投資歴20年、パックンが語る“外貨・長期”投資術
「Grow your money(お金は育てるもの)」「リスクヘッジを考えている」――。
投資歴20年という、「パックンマックン」のパックンが先月、登壇したセミナーで自身の投資術について語りました。ギャンブルではない、堅実な投資を目指すパックンの工夫とは。
▲パックンの投資術がサクッとわかる1分動画はこちら
少子高齢化で高まる外貨の必要性
一色(朝日新聞社 教育コーディネーター) 今の世界経済は、「戦争」「バブル崩壊」「格差拡大」という大きなリスクも抱えていながらも、AIやビッグデータによる第4次産業革命の進行や異次元の金融緩和もあり、いい状態が続いています。
山口(SMBC信託銀行 投資調査部長) 私も世界経済はこの先も伸びていくと感じています。特に人が経済をつくるので、人口が増加している新興国を中心に拡大していくと考えられます。
パックン リスクは心配ですが、世界経済は期待できそうですね。
パックンマックン / お笑いコンビパトリック・ハーラン(パックン=左)と吉田眞(マックン=右)からなる、アメリカ人と日本人のお笑いコンビ。パックンはハーバード大学出身。1997年に知人を通じて結成。日米の文化の違いをネタにした漫才などで人気を博す。現在はテレビやラジオなど幅広く活躍。英語、経済、金融などをテーマにしたイベントにも講師として多数出演している。
山口 そうですね。ただ、日本は世界と異なり少子高齢化が加速度的に進んでいます(下の図参照)。
そこで問題になるのが、貯蓄の取り崩しが始まることです。日本は多くの借金を抱えていますが、今はまだ国債保有者の約90%が国内。
しかし国内のお金が貯金の取り崩しで減った場合は、海外から調達する必要が出てくるのです。そうなれば、日本の財政規律への不安から、景気が悪いのに長期金利が上がってしまう、悪い金利上昇につながる可能性があります。
一色 海外の日本国債保有者は10年ほど前は5%くらいでした。それが10%を超えたということは、少しずつ海外の人に頼ってきているのですね。
マックン 5年後はさらに海外に頼る比率が大きくなる可能性もありますね。
山口 少子高齢化のもう一つの問題は、労働力が減ることによる成長力の低下です。今後、日本にとって生産性を高めることが非常に重要になります。
マックン 世界経済はいい状態ですが、日本経済には不安がある。それで資産は円だけではなく、外貨で保有することにも注目したほうがいいということですね。
山口 そういうことになります。
山口 真弘 / SMBC信託銀行 投資調査部長 シニアマーケットアナリスト邦銀で個人金融業務・法人金融業務を経験。その後、SMBC信託銀行のシニアマーケットアナリストとして、グローバル・マクロ経済や株式・債券・為替など幅広い金融市場の調査・分析および投資戦略の策定を行う。現在日経CNBCなどで経済・金融情報を発信中。日本証券アナリスト協会検定会員、CFP®認定者。
パックン だから僕は26歳から外貨投資を続けています。
マックン 僕が小さい頃は親から「コツコツ貯めなさい」と言われていました。パックンは、「育てるのも重要」と教わったそうです。日本とは違いますね。
パックン アメリカでは「Grow your money」というフレーズもあります。ちりも積もれば山となる、ではなく、積もったのは栄養たっぷりの土だと。それを使えば何かを育てられるはずと言われています。それで僕は収入から生活費を引いた残高の8割、9割を投資しています。大きな買い物をしない限りは投資したお金に触れません。
山口 長期で分散させるというのは、お金を育てる上ですごくいいアイデアです。ただ、仕事もあるのでずっとパソコンを見て運用するのは難しいですよね。だから運用に関してはプロに相談しながら行うのが一番です。
成長率への投資も大きな魅力の一つ
マックン 僕は2008年から投資を始めました。投資のイベントで専門家から説明してもらったことがきっかけです。
一色 日本では資産形成として預貯金が圧倒的に多い。しかし、預貯金は利子がほとんどつかないので、最近は投資する人が徐々に増えていますね。
一色 清 / 朝日新聞社 教育コーディネーター1956年愛媛県生まれ。78年朝日新聞社に入り、経済部記者、「アエラ」編集長、朝日新聞の土曜朝刊別刷り「be」エディター、テレビ朝日「報道ステーション」コメンテーター、ニュースを論じるサイト『WEBRONZA』編集長などを経て現職。ほかにテレビ朝日「グッド!モーニング」コメンテーター。共著に『「知」の挑戦本と新聞の大学Ⅰ・Ⅱ』(集英社新書)など。
山口 外貨投資を始めるきっかけとして多いのは、子どもが留学するケースです。また、子どもや孫の教育資金、住宅の購入費、老後の資金などが必要になることを考えて始める人も多いですね。
マックン リスクを考える必要もありますよね。
山口 為替の変動リスクもありますが、忘れてはいけないのが“インフレは為替でも起きる”ということです。円高のときは「円高還元セール」などで商品が安くなることがありますが、円安になると値上がりします。こうしたリスクに備えるためには、外貨も持っていた方がいいのです。
パックン 円安になると生活費などの負担が増えますが、外貨を持っていれば差益が得られる機会にもなる。リスクヘッジとしていいですね。
山口 さらに日経平均株価が上昇していますが、アメリカの株価の成長力は日本以上です(下の図参照)。1985年と比べると日本は1.8倍ですが、アメリカは約19倍。経済成長をとげている国に投資できることは、外貨投資の大きな魅力です。また日本に比べて海外は金利が高い傾向があるので、金利を取りにいくのも成長力への投資の一つです。
一色 年金も外国の債券や株式で運用されていますね。
山口 約4割が海外投資です。株、債券などに分散しています。国際分散投資を行って、安全で効率的な運用をしているのです。
パックン 国民の老後生活を支えてくれる公的年金が、投資の対象として外貨を選んでいるということですね。
山口 そういうことなのです。
マックン 今日、話を聞いていて外貨を持った方がいいということがよく分かりました。これを機会に、プレスティアさんに相談したいと思います。
パックン 世界も日本も将来は明るいと思っています。でも念のために両方投資しておく。皆さんもリスクヘッジだけではなく、期待や可能性を考えて外貨投資をしていただきたいと思います。
詳細はこちらから
パックンたちが語ったのは、10月15日に東京・日本橋三井ホールで開かれたプレスティア特別セミナー「外貨のススメ~日本にもっと外貨を~」(主催:SMBC信託銀行、後援:朝日新聞社)。発言は出演者個人の見解に基づくものです。
気になったかたは、以下のリンク先の詳細情報をどうぞ。
このページ内の図表は、株式会社SMBC信託銀行(以下「SMBC信託銀行」といいます)が経済、市況他、投資環境に関する情報をお伝えすることのみを目的として作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料でも特定ファンドの勧誘資料でもありません。当図表に掲載された内容は制作時における当行の見解や予測を紹介するもので、予告なしに変更することがあります。SMBC信託銀行はここに記載された情報が十分信頼に足るものとして信じておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。当図表中のグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではなく、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。投資の選択や投資時期の決定は必ずご自分の判断でなさるようお願いいたします。
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