NASのバックアップを活用しよう!その仕組みや使い方とは?

中間睦月
公開: 2019-01-29

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次世代のバックアップシステムとして注目され始めている「NAS」。
IT企業に勤めている方であればどのようなものかイメージできますが、IT分野に詳しくない方にとっては難しく聞こえる言葉です。確かに今までNASは会社で使われることが多かった装置ですが、近年では家庭でもNASが使われるようになっています。
この記事では、NASとはどのようなバックアップシステムで、どのようなメリットがあるのか紹介していきます。


NASとは?

NASとは「Network Attached Storage」の略になり、文字通り「ネットワーク」に接続したストレージ(保管庫)です。
通常のハードディスク(外付けHDD)などの外部ストレージはUSBで接続しますが、NASはLANケーブルで接続し、会社や家庭で構築しているネットワークのデータを保存することが可能です。

例えば、家庭内にNASを設置し、ネットワーク環境内にプリンターがあればNASに保存している画像をプリンターで印刷することができます。このようにNASを使うことで通常の外部ストレージよりも便利に利用できます。

そもそもストレージって?

NASとはストレージのことであるため、まずはストレージがどのようなものか理解すると良いでしょう。
ストレージとは「保存する場所」のことであり、パソコンにもスマートフォンにも備わっています。例えば、スマートフォンで撮影した写真はスマートフォン本体に保存されますが、その保存先はスマートフォンの「ストレージ」です。

このストレージに写真や音楽ファイルなどを保存していくと、やがて容量が一杯になり、新しいデータを保存できなくなります。
また、ストレージが一杯になり空き容量が少なくなると、スマートフォンやパソコンの動作は遅くなってしまいます。

ほかにも、スマートフォンやパソコンが壊れてしまえば、データも一緒に消えてしまうでしょう。
このように本体ストレージの負担を減らしたり、別の場所に保存(バックアップ)したりするときにバックアップシステムであるNASが活躍します。

NASの特徴と仕組み

NASは先程の説明のように、ネットワークに接続してデータを保存するストレージですが、それ以外にも特徴が2点あります。
まず1つ目は大半のNASは大容量であり、家庭内に設置することでパソコンやスマートフォンのストレージを圧迫することがありません。
先程のように、ネットワーク環境内にデータを保存することで、LANケーブルを使う機器と接続しデータを共有できます。そのため、会社で使われるNASは会社全体のデータを保管する「ファイルサーバ」として使われることが多いです。

2つ目はバックアップに向いている点です。NASは通常の外付けHDDとは異なる仕組みをしています。HDDやパソコン・スマートフォンなどのストレージも壊れてしまう可能性があるため、重要なデータは安全な場所にバックアップを取ることが大切です。
そこで、NASは大容量でデータを保存しやすく「RAID(レイド)」という仕組みであるため、バックアップに非常に向いています。では、「RAID」とはどのようなものなのでしょうか。RAIDを理解することで難しく感じていたNASのハードルも下がります。

NASで組むことができるRAIDとは?

RAIDとは「Redundant Arrays of Inexpensive Disks」の略です。この言葉の意味は直訳すると「安価なドライブを組み合わせることで冗長性を持たせる仕組み」となります。簡単に表現すると、複数のHDDを1つにまとめ、それぞれのHDDにデータを保存することによって、いずれかのHDDが壊れてしまっても、他のHDDに保存したデータが生き残り、バックアップ効率を高める仕組みです。

元々は低スペックなHDDを有効に使うために考案されたバックアップの方法ですが、今では重要なデータを安全にバックアップする方法として重要視されています。このRAIDの優れているところは、複数のHDDが存在しているのにも関わらず1つのストレージとして認識するため、一般的なHDDと同じように利用できることです。

RAIDにはどのような種類がある?

RAIDにはHDDの構成と保存・バックアップ方法によって種類が異なります。RAIDの基本種類に「RAID0」から「RAID5」です。
その中でも主に使われることが多いものは「RAID1」と「RAID5」です。RAIDの種類に以下のようなものがあります。

RAID0

1つのファイルを複数のHDDに分散して保存します。ファイルを分散するためデータ量が小さくなり、アクセススピードが上がります。

RAID1

この種類は「ミラーリング」といわれる方法でデータを保存します。このミラーリングは2台のHDDに同じデータを保存する方法です。データを保存するときに完全なデータのバックアップが作られるため、安全性を求めてバックアップを取りたい方におすすめです。RAID0と違いファイルは分散されないため、容量が大きくなりやすく速度は下がりますが、データが壊れる不安は少ないです。

RAID5

RAID0とRAID1の両方の仕組みを併せもつ仕組みの構成です。3台以上のHDDで構成されており、RAID0のようにファイルを分散させ高速でバックアップを取りつつ、RAID1のようにミラーリングも同時に行います。

その他のRAID

一般的なNASの構成はRAID0かRAID1になりますが、高価格帯のNASはRAID5を使っていることが多くなります。
また、RAIDの種類にはいくつかあり、企業が独自で開発している種類には「RAID10」などもあります。

NASの活用方法やメリットとは?

ここまで説明したように、NASは「ネットワーク環境でデータを共有できる、大容量のバックアップストレージ」です。NASはあくまでもバックアップに有効な便利なストレージでしかないため、工夫次第によって活用方法は非常に広がります。
基本的な活用方法は以下のようなものです。

ファイルのバックアップ

NASの主な活用方法は会社用も家庭用であってもファイルのバックアップです。一般的なHDDは壊れる可能性が高いため、重要なファイルを保存することは重要です。NASはRAID構成であるため、バックアップデータが壊れる可能性も低いでしょう。

バックアップファイルの共有

通常のバックアップである外付けHDDではUSBで接続するため、ケーブルの長さが重要になったり、設備によってはケーブルが複数必要になったりします。そこでNASを使えばLANケーブルを使って既に構築してあるネットワークと接続できるため、NASに保存しているバックアップファイルを簡単に共有することが可能です。

スマートフォンのデータなどのバックアップ

NASはパソコンのデータだけでなく、スマートフォンのデータも安全に保存することができます。例えば、スマートフォンで写真を撮影することが多かったり、解像度が高い写真や動画を利用することが多い方であればNASを有効活用できま

パソコンのOS環境をそのままバックアップ

NASに保存できるのはデータだけではありません。パソコンのOS環境をそのままバックアップすることもできるため、パソコンに不具合が発生した場合も復旧することが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はバックアップに使えるNASについて紹介してきました。
「NAS」と聞くと知らない方からすると難しいイメージがありますが、内容を理解すれば非常にシンプルです。NASの中でも難しい「RAID」構成に関しても「RAID1」と「RAID5」を最低限覚えておけば問題はありません。家庭用のNASも増えているため、写真を大量に撮影する方やデータ量が多い動画のバックアップを必要とする人におすすめです。NASの内容を理解して、効果的なバックアップを行いましょう。


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