お酒に含まれるプリン体含有量の比較!〜そもそもプリン体とは?〜

小川 泰史
公開: 2019-06-18

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最近よく目にする「プリン体ゼロ」という文字。
ビールのCMや広告では、プリン体が少ないことを強調して宣伝することが多く、みなさんも一度はビールのプリン体について気になったことがあると思います。
ですが、実はプリン体が身体に不可欠だということを知っていましたか?

今回の記事はその『プリン体』について、健康への影響や疑問などを交えて解説していきます。
また、プリン体の少ないビールを各お酒会社の製品から比較したり、お酒の種類ごとにプリン体の含有量を比較した結果も示していきます。


プリン体摂取による健康への影響

プリン体がこれほどまで懸念される一番の理由は、プリン体をたくさん摂取することが ”痛風” を引き起こす原因となるからです。

痛風とは、足の指の関節などが赤く腫れ、激痛を伴う病気であり、おもに男性が患いやすいと言われていますが最近では女性の患者数も増えている病気です。

東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターによると

プリン体が代謝されると最終的には尿酸という物質になります。ですから血液には一定量の尿酸が含まれています。いろいろな理由で血液中の尿酸の濃度が高くなり、7.0mg/dlを超えると高尿酸血症という状態になります。高尿酸血症が長く続くと関節の中で尿酸が固まります。固まった尿酸が関節の骨と骨の間(関節腔)に落下すると白血球が攻撃します。こうして痛風発作が起こります。

出典:痛風とは|膠原病リウマチ痛風センター

と一連の説明がされています。

このように多くのプリン体の摂取が続き血液内での尿酸値が高くなると、尿酸が固まり痛風につながります。

そもそもプリン体とは?

それではプリン体とは一体何者なのか?! と、気になるかもしれません。

驚くことに、これほど悪いイメージがあるプリン体は、実は身体に欠かせないものでもあるのです。

プリン体とは、生物の細胞中に含まれる遺伝子の構成成分で、生命活動に必要なものです。私たちは日頃の食事を通して、プリン体を摂取していますが、食事だけではなく、実はプリン体の8割(1日に約500㎎)は、体内で生成されているのです。体内のプリン体は、細胞の代謝・増殖などに利用されます。

出典:プリン体ってなに?|明治ヨーグルトライブラリー

プリン体は重要な体内の物質であり、ここで問題になっているのはプリン体自体ではなく、プリン体が代謝されて生じた尿酸(いわば老廃物)なのです!

プリン体含有量の比較

『プリン体0』の定義

まずは『プリン体ゼロ』の定義についてです。

『プリン体ゼロ』と表示してはいますが、多くのお酒メーカーでは100mlあたりプリン体500mg未満のビールをそのように表示しています。

したがって、必ずしも”プリン体は含まれていない”というわけではないのです!

ノンアルコールビールとプリン体

それでは、ノンアルコールビールならばプリン体が含まれる量は少ないのか?

答えはYESです。

さらに

アルコールが代謝されるときに尿酸値が上がるので、どんな種類のお酒でも尿酸値や痛風にはよくないわけですが、尿酸の素になるプリン体を含む量は種類によってかなり違います。

出典:尿酸値を上昇させる要因|公益財団法人痛風財団

と、痛風財団のページではプリン体が多い少ないに限らず、アルコール成分自体に尿酸値を上げる作用があると述べられています。つまり、プリン体が少ないお酒を飲んでいるからといって痛風にならないというわけではないのです!

そのため尿酸値を気にする健康志向の人は、プリン体が低くアルコールが含まれないノンアルコールビールを選択することは良いことでしょう。

各お酒メーカーから出すビール製品による比較

大手ビール会社4社の人気ビールに含まれているプリン体の量を調査しました!

各ビール100mlに含まれるプリン体の量をグラフを用いて比較すると、、、

比較的に糖質カットのビールがプリン体含有量も低くなっています。

お酒の種類ごとによる比較

お酒の種類別プリン体含有量 (100ml/mg)
焼酎(蒸留酒) 0.0mg
ウイスキー(蒸留酒) 0.1mg
ブランデー(蒸留酒) 0.4mg
ワイン(醸造酒) 0.4mg
日本酒(醸造酒) 1.2mg
発泡酒(醸造酒) 2.8~3.9mg
ビール(醸造酒) 3.3~6.9mg  *会社ごと異なる
クラフトビール 約5.8〜16.6mg  *醸造所ごと異なる

このように蒸留酒の方が、醸造酒よりもプリン体含有量が比較的に低いことがわかります。

これは一般に、醸造酒は果物や穀類の原料を発酵させて作り、それらの原料にはプリン体や糖質が含まれます。一方で蒸留酒は醸造酒を蒸留させてつくるので、プリン体や糖質などが醸造酒に比べて少なくなるからです。

ビールが他のアルコール飲料よりプリン体を多く含むと言われる所以はここにあるのです

種類にもよりますが、ビール1缶350mlだとおおよそ0~30mgのプリン体が含まれています。少ないと感じる方もいるかもしれませんが、アルコール作用も加わるとなると飲み過ぎはよくないことでしょう。

まとめ

今回の記事で、「プリン体」が絶対的悪ではないと知り、プリン体についての理解が少しでも深まったかと思います。

しかし、お酒の飲みすぎはアルコール自体の作用にもより、身体に影響が及ぶことでしょう。

今回取り上げたお酒の種類やプリン体含有量などの様々な知識や情報がみなさんの健康に繋がれば嬉しいです!



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