洗濯した後の衣類やリネン類をふわふわした仕上がりにしてくれる柔軟剤。やわらかな肌触りという点だけではなく、香りや防臭など機能性を重視した商品も数多く登場しています。

そこで今回はジュニア洗濯ソムリエの資格を持つ松延友記さんに選び方のポイントを聞きました。プロおすすめの柔軟剤も紹介しています。

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柔軟剤とは？基本的な使い方も

柔軟剤は洗濯の仕上げ剤の一種で、衣類などの布を柔らかくしてくれる効果があります。

主な成分は界面活性剤で、繊維をコーティングすることで柔らかさを加えたり、静電気の発生を抑えてホコリや花粉の付着を防いだりしてくれます。

柔軟剤は最後のすすぎの際に加えることで、柔軟成分が衣類に行き渡り、効果を発揮します。

一般的な洗濯機には、「洗剤入れ」などと一緒に「柔軟剤入れ」がついていて、自動的に最後のすすぎで柔軟剤が投入される仕組みです。

洗剤と一緒に入れてしまうと、マイナス電荷とプラス電荷が打ち消し合うことになり、洗剤の効果も柔軟剤の効果も失われてしまいます。自宅の洗濯機に柔軟剤入れがない場合は、最後のすすぎのタイミングで加えるようにしてください。

また、最近は洗濯機のすすぎ1回コースや、すすぎが1回ですむ洗剤がでていますが、松延さんはすすぎを2回した方がいいと言います。

すすぎが1回だとどうしても洗剤が残っている場合があり、残留洗剤と柔軟剤が混ざって柔軟効果が十分に得られないこともあるそう。柔軟剤は洗濯洗剤を十分にすすぎきってから入れるのがポイントです。

柔軟剤を使う際の注意点

最近は香りに特化した柔軟剤の人気が高まっていますが、臭いに敏感な人にとっては、強すぎる香りが苦痛に感じる場合があるようです。

香り系柔軟剤には香りの強さが表示されていたり、適正な使用量がパッケージに記載されていたりします。用法と用量を守って、適度に香りを楽しみましょう。

また、海外の並行輸入品や、長い期間保管していた商品などでは、柔軟剤がドロドロに固まることがあります。

メーカーによっては使用期限を設定していないものの、なるべく製造後3年以内に使い切ることを推奨しているところもあるようです。また、並行輸入品は口コミで「商品が固まっていた」というレビューが記載されていないか、確認してみると良いでしょう。

用途にあわせた柔軟剤の選び方

柔軟剤は商品によって機能や香りが異なるので、自分の用途や目的に合った商品を選ぶことが大切なポイントとなってきます。

洗濯の種類で選ぶ

▼下着やタオル、寝具など…お風呂上がりの水分を拭くタオルや、身体から出た汗を吸収するベッドシーツや枕カバー、下着などに柔軟剤を使用すると柔軟成分が繊維をコーティングするため、水分や汗を吸いにくくなることがあります。

肌に直接触れる衣類に利用する場合には、柔軟成分だけでなく吸水性を高める成分が含まれているものを使いましょう。柔軟剤を少なめに使うことでコーティングを薄くして吸水性を残すことも有効な方法です。

▼ニットやアウター、ボトムなど…外気に触れる外着は、柔軟剤を使うことで静電気を防いだり、ホコリや花粉などが付着しにくくなったりする効果があります。また、香り系の柔軟剤も外着に使うことで、より香りを感じやすくなるでしょう。

柔軟剤の形状で選ぶ

▼液体タイプ…市販の柔軟剤で種類が多いのが液体タイプです。洗濯機に入れたり手洗いで使用したりと汎用性が高く、機能面でもたくさんの選択肢があるので、自分に適した商品を見つけやすいでしょう。

▼シートタイプ…主に乾燥機で使用することを目的とした柔軟剤です。特にガス乾燥機などパワーの強い乾燥機を使う際には、衣類がこすれて摩擦が起こり、静電気が発生しやすくなります。洗濯物と一緒に乾燥機に入れることで静電気を防ぎ、柔らかさや香りを与えてくれる柔軟剤です。

▼粒状タイプ…柔軟効果はほとんどありません。他の柔軟剤と一緒に組み合わせて使うことで、さらなる香り付けを行ったり、消臭効果を加えたりすることができます。

▼スプレータイプ…スプレーやミスト式は香り付けを目的として使うもので、高い柔軟効果は期待できませんが、使いやすいのが特徴。丸洗いできないソファやぬいぐるみなどのほか、お出かけ時にシュッと手軽に使うことができる便利なタイプです。

自分が好きな香りで選ぶ

柔軟剤選びのポイントのひとつに「香り」があります。好みの香りを見つけるのはなかなか難しいですが、大きく分けて4つの系統に分類されるので、香りを選ぶときの参考にしてください。

▼代表的な香りの系統
・フローラル系…花のような優しさを感じる香りが特徴。女性らしい華やかな香りが多く、ローズのように甘みのあるものからゼラニウムなどの爽やかなものまで、香りの幅も広いです。

・フルーティー系…果物に似たフレッシュで甘い香りを楽しむことができます。シトラスはオレンジやレモンなど柑橘系のさっぱりとした香りなので、男性も抵抗が少ないでしょう。万人受けする香りで、柔軟剤を初めて使うという方にもおすすめ。

・アロマ系…アロマはエッセンシャルオイルなど本格的な香料を使っているので、複雑でリッチな香りが特徴です。ムスクのような濃厚で落ち着いた香りや、サンダルウッドのようなエキゾチックで独特な香りなど、香水のような香りが楽しめます。好みが分かれやすいため、上級者向けの香りと言えるでしょう。

・ソープ／サボン系…洗濯物に使用する際に馴染みのある、ピュアな石鹸を連想させる香りです。清潔感あふれる爽やかな香りで、強い香りは苦手という方にも適しています。

柔軟剤の香りとしては、ECサイトのランキングを見るとフローラル系が人気ですが、男性が柔軟剤を選ぶ場合にはシトラス系やソープ系などの自然な香りを選ぶと失敗が少ないでしょう。

ドラッグストアの店頭などでは香りサンプルが用意されていることもあるので、実際の香りを確認したい場合は店頭に足を運んでみると良いですね。

▼香りの持続時間もチェック
柔軟剤の香りを長い時間楽しみたいなら、香りのカプセルが配合されている柔軟剤を選ぶとよいでしょう。基本的に香りは時間とともに薄れていきますが、カプセルが配合されていれば、動きに応じてカプセルが弾けるので、常に新しい香りを感じることができます。

なかには、一日中香りが楽しめる柔軟剤もあるので、香りを長時間キープしたいという方は、各商品の香りの持続時間もあわせてチェックしてみましょう。

防臭や花粉対策など必要な機能で選ぶ

▼抗菌・防臭効果
汗をかくシーンで着用するシャツやスポーツウェアなどは、抗菌・防臭効果がある柔軟剤を使うことで臭いや雑菌の繁殖を防いでくれます。スポーツ用に特化した、汗を素早く乾かす効果のある商品も発売されているので、臭いに敏感な時期の子どもがいる家庭にもおすすめです。
また、ベッドリネン類など汗をかいたり皮脂汚れがつきやすいのに簡単には洗えないような布類での利用も効果的です。

▼部屋干し対応
部屋干しをしていると洗濯物から嫌な臭いがしてくることがありますが、松延さん曰く「洗濯物の臭いは主にモラクセラ菌が原因」だそう。この菌は水分や皮脂汚れをエサに繁殖することで悪臭を発生させます。
ひとり暮らしの方や梅雨時、花粉の時期などは部屋干しの頻度が上がるので、部屋の湿度が上がることで菌が発生しやすい環境に。
そうした場合には部屋干し対応の抗菌防臭効果がある柔軟剤を選ぶことで対策できます。商品によっては、部屋干しの臭いを防止するだけではなく、部屋干しをしている間も良い香りを室内に広げてくれるものもあります。

▼花粉や静電気対策
花粉が気になる方は、静電気の発生を防ぐ効果のある柔軟剤を選ぶのがおすすめ。花粉のほか、ホコリなどの付着も防ぐので、清潔な状態で衣服を着用することができるでしょう。さらに、静電気を防げるタイプの柔軟剤は、衣類の繊維の毛羽立ちを抑えて長持ちさせる効果も期待できます。
また、花粉シーズンに備えて部屋干し対応の商品ならば、干している時も着用している時も花粉を付けないことでより快適に花粉対策ができるでしょう。

コスパやライフスタイルで選ぶ

経済的な面も考慮したいという方は、内容量や価格も合わせてチェックしてみてください。
たとえば、濃縮タイプの柔軟剤を選べば、1回あたりの量が少なくて済みます。とくに、洗濯の頻度が多い方や家族の人数が多い家庭などは、コストを意識して商品を選ぶのもおすすめです。

逆に自分の身につけるものだから贅沢な香りを楽しみたい！という方は調香師や香りの専門家による本格的な香りが楽しめる柔軟剤が良いでしょう。質の高い香料を使っている分、価格は高くなりますが、香水よりもコスパがよく香りを楽しめるかもしれません。

また、最近は環境問題への関心の高まりと共に洗濯でもエコフレンドリーなものを使いたい、というニーズも高くなっています。植物由来成分やオーガニック成分を使うことで割高にはなりますが、洗濯は頻繁に行うものなので、排水が環境に与える影響は少なくありません。エコフレンドリーな商品を使うことで自然と自分の肌に優しい洗濯ができるでしょう。

自分にあった柔軟剤チェックシート

文章を読んだだけでは自分にあった柔軟剤が分からない！という方もいらっしゃるでしょう。

次の柔軟剤チェックシートの質問にはい／いいえで答えて、自分に適した柔軟剤のタイプを確認してみてください。

続いては、松延さんが選ぶ柔軟剤

※この章の商品は2020年に選定いただきました。

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