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2030年はどうなる? 自動運転、ロボティクス、環境、医療の未来、注目の投資分野は……。賢人4氏と考えたbouncy Lab.イベントレポ

Sponsored by 三井住友DSアセットマネジメント

動画メディア「bouncy」がファン向けに開催しているオンラインイベント「bouncy Lab.」。今回は三井住友DSアセットマネジメント株式会社の協賛のもと、3月30日夜に開かれた。テーマは「2030年の未来予想~賢人たちが未来を楽観する理由~」。

足元の変化を踏まえ将来を見通そうとしている4氏が、bouncy編集長の津田啓夢の司会のもとで刺激的なトークを交わした。

個性派の4氏がリアル集結

4氏は、▽ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさん▽アーティストのスプツニ子!さん▽ALSクリエイターの武藤将胤さん▽ロボット研究者の吉藤オリィさん。個性派ぞろいの面々がリアル会場に集まったことから、大いに盛り上がった。当初の予定時間を超えての開催になるほどだった。

なお、会場では登壇者の間にパネルが設置され、ソーシャルディスタンスを十分に確保。新型コロナウイルス対策を十分に取っていたことも、念のために付言しておく。

武藤さんの会話方法に「凄い!」

冒頭、視聴者からのコメントが相次いだのは、武藤さんのコミュニケーション手段だ。武藤さんは全身の筋肉がだんだん痩せて力がなくなっていく病気ALS(筋萎縮性側索硬化症)を抱えている。さらに昨年、喉の手術を受け、発声が難しい。

そんな武藤さんが生中継のイベントに登壇し、どう他の登壇者と絡むのか。カギとなるのは、テクノロジーの進化だ。テキストを視線入力し、音声読み上げ機能を使って会話をする。さらに、そこで読み上げる声は、手術前に録音しておいた武藤さんの声だという。

カメラが視線入力をしている武藤さんの姿を捉えた映像も流れた。手慣れた様子でテキストを作っていく。少しの時間を待てば、会話の流れの中で武藤さんが発言をすることも可能だ。

「すごくスムーズにお話されていて凄いです!」「武藤さん、かっこいい」などのコメントが視聴者から寄せられた。

モーリーさん「なんで火星に?」

吉藤さんが「黒い白衣」から次々と物を取り出す、「四次元ポケット」ぶりを披露する場面もあった。テーマだけで捉えると堅いイベントを想像してしまうが、和やかで笑いが起きる中で進行していく。

中盤になると、bouncy編集部が用意した「未来年表」が掲示された。公的機関や民間企業が発表した様々な計画をまとめたものだ。2050年までに大きく変化する社会を捉えられる内容だ。

最初に掲げられた全体版では「2023年 空飛ぶタクシーサービス『uberAIR』始動」から「2050年 カーボンニュートラルの実現」までが並んだ。温室効果ガスの排出量と吸引・除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」は最近、特に注目を集めている。

「2040年 火星移住開始」については、モーリーさんが反応。これまで見てきた映画などの火星のシーンでは、到着した人々が苦しむ場面が描かれていたという。

それだけに「飛行機でも怖いのに、なんで火星に行かなければいけないんだよ」との冗談を放ち、他の登壇者から笑いを取っていた。

吉藤さん「空飛ぶ車の技術」に期待

bouncyではこれまでも、各種モビリティを積極的に取り上げてきた。また、昨年には合計4回の連載企画もアップしている。

bouncyファンが知りたい未来トピックとして、モビリティを深掘りした。

「uberAIR」だけでなく、たった4年先の2025年には「高速道路での完全自動運転化」が実現する予想になっている。世界中で研究が進んでいる技術だけに進歩が実に早い。

完全自動運転などの技術に怖さを感じるというモーリーさんに対し、吉藤さんの見解は「できる限り犠牲をなくしながら、その時代に進んでいくしかない」。

武藤さんは、自動運転可能な空飛ぶ車の技術について、次のように発言した。

「これが小型化して車いすなんかも浮かせてしまうことで、道路の段差や階段などの物理的なバリアフリー問題は解決できると思うのです。日本でもSkyDriveが有人飛行に成功しだしているので、これから楽しむです」

武藤さんが発言している最中、他の登壇者から「あー」「うん」などの反応があった。車イスで移動するALS患者だからこそ気づける「技術の転用」だ。合点した視聴者も、コメントを書き込んだ。

「車いすが浮いちゃえば、バリアフリーになっちゃいますね!」

「フェムテックを応援」とスプツニ子!さん

終盤には、司会の津田から「2030年の世界が実現していく中で、いったいどんな業界が投資分野というか注目が集まるのか」との問いが出た。

地球環境を意識した個人の投資行動の大切さを語ったモーリーさんに対し、吉藤さんは「自分が課題だと思ったところに投資しましょう」。原則論を語った上で、将来的に世代間で意思疎通が難しくなっていくことから、この溝を埋める「翻訳」をする仕事は産業になりうるとした。

武藤さんは、投資先ではなくある投資手法を話した。それは武藤さん自身も利用しているとした「AI(人工知能)と専門家による世界への分散積立投資だ」。武藤さんは、ALS患者となったことで、「よりお金にはシビアになりました」。

スプツニ子!さんは「フェムテック」を挙げた。女性(female)と技術(technology)を組み合わせた言葉だ。女性の身体の問題をテクノロジーで解決していく。

「今日唯一の女性メンバーとして、女性とテクノロジーをアピールしたい。フェムテックはどんどん伸びて欲しいし、私も応援したいと思っています」

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「ロボティクス」や「医療」など、今回の記事では紹介できなかった項目も多い。また最終盤には読者から寄せられた質疑応答にも応えた。

日々の生活に不自由があるコロナ禍の今は、先々のことを考えにくいかもしれない。ただし、人類は時間をかけて前進し、未来を切り開いてきたのは紛れもない事実。ALS患者の武藤さんがリアルイベントに登壇したことは、その証左だ。

このページではイベントのアーカイブ動画も用意している。ぜひ視聴して頂きたい。


さらに、90分のイベントを凝縮したダイジェスト動画もできました。こちらも、ぜひ視聴して頂きたい。

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