「飽きさせない」オンラインイベント運営のコツ、実践で培ったポイントを徹底解説

小澤 美佳
2021-12-07

現在、多くの企業が打ち合わせやイベントをオンラインに切り替えていますよね。
当社(ニット社)はフルリモートで事業を運営しているので、事業会議や飲み会などは、いつもオンラインで開催しているのですが「イベントや打合せって、どのように効果的にオンラインで行うの?」というご相談を多くいただきます。

そこで本日は【オンラインイベントの運営ノウハウ】をお伝えいたします。急なオンライン化への対応に困っている方(かつZoomでのイベント開催が初心者の方)向けに、準備から当日の流れ、当社で工夫している点などを中心に紹介します。


オンラインイベントの進行に欠かせない4つのポイント

イベントの進行におけるポイントは4つあります。
・1つ目は、顔出しを必須にすることです。
オンラインイベントやオンライン会議で、よくビデオ機能をオフにして音声だけで参加する人を見かけますが、イベントを盛り上げるためには互いの顔を見せ合うことが重要です。ファシリテーターの立場としても、参加者の表情が見えない状態では、イベントに没頭してくれているのかを把握することができません。緊張感を保ちにくいオンラインイベントでは、なかには内職を始めてしまう人もいるでしょう。参加者は楽しんでくれているのか、退屈しているのか、表情を確認しながらイベントを進行したいからこそ、私が主催するオンラインイベントでは顔出しを必須にしています。

・2つ目は、イベントの目的を明確に伝えることです。
目的がわからないまま、ただ漫然と参加するのでは、最初から最後まで集中力を保つのは難しいでしょう。「このイベントで得られることは何か」「イベント終了後に(参加者が)どんな状態になっているのが理想か」というベネフィットやゴールをきちんと伝えることで、参加者も自然とイベントに集中できます。

・3つ目は、ファシリテーターとして場の雰囲気を盛り上げ、一体感を醸成することです。そのために、まずは自分自身が楽しむことを大切にしています。また、参加者の誰かが発言する際には、少しオーバーなくらいリアクションをとるのもポイントです。他の人の反応がわかりにくいオンラインでは、発言者が孤立しがちです。ファシリテーターが盛り上げ役として相槌を打ったり合いの手を入れたりすることで、双方向のコミュニケーションを生み出すことができます。

また、これはオフラインイベントについても同じことが言えますが、スムーズに進行するためにも事前練習は欠かせません。

・4つ目は、参加型のイベント設計を行うことです。発表者やファシリテーターが一方的に話をするスタイルでは、特にオンラインでは参加者が集中力を保ちにくいでしょう。要所要所でディスカッションをはさみ、参加者が消極的な場合は、名指しで発言を促すことがポイントです。「全員が参加している」という雰囲気を醸成できるのが理想ですね。

これらのポイントは、「オンライン会議」をするときのポイントで紹介したものと共通しているものもありますので、興味のある方はこちらの記事もご覧ください。

上記を踏まえ、準備段階からイベント当日までの流れを詳細にお伝えします。

Zoomミーティングを使ったオンラインイベントの事前準備<設定編>

今回は、Zoom ミーティングを使った場合の準備方法をお伝えします。Zoomでは、イベントの主催者を「ホスト」と呼びます。ホストが発行したイベントURLにアクセスすることで、メンバーはイベントに参加ができます。そのURLを発行する際に、おすすめしたい設定は以下の4つです。

◆ホストの前の参加
ホストより先に他のメンバーがイベントURLへアクセスした場合でも、参加して待機できる設定にしておきましょう。

◆共同ホスト
イベント中に何かあった時でもカバーし合えるよう、ホストを複数人設定しておくと安心です。

◆参加者をエントリー後にミュートにする
イベントの参加人数が多い場合は、あらかじめ参加者のマイクの設定をミュートにしておくと良いでしょう。イベントの途中で参加者一人ひとりの設定を変えることも可能ですが、手間なので事前に一括で設定しておくのが無難です。そうすることで雑音が入りにくくなり、スムーズにイベントを進行できます。

◆ブレイクアウトルーム
Zoomの中でも一押しの機能です!参加者を2つ以上のグループに分けてディスカッションを行うことができます。例えば、9人の参加者がいる場合に、3人のグループを3つ作り、グループごとにディスカッションができます。「はい、これから話し合ってください」と言っても、大人数ではなかなか発言しにくいこともあるでしょう。そうした場合に、少人数でコミュニケーションができるこの機能は最適です。

Zoomを使ったオンラインイベントの事前準備<参加者への告知編>

◆顔出し依頼
前述でもお伝えした通り、イベントを運営するうえで最もこだわっているポイントの一つです。参加者の表情が見えるか見えないかで、ファシリテーションのしやすさは大きく異なります。

以下のパターンA・Bの画像を見比べても、その差は歴然です。

パターンA

パターンB

パターンAだと、半分以上の参加者が顔を出していないので、ファシリテーターとしては「伝わってるかな……」と不安になります。そのため、基本的には顔出しで参加してほしい旨を事前にお伝えしています。

◆前日のリマインドメール
Zoom URLと集合時間+顔出しを強調してメッセージを送ります。
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に申し込みいただきありがとうございます。

ZoomのURLをご連絡します。
イベントの開始時間になりましたら以下のURLよりアクセスできます。
※事前にこちらより、Zoomのアプリをダウンロードしてください。
https://zoom.us/j/●●●●●●●

日時:2022年3月×日 19:30〜21:00(5分前よりアクセス可能)

★参加に際してのお願い★
円滑なイベント進行のため、イベント当日は
お顔を映し出した状態でのご参加をお願いしています。

ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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イベント本番の心得<運営体制編>

当社では、以下のような体制でイベント運営を行っています。

1、司会進行(ファシリテーター)
2、講師(その道のプロ)
3、裏側管理人(共同ホスト)
 ーブレイクアウト設定
 ータイムキーパー
 ーチャット返信
 ートラブル対応
 ー途中途中の撮影
4、盛り上げ隊(複数名)←重要!!

一番重要なのは、1の司会進行(ファシリテーター)です。どんなイベントでもそうですが、特にオンラインの場合は、参加者との温度差が生まれがちなので、いつも以上にテンション高め+テンポよく進行することが大事です。

オンラインでのイベント運営に慣れてきたら1〜3を兼任するのも可能です。

意外と見落としがちな重要ポイントは「盛り上げ隊」の仕込みです。

特に、Zoomでのイベント参加が初めてという人が多い場合、緊張を和らげるために、3の盛り上げ隊が活躍します。多少オーバーにリアクションをしたり、チャットにコメントを書き込んだりする役目を複数人にお願いしておくことで、他の人も参加しやすい雰囲気をつくることができます。例えば、最初はどうリアクションや質問をして良いかがわからなかった参加者も、盛り上げ隊の動きを見ることで「あ、この会では自由にコメントを書き込んでもいいんだな!では自分も!」と流れをつかむきっかけになります。

チャットでのやりとりが活性化すると場全体が非常に盛り上がるのでおすすめです!

イベント本番の心得<イベント進行編>

オンラインイベントにおいて、ここが一番難しく、ファシリテーターの腕の見せどころでもあります。私は以下のようなことを意識しています。

◆開始前
・10分前にはスタンバイ完了に
・BGMを流す
・スライドのタイトルを画面共有にしておく
早めに入ってきた人とはコミュニケーションをとる

◆イベント開始時
出だしの挨拶は明るさ全開で
・音声のみ参加をしている人が多い場合は顔出し(ビデオ機能オン)を促す
・Zoomの動作確認
(例)音声、画面の見え方など問題ないか?
・Zoomの表示名の表記を統一
(例)運営側は「■小澤美佳_ニット_東京在住」というように最初に「■」を付ける
・チェックイン
(例)参加者が10人以下の場合は各自30秒で自己紹介、それより多い場合はチャットで自己紹介など

場を温めるために自己紹介は有効です。私自身の自己紹介をする時には、インパクトを大事にしています。単に経歴を説明するだけではなく、聞き手に興味を持ってもらえるような情報を盛り込むことが重要です。前職であるリクルートでの経歴に加え、中米ベリーズへ移住した経験や、世界66か国を訪問した時のエピソードを写真とともにお伝えしています。視覚的な情報を入れることで、聞き手の集中力を高めることができるのでおすすめです。

ファシリテーターが進行中に意識すべきポイントは、単純に参加してくれた人が「楽しい」と思える空間をつくることです。そのためには、参加者自身もイベントを形づくる一員であると感じてもらう必要があります。一方的にコンテンツを受けとるだけのイベントでは、なかなか「楽しい」という感情は生まれにくいからです。

だからこそ、ファシリテーターは参加者全員の表情を見ながら、話を振ったり、ポジティブな反応を示したりを通じて、場を盛り上げることが重要です。

イベント本番<コンテンツ編>

ファシリテーションに加え、イベントコンテンツの中身も重要なポイントの一つです。参加者を飽きさせないために、以下の点を工夫しています。

◆話し方:講演・講義はドラマティックに語ろう!
単調なプレゼンテーションは聞く人の眠気を誘います。最初から最後まで集中して聞いてもらうためには、抑揚を付けて話すことが重要です。聞き手を引き込むために、あえて「間」を使うのも良いでしょう。
また、手振り身振りを加えるのも有効です。大袈裟だと思うくらい画面いっぱいに自分を表現しましょう。

例えば、泣ける話で共感を誘いたい場合には、声の調子を落としたり、表情に変化をつけたりするのもおすすめです。オンラインだと感情を表現することは難しいと思われるかもしれませんが、顔がアップで映し出されているからこそ伝わる臨場感もあるので、ぜひ試してみてください。

◆資料:視覚的なインパクトを大切に
イベントで使用するパワポ資料には、積極的に写真を使いましょう。写真を大きく映し出すことで、聞き手にインパクトを与えることができます。

テキストを使用する場合には、あれもこれも書き込むのではなく、ひと言を大きく載せることがポイントです。そうすることで、参加者の目を惹きつけられます。

◆ワークショップの設計
双方向のコミュニケーションを実現するために、参加者が発言できる場を意図的に設けています。その一つが、ワークショップです。例えば、ケーススタディを用意し、設問に対する回答を発表してもらいます。設問の難易度が高く、その場で答えにくいようなものに関しては、事前に内容を参加者へ共有し、あらかじめ考えてもらった回答を発表してもらう形をとっています。
◆ブレイクアウト機能を有効活用
前述でも触れましたが、ディスカッションを行う場合には、ブレイクアウト機能で少人数のグループに分けて実施するのがおすすめです。大人数の前だと発言しにくいと感じている人も、議論に参加しやすくなります。

Zoom会議におけるホストの操作画面でのみ「ブレイクアウトルーム」という表示が確認できます。ここで参加者を少人数グループに分ける設定が可能です。例えば、16人の参加者がいる場合は、4人グループを4つ作ったり、3人グループを4つ作って1グループだけ4人編成にしたり、柔軟に人数を調整できます。少人数であるほど一人ひとりが発言をする機会が増えるので、より「参加している」気持ちを高められます。

「ブレイクアウトルーム」の使用時に、ホストのみが使える機能があります。

・グループをまたいでメッセージを一斉送信できる(ブロードキャスト)
・各グループへ顔を出すことができる
・全員を同じ時間にブレークアウトルームからメインルームへ戻すことが可能
・タイムスケジュールをコントロールできる

全員がメインルームに戻ってきたら、「お帰りなさーい!どうでした?」と感想を尋ね、それぞれのグループで話された内容の共有を促すのもおすすめです。

ちなみに、以前行ったリモートワーカー座談会のタイムスケジュールは以下の通りです。イベントの最初と最後のみ全員で集合して話をして、メインの座談会では少人数で話す場を設けました。

※機能の詳細は今回は割愛します。「Zoom ブレイクアウトルーム」で検索してみてください。

オンラインでも人と人とをつなぐ「場」はつくれる

新しい時代のうねりの中で大きな転換期を迎えている企業も多いと思います。

「突然、在宅勤務を申し渡された」
「リモートワークのシステムを導入することだけが決まったものの、どう運用したらいいか分からない」
「採用もオンラインで行うケースが増えているようだが、うちができるだろうか?」

……などなど、ご相談いただくケースが増えています。

これらの声からも読みとれるように、リモートワークは決して簡単ではありません。
でも、工夫次第では、新しいテクノロジーを取り入れながら、人間の感情や体温をのせて、多く人の心に届く素敵な場やコミュニティをつくることはできます!

私たちニット社では、2015年の創業以来リモートワークという働き方に向き合い続けてきたからこそ、その難しさや価値を誰よりも実感しているという自負があります。そうした根拠のもと、新しい働き方を導入される企業様のために、これからもリモートワークのノウハウにまつわる情報を積極的に発信していきたいと思っています。

少しでも多くの企業様の組織活性化やコミュニティづくりに貢献できましたら幸いです。

コロナ禍の影響で、企業は急な変革を迫られています。このピンチを逆手にとり、共に飛躍していきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

株式会社ニット 広報
小澤 美佳
2008年に株式会社リクルート入社。リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。2019年にニットに入社。現在、広報に従事する傍ら、オンラインセミナーの講師やイベントのファシリテーターを実施。直近の1年間でメディア執筆100本以上。Twitterは2.9万人のフォロワーを保有している。副業で嘉悦大学の大学講師も務めている。

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