Culture

数学×スポ根の新境地! 元教師が試行錯誤しつつ描く『数学ゴールデン』が激アツ!

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「スポーツ根性もの」を意味するスポ根漫画といえば、野球・サッカー・バスケットボールにバレーボールなどが定番だ。登場人物たちは、ひたむきに真っすぐに運動に取り組む。なんと数学を扱いながらも、その系譜に連ねたくなる異色の作品がある。それが『数学ゴールデン』(白泉社)だ。

作者は元数学教師

作者は、藏丸竜彦(くらまる・たつひこ)さん。九州大学理工学部数学科を卒業し、高校の数学教師や塾の数学講師をしていた。その経歴を生かし、主人公の小野田春一(高校1年生)が数学オリンピックの日本代表を目指す設定になっている。

数学オリンピックとは、世界の高校生が数学の難問を解いて競い合う大会。高校野球の甲子園、高校ラグビーの花園という知られた舞台と比べると馴染みは薄い。

しかし、小野田とその仲間たちが放つ熱量は、全身を駆使するスポーツと何ら変わらない。彼らは机に座り、紙の上で鉛筆やペンを走らせる。球場やグラウンドを駆け回る姿は出てこないが、問題を解く過程で、時に思考が自由に羽ばたく。藏丸さんが実に惹きつけるタッチで、その様子を描写している。

仕事仲間も読者に

現在発売されている、単行本は4巻まで。4巻の帯には、「累計10万部!」とある。筆者だけでなく、同じように魅力を感じている読者は多数いる。

動画メディアbouncyは、2022年10月に立ち上がった株式会社朝日デジタルラボの一部門となった。同社には、コンテンツコマースサイト「Moovoo」もある。bouncyの兄弟メディアである、そのMoovoo編集長も『数学ゴールデン』の読者。「面白いだけでなく、学びへの意欲に火をともしてくれる作品」と支持している。

同世代の仕事仲間にまで浸透していることに、この作品の勢いを感じる。

算数・数学が苦手でも

筆者はそうでもなかったが、小学校の算数、中学・高校での数学に、苦手意識を抱いた(抱いている)人もいるだろう。どうにも公式がちんぷんかんぷん、図形問題について行けない……。算数や数学は、好き嫌いが分かれがちな教科との印象がある。

そんな方でも、『数学ゴールデン』を読むことに心配は無用だ。

先に紹介したスポ根的要素に加え、主人公も含めたキャラ造形も見事だからだ。特にヒロイン役の七瀬マミは、変わり者かつ天才肌。作品に笑いと癒しをもたらしている。エンタメ度は、充分に高い。

作者「数学も学び、漫画も学ぶ」

作品は、2019年10月から青年漫画誌『ヤングアニマルZERO』(白泉社)で連載が始まっている。藏丸さんにとっては初連載だという。そうした背景を含め、現況をインタビューでは次のように明かした。

「数学漫画を作りながら、数学のことも学び、漫画の作り方も学んでいる感じがしています」

「ちょっとしたカットは手伝ってもらうけど、基本は一人で描く。どういうサイクルで作っていくのかペースが掴めないまま、試行錯誤している」

迷いつつも挑戦しているのは、漫画の主人公やヒロインだけではない。藏丸さんの成長ぶりに合わせて、漫画の自由度や深みは今後、増していくことだろう。

実に未来志向の漫画は、bouncy読者との相性も良さそうだ。

そして、作中の彼ら彼女たちの情熱は、日常にちょっと疲れたあなたに元気と刺激を与えてくれるかもしれない。

  • ヤングアニマルコミックス
  • 数学ゴールデン 1巻

  • \715
CREDIT
Planner/Interviewer/Writer :高野 真吾
Videographer/SNS :Tatsuhiro Toshima

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