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在宅勤務の「仲間」は作れている?【bouncy2度目のオンラインイベントレポ 最終回】

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ファンイベントとして定期開催している「bouncy Lab.(バウンシー・ラボ)」。8月5日午後6時からオンラインで2回目となるラボが開かれました。テーマは「リモートワークのパフォーマンスを最大化させる方法」。「三つの間(空間、時間、仲間)の整え方」を軸に、トークを展開しました。当日の様子などを伝える記事の3本目は「仲間」編で、これがイベント記事の最後です。

新型コロナウイルスが再び感染拡大傾向となり、政府が在宅勤務を推奨している今、タイムリーな企画になったと言えそうです。

ゲストに迎えたのは精神科医師・大野裕さんと「世界一集中できる空間」を目指すThink Lab(シンクラボ)取締役 ・井上 一鷹さん。bouncyの津田啓夢・編集長が司会を務めました。

1回目の「空間」編では、眼鏡販売のジンズ(JINS)社員でもあり、「集中のプロ」的存在である井上さんの知見が光りました。2回目の「時間」編では、大野さんの発言を中心にお届けしました。

今回の仲間編では、両ゲストの発言を共に紹介していきます。なお、2人は慶応大卒との共通点があります。

大野先生は冒頭、対面で話すことの大切さを力説しました。

「昔から私たちは集団で生きてきたわけで、その中で色々なものを作り出してきた。それをぽんと切り離されると非常に寂しくなってしまう」

中でも、一人で暮らしている人たちが、コロナ禍の現在、心のコンディションを保つために、以下のアドバイスを送りました。

「個人的に人間関係をちゃんと作っていくことですね。そして、それを会社がきちんと手当をしていくことが必要なのだと思いますね」

在宅勤務中心の井上さんは現在、ジンズ社の社長に会うときだけは出社し、リアルで対面していることを明かしました。その理由は「僕の考えていることの外から話してくれる。思いもよらない視点をくれる」からだとのこと。

井上さんが一生懸命に考えてプレゼンしても、「明らかにリアルで会っていると、つまらそうだと分かる。全然聞いてないって」。オンライン会議システムのZOOM(ズーム)では、「心理の動きをどうしても追いきれない。違和感を引き取れないと仕事にならない」と話しました。

井上さんの上司発言の時、津田編集長は思わず大爆笑。配信していたユーチューブのコメント欄にも「上司あるある。。w」との書き込みがありました。筆者も思わず吹き出しました。

筆者個人の感覚では、自分が生徒の立場にあり、先生からほぼ一方通行である分野の知識を得るのならば、ズームなどのオンライン会議システムでも十分に可能です。書類を用意しておき、勝手知ったるメンバーだけで回すのであれば、会社でのズーム会議はリアルよりも効率的になり得ます。実際、ズームを使ったbouncyの編集会議は、中身が濃いです。

しかし、お互いに言葉を重ねて思考を深めていきたい時は、相手との間合いが取りにくいため使い勝手が悪い。仕事柄、ズームでの取材も何度かトライしたことがあります。しかし、初めての相手では、つるっと表面をなでる、刺さった感じが少ない取材成果になることが多かった。

筆者はズームよりも昔ながらの電話取材の方が、相手の呼吸を感じられて楽です。

井上さんからは、コロナ以前にあった会社でのある光景への言及がありました。

若手社員たちがいる席でのこと。彼らはホワイトボードに書かれた井上さんの言葉を消しながら、「あれってどういう意味なのだろうね」と話す「将棋の感想戦みたいな時間」を持っていたとのことです。

確かに、私も20年ほど前に若手と言われた時代、そうした「感想戦」をやった記憶があります。感想戦があったからこそ、腹落ちして消化、吸収できました。

在宅勤務でのオンライン会議は「退出」ボタンを押したら、また一人きりです。移動が必要ない、ビデオカメラに映らない下半身はラフでいいなどのメリットもありますが、時に消化不良感が出ます。

コロナ禍で対面のハードルが上がった今、以前の日常が持っていた、ありがたみが改めて分かります。

筆者の初任地は山口市でした。一緒に会社に入った同期、入社年次一桁の若手の先輩、中堅、ベテランの記者が、山口県内はたくさんいました。そうした「仲間」と、仕切りのないワンフロアのオフィスという「空間」で、一つの記事について、あーでもないこうでもないと語り合う「時間」を持ちました。

地方での新人教育には、意識せずとも「三つの間」がそろっていたのです。会社にも、まだ余裕があった中、ゆっくり育ててもらいました。

コロナ禍でリモートワークをこなしている今、企業では若手どころかベテラン社員でも手探りです。しかも、このwithコロナでの在宅勤務は、数カ月で終わるのではなく、もっと長い長期戦の様相を見せています。

「どうも適応できてないな」「以前よりも仕事が疲れる」と感じていた方々に、今回のバウンシー・ラボが何らかのお役に立てれば幸いです。

イベントで紹介されていた大野さん監修の「こころコンディショナー」や井上さんが手がける「シンクラボ」も活用し、一緒にこの非常事態を長い目で乗り切っていきましょう。

質疑応答も含めた、イベントのアーカイブ動画は、bouncy のYouTubeチャンネルに上がっています。お時間ある時に、よければチェックして見て下さい。


bouncy編集部では、3回目となるオンラインでのバウンシー・ラボ開催に向け、頭の体操を既に始めています。「未来を感じる動画メディア」ならではの企画にしますので、ぜひ次回以降もご参加頂けると光栄です。


大野さん、井上さんに関するご案内

イベントに登壇された、大野さんは最近、「うつな気持ちが軽くなる本」(きずな出版)を出されました。また、井上さんは在宅勤務に最適なブース「Think Lab HOME」の事業も進めています。ご興味を持たれた読者は、サイトにアクセスしてみた下さい。

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