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■ブランケット復活装置 印刷機の消耗品を長寿命化で廃棄を削減!

Sponsored by 朝日プリンテック

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「ブランケット復活装置(ABR)」が発売

朝日新聞を中心に多種多様な新聞印刷を担う、総合印刷会社の朝日プリンテック。新聞印刷だけではなく、新聞輪転機に関わる装置や設備も開発を進めている。今春から発売される「ブランケット復活装置(ABR:Awakening Blanket press Robot)」は、今まで大量廃棄されていた消耗品を長く使えるようにと、環境に配慮した発想から生まれたという。

ある社員の「もう一回、使えないか?」が開発の始まり

「今あるものを大切に使う」。その精神を大切にしているという朝日プリンテック。創業当時からできる限り、環境にやさしい印刷をすることに心を配ってきた。しかし、1日何十万部も刷るための新聞輪転機は、スピードが速く規模も大きい分、消耗品の取り替えを繰り返し続けることで、大量の廃棄物を発生させてしまうことになる。ブランケットもそんな消耗品の一つだった。

ブランケットとは、印刷をするための版に供給されたインキを転写し、紙に印字するためのゴム製のシートのこと。ゴムと布を貼り合わせた構造で、新聞輪転機では円柱状のブランケット胴に装着して使われている。使い続けると布の収縮により、厚みが減少し、印刷のかすれなどの原因となるため、定期的に交換が必要になる。新聞輪転機1セットで、44枚のブランケットが使われているが、朝日プリンテックでは大きな印刷工場となると、新聞印刷が5セットを同時に稼働しているところもある。すると、44枚に5セットを掛けると、ざっと220枚の交換、そしてそれらが廃棄処分となる。

「ブランケットも小さい物ではないので、220枚となると大量になります。これを見ていた私の大先輩が“もう一回使えないかな”と思ったのが、開発の始まりでした」と話してくれたのは、技術センター長の椙原浩史さん。椙原さんいわく、この“熱血の大先輩”はおもしろい人で、なんでも試してみたい人だった。そして、ブランケットの縮みの原因となる布部分に、何か塗るか貼るかをすれば、厚みを復活できるのではないかと思いついた。

「そこからは、試行錯誤。結局、大先輩の後を私が受け継ぎ、開発は延べ7年間に及びました」

大量廃棄物をなるべく減らして環境負荷の軽減に貢献したいと考えて販売を決意

開発といっても、最初は一人の社員の思いつき。まずは厚みの減った布の上に、さらに布を貼ってみた。しかし、シワがよってうまく貼れなかった。次に、布面にデンプンを溶かして塗ってみた。これは薬を包んで飲みやすくするオブラートの原料がデンプンだったところから発想したようだ。デンプンを流せば固まり、厚みは均一になるだろう。しかしこの予想は大きく外れ、表面にひびが入ってしまう。「いや、これはデンプンの質の問題かもしれない。日本で最高級といわれるデンプンならいけるかもしれない」と取り寄せてみたが、良い結果は出なかった。

そんな開発の苦労を笑い話にして教えてくれる椙原さん。それでも実験を続け、ついに樹脂を使うことで布の上に密着性や柔軟性を上げることができることを発見。この精度を高めていけば交換時期になったブランケットを復活できるのではないかという見通しがついた。その後は、装置にブランケットを装着し、均一に樹脂を伸ばすための開発が進んだという。

そして朝日プリンテックの各工場にも協力してもらい、検証を続けながら改良を繰り返し、「ブランケット復活装置」が誕生した。

「輪転機の稼働状況にもよりますが、弊社では通常は紙面品質維持の観点から、カラー機では3カ月、モノクロ機では半年に一度、ブランケットを替えています」

それを捨てずに、ブランケット復活装置で復活させれば、もう一度使うこともできるようになった。

「当初は1回取り替えて、もう一度同じ期間ぐらい使えればいいなと思っていたのですが、復活したものを使用してみると予想以上に長寿命で、1年以上使えることもあります」と椙原さん。うれしい効果も出ているという。

だが、印刷会社が機械の販売に踏み切るというのも珍しい。

「実は朝日プリンテックはこれまでも、新聞輪転機に関連するものを開発して販売している実績があります。ただそれよりも、環境のことを考えれば、新聞輪転機の消耗品の大量廃棄が少しでも減らせるのであれば、他の印刷会社さんにも使って欲しいという思いがあります。今ある物を大切に使う精神は、社内、社外に関係なく共有していきたいですね」

こうしてトライ&エラーを繰り返しやっと完成した「ブランケット復活装置」は、今春から発売されることが決まった。開発に携わってきた椙原さんに今の率直な思いを聞いてみた。

「まずは、同業者でもある印刷会社の皆さんに、使って欲しいということ。今まで廃棄していたものですから、本当に復活して使えるのか懸念されるかもしれませんが、様々な新聞輪転機を持つ朝日プリンテックが実証を重ねたので、安心してくださいとお伝えしたい。そして個人的には、完成を見ずに職場を異動された先輩もいるので、“やっとできました”と報告したいし、よろこんでもらいたいですね」

(話を伺った方)
株式会社朝日プリンテック 技術センター長 椙原浩史さん
*組織、所属などは撮影時点で記載しております

【お問い合わせ】
株式会社朝日プリンテック 
TEL 03-6278-5680(代表)
https://asahi-pt.co.jp/

●印刷物、「ブランケット復活装置(ABR)」に関するご相談はこちらから。印刷は1部から数百万部まで、弊社営業部がお応えします。

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