電動歯ブラシの正しい使い方は? メーカー担当者に取材、動画で解説
電動歯ブラシは便利ですが、意外と正しい使い方がわからないものです。
買ってはみたものの、なんとなく面倒になって洗面所の収納にしまいっぱなし、という人もいるかもしれません。
歯磨き粉は必要? 歯茎や歯間はどうやって磨くの? どれくらい時間をかければいいの?
そんな疑問を解消すべく、パナソニック「ドルツ」のマーケティング担当者に取材しました。
動画を交え、わかりやすく解説します。
目次
「電動歯ブラシは時短につながる」
使い方を教えてくれたのは、パナソニックで電動歯ブラシ「ドルツ」のマーケティングを担当している光安優花さんです。
「電動歯ブラシって何となく面倒なイメージがあるんですが……」
筆者が恐る恐る問いかけると、優しく答えてくれました。
「電動歯ブラシは、持っている人も持っていない人も時間がかかるように思っていることが多いんですが、2分間で磨けるんです。普通の歯ブラシだと、目安は5分から10分程度かかると言われています。電動歯ブラシは時短につながるんですよ」
なんと、意外でした。では、2分間で効率的に磨くコツとは?
基本のブラッシング法は2種類ある
ただその前に、歯ブラシの磨き方の基本から。大きく分けて、以下の5種類があります。
①バス法(47.6%)……ブラシを歯と歯茎の間に対して45度で当て、ヨコ方向に微細に動かす
②スクラビング法(39.4%)……ブラシを歯に垂直に当て、ヨコ方向に微細に動かす
③タテ磨き(3.0%)……歯の生えている向きに合わせてブラシを動かす
④ローリング法(1.6%)……ブラシを歯と歯茎の上に強く当て、歯の先の方にゆっくりと回転させる
⑤つまようじ法(5.3%)……ブラシをつまようじのように使う
歯科医師431名による調査結果(パナソニック調べ)によると、歯科医師の87%がヨコ磨きであるバス法とスクラビング法をすすめているんだとか(カッコ内はおすすめしている歯科医師の割合)。
①バス法
バス法というのは、歯の生えている方向に対してヨコにブラシを動かすヨコ磨きの一種。
上の図のように、ブラシを歯と歯茎の間に対して45度で当て、細かく動かしていくのが特徴です。
歯周ポケットケアに適しているそうです。
②スクラビング法
スクラビング法もヨコ磨きの一種です。
バス法とは、ブラシを歯に当てる角度が違います。図のように垂直に当てます。
歯石の元になる歯垢除去、虫歯予防に適しているそうです。
かつてはタテ磨きやローリング法など、歯垢を除去して虫歯を予防する磨き方が推奨されていました。
しかし、文部科学省の学校保健統計調査によると、虫歯の数はここ30年でおよそ4分の1に。
反対に歯周病の患者数は増えていて、そのケアにつながる磨き方が現在はすすめられています。
バス法をすすめる歯科医師が最も多いのは、そういった背景があるからだそうです。
口の場所ごとの当て方
それではいよいよ、電動歯ブラシでの磨き方について。
冒頭で「全体にかかる時間は2分」という話がありましたが、
上の歯の右半分:30秒
上の歯の左半分:30秒
下の歯の右半分:30秒
下の歯の左半分:30秒
と、4分割して磨くとわかりやすいそうです。
前歯の場合
光安さんに、ドルツと歯の模型を使って当て方を実演してもらいました。動画は、前歯をバス法で磨いているところです。
「電動歯ブラシのスイッチを入れたら、あとは歯の1本1本にしっかりと当てるだけ。手磨きのように、ブラシをごしごしと動かす必要はありません」と光安さん。
電動歯ブラシを使って手を動かすと、正しく電動歯ブラシの動きをしないので、しっかり磨けないのだそうです。
お医者さんが聴診器を当てるように、2秒ほどブラシを当て、次の歯に移る……そんな動かしかたをしていました。
注意点は、電動歯ブラシといえど、ブラシの毛が届く部分しか汚れは落とせないこと。
「よく、当てていない部分の汚れも落ちると思われがちなんですが……さすがにそんなことはありません。歯周ポケットを磨くなら、歯周ポケットに毛先がきちんと入るように、極細毛を使うと良いですよ」。光安さんは話します。
前歯をスクラビング法で磨くと上の動画のような動きになります。バス法と同じく、一つ一つの歯にブラシを当てていきます。
奥歯の場合
動画は、バス法で奥歯を磨いているところ。奥歯も基本的には前歯と同じです。
スクラビング法で磨くとこうなります。
ゆっくりとブラシを磨きたいところに進めることを守って磨くのがコツとのこと。
歯の表面を舌で触り、ツルツルに仕上がっていたら、しっかり磨けたサインです!
歯間や歯並びの悪いところの場合
これは、前歯の裏側を磨いているところです。
女性など、あごが小さくてブラシを横向きに置けない場合は、ブラシをたてて磨くのがコツ。
また、大きなブラシでは磨きにくい、でこぼこした部分には歯間用のブラシを使うと良いそうです。
小さな隙間に適した、先端が細いつくりになっているため、細かい汚れもきちんとかき出すことができます。
歯列のブリッジ矯正をしている方にもこのブラシがおすすめ。
器具の間に入り込んで、しっかり磨くことができるとのことです。
シーンごとの磨き方
夜にじっくり磨く
2分といえども時間がもったいない! そんな人もいるかもしれません。
ブラッシングは1日のうち1回、丁寧に汚れを落とすことがすすめられています。
特に、口の中の菌が増えやすい、就寝前が大事。
朝や昼はスクラビング法で表面の汚れをざっと落とし、夜はバス法で歯周ポケットを中心にしっかりケアする、といった使い分けをすると良いそうです。
今日の出来事を振り返りながら隅々までブラシを当てていけば、
ゆったりした気持ちで眠りにつくことができるかも…。
2週間に1回、ステインケアをする
特に女性にとって気になるのは着色汚れ。ステインオフ用のアタッチメントとペーストを使い、2週間に1度を目安にしっかり汚れを落とすと良いそうです。
「私は赤ワインを飲んだ夜などに使っています」と光安さんは話します。
歯磨き粉は何を使えば良い?
電動歯ブラシを使っていく上で、気になるけどよくわからないのが
歯磨き粉は必要なのか、ということです。
「手磨きの時はいつも使っていたし、電動になってもいるのかな…」
実は、使う必要は無いんだそうです!
歯磨き粉を使わなくても汚れが落ちるのが最大の理由。
手磨きの際によく使われる歯磨き粉には、研磨剤が多く配合されているので、
磨く力の強い電動歯ブラシと組み合わせて使うのは磨きすぎなんだとか。
「歯磨き粉の泡立ちによって磨いた!という感覚を得ることもできますが、それに惑わされて磨いたつもりになっている人もいます。研磨剤が多いもの、ホワイトニング効果の強いものとは一緒に使わないでください」。光安さん自身も、歯磨き粉なしで磨いているとのことでした。
「あのミントの爽快感が恋しい…」という方は
電動歯ブラシ用に作られた、研磨剤の少ない歯磨き粉を購入し、ブラシの先に米粒くらいの大きさで使うと良いそうですよ。
効果的な磨き方をするなら……ドルツがおすすめです
これまで説明してきた磨き方をするのにぴったりなのが、パナソニックのドルツ。
「パナソニックの担当者にインタビューしているので、ドルツが出てくるのは当たり前!」
と思ったかたもいるかもしれません。
ただ、インタビューしていて筆者自身が納得したのは、歯周病のケアが重要になってきているという環境をとらえてドルツが開発されていることです。基本のブラッシング法のところで書いたとおり、歯周病ケアにはバス法が重要。ドルツはバス法のブラッシングをうまく再現するように設計されています。
ちなみに上の写真は2018年9月1日に発売された最新モデルの「EW-DP52」。
今回インタビューした光安さんが携わった製品です。
バス法向きの細かな振動がすごい
上の動画は、ドルツのブラシの動きをスロー再生したものです。
細かくヨコ向きに動いているのがわかるかと思います。
なんと、毎分31,000回も振動しているんです。
歯と歯茎の間の形に沿った動きなので、ブラシの毛先がぐっと入り込んでいる!
出典:3つの動画はすべてパナソニックより提供
汚れに見立てた砂が次々に外へ弾かれていく!
ドルツがバス法にこだわる理由が伝わったでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
電動歯ブラシを使うのって難しそうだなあと考えていましたが、
特別に必要なテクニックは一切ありませんでした。
忙しいとつい歯磨きを適当に、おろそかにしてしまうことも多いかもしれません。
ですが何と言っても、歯は一生ものです。
電動歯ブラシをうまく活用して、時短に、そして健康な歯を保つことにつなげていきましょう!
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