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イギリス政府公認サイボーグ Neil Harbissonが日本にやってきたねらいとは?

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2012年に世界的なカンファレンス「TED」に登壇し、たちまち世界中から注目を集めたスペイン、カタルーニャ地方育ちの現代アーティスト・Neil Harbisson氏。頭にアンテナを埋め込むことで、色盲というハンデを克服するどころか新たな「感覚」を持つようになり、表現の可能性を拡張した人物だ。

彼のアンテナは電子機器の着用が認められていないパスポート写真としても特別に認められ、現在在住しているイギリスでは政府公認サイボーグとしてますます注目を集めている。

来日の目的はミュージシャンとの初のコラボ

12月11日に2度目の来日を果たしたNeil氏。インタビューを打診すると快く引き受けてくれた同氏に、今回の来日の経緯を聞いた。

ーー来日の経緯は?

Neil:僕が今回来日した目的は、ニューヨークのWEBメディア「HEAPS」と「LEXUS」のアートプロジェクトのためです。

ーーどんなプロジェクト?


Neil:日本のミュージシャンと「LEXUS」の自動車の塗装から音を得て、新たな「音楽」をつくるというコラボレーションです。

ーー「LEXUS」の音とはどういうこと?


Neil:色の違う「LEXUS」の車から音楽を作曲することはとても興味深くそれぞれ違う「色」の自動車が、僕にとっては違う「音」に聞こえて、僕たちはその自動車の「音」で曲をつくることにしました。

それぞれの車は特定の音も持っているから、その音を僕らの音楽に取り入れることもできる。きっと面白いものを聴かせられると思うよ 

「LEXUS」の「色」をテーマにしたセッションとは?

Neil氏とコラボレーションをするのは、ダンスミュージックを主軸とし、ハウス・テクノから、ドラムンベースやアーバンメロウなバンドサウンドまでを横断するトラックメーカー集団「CLAT」と、ヒューマンビートボックスアーティストとして過去に3度の日本一に輝き、圧倒的なスキルと独創的なグルーヴを持つ気鋭のアーティスト「KAIRI」。


聞けば、Neil自身、ミュージシャンとのコラボレーションは初めての試みで、とても楽しみにしているのだとか。会場となる東京・青山にある「INTERSECT BY LEXUS」には、抽選で選ばれた30人が集まり、セッションにアツい視線を向けた。


セッションはまずNeil氏の音から始まる。「LEXUS」の車の塗装から得た不思議な音で4つ打ちのリズムを作り、そこにKAIRI氏にビートが重なる。更にCLATが幾つものサウンドトラックを重ねていった。

どこか神秘的なNeil氏のサウンドと声から生まれた生命力のたぎるビート、そしてスキルフルなトラックが多レイヤー構造に重なり、混然としたサウンドが会場を包み、独特のグルーヴ感を生み出していた。


最後に、拍手が鳴り止まぬ会場の外で、Neil氏に30年後の世界をどう思い描いているか訊くとこんな答えが返ってきた。

Neil:人の体にテクノロジーを埋め込むことが普通になる日もそう遠くないんじゃないかな。僕らはすでにテクノロジーを身につけることで心理的に一体になってきている。次の段階はもっと人々が生物学的にテクノロジーと一体になり(今まで人が持っていなかった)新しい感覚を得て自然に知覚できる身体になることだね。

僕らは新しい時代の変換期にいると思う。ただ単にテクノロジーを使って暮らすのか、それとも自分の体にテクノロジーを取り入れるのかという決断のね。

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Neil氏は彼のようなサイボーグがめずらしくない世界を、思い描いていた。たしかに彼の魅力的なセッションに多くの人が魅了された。そんな新しい感覚のセッションが身近に感じられる時代もそう遠くないかも?


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