エレキギター初心者におすすめのエフェクター10選
エレキギターの魅力を引き出すエフェクター
エレキギターはそれだけでは演奏を楽しめません。本体と別に音を増幅するギターアンプとエフェクターという音を加工する装置が必要です。エフェクターはサイズや効果に多くの種類があり、初めての方はどう選ぶべきか悩んでしまうことも。そこで、本記事では初心者の方にもわかりやすいエフェクターの選びかたとおすすめエフェクターを紹介します。
ギタリストの音作りの必需品エフェクター
エレキギターは実に多様な音色を出すことができます。それはギターとアンプ、そしてエフェクターの組み合わせを丹念に研究した結果によるもの。著名なギタリストだと、曲でなく2、3のギターサウンドを聞いただけでもこの人とわかる音を出します。
そこまでに至るのは困難としても、自分の個性を広げてくれる装置がエフェクターです。ぜひ積極的に音作りに取り入れてみましょう。
エフェクターの種類、系統を知っておこう
詳しく知っておく必要はありませんが、どのようなエフェクターがあるのかはおおまかにでも予習おきましょう。友人や楽器店で相談するにしても、全くの知識ゼロではどんなものが欲しいのか、何を勧められているのか会話になりません。
基本として知っておきたいのは、定番ともいえる歪み系、モジュレーション系、空間系の3種類。歪み系は音を歪ませるもの。歪み方によってまた種類が分かれます。モジュレーション系は音に厚みを与えるもの。あるいは音が揺れるように聞こえるもの。最後の空間系はわかりやすくいえばカラオケのエコーのように残響効果を付与するものです。
この3種をうまく組み合わせれば、とりあえずの演奏で困ることはありません。ジャンルによってダイナミクス系(音量をコントロールする)、フィルター系(ワウなど)を揃えていけばよいでしょう。
どんな音がするのか予習しておこう
音の説明は文章ではなかなか伝えられません。実際○○系のエフェクターとはどんな音がするのか、実音を確かめて購入前に予習しておきましょう。
好きなギタリストがどんな機材を使っているのか調べてみる(雑誌やWEBの特集やときには本人が動画で公開していることも! )、友人や先輩の使用エフェクターを教えてもらったりするのもよいでしょう。楽器メーカーが宣伝用に動画を公開していることもあります。
調べているうちに、自分の出したい音に必要なエフェクターがぼんやりでもわかってきます。欲しいもののイメージができたら楽器店へ行ってみましょう。
可能なら試奏させてもらってから購入しよう
エレキギターの音は、ギター本体、エフェクター、アンプの3つで決まります。エフェクターを購入する場合は自分のギターを持参し、実際にエフェクターにつながせてもらって試奏してみましょう。試奏ギターが自分のものと全く異なると出音も変わってしまい、正しく判断ができません。
アンプまで用意するのは難しいでしょうが、店内の無難なアンプをなるべくフラットな状態で用意してもらえるはずです。最低でも自分のギターと覚えておきましょう。
試奏といっても、つまみの動かしかたでどのように音が変わるのかわからないことも多くあると思います。自分の欲しい音を店員さんに相談しながら、いろいろ設定を試して、気持ちよく感じる音が出るかどうか確かめましょう。
時間をかけて相談したいときには、事前に相談にいきたいと時間の約束をしておくと店員さんもそのつもりでしっかり教えてくれます。
コンパクトエフェクターかマルチエフェクターか
ギターエフェクトにはひとつが1種類のエフェクターの役割を果たすコンパクトエフェクターと、少し大きめのボディに数台から数十台ものエフェクト数を搭載したマルチエフェクターがあります。1点の価格を比較すればコンパクトエフェクターひとつの方が安価ですが、コンパクトエフェクター数台の価格で何十ものギターサウンドが搭載されたマルチエフェクターを購入することができます。
コスパだけ考えればマルチエフェクターの方がお得です。しかし、エフェクター初心者の方にマルチエフェクターは使いこなしにくい、という側面もあります。搭載されているエフェクトの音やパラメーターの種類をある程度把握していないとマルチエフェクターで音作りをするのは困難です。また多機能のわりにつまみや情報画面が小さいので、操作面で苦労することもあります。
用意されたセッティングを切り替えるだけで、さまざまな音が出るので楽しいことは楽しいのですが、音作りの上達にはつながりません。
きちんと自分の音が出せるようになるには、いくつかのコンパクトエフェクターを試して理解を深めていくことが近道です。
おすすめのエレキギター用エフェクター10選
おすすめのエフェクターを10点紹介しましょう。選びかたでも書いた理由で全てコンパクトエフェクターの紹介になります。歪み系、モジュレーション系など各系統から紹介していくので、実際に組み合わせるエフェクターとしても参考になると思います。
コンパクトエフェクターを多数販売しているメーカーBOSSの人気オーバードライブエフェクターがBOSS「BD-2 Blues Driver」です。ブルースとモデル名についていますが、ブルースミュージック用ということではありません。多くの著名ギタリストが持つブルースミュージックの抑揚感をイメージしてつけられたネーミングで、真空管アンプのような温かみのあるオーバードライブサウンドを実現します。
サウンドの調整幅も広く、クリーンなブーストから激しいブーストサウンドまで幅広いオーバードライブサウンドをサポートします。
RATはもっともクラシックで伝統あるコンパクトエフェクターのひとつ。それをリファインしさらに魅力的なサウンドに生まれ変わらせた製品がJHS Pedals「ProCo RAT2 Pack Rat」です。
旧モデルの状態のよくないパーツを交換し、個々のパーツの品質の見直しを行いました。その結果、明瞭度が高く美しいサスティンサウンドを持つディストーションペダルが誕生しました。
ライトなオーバードライブから突き抜けるようなファズサウンドまでさまざまなサウンドが得られるエフェクターです。
カルロス・サンタナやジミー・ヘンドリックを魅了したエフェクターBig Muffを1980年頃にリファインしたのが、本製品electro-harmonix「Big Muff Pi」です。
オリジナル機のリッチでクリーミーな、バイオリンのようにロングサスティンの効いたディストーションサウンドを再現してくれます。
リファインモデルではノイズをかなり抑えることに成功し、さらに理想のコンパクトエフェクターに近づきました。
無難なセッション用コーラスサウンドから80年代の流行サウンドや現代的なコーラスサウンドまで、幅広いサウンドを実現するコーラスエフェクターがtc electronic「CORONA CHORUS」です。
本製品のユニークな特徴として、一流アーティストのエフェクトセッティングをコピーできるトーンプリント機能を搭載。手軽に一流の音を入手できるだけでなく、使いこなしの参考にも役立ちます。エフェクトオフ時には原音を損なわないトゥルーバイパス設計を採用しています。
ラインレベルの入力に対応しているので、キーボードなどにも使用できます。
コンパクトさも魅力なフルアナログ設計のコーラスペダルがIbanez「CSMINI」です。
コンパクトエフェクターもデジタル回路を取り入れたものが多くあります。ローコストで多彩なサウンドを作ることができるのがデジタルのメリットですが、それでもアナログ回路ならではのファットな音は根強い人気があります。
本製品も過去の人気モデルのよさを継承したファットで暖かみのある音色が個性的なコーラスペダルです。アナログ機にはノイズが気になるものもありますが、トゥルーバイパスを採用しているので、オフ時のノイズの心配はありません。
弾いた瞬間にわかる、澄み渡る響きと透明感あるサウンド。BOSS「RV-6 Reverb」は一瞬でユーザーの心を掴んでしまうような自然で美しいサウンドのリバーブです。
空間系エフェクターといえば、リバーブとディレイが代表的な種類。ディレイがやまびこやエコーのように、原音に遅れて音をリピートさせるのに対して、リバーブは残響、響きを演出するエフェクターです。お風呂場のように音がよく響いて聞こえます。リバーブサウンドはまるで大ホールで演奏しているかの臨場感をプラスしてくれます。
本製品は8つのリバーブモード(残響の質の種類)を備え、エクスプレッションペダルでのコントロールも可能。一味違うリバーブサウンドを楽しむことができます。
Ibanez「ADMINI」は、フルアナログの暖かく表情豊かなサウンドやシンプルな操作性、ディレイが特徴のエフェクターです。
ディレイ(delay)とは遅延、遅れという意味。原音より遅れて音を返すエフェクターがディレイです。カラオケのエコーにも似ていますが、エコーは複数のディレイとリバーブが混ざったような響きです。ギターエフェクターのディレイはそれに比べるとかなりシンプルなサウンドに聞こえます。
ディレイ使いのポイントは曲のテンポにあったディレイタイムで音を返すこと。そうすることで音に厚みと独特のリズム感、立体感が生まれ、ギターソロを引き立ててくれます。
本製品でも20ms~600msの幅でディレイタイムの調整が可能。幅広い曲、音作りにマッチします。
1984年の販売終了後も高い人気を誇ったDM-2を新たにリファインし蘇らせた製品が、BOSS「DM-2W Delay」です。
フットペダル部に「技WAZA CRAFT」の刻印があるように、そのリファインは同社のエンジニアの技と情熱のこもった職人技。オリジナルDM-2のマイルドなディレイ音の再現に加えて、現代的なカスタムモードをプラス。
従来の2倍長い最大800msのディレイタイムの実現とともに、エクスプレッションペダルでディレイタイムをコントロールするなどトリッキーなプレイにもチャレンジできるようになっています。
トゥルーバイパス仕様で、柔軟なコントロールに対応したコンプレッサーがJOYO「JF-312 Pipe Bomb」です。
コンプレッサーとはダイナミクス系エフェクターのひとつで、音量をコントロールするエフェクターです。音量の安定しない(ピッキングにうまくない)ギターの音量をそれなりに合わせることもできます。また突然の過大入力を抑えてスピーカーや回路を保護することもできます。(専用のリミッターというエフェクターがありますが、擬似的にコンプレッサーでも行えます)
そう聞くと、下手な人ようのエフェクターのように思えてしまいますが、決してそうではありません。カッティングのようにリズムの切れを強調したい場合、コンプレッサーで音の立ち上がりを強調するとよりリズミカルな演奏になります。また、ギターソロなどでサスティンの長い音が欲しいけどあまり歪ませたくないときは、ディストーションを使わずにコンプレッサーだけでサスティンを作り出すこともできます。
セッティング次第でかなりアクティブな音作りもできる、それがコンプレッサーの魅力です。PA用コンプレッサーになるとかなりつまみも増えてきますが、本製品はギター用なのでわずか4つのつまみ。かんたんな操作でさまざまな音作りに貢献してくれます。
イコライザーはスマホの音楽再生アプリにも搭載されている身近な機能です。本製品Electro-Harmonix「Tube EQ」は、回路に2つの真空管を使用したイコライザーです。
多くの周波数を操作できるグラフィックイコライザーではなく、高音と低音(トレブルとベース)の音量調節とミッドにパラメトリックコントローラをプラスしたシンプルタイプです。
トレブルとベースのコントロールはオーディオ装置などでよく見かけるので悩むこともないでしょう。ミッドのパラメトリックコントローラは調整した周波数帯域を1カ所だけ決めてそこを増減させる機能。エクスプレッションペダルでリアルタイムに周波数を動かせるのでワウペダルのようにも使えます。
真空管による音の変化は原音に太さ、暖かさを加えてくれるので、サンプラーなどにつないでも面白い効果が出せそうです。
一歩進んだコンパクトエフェクター選び
どのような効果が得られるかが、エフェクター選びでまず気になるポイントです。そうして選んだいくつかのエフェクターをつないで演奏しますが、常に全てがONではなく、ON/OFFを切り替えながら演奏することが多いと思います。
そのときに気にしてほしいのが、OFFのときも音に影響が出ていないかどうかということ。エフェクターには効果をかけない(バイパス状態)のときに、完全に回路を通過しないトゥルーバイパスと、内蔵のバッファー回路だけ通過するバッファードバイパスの2種があります。どちらがよいかは好みによります。
エフェクトバイパス時の音にも気を使えるようになったら、エフェクター選びも上達してきたといってよいでしょう。
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