日本酒度で日本酒の甘辛が分かる?高低の違いとおすすめ銘柄を紹介
日本酒に限らず、お酒のラベルはカッコいいものやおしゃれなものが多いですよね。お酒の味わいだけではなく、ラベルだけをコレクションしている方もいるほど様々なデザインを楽しむことができます。
しかし、お酒のラベルはおしゃれなだけではなく、そのお酒に関する情報も多く含まれています。特に日本酒のラベルには、初心者さんでは何のことかわからないような情報も含まれています。
その中の一つが今回紹介していく「日本酒度」。パッと名前を聞いただけでは、何を示す言葉なのかよくわかりませんよね。したがって今回はこの「日本酒度」に関して、どういったものなのか基本知識から読み解き方まで紹介していきます。
▲日本酒好きになって15年、好きが高じて全国の酒蔵訪問旅行を趣味にしているフリーライター。美味しい、珍しい日本酒の紹介・楽しい飲み方を提案していければと思います。
日本酒度とは?
まずは聞きなじみが薄いであろう「日本酒度」とは何を指すのか?この基本的なところを見ていきましょう。しっかりと理解することで、日本酒を選ぶ際の基準が増えるかもしれませんよ。
プラスとマイナスで表される「日本酒の甘さ・辛さの指標」
一般的に知られている日本酒度の解釈は、その日本酒の「甘さ」「辛さ」を表すものとされています。酒屋さんなどで「キリッと淡麗の辛口」や、「お米のうまみを楽しむ甘口」こんなポップを見ることがありますよね。
この甘さ辛さの指標となるのが日本酒度です。日本酒に含まれる糖度の高低を表したもので、糖度が高いものをマイナスで表記し、反対に糖度が低いものをプラスで表します。
このプラスとマイナスと一緒に数字でも糖度の高低を表しているのが日本酒度。日本酒のラベルに「日本酒度+10」と記されていれば、それは糖度が低い日本酒だという意味になるのです。
日本酒度のほかにも「酸度」「アミノ酸度」が
また日本酒度の他にも、日本酒のラベルには「酸度」や「アミノ酸度」が表記されていることも。それぞれ名前から見れば「酸っぱさ」と「旨み」を表しているように思いますよね。
これ、アミノ酸度に関してはその通りなのですが、酸度においては少しばかり違った解釈になります。日本酒における酸の役割はお酒のキレを生み出すもの。したがって酸度が高い日本酒はキレのよい辛口の日本酒を指しているんです。
ちょっとした解釈の違いで、好みの日本酒を選び損ねてしまいそうですよね。ちなみにアミノ酸度も甘口、辛口の面から見ることができます。簡単に言えば旨み成分が多いアミノ酸度が高い日本酒を甘口。アミノ酸度が低い日本酒が辛口になると覚えておきましょう。
日本酒度だけでは味わいを表現できない?
上記まででざっと日本酒度や酸度、アミノ酸度の甘辛口に関して紹介してきました。しかし日本酒の奥深い点として、日本酒度だけを目安に日本酒を選ぶのは難しい点が挙げられます。
どういうことなのか、ここから少し詳しく見ていきましょう。
辛口の一言では表せられない
そもそも日本酒の味わいを示す「辛口」とはどういった味わいを指すのでしょうか?少し話がそれてしまうので、この点に関しては詳しく突っ込みませんが一言で辛口の日本酒といっても、味わいを表すこと自体が非常に難しいものなのです。
また上記で日本酒度は一般的に甘さや辛さを表す指標だと紹介しましたが、日本酒度だけで選んでしまうと思った通りの味わいを選ぶことも難しくなっています。これは、一緒に紹介した「酸度」や「アミノ酸度」、また材料に使われているお米の種類によっても、日本酒の味わいが異なってくるから。
したがって日本酒度単体で表記されている場合は、あくまでも目安程度の数値として考えておく方が無難です。日本酒度のほかに酸度やアミノ酸度が表記されている場合は、それぞれの数値を比べてみて味わいを想像してみましょう。
想像がぴったりとハマった時は、非常に気分良く美味しい日本酒をいただけますよ。何度か繰り返してみることで、想像がつきやすくなりますし、飲む前から日本酒を楽しむこともできますね。
度数を測るタイミングの問題も
日本酒度だけではなく、酸度やアミノ酸度、またはお米の種類によっても日本酒の味わいは異なってくると紹介してきました。この上まだ何か問題があるの?といいたくなるところですが、実は日本酒度を測るタイミングで同じ日本酒でも日本酒度は変わってくるのです。
現在流通している日本酒の日本酒度を測るタイミングは、蔵人がもろみを搾るとき。日本酒を作る工程としては、どろどろで発酵させているときからよく知っている透明な日本酒になるタイミングですね。
搾ったばかりのまさにフレッシュなタイミングで測られていますが、この測った数値がそのままずっと続くわけではありません。また同じ銘柄であっても、作っているタンクが違えば日本酒度も異なってきます。
なので、やはり日本酒度だけでお酒を選んでしまうと、いざ飲んだ時に「あれ?なんか思ったより甘い?(もしくは辛い?)」なんてことになるのです。日本酒度が日本酒の甘辛を示しているという点については、決して間違いではありません。しかしやはり数値を盲目的に信じてしまうのもおすすめはできないのです。
日本酒は蒸留をしていないお酒なので、瓶詰をされた後も生きているお酒です。刻々と変わってくる味わいを、数値にとらわれずに楽しんでみるのが、一番美味しい飲み方なのかもしれませんね。
ちなみに日本酒度は個人で測ることも可能です。比重を測る専用の日本酒度計というものがあるので、興味があれば購入してみるのもおすすめですよ。
日本酒度だけで選んでみるなら【辛口編】
日本酒度だけで日本酒の甘辛は判断できない。といわれても、実際指標として使われている以上、まったくあてにならないというわけでもありません。したがってここでは、日本酒度だけで見る辛口の日本酒を見ていきましょう。
辛口の日本酒を得意とする亀の井酒造さんから、日本酒度17~20といわれる超辛口の日本酒をおすすめ。非常に高い日本酒度から、かえって飲みにくいのではないかというイメージを持たれがちですが、亀の井酒造さんは味わいにも非常に強いこだわりがある蔵。華やかな香りやすっきりとした後味を楽しめる1本ですよ。
黒字に赤と白の文字がインパクト大な1本。視覚からも超辛口なことが分かるようですが、実際に飲んでみてもしっかりとしたキレの良さを感じられるでしょう。もちろん辛さだけではなく山廃原酒特有のどっしりとしたうまさも特徴的な日本酒です。
日本酒度だけで選んでみるなら【甘口編】
キレのよい辛口の日本酒が好きな方もいれば、滋味深い甘口の日本酒が一番!なんて方もいますよね。ここからは日本酒度だけで見る、おすすめの日本酒甘口編を見ていきましょう。
日本酒度-60、アルコール度数も日本酒として考えれば非常に低い8%の飲みやすい日本酒です。優しい甘さと少しの酸味ですっきりといただくことができるでしょう。日本酒初心者さんはもちろん、女性におすすめしたい1本です。
こちらも日本酒というよりはワインを思わせるような、ちょっとおしゃれな日本酒となっています。日本酒度-18の数字からけっこう甘いのかと思わせますが、控えめな甘酢っぱさが特徴的な1本。普段は日本酒を飲まないような方でも、とっつきやすい日本酒ですよ。
まとめ
今回は日本酒のラベルでたまに見る「日本酒度」に関して紹介してきました。日本酒の味わいを想像する際に便利な日本酒度ですが、実は一筋縄ではいかない点もわかっていただけたのではないかと感じます。
そもそも日本酒の甘さや辛さは、一概に数字で表すことが難しいもの。人の好みによっては大辛口と呼ばれる日本酒でさえも、甘いと感じることがあるのだとか。日本酒に限った話ではありませんが、最終的に美味しさを決めるのは個人の好みです。
数字だけで選ぶのではなく、さまざまな日本酒を試して自分にとって一番の1本を見つけてみてくださいね。
※価格はいずれも2019年12月時点。特に記載がない場合はAmazonの価格です。
関連記事はこちら
フードの記事はこちら
-
LINEの友達登録をお願いします!
LINE限定で、毎週の人気記事を配信します!
XでMoovooをフォロー!
Follow @moovoo_