ソニー『Xperia Ear Duo』レビュー 音漏れ、音質……様々な場面で検証

赤澤 豪将
公開: 2018-12-19

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『AirPods』皮切りに完全ワイヤレスイヤホンが流行していますが、SONYが環境音も取り込みつつ音楽が聴ける『Xperia Ear Duo』を発売しています。

環境音も音楽もしっかり聴けるということで、防水性能や音質、音漏れなどが気になるところなので、ランニングや電車内、自転車でのサイクリングなど、様々な場面で検証しました!


そもそもXpeiraEarDuoとは

私の感覚だと、一般的なイヤホンはどれだけ外界の音を聞こえないようにし、きれいな音をユーザーの耳に届けるかというところに注力しているように感じています。
電車通勤を考えるとやはり騒音をカットして音楽をしっかりと聴きたいという人が多いのでしょう。

カナル型と呼ばる耳栓型のイヤホンを使用してる人を電車内ではよく見かけます。
カナル型イヤホンは遮音性が高く、音漏れも少ないため、騒音の中で音楽を聴くにはピッタリのイヤホンです。

SONYでも主力のイヤホンはワイヤレス、有線に問わず、カナル型のイヤホンです。
以前moovooで『WF-1000X』というSONYの完全ワイヤレスイヤホンを紹介しましたが、これもカナル型。
やはり世の中の主流はカナル型といえるでしょう。

しかし、今回の完全ワイヤレスイヤホンは違いました。
『ワイヤレスオープンイヤーステレオヘッドセット』
これが『Xperia Ear Duo』の正体です。

[Xperia Ear Duo写真]


カナル型ではとても大切にされていた”遮音性”。これを捨てました。

周囲の音と音楽の両方が聞こえる『デュアルリスニング』を提案しているのです。

みなさんはゲームをやったことがありますでしょうか?
そうですね…RPGゲームを思い浮かべてください。

[RPGゲームっぽいイラスト]

軽快なBGMを聴きながら、野原を走り回るシーン。
物々しいBGMを聴きながら、洞窟を探検するシーン。

この『Xperia Ear Duo』の使用感はまさにこんな感じです。

[EarDuoをつけてどこからか音楽が聞こえている風の画像]

日常を十分に満喫しつつ、どこからかBGMが聞こえる。
そんな感覚です。

ためしに渋谷の交差点でこのイヤホンで渋谷舞台の映画の主題歌を流してみたら、自分が主人公になった感満載でした笑

独特の形状や日常にBGMをつけるその仕組とは?!

[イヤホン画像変な形だということが伝わるように]

こんな変な…と言ったら失礼ですが、いびつな形のイヤホンを私は見たことがありません。
たいていの完全ワイヤレスイヤホンは耳側面にデバイス面を持ってきたり、耳の上に持ってきたり、そのようなものが多かった。
しかし、『Xperia Ear Duo』はまさかの耳の下です。

[耳の下に本体があることをアピールした写真]

既存の完全ワイヤレスイヤホンは耳の穴の部分の固定力や、メガネのように耳上にかけることで、耳からイヤホンが落ちないように固定力を確保していたように思います。
言葉で表現すると「ポイントで固定する」といった具合でしょうか。
一方『Xperia Ear Duo』は全体で耳に固定しているという感じが強いです。

[イヤホンに絵を書く。挾んでいることを説明する感じ。]

イヤホンを文字で簡単に表すと『U字』ですが、耳の中央部分と下の部分を挾んで固定している感じです。
でも紙をクリップで挟むというような感じではなく、耳たぶを触る感じの挟むという感じです。

耳の穴だけでなく、耳の裏側でも支えられているという感じで、うまく刺激の分散がされているような気がします。

カナル型のイヤホンはずっとつけていると疲れるという声が聞かれますが、『Xperia Ear Duo』ではそんなことはないような気がします。
本体の一回のフル充電で連続4時間使えるそうですが、4時間だったら平気でつけていられると思います。
ちなみに私もフル充電から電池切れまでつけっぱなしでも全然違和感なく使い続けることができました。

[画像(ソニー公式から耳を塞がない音導管設計の画像を利用)]

日常にBGMをつけることができるこのイヤホンはソニー独自の音導管によって実現されました。

周囲の音がしっかりと耳に届く通路を確保しつつ、ドライバーユニットから耳に音を届ける通路をセットしています。

これにより、日常にBGMをつけることが可能になりました。

一週間ほど利用してみましたが、日常の環境音がしっかりと聞こえる割には、音楽もインナーイヤー型イヤホン並に音楽が聞こえます。

ちなみに使い方はとても簡単で、イヤホン本体の側面にあるタッチパッドで行います。

左右合計10個のジェスチャーが登録でき、初期設定では左耳のタッチパッドのワンタップが「再生/一時停止」、タッチパッドを上から下へ、下から上へなぞることで音量の調節が可能な設定になっています。

ちなみにこの設定は好みのものに変更することが可能で、ワンタップでAIアシスタント(Clova,Google,Assistant for Xperia)の起動だったり、ニュースの読み上げなどに設定することも可能です。

音漏れを検証!

開放型のイヤホンということで『Xperia Ear Duo』音漏れについて気になる方がたくさんいらっしゃると思うので、検証してみました。

[検証環境で使った製品の画像]

環境:Xperia X Dual(スマートフォン) , Xperia Ear Duo(完全ワイヤレスイヤホン)、会社オフィス(静か)

下記の5曲を使って、30cmの場所で流している音楽が聞こえるか聞こえないかの検証です。
・Unity - TheFatRat
・All Ask of you(feat.Penny) - Skrillex
・エチュード Op.10-4 嬰ハ短調 - ショパン
・僕が僕であるために - 尾崎豊
・Something Just Like This - The Chainsmokers & Coldplay

1:Unity - TheFatRat

・音量半分:30cm付近、若干聞こえる。
・音量マックス:30cm付近、シャカシャカした音が聞こえる。

2:All Ask of you(feat.Penny) - Skrillex

・音量半分:30cm付近、聞こえない。
・音量マックス:30cm付近、低音とシャリシャリ音が音が聞こえる。

3:エチュード Op.10-4 嬰ハ短調 - ショパン

・音量半分:30cm付近、聞こえない。
・音量マックス:30cm付近、聞こえない。

4:僕が僕であるために - 尾崎豊

・音量半分:30cm付近、かすかに聞こえる。
・音量マックス:30cm付近、ドラムが若干。

5:Something Just Like This - The Chainsmokers & Coldplay

・音量半分:30cm付近、かすかに聞こえる?くらい。
・音量マックス:30cm付近、聞こえない。

最近流行りのEDMから洋楽、そしてクラシックまで音漏れ検証してみましたが、結果は音漏れはあまり気にならないというものになりました。
静かなところでこれですから、電車の中で音量マックスにして聴いていてもあまり周囲の迷惑にはならないと思います。

試しにAppleの『EarPods』をスマホにつないで音量マックスで流してみましたが、4m先まで聞こえました。

ここから生まれる疑問としては、『Xperia Ear Duo』の最大音量が小さいのではないというものがあると思います。

『Xperia Ear Duo』と『EarPods』を比較してみましたが、私の耳ではこうなりました。

『Xperia Ear Duo』:音量MAX =『EarPods』:音量半分

少なくとも私の感覚では『Xperia Ear Duo』の最大音量は『EarPods』の半分くらいの音量ということになります。

もし購入を迷っている人はお手持ちの『EarPods』を引っ張り出してきて音量を半分にして音楽を聴いてみてください。
これで音が小さいという人はもしかしたら『Xperia Ear Duo』の音量では足りないかもしれません。
逆にこんだけあれば十分だよ!っていう方にとっては最高のイヤホンになるでしょう。

ちなみに私は『EarPods』の半分の音量だとうるさいくらいなので、『Xperia Ear Duo』は最高のイヤホンになりそうです。

色々な環境で使い心地を検証!

この記事を読んでくださっている皆さんが一番気になっていることは、実際使い物になるのかという部分だと思います。
ということで、以下の4つの場面で使用してみました。

・静かなところ
・ランニング
・サイクリング
・電車内
・仕事場

静かなところ

[静かっぽい画像iStockから]

出典:iStock.com/Sergey_Peterman

『音楽をしっかりと聴くこと』を考えると少し物足りないと思います。
重低音がちょっと弱いです。
おそらく鼓膜に直接届けず、環境音と混ざって届くので、そう聞こえるのだと思います。
もう少し音圧が欲しい…耳にドンッて音が来てほしいな、と思いました。

一方、『ながら聞き』。日常に流れるBGMとしてはとても優秀。
とても心地良く音楽を聞き流すことができます。
カナル型イヤホンで音楽を聞きながらなにかをしていると、気がついたら音楽を聴いていてメイン作業が疎かになっていることってありませんか?
私はあります。
でもこのイヤホンはいい感じで耳から抜けてくれるので、環境音を彩りつつ作業に集中させてくれる、そんな音の流れ方をしてくれているような印象を受けました。

また、長時間音楽を聴いていてもあまり耳が疲れません。
カナル型イヤホンだとしばらく音楽を聞いていると耳の奥の方が疲れてくる感じが私にはあるのですが、『Xperia Ear Duo』にはそれがありませんでした。

ランニング

[陸上競技場の写真]

出典:iStock.com/AntonioGuillem

『Xperia Ear Duo』を装着して一時間走ってみました。
走ったペースはこんな感じで、そこそこしっかり走りました。

[Stravaデータ]

走ったタイミングは7月の14時と暑い季節で一日で最も暑い時間帯です。
防水性能と熱耐性が図ることができたと思います。
ちなみにまったく問題ありませんでした。

これまで私はカナル型ワイヤレスイヤホンを使ってランニングをしていましたが、一つの不満を感じていました。
それは着地のたびに振動が聞こえるということです。

カナル型イヤホンは耳栓のような形状をしています。
イヤホンの音を耳に出力する部分と身体が密着しているのです。
つまり、足から伝わった振動がイヤホンに伝わり、着地の振動が音に混ざって聞こえるのです。

しかし、『Xperia Ear Duo』は違いました。
そもそも音を耳に入れる仕組みが環境音と音楽を混ぜて入れるような仕組みです。
着地音そのものは聞こえるけど、振動音は聞こえません。
これは大きな違いです。
着地をするたびに”ドン”という音で音楽が邪魔をされるのと、しっかりと音楽が聞こえるなか、足音が聞こえるのでは全然快適度が変わってきます。
後者のほうが圧倒的に良いです。

また、これは私だけなのかもしれませんが、トレーニングやスポーツ時の音はとても重要だと考えていて、音でタイミングを取ることでより高いパフォーマンスを発揮することができます。
カナル型では外界からの音がシャットアウトされてしまうため、実際の動きと脳内イメージの感覚にラグが発生する感覚があります。
しかし、『Xperia Ear Duo』は外界の音がはっきりと聞こえるので、それがありません。
カナル型イヤホンをして走るときよりも、『Xperia Ear Duo』をつけて走った時のほうが、気持ちよく、気分良く走ることができました。

まるで耳元にスピーカーを置いて走っているような感覚で、とても楽しくランニングをすることができました。

サイクリング

[サイクリングの写真]

今回、東京都内で『Xperia Ear Duo』を装着し、自転車での走行を行いました。

自転車でイヤホンをつけることについては様々な議論がありますが、東京都道路交通規則(東京都公安委員会規則)第8条5号に、「高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと」と規定されており、東京都内では『Xperia Ear Duo』を使用しての走行は違反ではないと判断し、自転車での走行時に使用しています。

スポーツバイクでの利用を考えている人もいると思いますが、今回はロードバイクでの走行を行い、検証してみました。

自転車に乗っている時に一番聞こえるのは風切り音です。
スピードが早ければ早いほど風切り音は大きくなり、音は聞こえなくなるはずです。
ちなみにスピーカーをボトルケージにさして川岸のサイクリングロードを爆走したことがありますが、早くなるにつれて音は聞こえづらくなっていきました。

というわけで『Xperia Ear Duo』ですが、確かにスピードが上がるにつれて、音は聞こえづらくはなりますが、そこまで変化はなく音楽を聴くことができました。
これは耳の穴付近まで音導管で音が運ばれるため、空気の動きによって音の伝わりが邪魔されにくいことがその理由だと考えられます。

正直、自転車に乗りながら音楽を聴くのは怖かったです。
川沿いなどの、自動車が走っていない場所だったら良いのですが、自動車の走る道は音無しで走るのはとても怖いです。
特に都内は急な運転をする車も多く、車も自転車もほとんど同じ速度で走っています。
視野の外の自動車などの動向を聴覚で意識しつつ、走らなくてはならないので、普通のイヤホンなんか恐ろしくてとてもつけて走れません。
『Xperia Ear Duo』もいくら日常音が普通に聞こえるとは言え、耳元で音楽が流れるので多少なりとも不安がありました。

でも実際使ってみると、BGMのように音楽が聞こえるので、日常音もしっかりと聞こえます。
音楽を楽しみながらというわけではなく、別の世界に入り込んで、ゲームの世界で自転車に乗るという感じでサイクリングを楽しむことができました。

電車内

[駅構内の写真]

東京都で一番うるさいと言われている大江戸線や、知名度が一番高そうな山手線などで使ってみましたが、結論から言うと、あまり使いものになりません。
どうにも環境音が大きすぎて、うるさすぎて、音が全然聞こえません。

音量をマックスすれば、音は聞こえるのですが、結局騒音と混ざってしまうので音楽を聞いているのか聞いていないのかよくわからない不思議な感覚に陥ってしまいました。
音楽が騒音の一部になる感覚です。

どうにもちょうど良い調整ができなかったです。

残念ですが、騒音がひどい場所では使いづらかったです。

オフィス

[メディアラボ渋谷オフィス]

カナル型イヤホンだと、声をかけられたときに反応できないなんてことがありますが、『Xperia Ear Duo』は日常音もしっかり聴くことができるので、反応できないなんてことはありません。
また、相手が何を話しているかも聞き取ることができるので、音楽を流しながら会話をすることも可能です。

ただ、やはり頭を少し使うような会話は音楽を流しながら行うのは私には少し難しく感じました。
そんなときは音楽を一時停止して会話していましたが、本体に搭載されているタッチパッドをワンタップするだけで音楽を一時停止することができるのでとても簡単。

また、メールやカレンダーの通知も音声でしてくれるので、仕事に没頭していても、予定やタスクを『Xperia Ear Duo』が教えてくれるので、そういう点でもとても便利です。

オフィスで音楽を聞きながら仕事をしたい!という人には最高のアイテムかもしれません。

やはり『ながら聞き』のためのイヤホン

公式サイトにも書いてあるように、やはり『ながら聞き』に特化したデバイスといえるでしょう。

個人的にはスポーツとの親和性が非常に高いと感じました。
スポーツへの集中を途切れさせないように音楽を聴くことができるイヤホンというのはなかなかありません。
このイヤホンはそれができるような感じがしました。

日常にBGMをつけて生活したい人にはとてもオススメの製品です。
私も音楽をガッツリ聴くタイプではなく、日常生活の彩りとして音楽を流したいという人種なので、このイヤホンはとても気に入りました。
また、スポーツをイヤホンなしの感覚で行えるという部分はとても素晴らしいことだと思います。
スポーツ用イヤホンを探している人にもかなりオススメします。

それでは『Xperia Ear Duo』の紹介でした。

日常にもっと彩りが欲しい方に購入をオススメ致します。

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