日本酒風呂のメリットとは?基本的なやり方と期待できる効果を紹介

nagiy
公開: 2019-07-19
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日本酒とお風呂と聞けば、露天風呂に浸かりながら日本酒をいただく絵を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?一度はやってみたいと憧れるシチュエーションですが、実は日本酒はそのものを入浴剤代わりに使うことも可能なんです。

もったいないと感じてしまいそうですが、たまたま好みに合わない日本酒を購入してしまった。または戴き物が多くておいしいうちに飲む自信がない、こんな時にはお風呂での利用は非常に便利ですよね。

今回は日本酒風呂の作り方、そして日本酒風呂に入ることで期待できる効果とはどんなものがあるのか?といった点についてスポットを当てていきます。番外編として日本酒以外のお酒を用いたお風呂についても紹介していきますね。


日本酒風呂でお肌つるつる?期待できる効果とは

樽風呂

まずは気になる日本酒風呂によって期待できる効果について見ていきましょう。そもそも特に効果がなければ、本当にもったいないだけになってしまいますよね。

一度やってみようかな…なんて思いたくなってしまう日本酒風呂の効果とは?ここから少し詳しく見ていきましょう。

日本酒に含まれるアミノ酸で保湿効果

日本酒風呂で一番に挙げられる魅力といえば、女性にとってはうれしい保湿効果。日本酒はシンプルな材料からできているお酒ですが、厳選された材料やその作成工程によって非常にアミノ酸が豊富なお酒です。

アミノ酸はたんぱく質の一種であり、他の保湿因子の約半分程度がアミノ酸を主としているのだとか。ざっくり言ってしまえばアミノ酸を豊富に摂取することで、保湿因子そのものを必要量十分に肌に届けることができるともいえます。

どれだけ外側から保湿のためにクリーム等を塗ったとしても、肌自身に保湿のための準備がなければその場しのぎにしかならないともいえるでしょうか。日本酒風呂はそんなアミノ酸不足の肌にとって、ダイレクトにアミノ酸を摂取させることができる優秀な方法だといえるでしょう。

ちなみに日本酒風呂の保湿効果においては、日本酒造りの際に使われる優良酵母を抽出した機関(独立行政法人酒類総合研究所)でも支持されています。

酒粕抽出液を風呂に入れて入浴させて皮膚の保湿及び角質除去効果を確認し、酒粕の「入浴剤」としての利用を特許で提案した。酒粕のエタノール抽出物を風呂に入れて入浴させて皮膚の保湿効果を確認、またトロしなーぜ阻害活性が確認され、美白効果が期待された。

<出典>清酒及び醸造副産物の機能性

上記研究所が言うように、美白効果も期待できるとなれば、女性にとっては非常に興味がわいてくるのではないでしょうか。

体の芯から温まるからダイエット効果も?

嬉しい保湿効果以外にも日本酒風呂にはたくさんのメリットがあります。その一つが体の芯から温まれる温浴効果、そして同じような効果として発汗作用による代謝アップの効果も。

日本酒に限らずアルコールにはアデノシンという物質が含まれますが、この成分は血管を拡張させ溜まった血液を押し流してくれる効果が期待できます。温まった血液がきちんと全身を巡れば、その分だけやはり体を温めることにも繋がりますよね。

そしてしっかりと体の芯から温まることができれば、発汗作用も期待できることに。女性に限らず冷えは体にとってさまざまな不具合を引き起こす恐れがあるもの。しっかりと温まって体の中から悪いものを押し出してしまいましょう。

日本酒風呂 基本のやり方

おちょこに入った日本酒

さまざまな効果が期待できる日本酒風呂。今日にもやってみようと考えるのなら、次に気になるのは日本酒風呂のやり方ですよね。非常に簡単にできる日本酒風呂ですが、どうせならより効果的な方法を知っておきたいものでしょう。

ここからは日本酒風呂の基本的なやり方、作り方について紹介していきます。

お風呂に日本酒を入れるだけ

さあ、日本酒風呂とはどうやって入るものなのか?と意気込んだ方には大変申し訳ないのですが、日本酒風呂の作り方はいたって簡単。

日本酒風呂の作り方は、手持ちの飲まない日本酒をただ湯船に入れるだけ。

たったこれだけの手軽さなんです。まさしく入浴剤をお風呂に入れるのと同じような感覚ですよね。思い立ったその日にでも、日本酒が手元にあればいつでもできるのでぜひチャレンジしてみましょう。

入れる量、おすすめの日本酒

いくらなんでも簡単すぎる説明だろう、と怒られてしまいそうなのでもう少し詳しく突っ込んでいきましょう。実際のところ日本酒を入れるだけといっても、入れるべき日本酒や温度に関してはいくらかおすすめがあります。

最初に入れる日本酒、基本的に何でもいいことに変わりはありませんが、肌への効果を期待するのなら醸造酒ではなく純米酒がおすすめ。上記でも触れましたが、日本酒風呂で期待できる保湿効果はアミノ酸によるものです。

醸造酒よりも純米酒の方がアミノ酸量が多いので、期待している効果によって使い分けてみるのもおすすめですよ。保湿効果よりも香りに包まれたい、なんて方は醸造酒の方がおすすめですね。

またお風呂の温度をあまり高くしないこともポイントです。熱すぎるお湯に日本酒を入れてしまうと、あっという間に蒸散してしまうので、ゆっくりと楽しむべきバスタイムがつまらなくなってしまいます。

おすすめのお湯の温度は38度前後。入れる日本酒の量はガラスコップ1杯から3杯程度となっているので、最初は1杯から始めてみてはいかがでしょうか。

より効果を高める方法を試そう

岩塩

日本酒の香りに包まれてのお風呂。日本酒好きな方からしてみれば、ちょっと考えただけでも魅力的だといえますよね。ただ、日本酒風呂の効果の方が気になる、なんて方は日本酒にちょい足しをしてより効果を高めてみてはいかがでしょうか。

自宅にあるものをちょい足し。そしてより香り高いお風呂の実現方法を紹介していきます。

ぽかぽか効果がアップ!酒塩風呂

コップ1杯の日本酒のほかに、粗塩一つかみ分程度を湯船に入れてみましょう。日本酒風呂よりもっとぽかぽかと体の芯から温まることができますよ。

塩自体にも発汗作用があるとされているので、ぬるめの酒塩風呂にゆっくりつかることで、驚くほど汗をかくことができます。お肌のためになることやデトックスはもちろん、汗をかくことはストレス緩和にもつながります。

脱水症状にならないように、水分を細かく取る事だけ気を付けてくださいね。

香り高い柚子をプラス

日本酒の味わいは好きなんだけれど、熱燗の匂いが苦手なんて方もおられますよね。同じく日本酒風呂は気になるけれど、匂いに酔ってしまいそうだと思うならおすすめは柚子をプラスする方法。


香り高い柚子を一緒に入れることで香りを気にすることなく日本酒風呂を楽しめますよ。また、柚子風呂自体にも日本酒風呂と同じような保湿、保温、発汗作用が見込めます。よりぽかぽかとしたお風呂を楽しむためにもおすすめだといえますね。

ただ柚子をお風呂に入れる際、肌が弱い方だとピリピリとした刺激を感じることがあります。これは柚子に含まれるリモネンによるもの。直に肌に柚子を当てることが無いよう、ガーゼに皮だけ入れてみる方法がおすすめです。

お酒に弱いと酔う?日本酒風呂の注意点

手軽にできる日本酒風呂ですが、どんなものであっても良い面しかないということはありませんよね。実は日本酒風呂を行う際にも注意点がいくつかあります。

快適、安全に日本酒風呂を利用するためにも、注意点に関してもきちんと把握しておきましょう。

お湯が汚れやすいので使い回しは不可

厳選された材料で作られている日本酒ですが、発酵や熟成を経たものである以上様々な天然成分が含まれています。1回2回程度ですぐにどうかなる、なんてことはありませんが風呂釜のメンテナンスには気を配った方がいいでしょう。

また日本酒に含まれている成分によって、体の老廃物もいつもよりも多く排出されている恐れもあります。残ったお湯での洗濯や追い焚きはNGと覚えておいてくださいね。

子供、妊婦さんの日本酒風呂はおすすめできない

日本酒というお酒を使ったお風呂をする場合、効果の他にも気になる点として寄ってしまわないか?なんて危惧もありますよね。

実際お酒に弱い方、特に日本酒が苦手な方などからすれば、日本酒風呂の香だけでも少し酔っぱらってしまう危険性が挙げられます。酔うほど入れなければ大丈夫、なんてことも考えがちですが、血行が良くなる日本酒風呂はのぼせやすくなってしまうことも考えられます。

したがって、そもそもお酒に弱い方、また妊婦さんやお子さんの日本酒風呂は避けておいた方が無難だといえるでしょう。

日本酒風呂以外の酒風呂を楽しむ

ここまで日本酒風呂に関して効果や注意点、ちょい足しの楽しみ方などを見てきました。しかしお酒をお風呂に入れる、といった考え方は何も日本酒ばかりではありませんよね。

ここからは少し見方を変えて、日本酒以外の酒風呂に関してみていきましょう。

酒粕をガーゼでくるんで酒粕風呂

厳密に言えばこれも日本酒風呂じゃない?なんて言われてしまいそうですが、日本酒そのものを入れるのではなく酒粕を利用した酒粕風呂もおすすめになります。

酒粕は古くから美容のために使われてきたものであり、江戸時代には舞子さんが肌を磨くために酒粕を利用していた。なんて話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?その美容効果に関しては広く知られており、酒粕風呂のための専用商品などもあるほどです。

なので酒粕風呂を簡単に行いたい方は商品を購入することもおすすめ。

本来のやり方は酒粕をもみほぐして柔らかくし、ガーゼやストッキングなどに酒粕を入れてお風呂で揉み出すだけ。白濁したお湯になるので、日本酒風呂より入浴剤を使っている気持ちになれますよ。

リッチな気分も楽しめるワイン風呂

日本酒風呂も十分に贅沢なお風呂ですが、より見た目的にもリッチな気分になれるのはワイン風呂ではないでしょうか?香り高いワインを入浴剤代わりにする、と考えれば特別な日に行ってみたくなりますよね。

ワイン風呂の作り方、注意点に関しては日本酒風呂と同じです。湯船にお好み量のワインを入れ、追い焚きやお湯の使い回しはNG。

ただ違う点として赤ワインと白ワインでは期待できる効果が少し違うところ。赤ワインより白ワインの方が肌に潤いを与える効果が高いといわれているので、敏感肌さんや乾燥肌さんは赤ワインより白ワインがおすすめです。

髪がキレイになる?ビール風呂

日本酒、ワインはお風呂にしなくても、何となく肌や健康に良さそうなイメージがありますよね。ただ普段飲みの中で一番メジャーなお酒といえばやはりビール。

このビールも実はお風呂に入れて楽しむことができるんですよ!ちょっと意外に感じられるかもしれませんが、ビールの本場ドイツでは古くからビールで髪を洗うことが当たり前にあったのだとか。ビールで洗髪をすることによってしなやかで輝きのある髪を実現できます。

昨今では髪だけではなく肌にもいい影響があるとして、ビール風呂もメジャーになっているそうですよ。

ビール風呂の作り方はぬるめのお湯に対して、ビールを3L入れるだけ。日本酒風呂やワイン風呂に比べて量が多い点がネックですが、一度は挑戦してみたくなる酒風呂ではないでしょうか。ちなみにビール風呂をする際の注意点も、上記日本酒風呂やワイン風呂と一緒です。

まとめ

今回は美味しい日本酒を飲むのではなく、浸かるといった方向である日本酒風呂について紹介してきました。

さまざまな効果が期待できる日本酒風呂は、実際多くの杜氏の方に出会ってきた私からすれば納得できる面も多くあります。よくこういった記事を読むと、お酒造りに携わっている杜氏の手はきれいだという言葉を見かけますよね。

これ本当にびっくりするくらい皆さんきれいなんです。私の手と見比べてみた際に、ちょっとしょんぼりすることもあったほど。お手入れ頑張らなくては…とおいしい日本酒をいただきながら日本酒風呂に入るなんて日々もありました…。

ただ、せっかくの日本酒をお風呂に入れちゃうの?なんて思ってしまわないように、飲み切れない時や好み以外の日本酒を購入した際がチャンスです。肌はもちろん、体の芯からぽかぽかになれるので、寒い季節に一度試してみてくださいね。


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