借金返済のためのお役立ちサイト・アプリ9選 活用法や注意点も解説
借金返済に悩んでいる場合、問題の解決のためには収支状況を正確に把握することが重要です。
家計管理アプリを活用すれば、収入や支出の状況を可視化することで無駄な支出を把握できます。何にお金を使っているのかを具体的に理解できるため、借金の返済に充てられる金額を明確にすることができるでしょう。
とはいえ、家計管理アプリには有料のものから無料のものまでさまざまなものがあります。この記事では、それぞれの特徴から選び方のポイント、注意点について解説します。
目次
1. 借金返済に悩んだときに、アプリやWebサイトの利用でできること
借金の返済に困っているとき、まずやるべきことは「現状の正確な把握」と「返済の見通しを立てること」です。その作業に役立つのが、家計管理アプリや各種返済シミュレーターです。
これらのツールを使えば、自分の収入・支出の状況を客観的に分析でき、返済計画を具体化することも可能になります。
1-1. 返済計画についてシミュレーションできる
借金を確実に返すには、まず現実的な返済計画を立てる必要があります。無理のない範囲で確実に完済をめざせる返済額を決めるには、各種シミュレーターが役立ちます。
返済シミュレーターは、借入金額や利率、返済期間などを入力することで、毎月の返済額や完済までの期間、総支払額などを自動で計算してくれるツールです。自分がどのくらいの期間で、どの程度の金利負担をしながら返済していくのかが一目でわかるため、返済計画を立てるうえでの指針になります。
客観的な情報をもとに無理のない返済プランを立てることは、精神的な安心にもつながります。シミュレーションの結果「このままでは返済が困難かもしれない」と気づいた場合には、早めに債務整理など別の選択肢を検討するきっかけにもなります。
1-2. アプリで支出や収入を正確に把握できる
借金問題を解決するためには、まずは毎月の「お金の流れ」を正確に把握することが大切です。収入よりも支出が多ければ、どんなにしっかりした返済計画を立てても、返済を継続するのは困難になってしまうでしょう。
そのような状況で役立つのが家計管理アプリです。多くのアプリでは、銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどと連携することで、日々の収入や支出を自動的に記録してくれます。面倒な手入力の手間が少ないため、家計管理が習慣化しやすいのがメリットです。
さらに、食費・光熱費・通信費などの支出がカテゴリごとにグラフで可視化される機能を持つアプリもあり、「どこで無駄遣いしているのか」「どの費用が高すぎるのか」を視覚的に把握できます。
無駄な出費を減らすことができれば、その分を借金の返済に充てることができ家計の健全化にもつながります。家計簿アプリを上手に活用すれば、自分に合ったペースで無理なく返済を続けることが可能になります。
2. 返済計画をたてるのに役立つ返済シミュレーター
借金を着実に返済していくためには、具体的な返済計画を立てることが欠かせません。しかし「どれだけ利息がつくのか」「返済期間がどのくらいになるのか」など、複雑な計算を個人で行うのは難しい場合も多いです。そこで活用したいのが、無料で使える返済シミュレーターです。
ここでは、信頼性が高く、利用者からの評価も良い4つのシミュレーターをご紹介します。
2-1. 金融庁「借金シミュレーター」
金融庁が提供している「借金シミュレーター」は、車のローン、住宅ローン、クレジットカード利用分(リボ払いを含む)といった代表的な3種類の借金について、返済計画を手軽にシミュレーションできる無料ツールです。国の機関が運営しているため、情報の正確性・信頼性が高く、広告なども表示されない安心設計になっています。
シミュレーションでは、借入金額や金利、返済回数(分割回数)などの基本情報を入力するだけで、完済までの期間や総返済額、毎月の返済額が自動で計算されます。操作画面もシンプルで、専門知識がなくてもスムーズに使えるのが魅力です。
2-2. 日本貸金業協会「返済シミュレーション」
日本貸金業協会が提供する「返済シミュレーション」は、借入金額・金利・返済期間に加えて、返済方式(元利均等返済・元金均等返済など)を自由に選んでシミュレーションができるのが大きな特徴です。返済方式によってどれくらい利息負担が変わるのかを視覚的に理解できるため、借り入れの際に返済方式を含む条件まで確認するクセをつけることができます。
また、日本貸金業協会は貸金業者の健全な経営と利用者保護を目的とした業界団体であり、公的な信頼性も高いです。利用者の正しい理解を促すために設計されたツールのため、初心者でも安心して使える操作性の高さも魅力です。
2-3. リプレックス「keisan」
カシオ計算機の子会社のリプレックス株式会社提供する計算サイト「keisan」は、金融に限らずさまざまなシミュレーションを行えるWebツールです。ローン返済(毎月払い、ボーナス併用)、繰上げローン返済など、返済方法に応じた計算ツールを無料で利用できます。
変動金利にも対応した試算が可能になっているため、より詳細なシミュレーションを行うことができます。また、「お客様の声」として実際にシミュレーターを使った人の意見を確認できる点も、利用者によっては嬉しいポイントです。
2-4. JCB「ショッピングリボ払いのシミュレーション」
クレジットカード会社のJCBが提供している「ショッピングリボ払いのシミュレーション」は、リボ払いを利用した場合の返済計画を具体的にイメージできる便利なツールです。JCBはクレジットカード会社のひとつであり、信頼性と情報の正確性に定評があります。
このシミュレーターでは、利用予定金額や手数料率(実質年率)、お支払いコースなどを入力することで、完済までの期間や総支払額、利息の合計を簡単に算出できます。
リボ払いは「毎月の返済額が一定」という安心感から、つい気軽に利用してしまいがちです。しかし、実際には利息がかさみやすく返済が長引くリスクを抱えています。
このシミュレーターを使えば、「月々1万円の返済では、元本がなかなか減らず利息ばかり払い続ける状態に陥る」といった事態を、事前に確認することができます。
3. 家計の収支改善に役立つアプリ
借金の完済をめざすためには、収支を把握して無駄な支出を減らすことが大切です。手書きやExcelなどを利用して家計管理をしてもよいですが、スマホ一つで簡単に家計管理ができるアプリを利用するのがおすすめです。
家計管理アプリを使えば収支状況を簡単に視覚化でき、支出の傾向や節約ポイントがすぐにわかります。借金返済中の方に特におすすめの家計管理アプリを5つ紹介します。生活に合ったものを選び、効率よく家計改善を進めましょう。
3-1. マネーフォワードME
マネーフォワードMEは、銀行口座やクレジットカード、電子マネー、証券口座などと連携し、日々の収支を自動で記録できる家計簿アプリです。手入力の手間を大幅に省けるため、継続しやすいのが特徴です。
このアプリでは、毎月の電気代や通信費、コンビニでの支出などを自動でカテゴリ分けし、「食費が多い」「サブスクの利用が増えている」など家計の傾向をわかりやすくグラフやリストで表示します。これにより、どこに無駄があるのかを具体的に把握でき、節約のポイントを効率よく見つけられます。
また、現金での支払いもレシートを撮影するだけで自動登録できるため、現金管理も手軽です。複数の口座やクレジットカードの情報を一元管理できることから、家計状況全体を客観的に把握できるでしょう。
ただし、5件以上の金融関連サービスと連携する場合には有料となることに注意してください。
3-2. Zaim
くふうカンパニーの運営するZaimは、手軽さと多機能性を兼ね備えた家計簿アプリです。レシート撮影による支出の記録や銀行口座やクレジットカードとの連携など、さまざまな入力方法に対応しています。
ホーム画面では、今月の支出や設定した予算の残り、毎日いくらくらい使えるのかが一目でわかるようになっているため、知らない間にお金を使いすぎてしまう事態を防ぐことができます。
パートナー同士で共有できる「ペア家計簿」や定額サービスの無駄使いをチェックできる「定額サービスチェッカー」などの便利機能を活用すれば、さらに効果的に家計管理を行うことが可能となります。
3-3. Moneytree
Moneytreeは、シンプルな操作性と高いセキュリティを両立した家計管理アプリです。銀行、カード、ポイント、電子マネーなどの残高を一元管理でき、リアルタイムで資産全体を把握できます。
このアプリの大きな特徴は、利用者個人の資産管理に加えて、仕事の経費や請求書の管理にも対応している点です。特にフリーランスや個人事業主の方にとっては、プライベートとビジネスの出費を分けて管理しやすく、確定申告の準備にも活用できます。
また、Moneytreeではグローバルスタンダードのセキュリティ対策を行っているため、セキュリティ面でも安心です。家計と資産の全体像を把握し、無駄遣いを減らして借金返済に充てる資金を確保するうえでも、有効なサポートツールといえるでしょう。
3-4. OsidOri
OsidOriは、家族やパートナーと一緒に家計を管理したい方におすすめのアプリです。共有機能があるため、複数人で家計の状況を把握しながら、共同で支出を管理できます。
たとえば、夫婦で生活費を分担している家庭では、OsidOriを使うことで「どちらが何を払ったか」が明確になり、不公平感や支出の重複を防げます。これにより、借金返済にも協力体制が築けるようになります。
また、自分のお金は自分専用ページで管理できるため、「共同で管理するお金」と「自分1人で管理するお金」を分けて管理できるのも大きなメリットです。
3-5. Dr.Wallet
Dr.Walletは、レシートを撮影するだけで支出を記録できる家計管理アプリで、特に読み取り精度の高さに定評があります。一般的な家計管理アプリではOCR(文字認識)による自動処理が主流ですが、Dr.Walletでは専門のオペレーターが内容を手入力する仕組みを採用しており、精度は99.98%という高水準を誇ります。
この方式により、手書きの領収書や納品書なども正確に反映されるため、入力ミスや費目の分類ミスを防ぎやすいのが強みです。データ化までに多少時間がかかるものの、細かい支出まで丁寧に管理したい方には適しています。
4. 借金減額の可能性を診断できる借金減額シミュレーターは役立つ?
返済シミュレーターや家計管理アプリは借金問題の解決に有用ですが、状況によっては根本的な見直しが必要になる場合もあります。そうしたときに活用できるのが、「借金減額シミュレーター」です。
返済が厳しいと感じたら、返済シミュレーターや家計管理アプリとあわせて、こうした診断ツールの利用も検討してみましょう。
4-1. 簡単に誰でも利用できるので便利
借金減額シミュレーターの最大のメリットは、誰でも無料で簡単に利用できることです。借入件数や借金の総額、返済状況などを質問形式で入力するだけで、「どの債務整理が向いているのか」「借金がどれくらい減る可能性があるのか」といった目安がすぐにわかります。
また、面倒な個人情報を入力せずに使えるサイトも多いため、いきなり専門家に相談することに抵抗がある方にとっても、気軽に試せるのが魅力です。
返済が苦しくなると、「もう自己破産しかない」と思い込んでしまいがちですが、実際には任意整理で利息をカットするだけで解決するケースも少なくありません。ほかの解決策に気づくきっかけとして、借金減額シミュレーターは非常に役立ちます。
4-2. 借金減額シミュレーターを利用する際の注意点
借金減額シミュレーターは便利なツールですが、利用する際にはいくつか注意すべきポイントがあります。
まず、多くのシミュレーターは入力した情報をもとに概算の結果を表示するため、実際に手続きした際の結果とは異なる場合があります。あくまでも目安として捉え、結果を過信しないことが重要です。
また、シミュレーションの際に個人情報の登録が必要なケースも少なくありません。悪質な業者に個人情報が渡ってしまうリスクを避けるためにも、運営元が信頼できるかどうかを事前に確認してください。基本的には弁護士や司法書士といった専門家のサイトに掲載されたシミュレーターを利用したほうがいいでしょう。
さらに、個人情報を入力してシミュレーターを利用すると、法律事務所などから営業の電話がかかってくることがあります。初めから専門家に相談するつもりであれば問題ありませんが、相談する気がない場合はわずらわしく感じることもあります。連絡が欲しくない場合には、個人情報を入力せずに利用できるシミュレーターを選ぶのも一つの方法です。
これらのポイントを理解したうえで活用すれば、借金減額シミュレーターは返済の第一歩を踏み出す有効なツールとなるでしょう。
5. 自力で借金の返済が難しい場合は債務整理の検討を
「どれだけ努力しても借金が減らない」「返済が毎月ギリギリで生活が成り立たない」そう感じたときには、債務整理で生活の立て直しを図るのがおすすめです。
債務整理には主に任意整理・個人再生・自己破産の3つの種類があります。それぞれ特徴が異なるので、借金状況や収支状況を踏まえて、自分に合った手続きを選択する必要があります。
5-1. 利息がカットできる任意整理
任意整理とは、借入先の金融機関や貸金業者と直接交渉し、将来発生する利息をカットしたり返済期間を延ばしたりすることで、毎月の返済額を抑える手続きです。元本そのものは減らないものの、利息負担が減るため総返済額が抑えられ、返済計画の継続が現実的になります。
裁判所を使わずに手続きできるため手続きが迅速で、費用も比較的低額で済む点もメリットです。ただし、過去に業者とトラブルになっていた場合や返済回数が少ない場合には、交渉が難航する可能性もあります。また、元本は減額されないため、利用するには元本の返済を継続するための安定した収入が求められる点には注意が必要です。
5-2. 借金の元本を大幅に減らせる個人再生
個人再生は、裁判所を通じて借金の元本を大幅に減額し、残った借金を原則として3年、最長でも5年の返済計画に基づき分割返済する手続きです。借金総額を5分の1から10分の1程度にまで減らせることが多く、返済負担が大きく軽減されます。
また、住宅ローンを個人再生の対象から除外できる特例があるため、自宅を手放さずに手続きを進められる点が大きなメリットです。ただし、手続きには一定の収入があることや返済能力が必要で、条件を満たさない場合は利用できません。手続きも複雑なので、基本的には弁護士など専門家のサポートを受けて手続きを進めることになります。
5-3. 借金がゼロになる自己破産
自己破産は、裁判所を通じて借金の返済義務を免除してもらう手続きです。税金など一部の債務を除いて借金をゼロにできるため、返済の重荷から完全に解放され、新たな生活を始めることが可能です。
ただし、自己破産すると財産の大部分が処分されるほか、手続き中は特定の職業に就けないなどの制限があります。また、信用情報機関に事故情報が登録されてブラックリスト状態となるため、一定期間は新たなローンやクレジットカードの利用が難しくなる点も注意が必要です。なお、任意整理や個人再生の場合も、ブラックリスト状態になることは避けられません。
借金総額が大きい場合には有効な手続きですが、専門家に相談しながら手続きを進めることが大切です。
6. まとめ 少しでも不安に思ったら専門家に相談を
返済シミュレーターや家計管理アプリは、家計の「見える化」や返済計画の見直しに役立つ便利なツールです。誰でも簡単に収支状況や借金減額の可能性を把握できるため、早い段階で現状を理解し、精神的な負担を和らげる助けになります。
しかし、これらはあくまでサポートツールであり、借金問題の根本的な解決にはつながりません。返済が厳しくなったり返済方法に迷いが生じたりした場合は、早めに借金問題に詳しい弁護士や司法書士などの専門家に相談することが大切です。専門家の的確なアドバイスや支援を受けることで、より現実的で安心できる解決策を見つけやすくなります。
まずはツールを賢く活用しつつ、不安や疑問があれば専門家の力を借りることが、借金問題を乗り越えるための近道といえるでしょう。
この記事を書いた人
債務整理のとびら
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