Webカメラとマイクはどうやって選ぶ?実際に3つの商品を比較してみました
快適なWeb会議をするには、高性能なWebカメラやマイクが欠かせません。大事な会議なのに声が途切れてしまったり、画像が不鮮明だと情報共有に支障をきたします。
そこで本稿では、外付けのWebカメラとマイクを実際に使ってレビューしてみました。商品選びの参考になさってください。
目次
Webカメラのマイク機能って?
Webカメラの多くは、カメラだけでなくマイク機能を兼ね揃えているものや、スピーカー内蔵のものがあります。
音声と映像をWebカメラだけで完結させたい場合は、音が割れたり、飛んだりするのは不都合なので、映像だけでなくマイクやスピーカー性能にも注目してください。
ただし音質についてはヘッドセットやマイクを用意したほうが良い場合があるので、マイクなし、スピーカーなしでも問題ないでしょう。
筆者はWebカメラのマイク機能はオフの設定にしており、ヘッドセットで通話をしています。
なお設定の際に、マイクとスピーカーを同じアクセサリに設定するとハウリングするので注意してください。
Webカメラの選び方
Webカメラを選ぶ際は下記の点に注意してください。
まずは画質!画像数以外にも着目するポイントあり
最も映像のクオリティに直結するのが、Webカメラの画質です。HD(High Definition Video)で1280×720ピクセルの解像度のものが主流ですが、中には1920×1080ピクセルのフルHD(Full High Definition)対応やそれ以上のものもあります。
また、200万画素などカメラの画素数が明記されている場合もありますが、これはあまり参考になりません。デジタル処理をしている以上、中国メーカーのスマホの画素数がインフレを起こしているにも関わらず、画素数で劣るiPhoneと映像面で大差ないのと同様、画素数が大きいほど映像が美麗になるとは限らないのです。
基本的にはHD対応で十分ですが、機種によって色みや明るさ、輪郭の調整に大きな違いがあります。スペックが同じなら実際の映像クオリティまで一緒というわけではありません。同じスペックでも、PCに映し出される映像には大きな違いがあります。
詳しくは後述の実機レビューをご覧ください。
画角の広さも重要!広角なら複数人の会議も◎
画角とは、一度に映像に収められる画面の広さを角度で表したものです。通常は70度程ですが、広角対応になると120~150度のWebカメラもあります。
画角が広いと複数人を同時に映したり、人物の他にホワイトボードを映したりできるので用途に応じて選んでください。一人で使う場合に広画角のものを選ぶと、映したくない背景まで映ってしまう可能性があるので、広ければ広いほどいいとは限らないのです。
対応ソフトウェアの確認を
Web会議やインターネット配信用ソフトウェアは無数にありますが、基本的にはどのWebカメラを使っても問題ありません。Windows10とMacなどOSに原因がない限りは、映らないとか映像が取れないといったことはないはずです。
しかしながら、それでも動作が不安な人は、数多くのソフトウェアで動作確認をしているのを「売り」にしているWebカメラを選びましょう。
三脚を設置できるか、セッティング機能にも注目
Webカメラ本体を保持する機能にも注目しましょう。基本的にはモニター上部を挟み込むようにして設置しますが、中にはミニ三脚が付属している機種もあります。
三脚があるとPC本体を動かさず、好きな場所にカメラを移動できるため、映したい範囲をコントロールしやすくなります。特に、動かせないデスクトップPCには便利です。
Webカメラ本体にねじ穴が切ってあれば、別売りの三脚に設置することも出来るので、機能を拡張したい人は検討してみてください。
価格帯は大きく分けて3つ
Webカメラは、大きく分けて3,000円以下の低価格帯、3,000~8,000円の中価格帯、それ以上の高価格帯に分けられます。基本的に価格とスペックは比例しますが、良くも悪くも価格に見合わない実力の機種もあります。
予算に合わせてベストの選択をしましょう。
Web会議のクオリティを左右する要因
Web会議のクオリティを左右するのは、Webカメラやマイクのスペックだけではありません。使用しているPC自体の処理能力やインターネット回線の速度、Zoomに代表されるWeb会議ツールのスペック、同時参加人数にも大きな影響を受けます。
つまり、Webカメラ自体の性能は複合要因の1つなのです。しかし、使用しているWebカメラのスペック以上の映像クオリティは発揮されないので、会議のクオリティを下げてしまうようなことの無いよう、しっかりした商品を選びましょう。
BUFFALOのWebカメラ「BSW505MBK」をレビュー
それでは実機を用いて比較レビューをします。
まず1つ目は、PC周辺機器メーカーの大手BUFFALOのWebカメラ「BSW505MBK」です。
正面の外観は上記のサムネイルにあるのであえて紹介しませんが、サイズ的には下記の写真の通りです。
アタッチメントにねじ穴がないので、基本的にはモニター上部に挟み込んで使用することになるでしょう。
次に映像ですが、PC本体に内蔵されているカメラの映像と、BUFFALOの「BSW505MBK」とで比較します。
ノートパソコン内蔵のWebカメラの映像
こちらが、ゲーミングノートPC ガレリア「GCL2060」に内蔵されているWebカメラの映像です。
角度にもよりますが、キーボードが映っているのはカメラがディスプレイの下部についているからです。
BUFFALO「BSW505MBK」のWebカメラの映像
そしてこちらが、BUFFALO「BSW505MBK」のWebカメラの映像です。
明らかに画面が広くなっているのが分かります。画角が広いせいですね。ただし遠くにあるものが歪んでしまっているので、文字などを見てもらうのは難しそうですが、現場の様子など多くの参加者の表情を映すには十分です。
またスクリーンショットだと少し分かりづらいかもしれませんが、デフォルトのカメラに比べて大分明るくなっているので見やすいです。
ロジクールのWebカメラ「C922 PRO HD STREAM WEBCAM」のレビュー
次に紹介するのが、ロジクールの高価格帯のWebカメラ「C922 PRO」です。
こちらはバッファローのBSW505MBKに比べると、一回り大きめでずっしりとしています。
アタッチメントも保持力が強く、しかもねじ穴が切ってあるので、三脚に設置可能なのが嬉しいところです。
肝心のカメラのクオリティですが、このカメラは専用のソフトウェアをインストールして使います。USBを差し込むと自動的にインストール画面が立ち上がるので、画面の表示に従って操作してください。
ソフトウェアと映像は下記写真の通り、かなり明るくて輪郭が鮮明です。この上で更にホワイトバランスを整えたり、オートフォーカス機能を使ったりと様々なパラメータを調整出来るのも良いところです。
Web面接などでは、「写真映り」が重要です。これくらいの価格帯のハイクオリティなWebカメラを使ったほうが明らかに印象が良くなるでしょう。もちろんビジネスでも有利です。
また動きにも強いので、ブレづらいです。
エレコムのWebカメラ「UCAM-C520FBBK」のレビュー
3つ目は、エレコムのWebカメラ「UCAM-C520FBBK」です。
こちらも価格帯的には、1つ目に紹介したバッファローのBSW505MBKと同じ低価格帯のもので、使い方も同様です。
ただし下記の写真ように映像の処理は大分違います。
明らかに画角が狭く、話者一人にフォーカスした映像となっているのが特徴です。画像的にはやや輪郭がぼやっとしているかもしれません。
ただし明るさは十分なので、この辺りの映像処理や画角は好みが分かれるところでしょう。
その他おすすめのWebカメラ
代表として3台をレビューして分かったように、Webカメラの映像やマイク機能には明らかな特徴があります。
更に、下記に8つ紹介するので是非検討してみてください。
4つ目は、ロジクールのWebカメラです。こちらは紹介している商品の中で最も高額だけあって、それに見合った性能を持っています。動いてもブレづらいのでリアルタイム配信に向いていますが、Web会議にはオーバースペックかもしれません。
またコネクタ形状がUSB-C接続なので、一部のPCと接続するには変換器が必要なので注意してください。リアルタイムで何らかのパフォーマンスを配信したい人に向いています。
引き続きロジクールからC270nです。こちらは明らかに画角が狭まっており、話者の顔だけを映します。自室など映したくないものが多い人にはおすすめですが、ジェスチャーが映らないのでボディランゲージは使えません。
なお映像・音声的には価格相当のクオリティです。
こちらはPC周辺機器で有名なサンワサプライの高価格帯Webカメラです。1万円を超えてくるだけあって画質関係はかなり良好。明るくくっきりしており、色みにも偏りが見られません。
画角はかなり広く、一人で使うには十分です。また他にはない機能として画角を調整できるのですが、広くすると縦が短くなるので注意してください。
三脚取り付け穴もあるので汎用性が高く多人数で使うのに向いています。
引き続きサンワサプライのWebカメラです。こちらは前述のCMS-V51BKに比べると価格帯的にはミドルとなります。500万画素カメラ搭載ということでスペック的には同等ですが、やはり映像のクオリティ的には見劣りするといわざるを得ません。
ただしマイク機能はこちらの方がクリアで聞き取りやすいです。
最初に紹介したものとは別のBUFFALOのWebカメラです。こちらは2,000円を切る低価格帯の商品。スペック的にも120万画素と見劣りますが、全体的にコストパフォーマンスが高いです。
惜しい点は、画角が狭いことで焦点距離内で使うとほぼ顔しか映りません。ジェスチャーやボディランゲージは期待できませんが、音声・映像ともに価格以上のクオリティがあるといえます。とにかく顔を見ながら話すだけの用途で使うのであればおすすめです。
台湾の大手メーカーASUSのWebカメラからも紹介します。価格的には中の上くらいといったところで、総合的な品質も相応です。
画質の調整的には、やや黄色みがかって黒が強めに出る特徴があります。画角が90度なので一人で使うには十分な余裕をもって使えるでしょう。
こちらはEMeetのWebカメラです。低価格帯に属する商品で、スペック的にはかなり恵まれたものを持っていますが、実際の映像・音声ともに価格相応といったところです。
色は少し灰色がかっており、書類などの文字はつぶれてしまうので、資料はWeb上で参照してもらったほうが良いでしょう。
引き続きEMeetからNovaを紹介します。こちらはC960の上位版ということで映像、音声ともに良好です。ただし若干顔色に補正がかかるのか、こちらはやや赤みがかって見えます。オートフォーカス機能のせいか、輪郭線が少しぼやけがちなので人によっては気になるかもしれません。
ただし画角が96度ということもあり、余裕をもった映像が映し出されます。
まとめ
以上、Webカメラについて紹介してきましたが、ハイクオリティなビデオ電話には複数の要因によって成り立っています。相手側の環境にも大きく左右されますが、やはり自分の環境がボトルネックになるようなことは避けたいもの。
またWeb会議だけでなく、1対1のWeb面談やリアルタイム動画配信にもWebカメラは必要です。必要になってから慌てて用意するのではなく、前もって1台は持っておくべきアクセサリだと言えます。
自分の「写真映り」にも影響するので、好印象を与えられるような映りの良いWebカメラを選びましょう。
※価格は、Amazonの2021年4月時点のものです。
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