歯磨きの回数は1日何回?タイミングや虫歯を防ぐポイントと併せて解説
目次
歯磨きの回数だけでなく、正しい磨き方やポイントをおさえましょう
虫歯や歯周病予防には毎日の歯磨きは欠かせません。ところが、仕事などで忙しいとなかなか毎食後に磨けない、1日3回磨くのは無理と考えている人も多いでしょう。実は、歯磨きは回数を重ねるよりも正しい磨き方、量より質を重視すべきなのです。
ここでは、正しい歯磨きの回数やタイミングとともに、虫歯を防ぐために覚えておくべきポイントを紹介しています。
歯磨きの回数は1日2回以上が推奨だが磨き方が大切
厚生労働省では虫歯と歯周病予防の方法のひとつに、ホームケアとして家庭での毎日の歯磨きを挙げています。さらに、同じく厚生労働省が推奨する歯磨きの回数は1日2回以上です。けれども、ただ歯磨きの回数を多くしているだけでは、虫歯と歯周病予防にはつながりません。
実際に筆者は、1日3回、朝昼晩の毎食後に欠かさず歯磨きを続けていたにも関わらず、虫歯になってしまった経験があります。そのとき、受診した歯医者さんに回数ではなく正しい磨き方を身に着けるのが大切、つまり「虫歯や歯周病予防のために、歯磨きは回数ではなく磨き方が大切」ということを教えられました。
実際に虫歯になったのは奥歯で、磨き方が間違っていたため歯ブラシの先が届いておらず磨き残しが発生し、それから虫歯になってしまったのです。
間違った磨き方で1日3回以上磨くよりも、正しい磨き方でしっかり磨けば1日2回でも問題ないともいわれています。なお、正しい磨き方でも回数を多くすればそれだけ虫歯や歯周病を防げるのではなく、逆に磨きすぎによって歯や歯茎を傷つけたり、知覚過敏(冷たい物や温かい物で歯がしみる症状)の原因になったりしてしまうため、多く磨けば磨くほど良い、というわけでもありません。
仕事や家事、育児などで忙しく、1日3回きっちり歯を磨くのが難しい人でも、正しい磨き方とポイントを押さえれば回数は少なくても虫歯や歯周病予防につなげることができます。
歯磨きの回数以外で虫歯や歯周病を防ぐための5つのポイント
歯磨きの回数が1日3回を満たせなくても、正しい磨き方を身に着けておけば虫歯や歯周病予防につながると分かりました。
次に、回数以外で覚えておくべき正しい歯磨きのポイントを5つ解説していきます。
自分に合った歯ブラシを選ぶ
歯ブラシは幅広いメーカーからさまざまな製品が発売されています。虫歯になった当時の筆者は歯ブラシにこだわりはなく、ドラッグストアなどでその時安いものをまとめ買いして使っていました。実はこれが大きな間違いで、使う人に合った歯ブラシを選ぶことが正しい歯磨きにつながるのです。
自分に合った正しい歯ブラシを選ぶポイントは、歯ブラシのブラシの大きさ、毛質、かたさの3つ。
歯ブラシの大きさは使う人の歯の大きさに比例して選びましょう。理想は一番奥の歯までしっかり届くもの。歯の小さな子供や女性は小回りの利く小さ目のヘッドの物を選ぶと、汚れを落としやすくなります。
毛質は大きく分けてナイロン製か動物毛があります。ナイロン製は安くて立てかけておくとすぐに乾くのがメリットです。その分だけ雑菌の繁殖も防げますが、ブラシが広がりやすいため定期的な交換が必要です。
動物毛は毛が広がりにくく長持ちしますが、乾きづらく慣れるまで磨きづらいといったデメリットもあります。
どちらか使いやすいほうで毛を選びましょう。
ブラシのかたさは特にこだわりがない場合は「ふつう」のかたさがおすすめです。逆に口内炎や歯周炎などで歯が痛いときや出血しやすいとき、子供用などは、歯や歯茎を傷つけないように「やわらかめ」を選びましょう。
歯科医院用に製造している歯ブラシも多くあります。まとめ買いをすればお得になったり、家族分も購入できたりもするので活用しましょう。
歯を磨く正しいタイミングを覚えておく
「歯磨きは食後すぐに磨かない方がよい」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、これは一部は正解で一部は間違いです。
歯医者さんに聞いたところ、食後にすぐ歯磨きをすれば、それだけ食べかすが取れやすいので効果的な歯磨きにつながるとのこと。逆に食後から時間がたてばたつほど食べかすが付着して取れにくくなってしまうため、食後30分以内に磨くようにすると効果的です。
なお、食後すぐ磨かないほうがいいのはすでに「酸蝕症」を発症している人の場合です。酸蝕症の場合、食後すぐの歯磨きで歯のエナメル質が溶けてしまうため歯医者さんの指導のもとで正しいタイミングを教えてもらいましょう。
また、就寝中は特に口の中に雑菌が繁殖しやすい状態になるため、就寝前に磨くのも虫歯予防に最適なタイミングです。
正しい磨き方を身に着ける
自分に合った歯ブラシを使い、正しいタイミングで歯磨きをしていても、磨き方が間違っていると当然食べかすを除去できず、虫歯や歯周病の原因となります。正しい歯磨きの方法も身に着けておきましょう。
歯ブラシの正しい持ち方はえんぴつやペンと同じ持ち方。握って持つのはNGです。ペン持ちにすることで、手を動かして細かいところまで磨けるようになります。また、広範囲を一気に磨くのではなく、歯の一本一本を丁寧に磨くことを意識するのが効果的です。
力を入れてこするのではなく、細かく丁寧に磨けば歯や歯茎も傷つきません。
歯だけでなく歯と歯の間、歯と歯茎の間も磨きましょう。筆者は、歯全体だけでなく歯と歯茎の間の箇所も歯ブラシをあてて、マッサージするように小刻みに動かすと、歯と歯の間や、歯と歯茎の隙間に入った歯垢も落とせると歯科衛生士さんに指導を受けました。
正しい磨き方が分からないときには、一度歯医者さんに足を運んで正しい磨き方や歯ブラシの選び方を教わるのも有効です。
歯磨き以外にも虫歯や歯周病を予防できるものを取り入れる
正しく丁寧に歯磨きをしても、どうしても落とせない歯と歯の間の食べかすが発生することもあります。それを効果的に落とすのが歯間ブラシやデンタルフロスです。歯間ブラシは歯のすきまに入れて食べかすや歯垢をかき出せる構造になっています。デンタルフロスは糸状のフロスを好きな長さに切り、指にからめて歯と歯の間の隙間をきれいにするグッズです。
一日一回歯磨きとともに歯間ブラシやデンタルフロスでのケアを取り入れると、より虫歯や歯周病予防に効果的になります。
虫歯や歯周病予防のほか口臭が気になるときや、時間がなくて歯磨きを丁寧にできないときなどに取り入れたいのがマウスウォッシュです。クールなミントのものや刺激の強いものなど、リフレッシュできる特徴を持った製品もあります。逆に口の中が荒れやすい人や刺激に弱い人は、低刺激タイプやアルコールフリーのものを選びましょう。
筆者はどちらかというと刺激が強く、リフレッシュできるマウスウォッシュが好みのため「リステリントータルケア」を使っています。虫歯や歯周病、口臭などトータルケアができるオールインワン型のマウスウォッシュのため、朝と就寝前2回の使用です。
「リステリントータルケアノンアルコール」も使用しましたが、こちらは全く口への刺激がありませんでした。刺激が苦手な人はこちらがおすすめです。
どうしても歯磨きをする時間がないときには、水やお茶を口に含んで口の中の食べかすを流す、キシリトールのガムをかむ、歯磨きシートを使うのも有効です。
仕事の合間や外出先でも使えるように、キシリトールのガムや歯磨きシートを携帯しておくのも良いでしょう。
定期的に歯科を受診する
具体的な歯の痛みや違和感がなくても、定期的に歯科を受診して歯の状態をチェックしておくのがおすすめです。体の健康診断を受けるのと同じように、かかりつけの歯医者さんを見つけておきましょう。
歯医者さんの中でも予防歯科に力を入れているところなら、数か月ごとや半年ごとなどのスパンで定期検診を設けているところが多くなっています。あらかじめ受診しておけば、定期健診が近づくとはがきやメールを送ってお知らせしてくれるサービスを設けているところも多くなりました。仕事が忙しいなどつい歯の健康状態のチェックを忘れてしまいがちな人でも通いやすいでしょう。
また、自宅ではケアしにくい歯垢除去のクリーニングも受けられるのも歯科ならではです。自分ではしっかりと歯磨きをしているつもりでも、歯の裏側や内側などにたまりやすい歯垢はあります。
筆者も定期的に歯のクリーニングを受けています。歯垢がついたままの歯は虫歯や歯周病の原因になるだけでなく、歯茎の腫れや炎症の原因にもなると教えてもらいました。
歯のクリーニングとともに、歯や歯茎の状態もチェックしてもらえるため、歯周病の発生も防げます。なにより、歯のクリーニングをしてもらうととても口の中がすっきりします。
子供がいる人なら、小児歯科が併設しているところで親子一緒に通う方法も有効でしょう。筆者も一般歯科と小児歯科が併設している歯医者さんに親子で通って定期健診を受けています。親子で定期健診がいっぺんに済み、子供の虫歯予防に効果的なフッ素の添付も毎回受けられるためとても便利です。
小児歯科は、歯医者を嫌がる子供でも通いやすい、受けやすい工夫が施されているところを選ぶと子供も安心して通えます。キッズスペースが併設されている、子どもの絵本やおもちゃが充実している、虫歯なしだとシールやガチャガチャなどのごほうびがもらえる、などの工夫を取り入れている小児歯科も多くあります。
歯磨きの回数以外にも重要なポイントをおさえよう
虫歯や歯周病を予防するには、歯磨きの回数を多くするよりも正しい磨き方を身に着けることが大切だと分かりました。正しい磨き方に加えて自分に合った歯ブラシ選びや、より虫歯予防に効果的なグッズも取り入れれば、日ごろから効果的なセルフケアにつながるでしょう。
正しい磨き方が分からない人は、一度歯医者さんに相談してみましょう。正しい磨き方を身に着けるとともに、歯の状態をつねに見てもらえる、継続的に通える歯医者さんを見つければ、継続的な虫歯や歯周病予防につながります。
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