【目標スコア別】TOEICリスニング参考書おすすめ15選【人気商品レビューも】
TOEICのリスニングセクションのスコアを上げるには、本質的なリスニング力を身につけることが必要とされます。それでは時間がかかりすぎるとお悩みの方に、TOEICリスニング参考書はおすすめです。
しかし、一口に参考書と言っても、TOEICのリスニングセクション用参考書は数多くあります。そこで今回は、TOEICリスニングセクション攻略の基本や参考書の選び方に加えて、人気のTOEICリスニング参考書を実際に購入して使用したレビューまでをお届けします。
記事後半では、目標スコア別のおすすめのTOEICリスニング参考書もご紹介。効率よくTOEICのリスニングセクションを対策したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
TOEICリスニング攻略の基本
まずは、TOEICリスニング攻略の基本から解説していきます。
参考書で効率的にスコアUP
TOEICのリスニングに苦戦している方には耳が痛いお話かもしれませんが、TOEICのリスニング問題は100%聞き取れることを目標に訓練するのが基本です。
TOEICのリスニングテストで流れる音声は1回きり。これを100%聞き取るためには、相応の勉強時間が必要になります。
たとえば、教育機関にかかわる三枝氏の研究によれば、TOEICのスコアを現在のスコアから100点上げるためには、約200時間の勉強が必要であると発表されています。
しかし、受験日までの時間は限られています。そこで役に立つのが参考書です。
TOEICリスニング参考書を選ぶときに注目すべき2つのポイント
TOEICリスニング参考書を選ぶときは、少なくとも次の2つのポイントを押さえることが大切です。
本番同様の時間配分でタイムマネジメントされていること
まず1つ目は、本番同様の時間配分でタイムマネジメントされているものを選ぶことです。
タイムマネジメントとは、「1問を何秒で解くか」や「4秒で速読練習する」など、練習にかける時間や問題を解く手順と時間配分が設定されていること。
本番同様の時間配分を身に付けることで、効率的にスコアUPが目指せます。
TOEICの構成に特化した攻略テクニックが盛り込まれていること
2つ目は、TOEICの構成に特化した攻略テクニックが盛り込まれている参考書を選ぶこと。
最適なTOEICのリスニング参考書を見つけるには、まず構成を理解することが重要です。
そこで、次項からTOEICのPartごとの攻略テクニックを紹介します。次の内容が解説に盛り込まれている参考書を選びましょう。
TOEICリスニングの攻略テクニック
TOEICリスニングのPartごとの攻略テクニックは次の通りです。よい参考書を見極めるために、まずTOEICの構成とPartごとの大まかな攻略テクニックを押さえておきましょう。
TOEICリスニングセクションの構成
リスニングセクションの構成は、2016年5月から試験内容が一部変更され、新形式となりました。現在は以下の構成になっています。
構成:約45分間で100問(多肢選択法で答えるマークシート形式のテスト)
- part1 :写真描写問題(6問)
- part2 :応答問題(25問)
- part3 :会話問題(39問)
- part4 :説明文問題(30問)
Part2は、音声だけが頼りで、質問と回答選択肢は問題用紙に印刷されていません。
一方で、Part3〜Part4は質問と回答選択肢の文章が問題用紙に印刷されているので、音声を聞き取り逃してもカバーできることもあり得点が稼ぎやすい傾向にあります。
【Part1.写真描写問題】写真の情報と一致する単語が出てくるか注意を払う
Part1の構成は、新形式では10問から6問に変更されています。
1枚の写真について4つの短い説明文が1度だけ放送され、最も写真の描写を的確に説明しているものを選びます。説明文は問題用紙に印刷されておらず音声だけが頼りです。
Part1の攻略テクニックは、写真の中に何があるかを全てチェックして、その情報の中にある単語が出てくるか注意して聞くことです。単語をどれだけ知っているかが重要になります。
【Part2.応答問題】ひっかけ問題に注意&疑問詞を明確に聞き取る
Part2の応答問題も、新形式では30問から25問に変更されています。
Part2は、説明文・質問文・3つの回答選択肢が、それぞれ1回だけ放送されて、最も適している答えを探します。説明文・質問文・3つの回答選択肢のいずれも音声のみで、問題用紙に文章は印刷されていません。音声だけが頼りなので、根本的なリスニング力が試されます。
さらに、リスニング力に加えて読解力が必要になるパターンも。TOEICの特徴のひとつでもあるひっかけ問題には注意しなければなりません。
例えば、下記のような質問と回答です。
これはETSの公式TOEIC問題集の設問と回答例ですが、 "What time is the concert?" の質問に対して "The tickets were sold out." と回答するのが正解になっています。
「何時?」と聞かれて時間を答えないのは普通の会話で考えるとおかしいのですが、会話の背景を予測して回答を選択しなければなりません。
全てではありませんが、Part2に限らずTOEICには英会話としての形式的な「正解」を求めるわけではなく、「適切で近い回答を選択する」ことが正解となることがあります。つまり、ストーリーを推測する「読解力」がスコアを左右するということです。
このようなひっかけ問題も含めて、3つの攻略テクニックがあります。
- ✔ 消去法で回答を見つける
- ✔ 質問文の疑問詞 "Who/Where/When/Which/What/How/How many"などを聞き逃さないよう注意する
- ✔ 発音が似ている違う意味の単語が使われているときは不正解の傾向がある
例えば "sheet(シート、薄い布や板)" と "seat(座席)" は、発音は似ていますが異なる意味の単語です。質問と回答にこのような単語が出てきたら、その回答の選択肢は不正解である可能性大です。
これもTOEICの出題傾向であるひっかけ問題のひとつです。
【Part3.会話問題】音源が流れる前に質問と回答選択肢を確認する
Part3の会話問題は、新形式では30問から39問に変更されています。また、内容も下記のように変更されています。
- ✔ 2人の会話に加えて3人の会話が追加
- ✔ 図表問題、会話の中に暗示されている意図を読み取る問題が追加
- ✔ 短縮形や省略形の口語表現が使われている(例)”I’m going to”→”I’m gonna”など
2人または3人の会話が1度だけ音声で流れ、4つの回答選択肢から最も適切なものを選びます。ひとつの会話に3問ずつ質問がありますが、「2人の会話」が7割で、比較的簡単で得点を稼ぎやすい傾向にあります。
会話文は問題用紙に印刷されていませんが、設問(質問文と回答選択肢)は問題用紙に印刷されています。
Part3の攻略テクニックと訓練方法は下記の4つです。
- ✔ 設問の音源が流れる前に質問と選択肢を読んでおく
- ✔ 音声が流れると同時に1問目を解く
- ✔ 「何についての話か」「誰の発言か」「4つの選択肢の違い」に注目する
- ✔ 実践的な口語表現のボキャブラリーを習得しておく
設問が問題用紙に印刷されているPart3は、リスニングに自信がなくても読解力でカバーできるので、得点が稼ぎやすいPartです。
リスニング力だけでなく速読力も必要ですが、上記の攻略テクニックをしっかり身につけてスコアUPを目指しましょう。
【Part4. 説明文問題】テーマやシーンの出題傾向を把握する
Part4については変更はありません。
アナウンスやナレーションのような短い説明文の音声が1回だけ流れます。この音声は問題用紙に印刷されていませんが、設問(質問文と回答選択肢)は印刷されており、4つの回答選択肢から適切な回答を選びます。
Part4の攻略テクニックは、音声が流れる前にまずはイントロダクションを読んで情報を得ることです。
また、出題されやすいテーマや場所、ストーリー展開を掴んでおくことも大事。例えば、よく出題されるのは下記のようなテーマとシーンです。
- ✔ 電話メッセージの内容
- ✔ 会議の一部
- ✔ 客に説明している場所はどこか
- ✔ 従業員に説明している目的は何か
- ✔ 報道
- ✔ 宣伝物の情報
- ✔ スピーチ
- ✔ 商品の使用方法の説明
Part4を攻略するための訓練方法は、ETS公式TOEIC問題集で出題されるボキャブラリーの傾向を掴んで覚えることです。また、長文の速読力を鍛える訓練をしましょう。
TOEICリスニング参考書の選び方のポイント
TOEICリスニング参考書選びのポイントは、TOEICの攻略テクニックに注力しているものを選ぶことが基本ですが、続いてその他のポイントも含めたTOEICリスニング参考書の選び方を解説します。
TOEIC攻略テクニックの解説付き参考書を選ぶ
TOEIC攻略テクニックが解説されている参考書は数多く存在します。その中で適切な参考書かどうかの見極めは前述の通り、各Partの攻略テクニックが盛り込まれているかどうかで判断できます。
大まかな目安としては、タイトルに「TOEIC」の文言が入っている参考書を選ぶとよいでしょう。
ちなみに、音読に注力したシャドーイング関連の参考書がTOEICリスニング参考書として紹介されているケースもありますが、TOEICにスピーキングセクションはないので、音読練習自体にはそれほど意味がないと言えます。
シャドーイングをどうしても試したい場合でも、少なくとも「TOEIC」や「TOEIC攻略」とタイトルに書かれたシャドーイングの参考書を選ぶことが大切です。
リスニングが苦手な原因を見極めて適切な参考書を選ぶ
「英語が聞き取れない」と悩んでいるのあれば、まず原因を知ることです。原因がわからなければ適切な参考書を選ぶこともできません。
英語のリスニングに苦手意識を持つ人の多くは、日本の英語教育が原因でつまづいている可能性が高いのです。
学校で教わる「英語の語順」と「日本語訳」が原因でリスニングできない
リスニングを妨げる原因となっている日本の英語教育の大きな問題は、「英語の語順」と「日本語訳」の2つです。
まずひとつ目の「英語の語順」は、学校の英語教育が文法に注力し過ぎていることが問題と言えます。英語は、結論である最も伝えたい単語や重要な単語から話すことが基本です。英語を話すときに「S+V+O」と考えながら話すことはありません。
ふたつ目の「日本語訳」は、「後ろから訳す」ことが身についていると必ずつまづきます。英語は前からでも後ろからでもなく、語順通りに絵を描いてイメージしながらリスニングするのがコツです。
冒頭でもお伝えした通り、TOEICのテストでは音声は1回しか流れません。「後ろから日本語に訳す」こともできなければ、「聞いた語順通りに日本語に訳す」時間もありません。
そのため、TOEICリスニングの参考書は「日本語に訳さないことを意識して訓練できる参考書を選ぶ」ことが大きなポイントです。
日本語に訳さないことを意識してリスニング訓練できる参考書
本質的なリスニング力を身につけるため、日本語に訳さないで英語を英語でリスニング訓練するには、下記のような参考書がおすすめです。
- ✔ イメージが湧きやすい英語のストーリーや会話・スピーチでリスニング訓練する
- ✔ 音声のスピードを調節できる
- ✔ 単語の意味を英語で解説している
面白い英語のストーリーを聞くのが最も取り組みやすい方法ですが、TOEICの場合は出題傾向であるテーマやシーンを使ったものがベストです。ちなみに、「TOEIC」とタイトルに含まれている参考書の多くがこれをクリアしています。
ストーリーをイメージしながらリスニングするときは、下記の手順で訓練できる参考書を選びましょう。
①英語の文章なしで音声だけ聞いてイメージする
②英語の文章付きでリスニングする
③最後に日本語で答え合わせする
日本語訳にしないと言っているのに、最後に日本語の答えを見るのは、わからない単語をわからないままにしないためです。あくまでも答え合わせとして最終的に見るものであり、英語で聞いてストーリーを「推測すること」が基本です。
わからない単語が英語で解説されているものを選ぶのがベストですが、それでもわからない場合は日本語で確認しましょう。
また、いきなり速い速度でリスニングの訓練をすると挫折します。ゆっくり丁寧に聞くことから始めて、徐々にスピードを上げて訓練できる音源付きの参考書を選びましょう。
ちなみに、実践的な「英語リスニング力」を向上したいというのであれば、ラジオ、ニュース、ドラマ、映画を全て英語で日本語訳の字幕なしで見たり聞いたりして、生活環境を全て英語にすることが最も効果的な方法です。
ただし、「聴き流す」だけでリスニング力が向上することはありません。聞くことに注力しましょう。
目標スコアを明確にしてレベルに合った参考書を選ぶ
自分のレベルに合った参考書を選ぶことも重要です。参考書のタイトルに提示されているスコアと、自分の目標スコアが合致するものを選びましょう。
どの程度のスコアを目標にすべきかわからないという方は、TOEICを開発するESTの発表している「TOEICのスコアと英語のコミュニケーション能力レベルとの相関表」を参考に、目標スコアを設定してみてください。
一方で、一般的なL&RのTOEICテストにはスピーキングや実践的なコミュニケーションのセクションはありません。つまり、必ずしもこの相関表のレベルがあなたの本質的な英語のコミュニケーション能力を示すものではないということです。
ただし、TOEICスコアの点数とレベルの関係がわからなければ参考書選びもできないので、下記を目安にしてみてください。
【スコアの点数とレベルの目安】
- ✔ TOEIC初級レベル:300点以上〜500点未満
- ✔ TOEIC中級レベル:500点以上〜800点未満
- ✔ TOEIC上級レベル:800点以上〜990点
レベルという観点では「初学者」や「初中級者」、「中上級者」などさらに細かく分けることもできますが、参考書を選ぶときは上記を目安にして参考書を選ぶことをおすすめします。
【企業が求めるスコアの目安は?】
多くのTOEIC受験者は目的を持っています。就職活動のためにTOEICを受験するのであれば、企業が求めるスコアの目安を知る必要もあります。応募条件や採用条件にあるTOEICのスコアの目安は下記を参考にしてみてください。
- ✔ 一般的な企業が採用条件に提示するスコアは600点が目安
- ✔ 日本企業の国際部門の担当業務は700点以上が目安
- ✔ 外資系企業は800点以上が目安
- ✔ 外国人役員秘書やクライアントがほとんど海外で外国人相手の業務の場合は900点以上が目安
「一般的な企業」というのはかなり幅が広すぎてざっくりとしていますが、例えば、CA(キャビンアテンダント)の採用条件はTOEIC600点程度が目安とされています。また、英語を公用語としている「楽天」の採用条件の目安は800点以上です。
現在のあなたの英語レベルからかけ離れたハイレベルな参考書を選ぶと、挫折する可能性があります。飛躍しすぎず、現実的な目標スコアを設定することから始めましょう。
新形式に対応した最新版の参考書を選ぶ
TOEICの参考書は必ず最新版を選びましょう。出題内容は毎年変わるためです。また、攻略テクニックの項でも触れた通り、2016年5月29日(日)のテストから新形式になっています。
過去に出題された問題と全く同じ問題が出題されることは基本的にありません。大まかな出題傾向を知るという意味では多少古いものも参考にはなりますが、効率よくスコアアップを目指すなら最新版を選ぶことをおすすめします。
苦手なPartを重点的に対策できる参考書を選ぶ
TOEICリスニング参考書の中には、Partごとに特化した内容を盛り込んだものが数多くあります。
リスニングはPart1〜Part4に分かれているので、前述の構成や攻略テクニックも参考に、苦手な分野を強化できる参考書を選びましょう。
1問1問に解説が付いている参考書を選ぶ
TOEIC攻略テクニックは各Partごとの戦略だけでなく、1問1問に解説が付いている参考書を選びましょう。
良質な参考書は、目指すスコアが高ければ高いほど、解説が細分化されている傾向があります。
模試問題付きの参考書を一冊は選ぶ
本質的な英語の勉強、攻略テクニックの習得ができたら、最後に重要なのは必ず本番と同じ形式と時間配分の模試問題を解くこと。最も本番のテストの出題傾向に近いのは、TOEICの公式問題集です。一度は公式問題集を使って模試問題を解いてみることをおすすめします。
日本では過去問は販売されていませんが、韓国では過去問の問題集が販売されており、Amazonで手に入れられるという声もありますが、この方法にはいくつか難点があります。例えば、基本的な解説がハングルなので読めないことやCD音源が付いていないので音声をダウンロードできるサイトを探して登録して入手する必要があることです。
基本的に、TOEICは過去の設問と全く同じ設問が出題される可能性は極めて低いので、最新の公式問題集で模試問題を解いてみるのがよいでしょう。
【検証】TOEICリスニング参考書2冊をレビュー
ここからは、TOEICリスニング参考書の中から厳選した2冊を実際に購入し、その内容をレビューした様子をお届けします。
レビューしたのはこの2冊
数あるTOEICリスニング参考書の中から今回選んだのは、こちらの2冊。
- 公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7(写真右)
- TOEICテスト BEYOND 990 超上級問題+プロの極意(写真左)
まず公式の問題集(写真右)を選んだ理由は、事前にTOEIC受験経験のある知人に話を聞いたところ、「公式の問題集は基本」との答えが得られたため。
次に、TOEICテスト BEYOND 990 超上級問題+プロの極意(写真左)を選んだ理由は、同じく事前の調査で、950点というハイスコアを持つ人が「これ一冊しか参考書は使わなかった」とおすすめしていたためです。
では、それぞれ中身を見ていきましょう。
1冊目:「公式TOEIC Listening & Reading 問題集7」のレビュー
まず1冊目は、全世界のTOEICテストを開発・制作しているETSの、「公式TOEIC Listening & Reading 問題集7」。日本ではTOEICを運営するIIBCが出版しています。
開いてみると、Partの始まりのページに攻略的な解説は全くなく、テスト形式通りに問題を解くようになっています。
続いて答え合わせと解説を見てみましょう。
なんと、残念なことに答え合わせでも「攻略テクニック」という観点では全くもって解説がありません。
設問の正解とされる答えが、なぜ正解なのかの理由は解説されていますが、攻略テクニックについての解説はゼロです。
タイトル通り、TOEICの攻略が書かれている参考書ではなく、あくまでも「問題集」と考えた方がよいようです。
では、「この問題集はおすすめできないのか?」というと、決してそういうわけではありません。
少なくとも、初めてTOEICを受験する人はこの問題集をまず入手することをおすすめします。なぜなら、構成や出題傾向がわかるだけでなく、攻略テクニックの参考書で勉強した最後に模試問題として本番と同じように使えるからです。
TOEIC受験経験者が、「基本の1冊」として挙げる理由がうかがえます。
2冊目:「TOEICテスト BEYOND 990 超上級問題+プロの極意」のレビュー
2冊目は、950点というハイスコアを持つ人が「これ一冊しか参考書は使わなかった」とおすすめする上級者向けのTOEIC参考書「TOEICテスト BEYOND 990 超上級問題+プロの極意」です。
「990点を目指すならコレが極意!」と、目標スコアの点数とそのための具体的な攻略テクニックがしっかり記載されています。
目標スコアの点数が明記されている&Partごとの攻略テクニックがまとめられているのは、信頼できるTOEIC参考書の特徴です。
各Partの攻略テクニックが、それぞれのPartの最初の見開きページにまとめられています。
時間配分も「1問○秒」と具体的に記載されています。
しかも、下記のように「トラックを再生する前に、8秒だけ1番目のセット(設問1〜4)に目を通すこと」と、かなり細やかなタイムマネジメントがされています。
設問の答えの解説はどのようになっているかも見てみます。
TOEICの出題傾向でもあり攻略のコツとされる「発音が似ている語を含む応答は不正解である可能性が高い」という解説が実際にあります。しかも、1問1問にかなり丁寧な攻略テクニックの解説があるので完璧と言えます。
では、模試問題は付いているか見てみましょう。
ありました!しかし、「ミニ模試」になっていてテスト本番通りの設問数ではないのがマイナスポイント。と思いきや、実はこれは難易度が高い設問だけを集約したミニ模試のようです。そう考えると無駄な時間がなく非常に効率がよい。ちなみに、左のページのような著者からのヒント的なメッセージがたまに出現してこれが結構役に立つのです。
総評としては、TOEIC攻略テクニックの重要なポイントの全てがふんだんに盛り込まれているので、参考書としてはほぼ満点と言えます。これ一冊でハイスコアを獲得できたのは納得。
一方で、本番同様の模試問題としては使えません。問題は本番と全く同じ形式と時間配分で解くのが最もおすすめです。
【結論】「公式問題集」+「レベルに合った攻略本」の2冊使いが吉
結論としては、構成と形式に慣れるためと本番同様の時間配分で模試問題を解く訓練のためにETSのTOEIC公式問題集を使用することがおすすめですが、もう一冊、TOEIC攻略テクニックの解説付き参考書を選ぶことをおすすめします。
「TOEICテスト BEYOND 990 超上級問題+プロの極意」については、TOEICの攻略に注力しているかなり優れた参考書であることは間違いありません。TOEIC攻略本の鏡と言える程、全てのポイントが揃っています。
一方で、ある程度英語力がある人やTOEICテストを何度か経験してさらに上のスコアを目指す人にはこれ一冊で十分と言えますが、初心者にはハードルが高いと感じる可能性があります。なぜなら、英語自体の解説がされている参考書ではないからです。音源のスピード調節もできません。
もし、TOEIC初学者でTOEICのためのボキャブラリーが少なくてリスニングしても何を言ってるか意味がわからないのであれば、TOEICに出るボキャブラリーばかり集めた「TOEIC L&R TEST 出る単特急シリーズ 金のセンテンス」などの参考書から始めてみるのがおすすめです。中はこのようになっています。
ボキャブラリーは文章の中で習得するのがベストですが、「TOEIC L&R TEST 出る単特急シリーズ」の中でも、上記の「 金のセンテンス」なら文章の中で訓練できます。また、音声はスマホアプリで聞けるのでどこでも使えて便利です。
いずれにしても、レベルに合わせた参考書選びが大切です。
【レベル別】TOEICリスニング参考書のおすすめ12選
いよいよここからは、おすすめのTOEICリスニング参考書12選をご紹介します。
実際にTOEICテストを作成しているETS (Educational Testing Service)が出版している参考書の最新版。公式であるETSが出版する参考書なので、TOEIC受験者からも信頼度が高く試験対策として最適です。
攻略テクニックの解説はありませんが、誤答についてのポイントを丁寧に解説しています。リスニングの音声が本番と同じ公式のスピーカーの音声であることが多いのが大きなメリット。音声は一部のみスマホやパソコンにアプリを使ってダウンロードできます。
リスニングに特化した公式問題集。公式問題集のようになぜ正解になるのかは書いていません。
公式問題集の場合は、一部のみ音声がスマホやパソコンにアプリを使ってダウンロードできますが、この参考書は音声がCDのみとなっています。
TOEIC受験は初めてという人にも安心しておすすめできる一冊。TOEICの流れと構成を理解できてPart別の攻略法も充実。実力アップのための勉強方法と模試も付いています。
各Partの最初の見開きページには攻略テクニックがまとめられており、TOEICを攻略するのに必要な「パート別攻略+実力UP勉強法+完全模試」全て揃った一冊完結版。攻略法は600点以上向けと730点以上向けに2段階で記載されています。
TOEICに出る基本的な単語をマスターできるバイブルとも言われる「TOEIC L&R TEST 出る単特急」シリーズの基礎固め編。
「TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ」は初心者向けで、頻出フレーズに凝縮して基本的な単語を中心につくられています。ボキャブラリーに自信がないという人はこの一冊からスタートすることをおすすめします。
英語の単語は前後の関係で使い方も意味も変わることがあります。つまり、単語は文章の中で覚えることが英語を正しく理解する近道。TOEICの頻出単語を習得するためのバイブルとも言われるこのシリーズの「金のセンテンス」は、単語を文章でマスターするTOEIC対策の単語帳の定番です。
同シリーズ「金のフレーズ」に掲載されている1000語に、約500の重要語が追加されています。TOEICに出る単語だけを効率よく覚えられるおすすめの一冊。リスニング問題はアプリを利用してスマホでも聞けるので、移動中にも重宝します。
「サラリーマン特急シリーズ」のリスニング対策本。TOEICリスニングの出題パターン、解答テクニックなどを紹介。実際の試験よりも易しめなのでTOEICを初めて受験する人でも取り組みやすい一冊といえるでしょう。
無料ダウンロードできる音声付きで再生速度を変えることが可能です。ディクテーションやシャドーイングを自分のレベルに合わせて速度を調整できます。
英語耳、英語脳を作るのに効果的な「シャドーイング」が組み込まれたプログラム。1日に20分×1ヶ月がキャッチフレーズで、Part3の会話またはPart4のトーク1本に取り組むプログラムで長文のリスニング力が鍛えられます。
Part 3,4の典型的なアイテムを、自分のレベルに応じて「2.5倍速」「2倍速」「1.5倍速」「等倍速」「0.7倍速」など音声スピードを調整してリスニングの訓練ができます。ただし、スピーカーがアメリカ英語なのが難点。TOEICのスピーカーは多国籍です。
TOEIC攻略参考書で有名なヒロ前田の著書で、「公式認定証」に掲載されている「項目別正答率(Abilities Measured)」を参考に作成。解説が講師とゼミ生との対話形式でわかりやすいと好評の「究極のゼミ」シリーズの一冊です。
リスニングセクションの前半Part 1とPart 2で、確実にスコアを獲得するための対策書としておすすめ。「難問」とされる出題パターンのツボを押さえた練習問題や模試などの演習ができます。
リスニングの苦手なパターンに集中的に取り組んで、弱点を把握・克服できるでしょう。音声はCDもありますが、すべて無料でダウンロード可能です。
TOEIC990点の満点取得者でもあり、累計80万部突破「世界一わかりやすい」シリーズの著者でもある講師の関正生のリスニングに特化した著書。
各パートごとに丁寧な解説付きなのでTOEIC初心者にもおすすめです。付録のCDを聞き込んだ結果、スコアが100点UPしたという口コミも見られました。
PART1を3つのタイプに分類し、頻出フレーズ110とセンテンス130を厳選。PART2は6つのタイプに分類し、120セットの設問と正答例を用意して、それぞれ赤シートでトレーニングする参考書です。
さまざまな音声トレーニングがあり、スコアアップを実現しつつもセンテンス全体が聞き取れるリスニング力と使える実践的な英語力を身につけられる1冊です。スピーキング力も副産物としてもれなくついてきます。
攻略テクニック解説付きの参考書や、公式模試問題で勉強した後で挑戦する、リスニングに特化した模試問題です。
精鋭講師陣が新形式と最新の出題傾向を徹底解説。公式問題集よりやや難易度が高めで、本番で予想されるあらゆるタイプの問題を5回の模試に完全網羅しています。とにかく模試問題集を解きまくりたい人におすすめで問題数は全500問。
TOEICの参考書としてはトップクラスで、実践的な英語力も試される一冊です。Partごとの攻略テクニックがわかりやすく集約されており、1問1問丁寧な解説付きで問題数は全500問となっています。
また、公式模試問題を勉強した後で挑戦する難易度が高い問題だけを集約したミニ模試問題付きで、効率良く勉強できます。既にある程度の英語力はあり、とにかく現在のTOEICスコアよりさらにハイスコアを目指す人におすすめ。
TOEIC参考書の著者で有名な3人のプロが集結して制作された、満点獲得のための最上級の参考書と言えます。
英語で学べるTOEICリスニング参考書おすすめ3選
最後に、「TOEICで高得点を取るだけを目的にしたくない!」という方におすすめの、本質的に英語を学べるTOEIC参考書3選をご紹介します。
英語教室のTOEIC対策の教材として使用されている新形式に対応した、オールイングリッシュの参考書です。450-550点を狙う基礎レベル編。オフィス・旅行・ショッピング等のシーン別に全14ユニットが組まれ、各ユニットには豊富な演習問題や実際のテスト形式のミニテストが付いています。
実践的なコミュニケーションとしても役立つ英語が使われており、ネイティブの英語話者の観点から英語の解説がされているので本質的な英語力を身につけられます。
Seed LearningシリーズのTOEICスコア650-750点を目標とする人向けの教材。テクノロジー・メディア・ビジネス等のシーン別に全12ユニットが組まれています。
それぞれのユニットにTOEIC頻出を予測した演習問題、また実際のテスト形式のミニテストが付いています。
Seed LearningシリーズのTOEICスコア850-990点を目標とする人向けの教材Mastering TOEIC Skills。ファイナンス・マーケットリサーチ・コミュニケーション等のシーン別にユニット全12ユニットが組まれています。
それぞれのユニットには演習問題や実際のテスト形式のミニテストが付いています。
まとめ
TOEICテストを受験するのに最適な参考書や学習方法は、目的やレベルによって異なります。リスニングは、まず100%聞き取れることを目標に取り組むことが必要不可欠です。
そして、効率良くTOEICのスコアを上げるためには、攻略テクニックに注力した参考書を使うのが最も効果的です。ぜひ、参考にしてください。
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