こんな日本があったのか! イタリアの超人気インスタグラマーが写した「japan」

朝日新聞経済部記者 大内奏
公開: 2016-11-28
facebook xPost lineLINE copyCopy

思わず二度見してしまう鮮やかな風景から、見慣れたはずの街角まで……海外の人気写真家を招き、日本人とは違った感覚で切り取ってもらう企画を、三越伊勢丹グループが展開中です。9月下旬にはイタリアの超人気インスタグラマーが来日。日本の光景はどのように映ったのか、情熱を聞きました。


愛用のライカを構えるシモーネ・ブラマンテさん

愛用のライカを構えるシモーネ・ブラマンテさん

丘を染めるコキア「恋に落ちた」

イタリア人で、広告写真を中心に世界各地で活躍する写真家のシモーネ・ブラマンテさん(38)。インスタグラムのフォロワーは80万人。日本では蜷川実花さんが30万人なので、すごい人気です。イタリアでは写真家としてもっとも多いフォロワーを抱えているそうです。

9月末、来日したシモーネさんが向かったのは、茨城県ひたちなか市でした。来日前に、フェイスブックで撮影先をリサーチ。選んだモチーフは、丘を赤く染めるコキアでした。「フェイスブックの写真を見て、恋に落ちた。構図、光、色の組み合わせで、いかにポジティブな感情を与えるかにこだわった」とシモーネさんは話します。

日本でもあまり知られていない風景を撮ろうと考えたそうで、「僕がアップしたら、有名になっちゃうね」。かなりの自信家です。

渋谷の街「すべてがビューティフル」

私(記者)が取材をしたのは東京・渋谷のカフェでした。イタリアのきれいな街と比べると、渋谷ってごみごみして見えるんだろうか……。

おそるおそる聞いてみると、「建築の素材、デザイン。すべてがビューティフル。白黒がベースのなかに、きらきらした看板、タイル、スチール、ガラス。そしてエレクトロニックサウンド。子どもが駅の改札口を通るときの音、交差点の音。音を録音するだけで面白いよ。1個1個が面白くてものすごくたくさんあって情報過多。トゥーマッチだよ」と、トゥーマッチな勢いでこたえてくれました。

竹林と女性「ストーリーが生まれる」

日本の自然と都会を撮影したシモーネさん。残りの滞在中に撮りたいものはと聞くと、「イタリアのヴェニスのような、王道の観光地に行きたい」。この後、京都・嵐山で竹林と花柄の服を着た女性をからめた不思議な写真を撮りました。

シモーネさんの撮影手法で多いのが、風景と、後ろ向きの人物を絡めた写真です。「人が入ることでストーリーが生まれる。より興味がわく」。私は普段の新聞記者業では、いかに前向きの顔を撮るかでやっきになっていますが、こうしたストーリー性のある写真も撮れるようになりたいと思ったのでした。

日本の風景 各国の写真家が切り取る

三越伊勢丹グループが2015年から企業メッセージに掲げているのが「this is japan.」。日本の伝統や文化、美意識の価値を再認識し、新たな価値として消費者に提供したい、との思いが込められているそうです。写真企画「#_this is japan」では、シモーネさんのほかに、台湾や南アフリカ出身の写真家が映した日本の風景が並びます。また、ハッシュタグをつければ誰でも参加可能。現在約6500件の写真が投稿されています。いつもとちょっと変わった「japan」、探してみては。

三越日本橋本店が売り出す「男子会」福袋のイメージ。着物の仕立てと着付け、料亭でのお座敷遊びをセットにした福袋で、税込み32万4千円=三越伊勢丹提供、出典:朝日新聞


  • LINEの友達登録をお願いします!

    LINE限定で、毎週の人気記事を配信します!

    友だち追加

    XでMoovooをフォロー!