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リモートワークでわかること。NRI、三菱地所、キャスターそれぞれの知見 #未来の働き方【#1】

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思わぬ形で急速に進んだリモートワーク。bouncyでは様々な会社に「今」をインタビュー、リモートワークの未来を、様々な視点から全4回に渡って考えていきます。

第1回のテーマは「リモートワークにどう対応しているか。」

今回インタビューしたのは、NRI 野村総合研究所、三菱地所。さらに、以前からリモートワーク推進事業を運営するキャスターに、これからの働き方について聞いてみました。

NRI 野村総合研究所

日本初の本格的な民間総合シンクタンクであるNRI 野村総合研究所さん。コロナの前、2016年からリモートワーク体制が整っていたという企業の方に現状を聞いてみました。

インタビューに答えてくれたのは、NRIデジタル所属、林田さん。

ーリモートワークの導入は?
もともとNRIは2016年3月ごろからリモートワークができるような環境が揃っていました。しかし正社員だけ。それを受けて、リモートワーク支援ツールをパートナーの方や派遣の方も使えるようにカスタマイズを加えて、今順次拡大していっています。

ー2016年ごろからリモートワークを推奨していた理由は?
もともとは生産性向上。どんな場所からもアクセスができて仕事ができる方が生産性が上がるだろう、という目的でした。ただ、コロナを受けて生産性をあげるだけではなくてリモートで働くことそのものが推奨されるようになってきたので、いい方向に働いたのではないかなと思います。

ーリモートワーク導入のメリットは?
直接的にわかりやすいメリットとしてはやはり移動時間が短縮。お客さまの先に行ってミーティングをせざるを得ない場合はどうしても移動時間が発生していたので、その移動時間ゼロで切り替えができるのがメリットです。

また、ミーティング相手の家の中が見えるため、家族の人がひょこっと顔を出したりとかペットが遊びにきたりとか面白いことが起きる。

そういったことがあるのがすごい人間らしくて、いままで一緒にスーツを着て働いていた時よりもむしろ人間味を感じてそこはアイスブレイクになるな、と思いました。

ー今後の働き方どんな影響あると思います?
私自身は、おそらくもとに戻ることはないと思います。少なからずオフラインに戻ったとしてもオンライン主体で働くことはあまり変わらないと思います。そうなった時にポイントになるのが成果の測り方。

会社に行って机に座ってキチンと作業することが成果としても評価されていたと思うんですけど、これからは成果を出すか、多分成果主義の考えが主流になると思うのですが、成果をいかに出すかにコミットする必要があるのかなと感じます。

ー何かおすすめグッズありますか?
ホワイトボードツールが家にあると便利ですね。オンラインツールでも書く機能はありますが、どうしてもペンタブとかもっていないと難しいのでちょっとした何かイラストを書きたいときにホワイトボードがあるといいです。

三菱地所

環境への配慮などESG(環境・社会・ガバナンス)の観点からまちづくりを展開する三菱地所。

大企業ならではの、コロナ禍で実感したリモートワークの課題について住宅業務企画部の中村さん、会社のシステムなどを管理するDX推進部の澤田さん、さらに人事部の根神さんに、それぞれの立場から話を聞きました。

ーリモートワークの難しさありますか?
住宅業務企画部 統括 中村さん
この4月から新しいことを新しいメンバーでしているが、社内のメンバーが今余裕があるのか、忙しいのかさえわからない。

オンライン・オフラインのメリットデメリットを認識したうえでうまく活用するのが重要になってくる。
ーリモートワークを支える為の検討事項は?
DX推進部 統括 澤田さん
会社に行かないことで紙での処理ができなくなっている。
ただ、法律上契約書面は必要なので、ツールとして電子契約が出来るようなツールを整備していったりだとか、PCの端末自体のセキュリティ自体をより強化していくというのを考えたい。

ー今後のリモートワークの在り方は?
人事部 主事 根神さん
今回強制的にみんながテレワークをするようになったが、今後選択できるような状況になったときには、必ずしも全員がオンラインだけでつながっているのではなくて、対面の大切さも重要視されてくるのではないかと思っている。

制度をつくる立場としては、わかちあう機会やよりそこに目が行く方法を作っていかなければいけない。

株式会社キャスター

労働革命をミッションに掲げ、リモートワーク導入支援サービス新しい働き方を提唱するキャスター。2014年の創業時からスタッフ全員がテレワーク勤務を実施しているキャスター。

今回は取締役の石倉秀明さんに話を聞きました。

ー「リモートワークを当たり前に」を掲げて、会社を始めた理由は?
例えば東京のオフィスで働いていたら月給で30万とか40万もらっているようなスキルのある方が、オンラインで働くとなると単価が一気に安くなってしまったりする。

「なんでその人のスキルや経験は一緒なのに場所が離れただけでこんなに格差が生まれるんだ」っていうのがそもそも原点としてあり、その人の経験とかスキルが場所を問わず活かせる。それが当たり前のように仕事ができる社会を作りたいっていうのがありました。

ー見直される仕事の成果
そもそも大前提として、成果を追わなくていいことはリモートワーク関係なく仕事として本来一つもありません。だから、成果を測ることはは当たり前だと思います。

ただ、成果主義になるって言われている中で、みんながすごく成果主義のことを勘違いしているなと思うことがあります。

成果は大きく分けると二つあって、1つはみんなが思うインパクトに残る、業績に大きく関わるようなアウトプットのレベル感のはなし。
2つ目に当たり前に行わなければならないことが当たり前にできている。
この2つがあって両方とも「成果」です。ほとんどの会社の仕事は後者で成り立っています。

みんな「1ばっかり求められるようになるのでは?」と考えていますが、会社の中で行われていたどこにも記録が残っていない会話が、チャットのベースになると残るようになるため、普段何がどう行われてきたかがちゃんと残るため、事実ベースがすごく見えやすくなると思います。

きちんと当たり前のことが当たり前にできているということがわかるようになるからこそ、ほとんどの人、ちゃんと仕事をしている人にとっては逆にすごく歓迎するべきことになると思っています。

だから、成果主義にはなると思いますがみんなが言っている「成果」の解像度が少し低いのではないかな?と思っています。

ー昨今大企業でも、システム上出勤しないといけないところもある。解決策は?

インフラやツールは世の中にあるものを組み合わせたらできるため実はほとんど障壁になることはありません。

もちろんイントラにどう接続するかなどはありますが、現実的に全くクリアできないことではありませんし、割とベーシックにBPMをどう設計していくかなどはできます。

その辺はどちらかというと大企業も中小企業も含めて準備をしたら基本的にはできる話なので、変える上で自分たちも変化をしなければいけない心理的な障壁、特にマネジメント層のほうが一番大きそうだなあという感じがします。

最初から我々と同じようにできるはずがありません。僕らは6年リモートでやってるし、出勤しなくても事業が成立するようにビジネスモデルもそうなっています。

実は小さく始めるっていうのがすごい大事で、いきなり全部そのまま移行しなければいけないっていう前提で考えると動けなくなるだろうな、と思います。

ー企業によってリモートワークへの課題はまちまちだと思うのですが、現状他会社はスムーズに移行できていると感じますか?

全然できていないですね。(笑)

ニュースみていたらわかるように何パーセントとかなので。
今はスムーズに移行することが問題ではなくて、緊急時でもできるように最低限はしておく体制を会社がどのように作るかっていうのが多分論点ですね。

いきなり100パーセントで明日から出勤した場合と全く同じように家でできるようにしなきゃ、みたいな感じで考えてしまうのが問題だと思います。

ー今後リモートワークも含め働き方がどう変わっていくと思いますか?

今のように、人と会う、人と集まることのリスクが非常に高いことであるというのをみんなが理解をした。それと、リモートワークをしたことのなかった会社がやらざるを得なくなり、体験をしている。この2つは結構大きいインパクトになるのではと思います。

例えばいま、人と会えなくて寂しいだとか、お子さんが家にいる中でリモートワーク大変だとかありますが、それはリモートワークの問題ではなくコロナで自粛しているから大変なだけだと思います。

今の状況で好きな人と飲みにいけて、外にも遊びに行ける。お子さんがいる家庭だと保育園だとか学校に行っていてその時間仕事ができる。このようになって通勤もない場合割とその生活を想像すると多くの人や会社がそれをいいね、と思うことが増えると思います。

ーbouncy読者に向けてメッセージをお願いします
 
僕がいつもよく言っているのはリモートワークはなにも特別なことではないということです。

やることは変わらないし、仕事が変わらない限り求められていることや果たすべきミッションは一緒。ただ働く場所がオフィスじゃなくなるだけ。個人としては出すべきことは本来変わっていないはず。

それをチームでやろうとすると、コミュニケーションの取り方や仕事の進め方、使うツールが変わるだけです。

小さい変化がいろんな分野で少しずつあるだけなので、あまり恐れず焦ることなくすることがとても重要で、逆に起こるツールの変化やコミュニケーションの仕方はやっていく中でチームにベストな方法をサクっていくしかないかなと思っています。

CREDIT
Videographer :idosense
Curator :吉田伸太郎
SNS :にしまり

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