星野道夫のおすすめ著書10選! 心を揺さぶられる珠玉の著書
星野道夫(1952~1996年)の著書は、見る人の心を揺さぶり、多くの人を魅了し続けています。
アラスカの大自然と、そこに生きる生き物を写真におさめています。もちろんそこに生活する人も同じ生態系の中に組み込まれていて、自然の大切さや、自然と人との関わりがどういうものなのかをあらためて確認させてくれます。
星野道夫の写真やエッセイは、亡くなったとしても色褪せることなく読む人の心をとらえています。本を選ぶ際は自分が何を求めているかによって決めると良いでしょう。
星野道夫の著書の選び方のポイント
星野道夫の著書には、写真をメインとした写真集や写真文集と、エッセイ集との2種類があります。アラスカの大自然や動物たちの生態を中心とした写真を見られる写真集、星野道夫の名言を集めたエッセイ集のどちらが好みかによって選ぶと良いでしょう。
何を求めるかによって、選ぶポイントは変わります。また、なかには星野道夫そのものを理解したい人もいるでしょう。それぞれの目的別の選び方を紹介します。
写真集を選ぶ
星野道夫の写真集には、アラスカの生きとし生ける動植物の生態がそのままに納められています。グリズリーやカリブー、ムース、アザラシなどの動物を身近に感じられる作品になっています。まるで目の前にいるかのような錯覚を覚えるほど、写真の中に納められた動物は生命力を感じさせてくれます。
写真にも北極圏に住む動物たちの生きる様そのものが写されていますし、写真集によっては春夏秋冬で見せる動物たちの生態系や生まれてから死へそれから誕生へというサイクルも捉えられています。
子供の成長のために、写真絵本を使って、動物の本質を教えてあげることもできます。子供の教育用として選ぶには、エッセイだけでなく写真が載っているものがおすすめです。
エッセイを選ぶ
アラスカには地球が生み出したそのままの自然が残っていて、人間も同様です。
先住民たちは狩猟を主として生活をしていて、日々の暮らしから人生というものを強く感じることができます。都会で暮らしていると生きているということが希薄に感じられます。
人の生死の感覚を知り、自分の人生はとても短いのだと感じてもらいたいという星野道夫のことばが、現在を生きる人に刺さるでしょう。生きる目的や価値を見出せない人、若者や都市生活に疲れた大人はエッセイ集を見てみるのがおすすめです。
星野道夫に注目した選び方
星野道夫は講演でアラスカでの生活や実体験を話すこともありました。星野道夫がエッセイなどに残した言葉は、名言として今も語り継がれています。子供のころに見たり感じたりした風景が、大人になっても残り続けることがあるのでしょう。
人の言葉じゃなくいつか見た風景に励まされることもあるんだという、人生感や生き方の指針にもなるものを読みたいならば、星野道夫の言葉を集めたエッセイ集がおすすめです。エッセイ集に書かれている、星野道夫自身の実体験からくる言葉の数々は、見る人へ力を与えてくれます。
旅をすることそれ自体を知りたい、星野道夫と一緒に旅をする感覚を味わいたいときには、写真が挿入されたエッセイ集などがおすすめです。星野道夫がたどった軌跡なども良く分かります。星野道夫の妻である直子による星野道夫の別の顔を記されたものもあります。
星野道夫の全てを理解するには様々なエッセイ集や写真集を読むのがおすすめです。
星野道夫の著書おすすめ5選
星野道夫のエッセイ集には名言も多く、言葉のひとつひとつが心に沁み込んできます。自分の人生を見つけ直すときや心が疲れた時に読むことがおすすめです。中でも人気の高い著書を選んで5つ紹介します。
バックパッカーの愛読書!「文春文庫 旅をする木」
雄大な大地と海に囲まれ、自然豊かなアラスカ。その美しさに魅了された星野道夫が、厳しい中で生きている人々や動物たちの生活を綴ったエッセイが「文春文庫 旅をする木」です。出会ったアラスカ先住民の人々や、開拓時代にやってきた白人との生死を掛けた戦いの中で生き抜く様を優しい言葉でありつつも、味わい深く描かれています。今なお世界中で旅をするバックパッカーたちの愛読書になっています。
この本から派生した「旅をする本」というプロジェクトが旅人の間で語り継がれ、手渡され、時にお守りになり励ましになって普通の本では到底旅することができないほどの遠方にまで運ばれていきました。
星野道夫さんと一緒に旅をしていると錯覚しているかのようであるとも言われています。旅が好きな人や興味がある人はこのプロジェクトから本を追いかけるのもおすすめです。
77篇のエッセイが綴られた著書「文春文庫 長い旅の途上」
1996年、カムチャツカで熊に襲われて世を去った星野道夫が残した、最後のメッセージが「きっと、人はいつも、それぞれの光を捜し求める長い旅の途上なのだ。」であり、この著書「文春文庫 長い旅の途上」のタイトルにもなっています。
76篇のエッセイが綴られています。極寒の地で星野道夫が人々の暮らしや動物たち、息づいている植物などを実際に見聞きして感じたことを言葉優しく綴っています。人生の豊かさ、人間の幸福など読む人に今一度問いかけてくれています。
日本での講演で語った名言を集めた本「文春文庫 魔法のことば」
星野道夫が日本で行った講演で語った言葉を集めたものが「文春文庫 魔法のことば」です。現代に生きる若者や、都市部で生活する人々へ語りかけた星野道夫の体験と哲学が書かれています。
10代のころから憧れたアラスカに行きたいとシシュマレフ村に手紙を書き返事が来た日の喜びや、オーロラの美しさ、カリブーの大移動を見た感動、厳しい自然と生きる人々の叡智などの体験談が収録されています。生きるための指針や本質を知りたい人におすすめです。
遺作と呼ばれる著書「新潮文庫 ノーザンライツ」
アラスカの自然を愛し、悠然と流れるアラスカの時間を愛し続けた星野道夫の遺作といえる著書が「新潮文庫 ノーザンライツ」です。ノーザンライツとは、オーロラのことであり、アラスカで見ることができる北極光のことです。カラー写真が多く掲載されています。
この本にはアラスカの魅力に引き寄せられた星野道夫が、自然の動植物と共に共存する人々のことを描いています。優しい言葉の中に、パワフルに圧倒されるものがあります。
息子と暮らす妻が描く星野道夫「新潮社 星野道夫と見た風景」
星野直子夫人が二人の出会いから不慮の事故までの約5年半を振り返った本が「とんぼの本 星野道夫と見た風景」です。夫人から見た夫・星野道夫をまた別の角度で見ることができる唯一の本です。
夫と撮影に同行して一緒に見てきた自然や動物たちや、その体験の数々を伝えています。夫として父としての、素顔の星野道夫を、様々な写真とともに語られています。5年という短くも深い夫婦愛や温かい生活が感じられる一冊です。
星野道夫の写真集おすすめ5選
星野道夫が撮る写真は、人の気配がない自然と動物だけの世界を切り取ったものが数多くあります。その写真は見る人の心を惹きつけ圧倒します。動物の一瞬の行動や表情豊かで感情的に見える動物は可愛らしいだけではなく、生きるための力に満ち溢れています。大人だけではなく子供にもおすすめです。
小学生の教科書にも掲載された「福音館書店 森へ」
小学6年生の教科書にも掲載されている、アラスカの森を題材とした写真絵本が「福音館書店 森へ」です。気が遠くなるような時間をかけて育ってきたアラスカの原生林の中を、1人で歩いてきた星野道夫が撮り続けた写真から、森の中で育まれている生命そのものを伝えています。
写真には迫力があり、まるで森の中にいるかのようであり、森へいざなわれる感覚に襲われます。自然の中に生きるものを身近に見られ、自分で行くことは難しいものの、自然と触れあえるチャンスにもなります。小学中学年からおすすめの写真絵本です。
木村伊兵衛賞を受賞した写真集「朝日新聞出版 アラスカ―極北・生命の地図」
アラスカの過酷な自然に生きる動物たちを撮った写真集が「アラスカ―極北・生命の地図」です。1989年、第15回木村伊兵衛賞を受賞した写真集でもあります。
アラスカのツンドラやフィヨルドといった風景や、自然の中で懸命に生きる野生のグリズリー、カリブー、ムースらのダイナミックな写真が掲載されています。生きることに疲れたり、生きる目標や意味を見失いかけたりした人々に、生きる力を与えてくれます。自然の大切さや生きる意味を教えてくれる、そんな写真集です。
生前最後の写真集!「新潮社 アークティック・オデッセイ―遥かなる極北の記憶 ―」
北極圏に生きる野生の動物たちを撮った写真集が「アークティック・オデッセイ―遥かなる極北の記憶― 」です。アラスカの森に分け入って氷原を旅する日々、ホッキョクグマ、タテゴトアザラシ、ザトウクジラなど生命溢れる自然の生き物を撮った12か月間の記録です。
春夏秋冬という季節の移り変わり、生から死、そして誕生といった人知を超えた自然のサイクルを、そのままに感じられる写真集になっています。
未発表の写真がたくさん掲載「星の物語 Alaskan Dream 1」
全230点にも及ぶ大量の写真を掲載した写真集「星の物語 Alaskan Dream 1」は、主に未発表の写真を高精度な印刷で作られています。星野道夫の世界の決定版とも呼べるシリーズの第1弾です。
タテゴトアザラシの可愛らしさや、ホッキョクグマの雄大でありながらも子供を見つめる姿などの野生動物だけではなく、幻想的なオーロラの光が納められています。
星野道夫のアラスカ13年間の集大成「小学館文庫 Alaska 風のような物語」
アラスカの自然とそこに生活する人間とを描く写真文集が「小学館文庫 Alaska 風のような物語」です。星野道夫が撮った写真は、見ている人をその世界に引き込みます。読者の目の前に存在しているかのように、生き生きとした姿が納められています。
この写真集は鮭を加えて悠然とこっちを見ている熊や、子供に語り掛けるようなカリブーたち、カメラを咥えて立ち去るオオカミなど動物の生き様が撮られています。また、アラスカの生体系の一端として生きている先住民の人々へのまなざしや、彼らと心を通わせて親密になった星野道夫の心の広さが感じられます。
星野道夫の著書から学ぶ
アラスカの自然とその生態系の一端を担っているアラスカ原住民たちとの心を通わせた星野道夫の写真やエッセイは、人々の心をつかんで離しません。旅行者やバックパッカーの愛読書になっていたり、人々の生きるための糧になっていたりします。故人となった今でも学ぶべきことは多く、自然の大切さがよく分かります。大人だけではなく、子供にも読んでもらいたい、そんな著書になっています。
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