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医療現場の負担を軽減するウェアラブルチェア「archelis」

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長時間にわたる手術。自分自身や家族が手術を受ける場合、長時間の手術に耐えられるのか心配になるだろう。しかし長時間頑張らなければいけないのは、患者だけではない。

手術を行う執刀医もまた、相当なエネルギーを要求されるのである。手術中、常に集中力を保った状態で立ちっぱなしでの対処が必要とされ、休むことを許されない彼らの負担は想像を絶するものがある。

そんな彼らの身体的負担を軽減するために開発されたのが、ウェアラブルチェア「archelis」である。千葉大学フロンティア医工学センターの准教授である川平 洋氏と、プレス金型メーカーの株式会社ニットーによる共同開発で、特殊である医療現場のニーズに応えるプロダクトである。

「archelis」とは?

ウェアラブルチェアという単語に、あまりピンとこない人は多いだろう。言葉の意味の通り「archelis」は、「身に着けられる椅子」なのである。

身体にフィットする人間工学に基づいたデザインで、膝関節及び足首の角度固定ができ、“歩く+中腰姿勢の維持”を繰り返し行うことが可能。中腰姿勢というのは、中腰の姿勢で「座る」事ができるということだ。見た目には、ただ少し膝を曲げて立っている状態に見えるが、実際に身に着けている人には、しっかりと腰を落ち着けて座っている感覚だという。

つまり立って行う手術を、「archelis」を身に着けることにより、まるで座っているかのような安定さと腰の負担を低減し、行うことができるということだ。

スネと大腿部に広い面積のサポートがあり、圧力を分散しながら体重を支えることが可能。これにより、手術中の筋肉疲労を低減し、安定した長時間の姿勢保持を行うことができるという。片足ずつ独立したセパレート設計になっており、姿勢に合わせて自由にスタンスを取れることが特徴とのこと。

「archelis」が生まれるキッカケ


ユニークな見た目の「archelis」。開発のキッカケは一体何だったのだろうか。

川平 洋氏の専門分野は内視鏡外科学、消化器外科学である。自らが手術を行う中で、術後の腰の痛みをどうにかしようと考え、「archelis」の構想が浮かんだという。そして株式会社ニットーと共同で機器開発を始めたのだ。

オペ室は特殊な環境であり、確実な動作と器具への安定性が求められるという。「archelis」は、コードレスで電源エネルギーを必要としない設計になっているアナログ機器のため、常に使えて、コード接続が不要という点で安定したパフォーマンスを可能にしている。


長時間の手術のため開発されただけあり、素材も「強靭・軽量」を実現している。株式会社ニットーが長年培ってきた加工技術を駆使し作られた金属パーツを採用。カーボンパーツで、体重を支えている部位の広い面を構成している。人の身体にフィットする柔軟な仕様になっている。

川平 洋氏は「“体幹の安定”が手術の安定性に大きく影響を及ぼす」と語る。「archelis」は、手術執刀医の負担を軽減させるだけではなく、長時間に渡る難しい手術の成功率をも押し上げてくれる希望のプロダクトかもしれない。

現在も開発中とされている「archelis」の完成を、世界が待ち望んでいることだろう。

archelis

Courtesy of 株式会社ニットー


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