ドローンビジネスの可能性とは?現状と将来性を詳しく解説!
最近では、ニュースやスポーツの中継などにドローンが使われるようになっており、ビジネスの分野で活躍しています。
ドローンといえば空撮(上空からの撮影)をイメージする人が多いですが、それ以外にも有効活用されており、今後はドローンの技術の進歩に比例して活躍の幅は広がっていく見込みです。
そうなってくれば、ドローンビジネスに参入する企業も増えていくでしょう。
ここからは、現状のドローンビジネスやドローンビジネスの将来性、ビジネスに参入するためにはどのようにすれば良いか紹介していきます。
ドローンビジネスの市場規模
調査会社のインプレスによると、年々ドローンビジネスの市場規模は拡大しており、2024年には現在の10倍近い規模になると予想しています。
2018年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は931億円と推測され、2017年度の503億円から428億円増加しています(前年比85%増)。2019年度には前年比56%増の1450億円に拡大し、2024年度には5073億円(2018年度の約5.4倍)に達すると見込まれます。
最近では、ドローンをテレビのニュースで見かけることも増えており、新しい技術の開発の関心が高まっています。
現在のドローンビジネス
年々ドローンが活躍するビジネスは拡大していますが、現在ではまだそこまで多いというわけではありません。実際に空撮の技術は上がっていますが、長時間の飛行や重量があるものの移動には向いていません。
では、現在では具体的にどのような分野でドローンが使われているのか見ていきましょう。
農業
工業用のドローンがよく使われているのは農業分野です。農業では広大な土地に対して農薬を散布する必要があり、人手で行うと非常に大きな手間でした。
実際に、農薬を散布する人手が足りないケースが多く、仕事を完了させるのに膨大な時間がかかります。そこで、工業用のドローンを使うことで、効率良く農薬を散布でき、仕事の負担を軽減できます。
また、これからはドローンが農作物の成長の経過を記録し、生育環境のモニタリングが容易になっていきます。
空撮
ドローンといえば空撮をイメージする人も多いですが、写真や動画撮影だけでなく、中継する技術を使って、救急の分野でも利用されています。
人が行きにくい場所でも、ドローンの空撮を使えば広範囲を一度に捜索できるため、救助活動が円滑になるとされています。
監視・警備
空撮の技術を応用し「動く監視カメラ」として防犯分野で活躍しています。ドローンを操作する技術が必要になりますが、固定の監視カメラで発生する死角をカバーして効率良く監視を行えます。
また、巡回する警備員の代わりにもなり得るため、警備業界の人材不足にも貢献するでしょう。
今後注目されている分野
今後は、ドローンの技術がより進歩することで、より多くの分野での活躍が期待されています。
ドローンが活躍することで、業務の効率化が図れるだけでなく、各業界が抱えている人材不足を解消することもできるでしょう。
無人物流サービスの定着化
現在、人材不足が深刻化している物流業界ではドローンの有効活用に向けて開発が進められています。
実際に、Amazonでは特定のエリアに限定されますが、ドローンを使った無人配達を実現すると発表しています。このように無人配達が可能になれば、利用者が指定した時間に荷物が届くことになるでしょう。
今までは荷物の重量に耐えきれなかったり、障害物を避けることができなかったりと課題が多くありましたが、今後は技術の発展により対応できる幅が広がっていくと見られています。
移動手段
ドローンの技術は車や飛行機の分野でも注目されており、高級車メーカーであるアウディは、ドイツの航空機器メーカーのエアバスと共同で、「空飛ぶ車」を開発しています。
車の屋根部分がドローンのプロペラになっており、プロペラを外すことで通常の自動車として利用できるという仕様です。そのため、いわゆる「空陸両用」であり、10年以内に実用かできるとアウディは発表しています。
災害対策
ドローンは救助活動に使われていますが、今後は災害時の人命救助とは違ったシーンで活躍することが期待されています。
携帯電話の大手キャリアであるKDDIは、電話の通信基地を搭載したドローンの開発に成功。災害が発生した際に移動型の通信基地が飛行することで、電話が繋がりやすくなります。
災害発生時の迅速な救助活動に貢献するため、ドローンに小型携帯電話基地局を搭載した「無人航空機型基地局 を用いた携帯電話位置推定技術を開発し、携帯電話捜索の実証実験 に成功しました。これにより、災害時などで被災者の特定ができない状況 (該当項目へジャンプします注2) においても、被災者が所持する携帯電話の位置を推定し、捜索活動を支援することが可能となります。
このように移動型の通信基地があれば、現在の通信環境の問題を改善することもできるでしょう。
ドローンビジネスに参入はできる?
ドローンビジネスに参入する最大の障害は、現在のドローンに関する規制の多さと、未熟な性能です。
ドローンを飛行させるためには、下記の6つの法律や条例を守る必要があります。
・航空法
・小型無人機等飛行禁止法
・道路交通法
・民法
・電波法
・地域の条例
特に航空法では、特定のエリアにおいて飛行を禁止・制限しているため、ドローンを商用利用するためには許可や承認が必要です。
また、それ以外にもどのようなポイントがドローンビジネスに参入する際の障壁になるか、見ていきましょう。
国土交通省の許可が必要なとき
ドローンの飛行許可をいただきました pic.twitter.com/sMW2yoObCh
— JE2VMB ⌘(なごやHR59)⌘ (@je2vmb) 2019年7月16日
国土交通省が定める飛行禁止空域でドローンを飛行させる場合は、ドローンを飛行させる許可が必要です。
・空港の周辺
・150m以上の上空
・人家の密集地域
国土交通省の許可が必要な場合
国土交通省ではドローンを飛行するために以下のルールを定めています。例えば、夜間にドローンを飛行させなければならないときなど、ルールから外れる場合は国土交通省の承認が必要です。
・日中に飛行すること
・目視の範囲内で操縦すること
・距離の確保(人・車・建物などと30m以上距離を取らなければならない)すること
・催し場所(イベント開錠)での飛行禁止
・危険物(凶器・毒物類・引火性液体・火薬類など)輸送の禁止
・物件投下の禁止
ドローンを趣味で利用する場合は、飛行をする場所や時間帯を考えれば飛行させることは可能です。
しかし、承認がない状態ではかなり飛行に制限がかかるため、ビジネスの利用は厳しくなりそうです。
200g未満のドローンは規制の対象外
国土交通省は許可・承認の対象となる機体は重量が200g以上のものとなっています。
今回の法改正により対象となる無人航空機は、「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(200g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)」です。いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します。
200g未満のドローンであれば、規制の対象外となるため比較的自由にドローンを飛行させられますが、ビジネスで利用するのは難しいです。
事故の可能性
ドローンをビジネスで利用するときに、最も注意しなければならないことは事故の可能性です。
ドローンは空中を飛行するため、操縦不能になれば落下・墜落してしまいます。機体が破損するだけでも、事業としては大きな損失になりますが、落下した先に人がいれば大問題です。
幸い人でなかった場合でも、建物などを傷つけてしまえば損害賠償を請求されるでしょう。
このようにドローンをビジネスとして利用するためには、安全に利用できるだけでの技術が必要であり、習得に長い時間を要します。
免許や資格
現在ではドローンを操縦するための国家資格はありません。民間のドローン資格はありますが、取得しなくても規制の範囲内であればドローンを飛行させられます。
しかし、今後ドローンの市場が拡大していき、ドローンビジネスの参入する企業が多くなれば、さらに規制が厳しくなり免許制になることも十分考えられます。
将来的にドローンビジネスに参入する予定があれば、資格関連の情報をキャッチできるようにアンテナを張っておくことが大切です。
ドローンの性能
現在では、ビジネスに利用できるレベルのドローンの数は非常に少ないです。Amazonなどの通販サイトや家電量販店で購入できる空撮用のドローンの性能は非常に高くなってきましたが、ビジネスに利用すると考えると非常に活動の幅は狭いです。
数十万円する空撮用のドローンでも連続飛行時間は30分ほどにしかなりません。
現在使われている、農薬散布用の工業用ドローンでも価格は200万円ほどであり、手軽に扱えるようなものではないでしょう。
ドローンビジネスに参入するためには、連続飛行時間や操縦できる範囲、積載可能な重量といったスペック面が非常に大きなポイントとなります。
今後はドローンを使ったビジネスが活性化することによって、さらに高性能な機体や手軽に購入できる機体が登場することが期待されています。
まだ参入するのが難しいのが現状
ここまでの説明の通り、ドローンビジネスの成長は著しいですが、どのような企業でも参入するというのは難しい現状です。
ドローンを使ったビジネスのアイデアがあったとしても、安全面や機体のスペックを考えると、コストが非常に高くなってしまいます。
もし、ドローンビジネスに参入したいのであれば、ドローンの最新情報を一早く入手し、アイデアを活かせる機会を待つのが良いでしょう。
まとめ
ドローンビジネスは調査結果でもあるように、数年以内に10倍以上の市場規模になることが予想されています。しかし、現状ではすぐにドローンビジネスへの参入は難しいといえるでしょう。
しかし、ドローンの技術が発展することで、どんどん参入できる事業の幅は広がっていきます。今後ドローンビジネスに参入する意欲があれば、最新の情報を得られるようにしておくことがおすすめです。
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