〈プロに聞く〉万年筆、おすすめ21選 安いものからギフトにも良い高級品まで
日頃から鉛筆やボールペンを使っている人も、いざというフォーマルなシーンでは万年筆を使ってみたいと思いませんか。
万年筆は国内の文房具メーカーから海外の高級万年筆まで、価格帯もブランドも選択肢はたくさん。けれどメーカーのこだわりや万年筆に使われている素材によって、万年筆の書き味や特徴が異なってきます。
そこで、今回は東急ハンズ新宿店で万年筆専門コーナーを担当する池内さんに、万年筆の選び方について取材しました。
文房具に関する幅広い見識を持つ池内さんですが、特に詳しいのが万年筆だそう。各製品の特徴だけでなく、実際の書き味についても聞きました。
目次
ハンズの万年筆コーナー担当!文房具のプロに取材
美術系の学校出身で、もともと漫画家を目指していたこともあるという池内さん。その時の経験からペンや画材への興味を持ち、東急ハンズに入社します。
約10年にかけてハンズの文房具担当を勤め、2018年3月にできた東急ハンズ新宿店内の「万年筆のエフピー堂・店主」に就任。
池内さんは万年筆のエキスパートとして初心者から万年筆好きな人まで、幅広い層が楽しめる商品をセレクトして売り場に揃えています。たまに、レアな万年筆の掘り出し物を販売することもあるので、マニアの人でも発見があるでしょう。
万年筆ってどんな筆記用具なの?
高級で大人が使う筆記具というイメージの強い万年筆。
インクで字を書くだけならボールペンの方が手軽に感じられますが、それでも昔から多くの人が万年筆の魅力を感じている理由はなんでしょうか。
万年筆には純粋に大人の筆記具としての憧れだけでなく、メーカーの歴史に加えてブランドごとに特徴や個性があり、選ぶ楽しみがあります。また、使い込んでいくと自分の手指や筆運びのクセに馴染んでくれて、自分だけの一本になる喜びも感じられます。
そこで、今回は万年筆について東急ハンズ内でも特に詳しい池内さんにお話を聞きました。
取り扱う万年筆の殆どを実際に書いて試したという池内さんならではの、選ぶポイントや各製品の書き味といった意見は要チェックです。
万年筆の使い方や付属品の基本情報を確認
まずは、池内さんに万年筆の基本情報を教えてもらいます。
殆どの万年筆は本体とキャップ、インク、ペン先という3つのパーツから成り立っています。
ペン先は金属の尖った部分が2つに割れていて、本体に貯蔵されているインクが伝わって紙に文字や線が書けます。
このことから、万年筆では本体、ペン先、インクを選ぶことで、たくさんの選択肢の中から自分にあった組み合わせをつくることができます。
池内さんによると、万年筆の特徴は下記の4点に集約されます。
1.筆圧をかけずスラスラ書けるので長時間書いても疲れにくい
2.万年筆独特のタッチがある
3.字幅の種類が豊富で、極細字から一般的な中字、極太字など様々
4.手入れをしっかりすれば何年、何十年も使える
鉛筆やボールペンと異なり、使い捨てではなく長年使い続けることを前提とした製品であることがわかります。また、
万年筆を自分にあわせて育てていく過程が楽しめることが、万年筆の喜びではないでしょうか。
そして、万年筆をぜひ使ってほしいシーンを池内さんに聞きました。
1.手記や日記…自分だけの一本で、自分のことを書く時間を楽しむ
2.作文や論文…昔から作家の間では万年筆が愛されてきたのは、その書きやすさから
3.手紙…デジタルの時代だからこそ、自分らしさを伝える手段として手書きの字は最適
4.イラスト画…ペン先や力の入れ具合で線に変化が出るので、イラストにも向いている
5.ギフト…素敵なデザインや高級品まで幅広い製品があるので、贈る人にあわせられる
このことからも、こだわりを持って字や線を書きたいシーンで万年筆を使うことが適していることがわかります。
また、汎用性が高くイメージも良いので、ギフトとして贈っても喜ばれるでしょう。
用途にあわせてペン先の種類を選ぶ
まずは万年筆の心臓部とも言える、ペン先の種類について確認していきます。
鉄ペン(ステンレス製含む)
現在ではステンレス製が主流となっているペン先で、比較的安価なので入門編の万年筆に使われています。しなやかさは金ペンに劣りますがが、しっかりとガシガシ書けるので筆圧の強い方に向いています。
金ペン
14金や18金といった金を使ったペン先です。しなやかさがあるので、柔らかいタッチで書くことができます。錆などの劣化にも強いので、メンテナンスをしっかりすればほぼ一生モノとして使えるでしょう。
インクの補充形式で手間やコストが変わる
万年筆はインクを補充することで使い続けることができます。これは鉛筆や使い捨てボールペンのような筆記具と最も異なる点です。
インクの補充方法にはいくつかありますが、万年筆本体に適合するカートリッジやコンバーターは各メーカーで形状が違うので注意が必要です。
カートリッジ式
インクの入った筒状のカートリッジをペン先に差し込むことで、ペン先にインクが送り出される仕組みです。
吸入式/コンバーター式
インクボトルにペン先を差し込んで、直接インクを吸い込むことでインクを補充します。ノブを回して吸い込む回転式や、ノブを押してスポイトのように吸い込むプッシュ式があります。
プランジャー式
注射器のように軸を真空状態にしてインクを吸い込みます。空気の負圧を利用しているので、軸にたっぷりインクが入るのが特徴です。
アイドロッパー式
スポイトで直接軸にインクを注入するので、インクがたくさん入ります。海外メーカーでいくつか採用されている形式ですが、あまり一般的には出回っていません。
万年筆と一緒に揃えたい付属品一覧
ここまで万年筆の基本であるペン先とインクの補充方法について説明しましたが、以下では万年筆ライフをより充実させてくれる製品を紹介します。
ボトルインク
カートリッジ式の万年筆でなければ、ボトルに入ったインクを充填して使用します。インクが無くなったら、自分でインクを足す作業は手間でもありますが、それも味わいがあり万年筆を使う醍醐味の一つです。
まず、標準的な万年筆用に使われている染料インクは耐水性、耐光性がありません。水に滲んだり、日光に当たると色あせがあるので、書いた文字を長い期間保存するのには向いていません。
顔料インクは細かい粒子が紙にしっかりと定着するので、はっきりとした線が書けます。
耐水性や耐光性があるので、長期間保存が効きます。色合いも豊富なので、イラストを描くことにも適しています。
池内さんによると文字を書くインクは下記がおすすめです。
1.「クラシックインク」(プラチナ万年筆)…昔ながらの製法で、書いて時間が経つと黒に奥行きが出てきます
2.「カーボンインク」(プラチナ万年筆)…顔料のカーボンブラックを使っているので耐水性、耐光性に優れて色褪せることがありません
3.「極黒(きわぐろ)」(セーラー万年筆)…超微粒子顔料を使ったインクで目詰まりしにくく、染料インクのような書きやすさが特徴。保存したい字を書くのに適したインクです
また、最近では色鮮やかなインクもトレンドになっていて、池内さんが注目するのは次のインクです。
1.「色彩雫(いろしずく)」(パイロット)…月夜や紅葉といった日本的な情緒ある色名をつけた24種類のインクです
2.「四季織インク」(セーラー万年筆)…和柄のおしゃれなボトルで女性のデスクにも馴染むので、インク瓶を飾りたくなります。16種類のカラーバリエーションがあり、手頃な価格も魅力です
池内さんによると地方の文具店では限定インクやオリジナルでミックスしてくれるサービスなどもあり、インクブームが盛り上がっているそう。
最初は付属のインクから使い始めてみて、自分好みの色合いを表現できるインク色を探すのも楽しみになりますね。
ペンケース
高級感のある万年筆ならペンケースにもこだわりたいところ。
レザーやフェルト素材のペンケースは柔らかくてペン軸にキズがつきにくく、ペン軸をケアしながら収納できるでしょう。質感のある手触りは、万年筆の重厚感ともバランスがとれます。
池内さんのおすすめはパイロットの「ペンサンブル」シリーズ。ロールタイプの革ペンケースで、上質なレザーを掛け軸のように巻きつけてしまいます。
用紙
万年筆を使う時には紙に書くことがほとんどですが、その紙にも様々な選択肢があります。
池内さんが気になっているのは、するするとなめらかな書き心地でにじみや裏抜けが少なく、万年筆との相性が良い用紙・トモエリバーを使用したノート、「クロスフィールド」(渡邉製本)です。
また、論文や小説を書くなら「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)が最近のトレンドだそう。
万年筆のインクを吸って少しその部分がしわっとなるキンマリスノーホワイトという紙を使用した原稿用紙です。
プロ注目の万年筆ブランドと書き味を紹介
今までの万年筆の基本情報を踏まえて、池内さんに使うシーン別に適した万年筆の種類と選ぶポイントを聞きました。
ここからはプロが注目する万年筆のトップブランドと、その書き味を実際に試したことのある池内さんのコメントとともに紹介します。
パイロット
パイロットの万年筆は、創業者が110年以上前にインクを補充したペンを開発し、特許を取得したことにはじまります。国内の万年筆メーカーとしてはもっとも歴史のある企業です。
ペン先の先端にあたるペンポイントに、非常に固くて摩耗しにくいイリジウム合金が使われていることが特徴です。
ペン習字の普及にも熱心で、子どもでも使える万年筆として人気のある「カクノ」を発売したことで、昨今の万年筆が見直されるきっかけを作りました。
<プロの書き味チェック!>
安価な万年筆でも、みんなしっかりとした作りで書き味も良いのがポイント。特に「カスタム」シリーズの金ペンは、比較的柔らかくしなやかで非常に書きやすいです。
セーラー万年筆
創業100年を超える万年筆メーカーで、パイロットに続く老舗企業です。カートリッジ式万年筆や国産初のボールペン、筆ペンを開発したりと、時代のニーズにあわせた新商品を発表し続けている、筆記具の開拓者と言えます。
日本語を書くにこだわった特殊なペン先が多く「ふでDEまんねん」や「長刀研ぎ(なぎなたとぎ)」など、ペンの角度によって細め、太めの文字を書く事が出来るユニークな製品が揃っています。
<プロの書き味チェック!>
「プロフィット21」に使われている21金のペン先は、柔らかくてヌラヌラとした書き味が特徴です。
ペリカン(Pelikan)
1800年初頭に絵の具からスタートしたドイツの文房具会社です。インクメーカーとしてビジネスを拡大しましたが、今では高級万年筆の人気ブランドとして知名度があります。ヨーロッパでも特に歴史のある会社で、万年筆好きなら1本は持ちたい憧れのブランド。
<プロの書き味チェック!>
「スーベレーン(Souverän)」は筆圧かけなくても滑るように書けるので、その書き味は「とにかくすごい」の一言。
パーカー(PARKER)
アメリカでペン修理の技師が万年筆のペン芯をつくり始めたことにはじまります。1894年にインク漏れを防ぐ万年筆を開発したことで、使いやすいと人気になった歴史あるメーカーです。
「IM(アイエム)」や「アーバン」といった比較的安価なタイプでもオシャレな軸で、プレゼントとして人気があります。
ペンのクリップの形がパーカーのシンボルである矢の形をしているので、ポケットに差しているとパーカーのペンだと一目でわかるのもポイント。
<プロの書き味チェック!>
書き味も鉄ペンは硬くしっかりとした印象ですが、軽く書けるので入門には最適。「ソネット」などの18金ペン先は柔らかくて、気持ちよく書けます。
ウォーターマン(WATERMAN)
1883年創業のメーカーで一貫して万年筆をはじめとする筆記具に特化して製品を開発しています。全てのペンがフランス製で全体的にエレガントなデザインの軸が多いです。
「エキスパート」は太い軸で男性でも使いたい格好良さがあります。「メトロポリタン」は細い金属軸で洗練された印象で、程よい重さもあり高級感があるので女性へのギフトにおすすめ。
<プロの書き味チェック!>
鉄ペンなので書き味は硬めですが、スラスラと書けます。最近18金のペン先が発売になり、書き味も滑らかなので要チェックです。
プラチナ万年筆(PLATINUM)
2019年に創業100年を迎えた老舗企業で、パイロット、セーラーと並んで日本3大万年筆メーカーの1社です。カートリッジインクを万年筆にはじめて実用化したことでも有名です。
プラチナ万年筆が開発した「スリップシール機構」はキャップを閉めた状態で1年ほど放置してもインクが乾かないので、いつでも新鮮に書けるのが特徴です。
<プロの書き味チェック!>
「#3776センチュリー」シリーズは金ペンだが比較的硬めな感じでファンも多い。上記の機構もあり初心者に最適です。
ラミー(LAMY)
1930年創業のドイツの筆記具メーカーで、一般的な形状の万年筆と異なり、ポップな色合いやトレンド感のあるデザイン性で万年筆ファンを魅了しています。
「サファリ」や「アルスター」はカラーバリエーションが豊富で、その年の限定品を集めるコレクターが世界中にいます。2020年の限定色は「キャンディ」で、お菓子のような黄色、緑、紫の3色展開です。
<筆者の書き味チェック!>
筆者はサファリを愛用していますが、紙にひっかかるカリカリとした感触があります。滑らかさはないですが、他の筆記具にはない万年筆を使っている感触を体感できます。
万年筆比較表
池内さんが紹介した定番の万年筆ブランドのスタンダードな商品を徹底比較しました。
メーカー | パイロット | セーラー万年筆 | ペリカン | パーカー | ウォーターマン | プラチナ万年筆 | ラミー |
---|---|---|---|---|---|---|---|
品名 | カスタム74 | プロフィット21 | スーベレーンM400 | ソネット ラックブラックGT | メトロポリタン | #3776センチュリー | サファリ |
販売価格(税込み) | 13,200円 | 22,000円 | 41,800円 | 33,000円 | 13,200円 | 14,300円 | 4,400円 |
インク | カートリッジ・コンバーター両用式 | カートリッジ・コンバーター両用式 | 吸入式 | カートリッジ・コンバーター両用式 | カートリッジ・コンバーター両用式 | カートリッジ | カートリッジ |
ペン先の素材 | 14金 | 21金 | ロジウム装飾14金 | 18金 | ステンレススチール | 14金 | スチール |
軸の素材 | 樹脂 | PMMA樹脂 | セルロースアセテートなど | ステンレススチールなど | ラッカー、ニッケルパラジウム | AS樹脂 | ABS樹脂 |
サイズ | φ14.7x143mm | φ18×141mm | φ12×127mm | φ9x146mm | φ10x150mm | φ15.4×139.5mm | φ12x139mm |
重さ | 21g | 21.6g | 15g | 33g | 22g | 20.5g | 15g |
製造国 | 日本 | 日本 | ドイツ | フランス | フランス | 日本 | ドイツ |
プロのイチオシ!おすすめ万年筆6選
万年筆を愛してやまない池内さんが、特におすすめしたい製品を6点選びました。高級万年筆から入門編の気軽なものまで、こだわりのポイントとともにご紹介します。
ペン先はロジウムメッキでコーティングした14金で、万年筆らしい書き味が楽しめる一本です。やや硬めの中字で、手紙や少し大きめの文字を書きたい時におすすめです。
<池内さんのポイント>
パイロットのカスタムシリーズは太さのバリエーションが豊富で、BB(極太)はサインペン並みの太さが書けます。
ステンレススチールのペン先は摩耗に強く、耐久性に優れているので普段遣いにも適しています。きちんとした万年筆メーカーの製品を探している人には、購入しやすい価格と本格的で快適な書き心地は魅力的。
<池内さんのポイント>
IMシリーズは初めて万年筆を持つ人におすすめしたい、入門編とも言える製品です。
ステンレススチールのペン先にはウォーターマンの署名が刻印されていて、細部までこだわりのあるデザインです。ペン軸はふっくらとした形ですが、指を置くペン先近くはくびれのようなシェイプがあり、握りやすさがあります。
<池内さんのポイント>
ウォーターマンはメトロポリタンといった細くて繊細な形が多いですが、エキスパートは太い軸で男性にも似合う格好良さがあります。
サファリのプラスチック感がちょっとカジュアル過ぎる…と思う人には、アルスターシリーズがおすすめです。サファリと同じスタイリッシュな形ながらも、アルミの素材感でフォーマルな雰囲気になり、ビジネスシーンで使ってもきちんと感が出ます。
<池内さんのポイント>
ラミーの万年筆は見た目も可愛くて、比較的安い価格帯なので入門用万年筆の代表格。
ペン先に55度の角度をつけることで字の太さが簡単に調整できて、まるで筆で書いたような文字が書けます。プロフィットのペン軸を採用しているので、筆ペンよりも握りやすく書きやすさも両立しています。
<池内さんのポイント>
紙に書く時のペン先の角度によって字の太さが変わる万年筆です。
インクカートリッジが交換できたり、インクが乾きにくいスリップシール構造が採用されていたりと、低価格でもプラチナ万年筆の技術がしっかりと生かされています。
摩耗に強いステンレス製のペン先で、極細、細字、中字の3種類がラインアップ。手帳など小さな文字を書く用途にも適した、カジュアルな万年筆です。
<池内さんのポイント>
300円から買える「プレピー」は安いのに書き味は本格的!イラストを描いたり勉強用にと学生にも大人気です。
編集部選・お手頃から本気価格まで!プライス別万年筆6製品
これまでの基本情報を踏まえて安くてユニークな製品から数万円の一生モノ万年筆まで、価格帯に分けておすすめの商品を紹介します。
ABS樹脂製のペン軸は丈夫な上に、グリップのすぼまった形状で握りやすさがあります。クリップも大きめなので、厚手の手帳やノートにも挟めます。
グリップ部の小窓からはインクの残量がわかるので、インクが切れる前にカートリッジの交換ができます。
おしゃれなデザインで色の選択肢も多いので、友人や仕事仲間へのギフトとしても喜ばれます。
- ジンハオ(中華)
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Jinhao 万年筆 シャークデザイン ミディアムペン 6色
- 税込み1,500円(Amazon)
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ユニークな形状のペン先が特徴
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ペンのキャップが白鳥を連想させる形状になっている個性的なデザインの万年筆です。リーズナブルな価格で6本セットになっているので、初めて万年筆を使う方や、子ども向けにもぴったりです。
プラスチック製のボディとキャップで、可愛らしい万年筆です。手頃な価格とカラフルな色合いで、子どもでも楽しく万年筆が使えるでしょう。
- ウォーターマン(WATERMAN)
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万年筆 F 細字 メトロポリタン エッセンシャル
- 税込み23,100円(楽天市場)
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エレガントな佇まいの細身のペン軸
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エレガントかつ上品なカラーリングで、男性でも女性でも使う人を選ばない洗練されたデザインです。
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楽天ブラックフライデー開催中!楽天市場で見る
ウォーターマンの中でも、特にカラーリングや質感にバリエーションが多いラインがメトロポリタンです。ペン先からシュッとしたペン軸で女性が持っても違和感がありません。定番の黒だけでなく、優しい色合いも揃っています。
アメリカで170年以上の歴史がある筆記具メーカー・クロスの中でも、センチュリーはシリーズ累計1億本以上を販売している不動の人気を誇るラインです。
もともとペンシルからスタートしたブランドなので、全体的にほっそりとしていて、握りやすく書きやすい万年筆です。
キャップの先が円錐状にすぼまっていて、この部分がクロスを象徴するデザインですが、黒いトップにすることで、胸ポケットや手帳にさした時によりアイコンが目立ちます。
スーベレーンはペリカンの中でも定番のラインで、特にペン軸が縞柄になっているデザインは手間のかかる工程でつくられていて、「シュトレーゼマン」という愛称で人気があります。
大きさによって300~1000までモデル名が異なりますが、300はもっとも短い長さ約11cmのコンパクトさで持ち歩きにも適しています。
ペリカンのくちばしをモチーフにしたクリップは胸ポケットや手帳でキラリと輝いて、ペリカンの万年筆であることを主張してくれます。
革製品や時計といった男性用の高級アクセサリーを展開するモンブランですが、創業時の主要事業が万年筆でした。
モンブランの万年筆は最低でも5万円台で、高額な製品では20万円を超えるものもあります。それでも最高級と評価されているブランドの知名度から、ステータスを感じる万年筆として人気があります。
贈る相手別に選ぶ!ギフト向け万年筆6製品
ギフト需要としても人気のある万年筆。けれど、今まで見てきたとおり価格帯も数百円から数十万円までと幅が広く、デザインも昔ながらのレトロなものから洗練されたものまで選択肢は多岐に渡ります。
そこで、数々の万年筆を見てきた池内さんに「初心者向け」「目上の方向け」「女性向け」の3カテゴリに分けて、ギフトにぴったりの万年筆を教えてもらいました。
初めて万年筆を持つ人、新社会人向け
池内さんの見立てでは、万年筆の入門編には購入しやすい価格帯でシンプルなデザインの「プロシオン(プラチナ万年筆)」、「コクーン(パイロット)」、「IM(パーカー)」、「サファリ(ラミー)」などが、自分使いにも気軽なギフトにも適しているとのこと。
手ごろな価格の万年筆は樹脂製のペン軸が多いのですが、プロシオンは金属製のボディにパール加工やマット塗装を施していて高級感があります。
ペン先はステンレス素材ですが「五角絞り」という特殊な加工で、金ペンと変わらない筆記感を実現しています。
価格に対してこだわりの素材を使った万年筆らしい機能が味わえる、高コスパなモデルです。
商品名は繭を現すコクーンと名付けられた、曲線が特徴的な形の万年筆です。程よい重厚感があるので、手のひらにしっくりと馴染んでくれます。
手ごろな価格でシンプルなデザインなので、新社会人へのギフトに喜ばれそうです。
親族や上司など目上の人の記念品
父の日や退職祝いといった節目に贈るなら、しっかりとした万年筆ブランドの中価格帯以上の製品を選ぶと間違いないでしょう。
「#3776センチュリー(プラチナ万年筆)」、「プロフィット21(セーラー万年筆)」、「カスタム742(パイロット)」、「スーベレーン(ペリカン)」、「ソネット(パーカー)」であれば、スペック的にも目上の方に贈って恥ずかしくない万年筆です。
プラチナ万年筆の中でもセンチュリー#3776シリーズは定番として不動の人気があります。
金ペンは手に負担を与えない書き味で、万年筆で描く楽しみが味わえます。また、スリップシール機構を搭載したキャップは、最大2年間インク乾きを防いでくれる優れもの。
胴リングにエッチング加工を施すことで、高級感のある仕上がりになっています。
ペン軸は太めの形状で握りやすく、やわらかな金のペン先は本格的な書き味なので筆が進む一本です。
ペン先は使い込むたびに書き手にあった形状に変わって、自分だけのペンになっていく過程も楽しめます。
論文や文章を執筆する先生や、手書きで手紙などの文字を書くこと習慣がある方にぴったりです。
女性が使いたくなる万年筆
万年筆と言うと年配の男性や物書きを仕事にしている人が愛用しているイメージがありますが、最近では女性でも持ちたい洗練されたデザインや愛らしい色合いの万年筆も発売されています。
「プロフェッショナルギア スリム ミニ(セーラー万年筆)」、「四季織(セーラー万年筆)」、「カヴァリエ(パイロット)」、「メトロポリタン(ウォーターマン)」などは長さや細さが女性の小さな手にも馴染むサイズ感で、優しい色合いのカラーバリエーションも展開されています。
四季織は日本の四季から着想を得た、和の色を施した筆記具のシリーズです。四季織シリーズのインクはどれも絶妙な和風の色合いなので、万年筆とインクを合わせる楽しみもあります。
ピンクの「桜」や淡い水色の「春空」は、春から新社会人になる方へのギフトにぴったりです。
直径1cm以下というスラリとして洗練されたデザインの万年筆で、女性にも持ちやすいのが特徴です。
2007年のリニューアルでピンクや水色、ゴールドといったトレンドカラーが追加されて、今ドキの働く女性が持ち歩いても素敵な万年筆です。
番外編!池内さんが見つけた個性派万年筆3製品
自分でも万年筆マニアと語る池内さんが、ありとあらゆる万年筆を見てきた中で「これは変わってる!」と思った個性的な万年筆を紹介します。
ひと押しでペン先が出てくるので、キャップを開ける動作がなくなり素早く書き始められます。また、気密性の高いシャッター機構で、ペン先を収納している間のインク漏れや乾燥を防いでくれます。
ペン先は18金仕様の本格派で、やや硬めの細字を書く際に適しています。筆圧が高い人や、万年筆初心者にもおすすめです。
京都セルロイドは紙や木を原料とした天然素材「セルロイド」の工房で、筆記具やメガネを製造しています。セルロイド製造は工程が多いので、半年という長期間をかけて丁寧につくられています。
ドイツ・シュミット製のペン先を採用しているので、なめらかで本格的な書き味も楽しめます。
ディプロマットは1922年創業のドイツの老舗高級筆記具メーカーで、カートリッジ万年筆のブランドとしてヨーロッパで知名度があります。
14金のペン先は本格的な書き心地がありながら、アルミ製のペン軸にアルマイト加工が施されているので、耐食性や耐摩耗性に優れています。
キャップには「ソフトスライドクリック」という機能があり、ギュッと押してもふわっとした動きでキャップが閉まるのが特徴的です。
自分の普段遣いにも、ギフトにも万年筆はぴったり!
今回は東急ハンズ新宿店の文房具のプロである池内さんに万年筆について聞きました。
それぞれの万年筆メーカーが、古い歴史や高い技術を持って万年筆を開発していることがわかりました。こうした、うんちくがあることも万年筆を持つ楽しみの一つになりますね。
万年筆は他の筆記具とは違って、メンテナンスをしたりインクを補充して、長い間使えることも愛着が湧くポイントです。
そして、万年筆はプレゼントとして喜ばれるアイテムでもあるので、相手に合わせてデザインやスペック、価格で選べます。誕生日、バレンタイン、クリスマスなど、とっておきのギフトとして万年筆を贈ってみてはいかがでしょうか。
ぜひこの記事を参考に自分で使う一本や、大切な人に贈りたい万年筆を選んでください。
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