モバイルバッテリーが発火する?その原因を知って対策しよう!

中間睦月
公開: 2019-02-12

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スマートフォンをよく使う人であれば「モバイルバッテリー」は必需品です。しかし、近年ではこのモバイルバッテリーが発火する事件が多発しています。自宅以外にも電車の中や、飛行機の中で発火したケースもあり大きなニュースになりました。モバイルバッテリーは普段利用することが多いため、なぜ発火するのか仕組みを理解しておくことが大切です。
この記事では、モバイルバッテリーが発火する原因や仕組みなどを紹介していきます。


モバイルバッテリーはなぜ発火するのか?

近年では電車や飛行機の中で、モバイルバッテリーが発火する事件が起きています。実際にニュースになくても、同様の事件は全国各地で起きています。スマートフォンが爆発したニュースも一度は聞いたことがあるでしょう。基本的にモバイルバッテリーも同じ仕組みで発火・爆発します。

この発火の原因となっているものは「リチウム電池」です。リチウム電池は充電して使える機器の大半に使われており、スマートフォンのバッテリーやモバイルバッテリーの内蔵電池の大半がリチウム電池です。まずは、リチウム電池が発火する仕組みをしっかりと把握しておくことが大切です。

モバイルバッテリーが発火する仕組み

先程の説明のように、モバイルバッテリーが発火する原因の大半はリチウム電池に何かしらの不具合が生じることです。その不具合にはいくつか要因があるため注意が必要です。まず、リチウム電池が劣化すると内部の電解質が酸化することでガスが発生します。このガスが大量に発生するとリチウム電池が膨張します。過去にも携帯電話の電池パックが膨張する事例は多数ありますが、モバイルバッテリーでも同様のことが起こります。

メーカー側の意見としては、リチウム電池が膨張したとしても電池が使えなくなることはなく、そのまま使うことができるそうです。劣化しているため充電する最大容量が小さくなっているため、買い替えることを推奨しています。

しかし、リチウム電池が膨張してから発火するケースが多発しているため、安全性を疑問視する声が多いことも事実です。実際に解明されているわけではありませんが、この膨張したリチウム電池はガスが溜まっているため、充電中など通電しているときに大きな衝撃を与えるとガスに電気が引火して発火する、とも言われています。

安いモバイルバッテリーは危険?発火するのは安物が多い?

先程の説明のようなモバイルバッテリーの発火はリチウム電池が劣化することが原因でした。しかし、実はリチウム電池が劣化していなくとも発火する可能性があります。それは、「安物」のモバイルバッテリーを使っているときに発火する可能性が高くなるということです。
この安物のモバイルバッテリーが発火しやすい理由を知るためには、まずモバイルバッテリーの仕組みを知る必要があります。

モバイルバッテリーの仕組みとは?

モバイルバッテリーには大きく、「充電部」「内部電池」「給電部」の3つに分類されます。
充電部とはコンセントに挿すプラグの部分からモバイルバッテリー内部に搭載されている内部電池まで電気を送る部分です。給電部とは内部電池からスマートフォンなどの端末に電気を送る部分が該当します。そしてこの各部分を繋ぐ場所には「安全装置」が搭載されています。この安全装置があることで、モバイルバッテリーを使用することによって高温になっても、給電量を抑えるなど実施し高温にならないように制御します。また、この安全装置の中には内部電池や回路を守る構造になっているため、モバイルバッテリーの耐久性を保ち、長持ちします。

安物のモバイルバッテリーが発火する仕組み

安物のモバイルバッテリーの大半は標準のモバイルバッテリーと同じ充電能力を持っています。つまり、先程のモバイルバッテリーの仕組みの「内部電池」は同じです。では、どこで標準的なモバイルバッテリーと差が出ているのでしょうか。それは、安全装置の有無です。安物のモバイルバッテリーでは安全装置を取り除くことによって、低価格で提供することを実現しています。

そのため、安物のモバイルバッテリーは衝撃に弱く、熱くなりやすい特徴があります。このように安物のモバイルバッテリーは熱を制御する機能がないため、際限なく温度が上昇し最終的には発火してしまいます。また、劣化した場合も衝撃に弱いため、少しの衝撃でもガスに引火し発火する可能性が高いです。

モバイルバッテリーも新しい規制対象に

最近では、ここまでの説明のようなモバイルバッテリーの発火事件が相次いでいるため、経済産業省はモバイルバッテリーを新しく規制の対象として追加しました。
その理由は、調査によると発火したモバイルバッテリーの約8割が、使用者の操作ではなく「製品」に発火の原因があることがわかりました。

このような経緯を経て、リチウム電池を含むモバイルバッテリーは「PSE法」の規制対象になったのです。この「PSE法」とは「Product Safety Electrical appliance & materials」の略であり、電化製品が安全性基準を満たしているかどうかを示すものです。この規制は2018年2月に発表され、2019年の2月より適用されます。

注意が必要なモバイルバッテリー

ここまで説明したように、発火の危険性が高いモバイルバッテリーは存在するため、注意する必要があります。
今後、モバイルバッテリーを選ぶときには以下のような商品には注意をしましょう。

標準よりも価格が圧倒的に安いモバイルバッテリー

先程の説明のように、安すぎるモバイルバッテリーは安全装置が付いていない可能性が高いため、発火の危険性が非常に高いです。

PSEマークがついていないモバイルバッテリー

2020年2月以降はPSEマークがないモバイルバッテリーは規制違反になるため、違法商品に該当します。このような商品は粗悪なものが多いため要注意です。

モバイルバッテリーを発火させないための使い方

モバイルバッテリーはどのようなモデルでも発火する可能性があり、使い方によっても影響を受けます。
ここからはモバイルバッテリーを発火させない使い方を説明していきます。

丁寧に使う

モバイルバッテリーは安全装置が搭載されているモデルでも衝撃に弱いため、落としたりぶつけたりするなど衝撃を与えないようにする必要があります。

発熱したら使用を控える

標準的なモバイルバッテリーでも発熱することはあります。このように発熱した場合は充電効率も低くなるため、使用を控えることがおすすめです。

熱を持たないようにする

モバイルバッテリーは使用し過ぎるだけでなく、ポケットの中に入れるなど熱くなりやすい場所で使用すると発熱します。そのため、カバンにモバイルバッテリーを入れて使うときも、熱くならないように工夫することが大切です。

ここまでのような使い方を覚えておくことでモバイルバッテリーを長く使うことが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はモバイルバッテリーの発火について紹介してきました。発火はリチウム電池を使っている限りどのようなモバイルバッテリーでも起こる可能性があります。しかし、発火しにくいモバイルバッテリーを選び、丁寧に使うことで発火する可能性は下げることが可能です。また、変形したり調子が悪くなったりしたモバイルバッテリーは不具合が発生しやすくなるため、不安に感じたら買い替えることがおすすめです。


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