Ryzen搭載のノートパソコンってどう?実際に使ってみたレビュー
AMD社が展開しているRyzen搭載のノートパソコンは、低価格でコスパが高いと評判です。しかし、Ryzenと言っても、モデルや世代がどんどん新しくなっているので、ひとまとめにすることはできません。
そこで、日頃インテルのノートパソコンを愛用している筆者が、MSIと富士通、LenovoのRyzen搭載機3台を使用し、レビューをお届けします。
目次
Ryzenとは?
妻が八年前のノートパソコン(CPUがE-350とかいう骨董品)を使ってたので新しいの買ってあげた💻️
— たっくー (@tak_ku) September 8, 2020
触ってみたかった第三世代RYZEN(7-4700)!ノートパソコンのくせにワシのデスクトップより性能がいい💧 pic.twitter.com/y3CJON1GLx
Ryzenという名前を初めて聞いたという人はもちろん、名前は知っているけれど詳しくは知らないという人のため、詳しく説明します。
Ryzenって何?
まずRyzenの読み方は「ライゼン」です。これは地平線を表すHorizon(ホライズン)とZen(禅)を合わせてできた名前です。
Ryzenは、1969年にアメリカで設立されたAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)社により2016年に発表されたプロセッサーで、これまでIntel社のCoreと競争を繰り返してきました。
2019年にはCPUのシェアでインテルを上回っています。つい先日の2021年3月30日にインテルCoreの第11世代が登場したばかりですが、マルチコア性能では現状のRyzenの方が上と言われています。
Ryzenのシリーズや世代
インテルのCoreと同様に、シリーズを表す数字がRyzenの後に付いています。Ryzen 3、Ryzen 5、Ryzen 7、Ryzen 9がそれぞれインテルのCorei 3、Corei 5、Corei 7、Corei 9と競合しています。これ以外にRyzen Threadripperという最上級ハイエンドデスクトップ用シリーズもあります。
世代については、インテルはすでに第11世代ですが、Ryzenは現在第4世代です。Ryzenシリーズのあとに続く4桁の数字の頭が世代を表しています。例えば3600なら第3世代になります。
ただし、4000番台も第3世代なのがRyzenのややこしいところで、第4世代が5000番台になっています。
この数字の後にアルファベットが付いているものがありますが、これはモデルを表しています。何も付いていないものは標準です。Xは高性能・高消費電力モデル、Gはグラフィック搭載モデル、Tは省電力モデル、Sは省電力・グラフィック搭載モデルです。
Ryzenの詳しいスペックはこちらで確認できます。
RyzenをIntelと比較したときの特徴
Ryzenをインテルと比較した時の特徴は、以下の3点です。
- コア数・スレッド数が高い
- 低価格
- 消費電力が少ない
コア数というのは、パソコンの中枢となるCPUで同時に複数の作業をこなすことができるかどうかの数です。現在は4つのクアッドコアや8つのヘキサコアなどが主流となっており、この数字が大きいほどより多くのタスクを同時にこなすことができます。
さらにスレッド数は、この各コアが同時に作業をこなせるかどうかの数字になります。
例えばRyzen 7とIntel Corei 7を比較しても、Ryzenは8コア16スレッドなのに対し、Corei 7は4コア8スレッドとRyzenが勝っています。
ここ最近はRyzenとCoreiの価格差が縮まっているのが現状ですが、全体的に見てRyzenの方が安いです。もし同じ価格だとしても、コア数・スレッド数の差を見れば、お得と言えます。
また、RyzenはCoreiと比較して消費電力が少ないというのも特徴です。
【検証①】Lenovo Yoga Slim 750(Ryzen 5 4500U搭載)のレビュー
OS |
Windows 10 Home(64bit) |
---|---|
プロセッサー |
AMD Ryzen 5 4500U ( 2.30GHz 3MB ) |
メモリ |
8.0GB LPDDR4X-4266 SDRAM オンボード 4266MHz |
ストレージ |
SSD約512GB |
ディスプレイ |
14.0"FHD IPS 光沢なし LEDバックライト 1920x1080 |
質量 |
1.36kg |
バッテリー駆動時間 |
最大約20.4時間 |
無線 |
Wi-Fi 6対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) |
認証 |
顔 |
グラフィックス |
AMD Radeonグラフィックス |
WEBカメラ |
IR&720p HDカメラ |
インターフェース |
USB2.0 Type-C(Power delivery対応)、 HDMI、USB3.1 Type-C (Power delivery対応、Display出力機能付き)、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック、microSDメディアカードリーダー、USB3.0 |
Lenovo Yoga Slim 750(Ryzen 5 4500U搭載)の使用感
外観はまず、この渋いあずき色ともいえる色に惹かれました。やや光沢感のあるスタイリッシュで重厚感のある色合いが、個人的に気に入った点です。
14インチとサイズは小ぶりですが、キーボードも小さいと感じることなく軽快に操作できました。キーボードの下にあるタッチパッドが大きめなので、マウス無しで使う方でも使いやすいです。
また、タッチパッドの感度がとても高く、ちょっと当たったか当たらないかくらいで反応するので、事前に設定で調整をした方が良いかもしれません。ただ、これは個体差があるかもしれません。
ディスプレイをしっかり倒すとキーボードが斜めに傾斜して打ちやすいのもポイントです。
側面のインターフェースは、USB Type-Cで充電が可能となっていて、ケーブルをセットする際も手軽な感じがしました。
本体の重量は1kgを超えていますが、持ち運びするには十分な軽さと言えます。何より本体がメタル素材で作りがしっかりしているので、扱いやすいです。
Lenovo Yoga Slim 750(Ryzen 5 4500U搭載)のベンチマーク
WindowsのCPUベンチマークを調査できるCINEBENCHのスコアは、6,099とまずまずでした。
グラフィックに関しては、漆黒のヴィランズ ベンチマーク - ファイナルファンタジーXIVで計測した結果、「やや快適」の2,678という数値になりました。
【検証②】MSI Bravo 15(Ryzen 7 4800H搭載)のレビュー
OS |
Windows 10 Home(64bit) |
---|---|
プロセッサー |
AMD Ryzen™ 7 4800H(2.9GHz / ブースト時 最大4.2GHz / 8コア16スレッド) |
メモリ |
16GB(8GB ×2)DDR4 |
ストレージ |
SSD 512GB(M.2 NVMe) |
ディスプレイ |
5.6インチ、フルHD(1,920×1,080)、ノングレア、リフレッシュレート144Hz、AMD FreeSync |
質量 |
1.96kg |
バッテリー駆動時間 |
リチウムイオン、51Whr、3セル、4,500mAh |
無線 |
Wインテル® Wi-Fi 6 AX200(2×2、11ax、Bluetooth 5.1) |
認証 |
なし |
グラフィックス |
AMD Radeon™ RX 5500M 4GB GDDR6 |
WEBカメラ |
92万画素(マイク内蔵) |
インターフェース |
USB3.2 Gen1 Type-C ×2、USB3.2 Gen1 Type-A ×2、HDMI ×1、ヘッドホン出力 ×1、マイク入力 ×1 |
MSI Bravo 15(Ryzen 7 4800H搭載)の使用感
ゲーミングノートということもあり、がっちりした作りが特徴です。耐衝撃や耐久性に関しても、米国国防省お墨付きのテストにクリアしているので安心です。
ただ、その分重さがあるので、頻繁に持ち運びして使うのは厳しそうです。それでも2kgは切っているので、軽い方です。
キーボードのバックライトが赤く光るところが、ゲーミングPCらしいですね。
後述のベンチマークでもわかるように、グラフィックの美しさは段違いです。細かいタッチまでよく見えるので、ゲームだけでなく映画鑑賞にも大変おすすめです。
一つだけ気になったのは、電源ケーブルの差込口がL字型になっているため、方向が固定されてしまいます。動かしたときにケーブルが取れそうになるので注意が必要です。
MSI Bravo 15(Ryzen 7 4800H搭載)のベンチマーク
こちらの画像のように、ファイナルファンタジーXIVのベンチマークは11,325と「非常に快適」です。他の2台と並べて見ても格段の美しさ・滑らかさでした。さすがはゲーミングのノートパソコンです。グラフィックがRadeon™ RX 5500Mなので、当然と言えば当然の結果です。
CINEBENCHでも、10,707でした。
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【検証③】Fujitsu LIFEBOOK UH75/E3(Ryzen 7 4700U搭載)のレビュー
OS |
Windows 10 Home(64bit) |
---|---|
プロセッサー |
AMD Ryzen™ 7 4700U (2.00-4.10GHz) |
メモリ |
8GB[オンボード/交換不可](デュアルチャネル対応 LPDDR4X-4266) |
ストレージ |
SSD 約256GB(PCIe) |
ディスプレイ |
13.3型ワイドフルHD 広視野角液晶 (ノングレア)[1920×1080] |
質量 |
約810g |
バッテリー駆動時間 |
約15.8時間(JEITA2.0) |
無線 |
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax(2.4Gbps)対応)、IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax準拠 |
認証 |
指紋 |
グラフィックス |
AMD Radeon™ グラフィックス |
WEBカメラ |
HD Webカメラ内蔵(有効画素数 約92万画素) |
インターフェース |
ダイレクト・メモリースロット(SDメモリーカード対応)、USB3.2(Gen2)Type-C×2 / USB3.2(Gen1)Type-A×2、HDMI出力 |
Fujitsu LIFEBOOK UH75/E3(Ryzen 7 4700U搭載)の使用感
最初の設定時に富士通への登録をしないと進めないようになっているだけあって、初心者に優しいサポート体制が整っています。
初期設定を終えて表示されるデスクトップにも、富士通でプリインストールされたたくさんのアプリがあります。
画像のように側面のインターフェースが充実しているほか、どの種類なのかわかりやすいようにしっかり白字で表示されているのが印象的です。
重さが810gと超軽量なので、タブレットを持っているかのような感覚になります。Microsoft Office Home and Business 2019が搭載されているので、ビジネスで頻繁に持ち歩くのには最適です。
Fujitsu LIFEBOOK UH75/E3(Ryzen 7 4700U搭載)のベンチマーク
元々ビジネスユーザー向けのノートパソコンということもあり、グラフィックは標準のAMD Radeon™ グラフィックスが搭載されているだけです。結果としてベンチマークは「やや快適」の2,676となりました。この値はLenovo Yoga Slim 750と大差ありません。
CINEBENCHは6,019と3台の中では最も低い結果となりましたが、こちらもLenovo Yoga Slim 750とほぼ同じと言えます。
【使ってみた感想】Ryzen搭載ノートパソコン3台それぞれこんな人におすすめ!
今回3台のRyzen搭載ノートパソコンを使ってみましたが、それぞれの特徴が見えてきたので、おすすめユーザーという視点でまとめてみます。
Lenovo Yoga Slim 750(Ryzen 5 4500U搭載)のおすすめユーザー
- 持ち運びに困らないノートパソコンが欲しい人
- 長時間充電不要のノートパソコンが欲しい人
Lenovo Yoga Slim 750は、外観がスタイリッシュでそれなりに軽量、そして日中外出先で充電できなくても大丈夫です。
こうしたことからも、移動先で作業をしたいビジネスマンや学生におすすめです。
MSI Bravo 15(Ryzen 7 4800H搭載)のおすすめユーザー
- ゲーミングノートパソコンが欲しい人
- 頑丈なノートパソコンが欲しい人
ゲーミングノートパソコンが、今回の3台の中で1台だけということもありますが、圧倒的にゲーマーにおすすめです。
そこまでヘビーなゲーマーでなくても、動画や映画鑑賞のためにグラフィック性能の優れたノートパソコンが欲しいという人にもおすすめです。
Fujitsu LIFEBOOK UH75/E3(Ryzen 7 4700U搭載)のおすすめユーザー
- 超軽量で持ち運びしやすいノートパソコンが欲しい人
- サポートがしっかりしたノートパソコンが欲しい人
オフィス搭載で超軽量ということもあり、ビジネスユーザーにおすすめです。中でもパソコンが不慣れな初心者には、富士通の多種多様なオプションサービスがあって便利です。
他におすすめのRyzen搭載ノートパソコン
今回実際に使ってみたRyzenのノートパソコン以外にもおすすめをピックアップしました。
- ASUS
-
TUF Gaming A15 FA506QR (FA506QR-R7R3070ECG)
- 税込み188,869円
-
タフボディと冷却システムを持つゲーミングノート
-
OS:Windows 10 Home 64ビット、CPU:AMD Ryzen 7 5800H、メモリ:16GB、ストレージ:1TB、グラフィック:NVIDIA RTX 3070 Laptop GPU
-
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AMD Ryzen 7 5800 H(8コア16スレッド)を搭載し、グラフィックもRTX 3070が内蔵なので、あらゆるゲームを存分に楽しむことができます。Ryzen搭載ゲーミングノートパソコンとしてはコスパの高さで最高ランクと言えます。
AMD Ryzen 7 3700Uは4コアですが、クロック数が2.3GHz最大4.0GHzと高速処理が可能。Bluetooth 5搭載で、周辺機器との接続もスムーズです。フルHDのタッチパネルスクリーンで美しい映像を楽しむこともできます。
8コア16スレッドのAMD Ryzen 7 4700Uを搭載した2 in 1 モデル。360度ディスプレイが回転するので、タブレットとしても使用可能です。ビジネスでの使用におすすめの1台です。
まとめ
日頃なかなかRyzenのパソコンを使用する機会がないので、今回こちらの記事で使用することができて良かったです。特にインテルに慣れていると、AMDのRyzenには手が伸びないということがあったのですが、使ってみると遜色なく使うことができました。
こんなにコスパが高いのなら、むしろ今まで使ってみなかったのはもったいなかったなと思ったくらいです。今後のノートパソコン選びは、Ryzenにもぜひ視野を広げていきたいです。
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※検証した感想は、個人差がありますのであらかじめご了承ください。
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