海外旅行用スーツケースのサイズや重さはOK?元添乗員が選び方やおすすめを紹介
海外旅行や出張の際は、スーツケースは欠かせません。私は昔添乗員として働いていましたが、高機能なスーツケースがいかに大切ということを身をもって経験したものです。壊れやすかったり、容量が小さかったり、また防犯機能が甘かったりすると、とんでもないトラブルに巻き込まれてしまうことが現実にあります。
この記事では、これまでの私の添乗経験をもとに、スーツケースの選び方とおすすめのスーツケースを紹介していきます!
▲某旅行会社で添乗員を6年勤め、独立したフリーライター。20か国以上を周った経験をもとに、おすすめのトラベルグッズやちょっとした旅行の秘けつを紹介していきます。「旅行に関するちょっとした気づき」をみなさんにお伝えすることができたらとてもうれしいです。
海外旅行のスーツケース選びを徹底的に解説!
国内線とは規定が異なる、国際線の手荷物事情を事前に把握しておきましょう。
機内に預けられるのは10㎏が目安
チェックイン時に、航空会社のカウンターに預けられる荷物を「受託手荷物」と呼びます。何かと荷物が多い海外旅行では、スーツケースを受託手荷物にする人がほとんどです。持参する荷物が少なくても、帰りはお土産などを詰め込むことになるので、なるべく大きめのスーツケースを選んだほうが無難です。
気になる受託手荷物の容量・重量制限は、利用する航空会社と座席クラスによって異なります。ほとんどの大手航空会社は縦・横・高さの総外寸の合計が158cm以下(全クラス共通)と規定していて、それを超えたものについては超過料金を徴収しています。
また、スーツケースの重量や個数を設定している航空会社も多く、ANAはエコノミークラスの場合は全体で23kg、2個までとしているので要注意です。ほとんどの人はスーツケースは何年も、何回も使用することになるので、大多数の航空会社で使えるものを選びましょう。
機内に持ち込めるスーツケースの重さ
海外旅行の際、スーツケースは機内に預けるものと思われがちですが、コンパクトなものであれば座席まで持ち込むことができます。自分の手元に置いておければ、空港職員から傷つけられることもなく、安心ですよね。
受託手荷物同様に、持ち込めるスーツケースの大きさは、航空会社によって異なります。座席数が100以上の航空機であれば、縦・横・高さの合計が115cm以下のスーツケースはほぼ持ち込み可能です。LCCは要注意で、大手航空会社と勝手が異なるので事前に必ずホームページを確認しましょう。
布タイプはNG!衝撃にも強い素材のものを
スーツケースには、さまざまな素材が使用されています。海外旅行用のハードスーツケース素材ではABS(強化プラスチック)やポリカーボネート、ABSとポリカーボネートのミックス素材、そしてアルミニウムの4つが主流です。しかし、ナイロンやポリエステル素材が使われたソフトスーツケースも存在します。
安価で軽いところはソフトスーツケースならではの魅力ですが、水に弱く、荷物が濡れてしまうおそれがあります。劣化しやすいため、長期的に見ればハードスーツケースのほうがコストパフォーマンスが良いかもしれません。
また、私が添乗していたときにお客様のスーツケースがナイフで切り裂かれ、貴重品が取られていた事件が発生しました!このようなケースを防ぐためにも、できる限りハードスーツケースを選びましょう。
液体物は預け荷物に入れよう
国内線と国際線の大きな違いに、液体物の持ち込みが制限されているという点が挙げられます。機内に持ち込めるのは、100mlの容器に入った液体だけで、それらは透明のビニール袋に入れる必要があります。
他の液体物はすべてスーツケースに入れておかなければならず、当然フライト中は取り出せません。うっかり収納し忘れて、セキュリティチェックで指摘されても時すでに遅し。液体物は没収対象となります。
また、液体はスーツケース内で場所を取るため、大きめのものを用意しておくのがおすすめです。
気になるペットボトルは、機内預け荷物のなかに入れてしまってもOK。ただし、座席まで持ち込むことはできません。機内でペットボトルの飲み物を口にしたいときには、セキュリティチェックを終えてから自販機などで購入しましょう。
乱雑に扱われることを想定して購入しよう
チェックインから離陸までの短時間で、何十・何百ものスーツケースを機内に運ばなければならない空港職員は、荷物を乱雑に扱いがちです。特に、海外の空港職員はその傾向が強く、たった一回の海外旅行でスーツケースがボロボロになることも珍しくありません。
空港でスーツケースが乱雑に扱われるのは当たり前と考えて、衝撃性に強いものを選びましょう。せっかく購入したスーツケースが傷ついてしまうのは最初こそショックを受けますが、次第にその傷も旅の証のように思えてきて、うれしくなるかもしれません。
スーツケースベルトがあると何かと便利
スーツケースと一緒に販売されているスーツケースベルトは、ターンテーブルから荷物を取り出すときの目印になるので、ひとつあると便利。スーツケースを空港で開けるときに、ガバッと広がってしまうことがなく、荷物を見られる心配がありません。一本帯状のものとクロス状のものがあるので、好みに合わせて選んでみてください。
TSAロックの鍵付きスーツケースで防犯対策は万全!
スーツケース選びの際に知っておきたい「TSA」の存在。海外旅行の際にはセキュリティチェックのため、空港職員からスーツケースを勝手に開けられてしまうことがあります。そのときに鍵がかかっていると無理やりこじ開けることになるため、アメリカやハワイ旅行ではスーツケースに鍵をかけることが禁止されているのです。
しかし、鍵が付いていないと防犯面が心配になりますよね。私もそうでした。そこで注目したいのが、アメリカ運輸局から唯一装着を許可されている「TSA」と呼ばれる鍵付きスーツケース。空港にはTSAのマスターキーがあるため、万が一チェックを受ける場合にも、こじ開けられる心配がありません。
アメリカやハワイ旅行をする人で、防犯が気になるときはTSAロック付きのものを選ぶとよいでしょう。もちろんアジアやヨーロッパの空港でも対応してもらえます。
1週間の旅行を想定したスーツケースがベスト
海外旅行といっても、1泊2日で行ける韓国や中国などのアジア旅行から、1週間近くかかるヨーロッパ旅行、また数ヶ月にも及ぶ滞在を計画している人もいて、多種多様です。選ぶスーツケースの大きさについては悩みどころですが、ひとつだけ購入するのであれば1週間の旅行を想定して作られたスーツケースがベスト。
お土産を詰め込むことを考えると、2泊3日程度での旅行でも決して大きすぎることはないはずです。
1週間タイプのスーツケースは市場に多く出ているため、自分のお気に入りを見つけやすいでしょう。1泊の荷物量は10Lが目安であるため、60~80L程度のものがベストです。
1週間の海外旅行におすすめのスーツケース
スーツケースの特徴と選び方を理解したところで、まずは海外なら4泊5日や4泊6日など1週間程度の海外旅行におすすめのスーツケースを紹介します。
現在、サムソナイト傘下にある老舗スーツケースメーカーのアメリカンツーリスター。ABS樹脂とポリカーボネートを使用したこちらのスーツケースは、美しい光沢が印象的です。4輪ホイールとなっているため、移動がらくちんで、石畳が多いヨーロッパ旅行でもストレスを感じません。TSAロックも付いています。ブラックやブルーなど、カラーバリエーションも豊富です。
レジェンドウォーカーが取り扱っているスーツケースは細部まで工夫されているので、快適に使えます。スタイリッシュなデザインが魅力的で、カラーバリエーションも充実しているところがポイント。四隅にはアルミコーナーパッドがあり、荷物を衝撃から守ってくれます。
添乗員時代の私が憧れていたのが、フランスの老舗メーカー・デルセーのスーツケース。スタイリッシュな外観は、さすがフランスブランドならではですよね。機能性も非常に優れていて、収納スペースを拡張できるエキスパンダブル機能付き!1ヶ月程度の海外旅行にも使えそうです。超静音の8輪キャスターが付いていて、移動するときのゴロゴロ音が気になりません。身長に合わせて高さを2段階に調整可能なので、小柄な女性にもぴったりなのです!
機内に持ち込める小さめのスーツケース
機内に持ち込めるスーツケースは、ひとつあるととても便利。1泊2日程度の国内旅行でも無理なく使えそうです。おすすめ商品を紹介します。
旅行会社にいたときに何度も耳にしていたのが、旅行バッグメーカーのace.(エース)。1940年創業の老舗ブランドで、「旅行カバンと言えばここ!」という人も少なくありませんでした。機内持ち込みサイズのスーツケースも、旅行者のニーズを満たしたものであり、荷物の大きさに合わせてサイズを調整可能。基本的には34L、最大で39Lもの荷物を収納できます。旋回性に優れた双輪キャスターで、混雑しやすい機内でもトラブルなく移動できるはず!
特殊構造のタイヤは静粛性に優れ、深夜や早朝の移動でも周囲を気にする必要がありません。タイヤのみの交換も可能なので、長く使いたい方にもおすすめです。コンパクトながらダイヤル式TSAロックや消臭・抗菌効果を高めるデオドラントネームなど、使い勝手にもこだわっています。
ヨーロッパをはじめ、世界中で高い評価を受けているイノベーターのスーツケース。機内持ち込み可能なコンパクトサイズで、移動中に寝かさずにフロントを開けられます。シンプルできちんと感のあるスーツケースは、添乗時に着用していたスーツにもよく合っていたと思います。出張時におすすめですよ。
耐衝撃性に優れたスーツケース
耐衝撃性を重視するなら、プラスチックやアルミニウム素材のものよりも、ポリカーボネートがおすすめ。非常に頑丈で、プラスチックの約10倍の強度と言われています。ここでは耐衝撃性の高い2商品を紹介します。
- トラベルハウス
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トラベルハウススーツケース
- 税込み7,380円(Amazon)
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頑丈で気軽に持てるリーズナブルなプライスが話題の商品
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キズや汚れに強いABSとPC混合樹脂を採用。キャリーバーは多段階調整可能で、360°回転する大型キャスターがスムーズな移動をサポートします。防水性も優れているので雨の日も安心です。
トラベルハウスが販売しているリーズナブルなスーツケース。こちらは57Lタイプですが、さらに小型や大型のものもあります。ABS素材にPCの混合樹脂タイプのスーツケースで強度が優れているところが特長。さらにエンボス加工もされているので、キズがついても目立ちません。コーナープロテクターも搭載されていて、傷つきやすいスーツケースの四隅を守ることができます。
- ハートマン
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スーツケース
- 税込み41,667円(Amazon)
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ポリカーボネート100%の最強スーツケースが旅の心強い味方に
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アメリカのスーツケースメーカーが満を持して販売しているスーツケース。シンプルなデザインですが、強度は非常に強く長年愛用できる商品になっています。
とにかく頑丈なスーツケースが欲しいということであれば、多少値段が張ってもポリカーボネート100%のものを選びましょう。とにかく耐衝撃性が他のスーツケースとはまったく違います!ハートマン社は伝統あるメーカーで信頼度も抜群。70L容量タイプで1週間程度の海外旅行にはもってこいです。
パッキングしやすいスーツケース
大きなスーツケースは、なかの荷物がごちゃごちゃしやすいものです。ここからは整理整頓が苦手な人におすすめの、パッキングしやすいスーツケースを紹介します。
- グリフィンドール
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K1037-1
- 税込み9,980円(Amazon)
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形状維持ワイヤー入りでフレームケース並みに頑丈なケース
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拡張機能が付いているスーツケースで、荷物の大きさに合わせてサイズを調整できます。キャスターは静音機能が搭載されていて、機内でも嫌な音を立てることはありません。
容量のバリエーションが豊富なグリフィンドールのスーツケース。リーズナブルなところも魅力です。こちらは傷や汚れが付きにくい表面加工がされていて、狭い機内も安心して移動できます。スーツケースのなかは荷崩れを防ぐクロスベルトが付いているので、たくさん入れてもOK。デッドスペースをなくして収納することができます。
「スーツケースに入れていたものを急に取り出したくなった!」ということってありますよね。私もこれまで何度かありました。ほとんどのスーツケースは横開きタイプであるため、空港の隅でこそこそ開けたりして…。
でも、このスーツケースがあれば、その心配はありません!前開きタイプになっているので、「もしかして必要になるかも?」というものは前もってフロント部分に収納しましょう。他にも15インチのノートパソコンを収納できる便利なポケットが付いています。サイドハンドル付きで、縦にも横にも持てるところがメリットです。
まとめ
スーツケースは見ているだけでも、旅気分になれる素敵なアイテムだと思います。海外旅行へ行く際、こんなシチュエーションにはどんなスーツケースが合うのかを考えながら選んでみてください。元添乗員が思うのは、良いスーツケースは旅の質を左右するということです。あなたの旅をサポートしてくれる素敵な一品を選んでみてください。
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