で乾杯の写真

人気の日本酒である久保田。
そのおいしさと人気の秘密は、時代の変化とともに、新潟県や酒造業者の方々がたゆまぬ努力を続けてきた結果であることがわかりました。

それを知ると、久保田がまた一段とおいしいくなるような気がしませんか?
今夜はぜひ、「久保田で乾杯」と行きましょう!


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