冬のガーデニング 寒い季節に育てる花オススメ9選
めっきり冷え込む冬はガーデニングのオフシーズン。水やりもおっくうになり、ベランダや庭の花壇は寂しくなりがちです。けれども周りを見渡すと、意外ときれいに咲いていたり育ったりしている花をみかけませんか。種や苗の販売を手がける大手企業、サカタのタネ(横浜市)の専門家に聞くと、冬は冬なりのガーデニングの楽しみ方があるようです。
「園芸」のプロ
清水俊英さんに話を聞きました。サカタのタネの広報部門の責任者、コーポレートコミュニケーション部長です。植物の育て方やガーデニングの魅力を伝える「グリーンアドバイザー」や「樹木医」という肩書もある園芸のプロです。清水さんが手に持っているのは鉢植えのパンジー。横浜市にあるサカタのタネ本社の中にあるガーデンで撮影しました。
タネまきは10月末まで
清水さんによると、種まきはどんなに遅くても関東では10月末が限界。種が発芽し、しっかり育つには①気温②水分③酸素の3条件が必要ですが、11月を過ぎると、気温が低くて発芽が難しくなり、発芽したとしても寒さで芽や茎、葉が傷んで枯れやすくなるそうです。ただ、スイートピーのようなマメ科の花やソラマメ、エンドウ豆のような豆類なら12月上旬までに種植えすればプランターで育てることができます。
11月からは球根植え
種植えが難しくても、球根には冬でも芽を出し育つ種類があります。植えるのが晩秋でも、春までにはきれいに咲きます。具体的には、チューリップやスイセン、シクラメン、クロッカス、ヒヤシンス、ユリ、ムスカリなどです。園芸店やホームセンターで途中まで育った苗を買って植え替えるという選択もあります。
①チューリップ
子どもたちにも人気のチューリップ。寒さに強く、冬の間もぐんぐんと育ちます。いろんな色の花を楽しむことができ、順調なら4月の満開が期待できます。冒頭の写真も、サカタのタネのチューリップです。
球根は庭土にじかに植えても、プランターや植木鉢を使った鉢植えでもOK。球根と球根の間隔を少しとるようにしてください。植えたらすぐに水をやり、しばらくは土が乾燥しないよう注意して下さい。まず根が生えて下に伸び、しばらくすると球根の上から芽も出てまっすぐ上の方に伸びてきます。根や芽が出たら出足は順調ですが、清水さんは「芽が出ると安心して水をあげなくなってしまう人が多いので、注意してください」と話しています。
サカタのタネの通販やアマゾン、楽天市場ではサカタのタネの球根は品切れや品薄が続いています(19年11月下旬現在)。清水さんは「お近くの園芸店やホームセンターで尋ねてみてください」と話しています。
清水さんは、開花したときに見栄えをよくする高等テクニックを教えてくれました。チューリップの球根を植えて土をかぶせた後、球根から少し距離を置いてビオラやパンジーなど春先に咲く花の苗を植えるというものです。パンジーやビオラは花の背が低いので、チューリップが成長しても邪魔にならず、2つの種類の花を同時に楽しむことができます。
春に咲かせる花の王道!庭を華やかにするならチューリップが一番!
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チュ-リップでブーケを。植え付け期は12月まで
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秋植えで春に咲くチューリップ。きれいな色合いだけでなく香りも楽しめる。いろんな色や「10球詰」の商品も
どこも品薄が目立つなか、楽天市場には在庫がありました!
②アイスチューリップ
春の訪れを待たずとも、真冬に咲く特別なチューリップがあります。業界では「アイスチューリップ」と呼び、人気が高まっています。サカタのタネでは「さくさくチューリップ」の商品名で販売しています。
根が生えた球根をいったん特別な冷蔵装置の中に入れて長い間保存し、その後、外に出します。すると球根は「春が来た」と勘違いして成長をし始め、まだ寒い時期でも花を咲かせるという仕掛けです。雪が降り積もる真冬の公園で元気に咲き誇るチューリップを見かけたら、アイスチューリップかもしれません。いろんな色がありますが、イエローフライトという黄色いタイプがより育ちやすく清水さんのおすすめです。ただ、これもサカタのタネの商品は2019年秋のシーズン向けの販売を終了しており、ネット通販でも品薄が続いています。
真冬にチューリップ?半信半疑で筆者もさくさくチューリップに挑戦してみました。
自宅の庭に植えたのは2019年11月中旬。球根から少し芽が出た状態の球根でした。プランターに新たな土を加えて古い土と混ぜ、水やりだけは欠かさないようにしました。気温の低い日や雨の日も続きましたが、12月15日ごろから花を開くようになりました!
③スイセン
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ラッパ咲きの大輪 庭を彩るイエロー
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庭植えでも鉢植えでも育つ。日当たりと水はけの良さがしっかり育つ条件。花言葉は「自己愛」または「神秘」
トランペットの先っぽのような花を開くので、「ラッパ咲き」という異名もあります!
④シクラメン
濃い緑の葉も特徴です。寒さが気になるならこれ!
⑤クロッカス
ヨーロッパでは「春告げる花」として広く親しまれています!
⑥ヒヤシンス
星の形をした可愛らしい花が特徴。球根からモコモコと伸びてくる太い芽や茎を眺めるのも楽しみ
⑦ヤマユリ
原産地は日本。どこまで背が高く伸びるかを期待するのも楽しみ!
⑧ムスカリ
チューリップと並べて庭の装いを豊かにするのがおすすめ!
⑨プリムラ
日陰も大好き。水やりだけは欠かさないで!
「野菜」という選択
気温が低くて花を育てることが難しいと思ったら、野菜づくりに挑戦してみるという手もあります。清水さんによると、小松菜やチンゲンサイは11月末から12月上旬までなら難易度は「やや高」ながら間に合うそうです。そら豆も、冬の間に育ちます。
プランターに養分をたっぷり含んだ土を盛り、たっぷり水を含ませた上で種をまくのが第一歩。その上で、ラップフィルム(サランラップなど)でプランターを覆い、小さな穴をいくつか空けると温室効果が出て育ちやすくなるそうです。プランターは日当たりの良いベランダに置くことがしっかり育てるための条件。発芽した芽の先がラップに当たるようになるまでラップは外さないでください。上手に育てば3月には収穫できます。室内で日当たりの良い窓際にプランターを置けるなら、ハーブ類の苗や中華料理に使われるパクチー(香菜、コリアンダー)もおすすめです。
小松菜
生育が早く、丈夫で育てやすいので、初めて家庭菜園に挑戦するにはぴったり!
チンゲンサイ
チンゲンサイも生育が早いので、野菜初挑戦には向いています!
そら豆
こんなそら豆が自分の庭で採れるなんてステキです!
「何も育てない」もアリ
寒い冬に水やりに気を配るのは大変です。春の訪れを待ちながら「何も育てない」という選択もありうる、と清水さんは解説します。
ただ、何も育てないことと、プランターや庭の土を放置しておくこととは別です。秋まで働いてくれた土をいたわりつつ、春から再びガーデニングを楽しむための「お手入れ」はやっておくべきだとアドバイスしてくれました。お手入れというと大変そうですが、腐葉土など有機質の肥料を土の上からたっぷりかけてかき混ぜるだけでいいそうです。すると、植物が育つことを促してくれる微生物が土全体に広がり、根が養分や水分を吸収しやすくなるそうです。
秋までに咲いた花に養分を抜かれた痩せた土では植物は丈夫に育ちません。より丁寧に手入れをするなら、プランターであれば土ごと新しいものに替えてしまうか、いちど外に出して土の中に残っている古い根を捨て、全体の15%くらいの分量を目安に腐葉土を混ぜるといいそうです。ガーデニングの本番は4月末のゴールデンウィークから。それまでの間、ひと月に一度のペースで空気を含ませる感覚でかき混ぜるひと手間を加えておくと、肥えた土に仕上がって花たちも喜びます。
花や野菜づくりは土が決め手!「チューリップの土」「球根の土」など、育てたい植物別にふさわしい土を売っています!
まとめ
冬でもガーデニングをじゅうぶん楽しめることがわかりました。チューリップやヒヤシンスなど、眺めているだけで幸せな気分にひたれそうな、きれいな花がたくさんありますね。この際だから野菜に挑戦、というのもありかなと思い、この記事を書きながら「さくさくチューリップ」とヤマユリ、小松菜を注文してみました。家のベランダをのぞいたら、水やりをサボっていたのでプランターの土はすっかり乾燥状態。腐葉土も買ってみます。次の週末、まずは土を替えてみることから始めてみようかな。
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